ゲーミングキーボードの軸とは?

メカニカルスイッチの種類を判別するパーツ

「軸」とは、メカニカルスイッチの内部に搭載されている十字形のパーツの名称で、色によって種類分けされているのが大きな特徴。一般的なメンブレン式とは違いキーが独立しており、軽快な打ち心地と高い耐久性が強みだ。メジャーな軸からマイナーな軸まで膨大な数の種類が存在し、軸の色は同じでもメーカーによって性能が微妙に異なる場合がある。

なぜ「軸」と呼ばれるのか

キースイッチを構成するさまざまなパーツのうち、「軸」は押し込みによって可動する部分を指し、キーキャップを装着して支える役割も持つ。スイッチの役割の中心に据えられたパーツのため、「軸」と呼ばれている。

軸の種類と特徴一覧

メカニカルスイッチには、代表的な赤軸、青軸、茶軸以外にもさまざまな種類がある。同じ色の軸でもメーカーごとに性能が細かく異なるので、商品を選ぶ際には注意しよう。今回は、メーカー問わず軸の色ごとに大まかな特徴の違いをまとめたので、ぜひ参考にしてほしい。

赤軸 クリック感がなく、滑らかで軽い打ち心地を持つ。
青軸 押下の際に強い引っかかりとクリック感があり、カチッと音が鳴る。
茶軸 青軸のような音は鳴らないが、押し込んだ際に若干の引っかかりがある。タクタイル感と呼ばれている。
黒軸 赤軸のような滑らかな打鍵感を持ちながら押下圧が強く、重たい押し心地。
黄軸 一般的には、赤軸と黒軸の中間程度の押下圧を持つ重めのスイッチ。Razer製の黄軸は反応速度が早く、銀軸と同程度の仕様になっている。
ピンク軸 赤軸のような滑らかな打鍵感と高い静音性が特徴。
銀軸 赤軸系の滑らかな打鍵感と反応速度の早さが大きな特徴。スピード軸とも呼ばれる。
緑軸 一般的には、青軸のようなクリック感と黒軸よりも重たい押し心地が特徴。Razer製の緑軸は押下圧が軽く、青軸とほとんど同じ仕様になっている。

おすすめの軸

基本的にメカニカルスイッチは、好みに合った打鍵感の軸を選ぶのがおすすめだ。しかし、キーの反応速度や静音性など、打ち心地よりも優先したい要素がある場合には適した軸を選ぼう。

癖がなく扱いやすい赤軸は初心者におすすめ

軽やかな打ち心地から、癖がなく扱いやすい赤軸。キーの作動点(アクチュエーションポイント)が銀軸のように浅すぎず、タイピングミスが起こりにくいのも初心者におすすめできる要素の1つだ。ほとんどのゲーミングデバイスメーカーが赤軸搭載のゲーミングキーボードを販売しているため、選択肢が広いというメリットもある。

FPSで少しでも有利にプレイしたいなら銀軸

キーの作動点が浅く、反応速度に優れた銀軸。一瞬の行動が勝敗を分ける対戦FPSゲームのプレイヤーから人気が高く、プロのe-Sportsプレイヤーの中でも使用率が高い。特に「フォートナイト」では建築を高速で行う必要があるため、反応速度の早い銀軸が好まれている。

しっかりと入力した感覚を味わいたいなら青軸

青軸は、キーを押下した際の強いクリック感とカチッと鳴る特有の打鍵音が大きな特徴。しっかりとキーを入力した感覚が味わえるので、入力ミスしにくくなるのがメリットだ。ただし、打鍵音が大きいので騒音が気になる方には不向きとなっている。クリック感と静音性の両方を求めるなら、茶軸がおすすめだ。

打鍵音をできる限り抑えたいならピンク軸

赤軸に高い静音性をプラスした、静音赤軸とも呼ばれるピンク軸。騒音を気にせずにタイピングできるため、夜中にゲームをプレイする方やオフィスで仕事に使用したい方におすすめだ。仲間とのボイスチャットやゲーム配信をする際、マイクにキーボードの音が入りにくいのも大きなメリット。

ゲーミングキーボードの選び方

ゲーミングキーボードを選ぶ際には、軸だけでなくキーボードのサイズや搭載されている機能なども重要だ。対戦FPSゲームでの使用を考えているなら、マウスの可動域を広く確保できるテンキーレス以下のサイズを選ぼう。ホットスワップ機能がついていれば軸をつけ替えて試せるため、さまざまな軸を試してみたいという方におすすめだ。

Keychron K8

「Keychron K8」は、ホットスワップ機能を搭載したテンキーレスキーボードだ。キースイッチを自由につけ替えられるので、クリック感が欲しいなら青軸、反応速度を早めたいなら銀軸に変更するといったカスタマイズが可能。ゲーミングらしくない見た目から、部屋やデスクに馴染みやすく人気の高いモデルとなっている。

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ロジクール G PRO X

「ロジクール G PRO X」は、赤軸、青軸、茶軸の3種類から選べるテンキーレスゲーミングキーボード。ホットスワップ機能がついており、メーカー純正の3種類の軸以外にもさまざまなメカニカルスイッチをつけ替えられる。着脱式のケーブルにより持ち運びやすく、世界中を飛び回るプロゲーマーたちに人気の高いモデルだ。

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Razer BlackWidow V3 TKL

「Razer BlackWidow V3 TKL」は、メーカー独自のキースイッチを搭載したゲーミングキーボードだ。Razerの黄色軸は、一般的な黄色軸と違ってキーの作動点が浅く、銀軸に近い性能を持っているのが大きな特徴。他社の銀軸搭載モデルと比べて価格が安く、コスパに優れたモデルとなっている。

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Ducky One2 Mini

「Ducky One2 Mini」は、反応速度の早い銀軸を搭載したゲーミングキーボード。テンキーレス型よりもコンパクトな60%サイズを採用しており、矢印キーやファンクションキーを削除した代わりに圧倒的な省スペースを実現している。デスク上のスペースを取らない分マウスの可動域を大きく確保可能なほか、反応速度の早さも相まってFPSプレイヤーに人気のモデルだ。

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FILCO Majestouch2

「FILCO Majestouch2」は、ピンク軸を搭載したキーボード。静音性に優れており、オフィスでの使用や夜間の騒音対策など、タイピングの音を抑えたい方におすすめだ。赤軸を基本に静音化されており、滑らかな打鍵感からゲームにも適したキーボードとなっている。

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まとめ

さまざまな種類が存在する「軸」だが、本記事で紹介したのはほんの一部にすぎない。同じ色の軸でもメーカーごとに性能が微妙に異なる場合もあり、日本では手に入れるのが難しいほどのマイナーな軸を含めると100種類は越えるだろう。「Keychron」や「G PRO X」のようなホットスワップに対応したキーボードであればほとんどの軸を装着できるため、軸についてもっとよく知りたい、いろんな軸を試してみたいという方におすすめだ。