まえがき
2026年2月8日(日)、浜松町にて東京ゲームダンジョン11が開催された。本イベントはインディーゲームが中心に出展されるイベントで、会場2フロアに渡って試遊できるブースなどが展開される。開発者の方と直接コミュニケーションを取りながら試遊できるのがイベント最大の魅力だ。
東京で珍しく雪が降り、足元の悪い中でもイベントの参加人数は2343名にもわたり、イベントの盛り上がりがうかがえる。そんな雪にも負けぬ開発者・参加者を集めた東京ゲームダンジョン11について、現地の様子や感想のレポートをお届けしようと思う。
アドベンチャー・ノベル
Save My Scrap -セイブ・マイ・スクラップ-
修理士である主人公と、壊れかけのアンドロイド「ハリマ」が紡ぐノベルゲーム。物語を読み進めるだけでなく、随所にパズル要素が組み込まれており、ゲームとしての手触りもしっかりある。独特な世界観を持った一目置かれている作品で、ブース前で立ち止まって見入る人が続出していた。
何より、徐々に親交を深めていく過程と、その先に待つ世界の謎に引き込まれる。スクラップ寸前のアンドロイドとの絆がどう描かれるのか、続きが気になって仕方がないタイトル。
ソフィアは嘘と引き換えに
「精神科医募集中!」という看板の元に人だかりができていたブース。プレイヤーが精神科医となり、5つの人格を持つ少女ソフィアと対峙するマルチエンディング対話型推理アドベンチャー。彼女は大統領候補殺害の容疑で投獄されており、その人格の誰かが真犯人である可能性が高い。精神科医であるプレイヤーは、対話の中で事件やソフィアの全貌を引き出していく。
ゲーム最大の特徴は、会話やヒントからキーワードを推測し、実際にキーボードで「タイピング入力」して尋問を進めるシステム。過去のログやヒントを辿りつつ、自分の言葉で真相に迫っていく没入感があり、ミステリー好きにはたまらない緊張感が漂う。
ノナプルナイン:アシンプトート
開発期間なんと14年。横スクロール型のSFナラティブアドベンチャーで、「被験体」にされた少女を操作して、同じフロアが繰り返すビルの秘密を辿っていくゲーム。「開発期間14年かかってます!」という開発者の方の熱い声が響く中、起動直後のヌルヌルと動くアニメーションからも作り込みが見て取れた。
操作パートでは、気になった場所をタップして調査しながら物語を進めていく。長きにわたる開発の執念と、細部まで作り込まれた世界観の厚みが、画面の端々から感じられる。
ショートショートフィクションズ
異なる視点とゲーム性を持つ3本の短編ゲームを収録した作品。それぞれの短編は独立しているように見えて、全てクリアすることで物語の繋がりが浮かび上がってくる構成になっているとのこと。レトロな雰囲気に懐かしさを覚え、ブースの前でついつい足が止まってしまう。
それぞれのゲームコンセプトも「YESと言ってはいけないゲーム」「どうしても南に行けないアドベンチャー」と類を見ないものになっている。ブースもさることながら、レトロな雰囲気かつ奇抜な設定で話題を呼んでいる。
アイリス・オデッセイ
現代の渋谷を舞台に、行方不明の兄を探す少女「風花」と、犯罪組織を追う魔導師「アイリス」が出会う現代ファンタジーADV。 見慣れた渋谷の風景とファンタジー要素の融合、そして立場の違う二人のバディ感。物語を通じて二人の関係がどう深まっていくのか、現代ドラマと魔法が交差するストーリーテリングに期待が高まる。
RPG
One Turn Kill
1ターンで敵を倒しきるPvE型カードゲーム。タイトルを見て疑問に思い、開発者の方に「1ターンで倒せなければどうなるんですか?」と聞くと「負けです」と言われた。カードをドローすること自体がコストになるため、無駄な動きは一切許されない。

構築したデッキで、ドローを中心とした手札の連鎖やコンボを計算し尽くし、たった1ターンに全てを注ぎ込む。思考の末にパズルが解け、ワンターンキルが決まった瞬間の脳汁は計り知れないだろう。
つるぎ姫
決戦までの「100日間」をどう過ごすかが鍵となる横スクロールRPG。 決戦の日に向けて単に戦うだけでなく、育成や探索要素など選択肢の幅が豊富にある。
進行中に現れる選択肢には成功確率などが記載されており、ハイリスクハイリターンか安定か、プレイヤーの選択によって左右される。限られた時間ではありつつも、「時間を巻き戻す効果」などを駆使しながら最適解を編み出し、最高の状態で決戦に挑むという「準備と戦略」を考え尽くすゲーム。
プロジェクト・ソラリス
「つたわる」をテーマにした、デッキ構築ローグライトRPG。 特筆すべきはドット絵のクオリティ。開発者の方が「相当大変だった」とつぶやいていた通り、敵のモーションが非常に滑らかに動く。
戦闘も単調ではなく、コマンド入力に合わせてQTE(クイックタイムイベント)が発生するため、アクションゲームのような緊張感も味わえる。また、ローグライク要素として毎日「戦う」「休む」「技を覚えさせる」「お金を稼ぐ」などの選択権がプレイヤーに与えられる。ドット絵で昔を感じつつも、システムやクオリティで最新性を感じさせるゲーム。
十二兵装物語
ユニットを指揮して戦う、王道スタイルのシミュレーションRPG。 戦略性はもちろんのこと、仲間との「好感度」システムが物語を彩る。
戦いの中で絆を育み、キャラクター同士の関係性が深まっていく過程が楽しめるため、ユニットへの愛着が湧きやすく、戦闘1つ1つの重みが増していくだろう。また、ユニットの退却時にはデスペナルティが付き、ステータスがダウンすることもあるのだそう。好きなキャラが退却させられた時には2重のダメージが来そうだ。
アクションゲーム
深四のの目 -陰陽の巫女-
ダンジョンを進み、アイテムを拾いながら攻略していく思考型ローグライクホラーアクション。試遊開始直後は「パズルのようなゲーム」と聞いて首を傾げたが、試遊後の解説でその深さに驚愕した。
重要なのは、拾った道具を「どこで消費するか」という徹底したリソース管理。銃弾を無駄撃ちすれば逃げ惑うことになり、大ボス相手には罠を設置して誘い込むなど、戦略がバチッとハマった時の快感は凄まじい。アクションの皮を被った頭脳戦を楽しみたい人にはたまらない一作。
星灯りのまもり姫
魔物の襲撃に備えて仲間を配置しながら、カード選択を重ねて防衛するローグライク×タワーディフェンスゲーム。かわいいデザインが魅力的でありながら、システムはゲーム好きな人にとっても楽しめる設計となっている。
敵の侵入経路を確認しつつ、状況に応じて使用カードを選択し、効果を付与しながら拠点を防衛する。実力はもちろん、カード運にも左右されるローグライト要素を兼ね備えているのが特徴的だ。
Non Eternals
MMOのようなUI画面そのものが遊び場になっているアクションゲーム。タイトルの由来はネットミームの「エタる」から来ているそうで、逆の意味合いにするために文頭に「Non」が付いている。
特筆すべき点は、特定のUI(ウィンドウなど)の隣にスキルを配置することで「隣接効果」が発生し、強化されるというシステムだ。 中身はビルド構築の幅が凄まじく広く、やり込みがいのあるシステム。UI配置にパズル的な戦略性を持たせた斬新な発想が光るゲームだ。
Fidget Widget
「隙間時間にちょっとだけ…」が叶う、PCデスクトップ常駐型ゲーム。1分程度の隙間時間でサクッと遊べるミニゲームが複数収録されている。
UIのデザインとマスコットになっている犬がとにかく可愛い。素晴らしいのは、デスクトップの好きな場所に配置でき、クリック一つですぐにポーズ(中断)できる点。サボり…いや、息抜きへの配慮が完璧で、常に画面の隅に置いておきたくなる癒やしのツールだ。
ウンコテクニカ
タイトル通りのインパクト、そして意外な奥深さ。自動で進む「例のぶつ」をクリック操作でジャンプさせ、壁の反射などを利用して便座(ゴール)を目指すアクションゲームだ。
ただ運ぶだけではない。収集要素や壁への反射回数を最小限に抑えることで「最強」を目指すという、ストイックなスコアアタック要素も完備。物理挙動とバカゲー要素が見事に融合している。
こころガーディアンズ
2体の「ガーディアンズ」の軌道を描いて操作し、小さい味方を集めてウイルス(敵)を攻撃、そして「こころ」を守るというタワーディフェンス要素のあるゲーム。シンプルに見えて、実は脳トレ並みに頭を使う。
2体の異なる軌道を同時に描きながら戦況をコントロールする必要があり、プレイ中は常に脳がフル回転。「頭の柔らかさが鍛えられる」という表現がぴったりの、新感覚な操作感だった。
リズムゲーム
オウギヒメ ~Sense of Princess~
扇(おうぎ)をモチーフにした和風リズムゲーム。曲に合わせてノーツを叩く王道スタイルだが、ユニークなのは「扇の開閉」ギミックだ。
外側・内側へのフリップ操作に合わせて扇が開いたり閉じたりするのだが、合わせてノーツが流れてくるレーンの幅や位置が変化する。視覚的な面白さと、プレイエリアが動的に変わる緊張感が融合した、目にも楽しい音ゲーだ。
ゲーム制作ツール
RPG Developer Bakin
「プログラミングなしでRPGが作れる」という夢を叶える制作ツール。ゲームのようにゲームを作れるうえに、2D/3Dの美麗なグラフィックを実現できるのが特徴。開発者様から「ぜひ撮っていってください!」と言われたスローガンが印象的なブースだった。
画面作りの美しさや、直感的な操作感もさることながら、「自分だけの世界を作りたい」というゲーマーの原体験を刺激してくれるツール。ブースからも「クリエイティブの楽しさを広めたい」という熱意が伝わってきた。
作業用ADV
Chill with You : Lo-Fi Story
既にリリース済みのタイトルであり、「部屋で生活する少女と一緒に作業をできる」として話題を呼んでいたADV。ゲームというよりは、デジタルライフを豊かにする「環境ソフト」に近いかもしれない。
女の子が生活する部屋を画面に映し出し、LoFi音楽とともに作業のお供にしてくれる。 心地よいアニメーションと音響は、仕事や勉強の集中力を高めるのに最適。モニターの中に、もう一つの穏やかな時間が流れているような感覚になれる。
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