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『ぼくと釣り日記』は2026年10月8日にイマジニアから発売される、本格派の釣りアクションRPGだ。
『牧場物語』シリーズを手がけたトイボックス和田康宏氏が開発を手がけており、「釣り」がメインのゲームとして、架空魚や、ストーリーに絡んでくるあやかしたちが魅力の作品となっている。
筆者は釣りゲームというジャンルに触れるのが今回が初めてで、正直「アワセ」も「リール」も言葉としてしか知らない状態でプレイをスタートした。そんな初心者でも、10分もプレイすると夢中で竿を振ってしまう体験だったので、その手応えをレポートしていく。
釣りの面白さは初心者でも十分に感じられたので、ぜひ本記事で確認してほしい。
目次
魚が釣れる前の時間まで楽しさとして組み込まれたゲームデザイン
『ぼくと釣り日記』は、本格的な釣り体験とゲームとしての釣り体験、どちらの側面からも楽しめるようになっている。
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釣りの要素自体は多くのゲームで取り入れられているが、キャスティング(ルアー・餌の投げ入れ)後は魚がかかるまで待ち、あとは釣り上げるだけ…というシンプルな内容であることが多い。一方で、『ぼくと釣り日記』は本当に「釣り」がゲームの中心だ。
本作では「水面下に見える魚影に向かって竿を振る」のではなく、岩の近くや水草がある場所など、「魚がいそうなポイントを探す」ことから釣りが始まる。マップから釣り場へ移動してまずやることは、景色全体を見渡しての魚がいるポイントの探索だ。
※主人公の名前は自由に決められる。「たろう」でも「じろう」でも自由で、後から変えることも可能だ。
特に、初めて訪れる釣り場は「のろい」によって色が失われており、ぬしを釣り上げないと色が戻らない。そのため、オブジェクトの形やモノクロ風景の濃淡を注意深く観察し、少ない手がかりから正解を探して試行錯誤する必要があった。
この“もどかしさ”は、近年のトレンドともいえる「手取り足取り」でサポートしてくれるようなゲームとは逆行する体験だ。
一見、不親切なゲームだと映るかもしれない。しかし和田氏もインタビューで語っていたように、釣りたい魚や釣り場の特徴から「このあたりにいるかもしれない」と考えを巡らせ、手探りで魚を釣り上げるプロセスは、現実の釣り体験をベースに構築されている。
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「明日どこへ行こうか」「あの魚を釣るならどんな道具がいいか」――そうやって思いを巡らせ、前準備をすることにこそ釣りのリアルさが凝縮されているのだ。
それに、右も左も全く分からない状態で放り出されるわけではない。ゲーム内では「岩のそば」「水のはもんがあるところ」、さらには「川の右がわの上の方を」などキャラクターからヒントがもらえたり、「さかな図鑑」を見れば魚の生態を逐一確認できる。
「さかな図鑑」には生息域に加えて適切な餌も記載されているので、釣り経験がないプレイヤーも「何をしたらいいかわからない」という状況にはなりにくい。ゲーム内で確認できる情報から場所を推測していくプロセスは、パズルゲームや謎解きゲームにも近しいものがある。
ただ正直なところ、釣りにあまり馴染みがない筆者はこれらのヒントを活用しても最初はうまくいかず、戸惑う場面が多かった。
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「さかな図鑑」を見て餌を変えたり、「大岩付近や木陰」「水没した立ち木」というヒントをもとに探してみるものの、そもそも釣りの経験や知識が圧倒的に不足していたため、「魚がいそうな場所…ってどこだ…?」状態になっていた。
結局、初めは数撃ちゃ当たる作戦で片っ端から竿を振ってみることに。ポイントが合っていればしばらく待っていると魚影が近づいてくるので、20~30秒ほど経っても何も起こらないようなら場所を変えてみるのがいいかもしれない。
そんな釣り超初心者でも、想定されるポイントをひとつずつ試していくなど地道に試行錯誤を繰り返すと、次第に「次はきっとこのあたりだな」と予測が立つようになっていった。苦労するからこそ、正しい場所を見つけた時の嬉しさや、目的の魚が釣れた時の達成感も大きい。何度も悩んだ末に「ああ、こういうことか!」とハマった時の気持ち良さは格別だ。
魚がかかると始まる、ゲーム性たっぷりの釣りバトルアクション
正しいポイントを見つけた後は魚とのバトルが始まるが、ここから先の駆け引きは想像以上にアクション性が高かった。
魚が食いつくと画面に「!」が表示され、Lボタンで竿を倒し、針を引っ掛ける「アワセ」を行う。魚がかかるとバトルが始まるのだが、魚が潜むポイントを探していた時までとは打って変わって、魚の動きに応じた操作が求められる。
まずリールの巻き方には「速巻き」と「遅巻き」の2種類があり、ZRで行える速巻きは魚を素早く引き寄せられる反面、糸が切れやすい。一方、遅巻きは糸が切れにくい代わりに引き寄せ速度が下がるので、糸を切られてしまうようなら遅巻きで慎重にリールを巻き取るなど、魚の引きの強さに応じた使い分けがポイントになる。
また、魚が泳いでいる方向は画面左下のガイドで確認できるのだが、進行方向と逆向きに入力すると、魚をジャンプさせて体力を削ることが可能だ。魚は疲れてくるとあまり強い引きをしなくなるので、積極的にジャンプさせることがバトル攻略のコツになると感じた。
ただし、魚も種類が変わると動きに変化が見られるので、全ての魚に対して同じ攻略方法というわけにはいかない。
ガイドは糸が切れそうになると赤くなるが、逆に糸が緩みすぎて針が外れそうな時には黒くなるので、その場合は急いでリールを巻き取る必要がある。さらに、こちらがジャンプさせなくても魚が自らジャンプすることもあり、その時は針を外そうとしているサインだ。動きを見たら下方向に入力して竿を倒し、針が外れないように対処しなければならない。
このように、魚とのバトル中に生じる操作は多岐にわたり、ぬしなど難易度が高い魚ほど瞬間的な判断が求められるシーンも多くなっていく。
実際、2つ目のマップのぬしは、餌にかかったと思うとすぐさま糸を切られてしまった。
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手強い魚ほど、リールを巻き取るだけだとすぐに糸を切られてしまうので、ガイドを参考にして時には魚が動くのと同じ方向に入力し、一時的に糸を緩める判断が必要になる。ガイドを見て瞬時に最適な操作を判断し、隙を見てジャンプや巻き取りを狙うことを繰り返していくのだが、これがなかなか忙しい。
魚とのバトルは数十秒、ぬしクラスでも数分で終わるものの、油断すると糸を切られてしまうのでバトル中は気が抜けず、常に緊張感のある駆け引きが繰り広げられる。
しかし、その中で糸が切れるか切れないかのギリギリを狙いながらうまくジャンプさせられたり、間一髪のところで針が外れるのを防ぐことができると、その度に小さな達成感が得られるのが心憎い。画面にも「やった!」「よしっ!」と文字が表示されるので、自然と「次もやってやる」という気持ちにさせられる。
小さな成功が積み重なっていく感覚には確かな手応えと嬉しさがあり、ついついやめ時を見失ってしまった。
天候や時間、選んだ道具で攻略が変わる釣りの奥深さ
もう一つ、初心者ながらに「奥が深い」と感じたのが、天候や時間帯、釣り竿や餌によっても釣れる魚が変わる仕組みだ。
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魚は天気によって活動範囲を変え、時間帯によっても釣れる顔ぶれが違ってくる。たとえばカジカは夜行性で、図鑑にも夜釣りが有利だと書かれており、浅瀬の岩の間に隠れているという。
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釣り場ごとの特徴もはっきりしていて、見晴川であれば小さい魚から中くらいの魚が中心で、浮き釣りに向いている、というように場所ごとに得意な釣り方が異なる。
その特徴に合わせて釣具を選ぶことが、結果的に釣果を左右してくるようだ。
そして、疑似餌を使った釣りはさらにもう一段階上のテクニックが要求される。疑似餌だと、ただキャスティングするだけでは魚はかからないので、疑似餌ごとに適したテクニックを使わなければならない。
例えば「キングミノー」なら、リールを巻き取りながらロッドを小刻みに振る「トゥイッチング」をする必要がある。
今までにない操作なのですぐにできるか不安だったが、テクニックがきちんと発動した時にはガイドが光ってわかるようになっているので心配はいらなかった。釣り経験者なら餌の動き方でなんとなくわかるのかもしれないが、テクニックの名前すら初めて見る初心者には、こうした丁寧なガイドは非常にありがたい。
さらに、疑似餌を使い出すタイミングでは釣り竿も初期のものに加えて「遠くの疑似餌竿」を入手できた。
その名の通り疑似餌が使える釣り竿で、釣り竿にはそれぞれ「飛距離」「巻き取りスピード」「糸の強さ」というステータスがある。釣りたい魚に応じて道具を揃え、適切な組み合わせで釣ることが重要になりそうだ。
「のろい」から始まるあやかしとの交流と、架空魚との邂逅
これまでに解説してきたように、『ぼくと釣り日記』は明確に釣りがメインのゲームではあるのだが、実はそれ以外にも様々な楽しさ、面白さが詰まっている。
まず取り上げたいのが、物語に深く関わってくるあやかしたちの魅力だ。
『ぼくと釣り日記』には、たぬきのあやかしや、ねこのあやかしなど、個性的なあやかしが登場する。
「神さま怒るとき、あやかしさわぎだし」「ぬしはなたれ、のろいがふりかかる」「ぬしをつりあげれば、のろいはとかれる」――作中でこう語られる通り、本作では各地に「のろい」がかかっている。そして、「のろい」の影響を受けるのは釣り場だけでなく、あやかしたちも言葉を話すことができなくなったり、真の姿に戻れなくなって困っていた。
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主人公がぬしを釣り上げると「のろい」が解けるので、釣りがあやかしたちを助けることにつながるわけだ。
プレイしてみる前はあやかしたちがどんなふうに主人公に関わってくるのか、敵なのか味方なのかが気になっていたのだが、ストーリーを進めてみるとかなり友好的に接してきてくれていい意味で驚いた。
何より、まつやまいぐさ氏の優しいタッチもあり、キャラクターたちには独特な親しみやすさ、温かさが溢れている。
「のろい」が解けたあやかしたちの中には主人公に力を貸してくれるものもいて、釣った魚をあげるとどんぐりに交換してくれたり、どんぐりと交換で釣り竿や餌などを用意してくれた。
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また、「のろい」が解けたあやかしたちは自宅でのんびり過ごしていたりもして、くつろぐ姿を見るたびに愛着がわいていく。
ぽこみからは「見晴川でアブラハヤを30秒以内に釣ってきて」と「うでだめし」を提案されることもあり、クリアするとどんぐりを1,000個もらえるなど見返りも大きいのでお願いを聞いて損はない。何より、可愛いのでついやってあげたくなってしまう。
さらにストーリーを進める推進力となるのが、じいじをはじめとしたキャラクターたちのクスッと笑ってしまう掛け合いだ。じいじは「れっつごー」とか「わーるどまっぷ」とか、果てには「ジョーク」まで言ったりして、主人公に釣りの仕方を詳しく教えてくれるナビゲーター役であると同時に、物語の雰囲気を和ませてくれる。
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そして主人公はプレイヤーと同じ目線に立って、表情からして「このじいさん…」という反応をしてくれるので、キャラクターたちの会話に置き去りにならず、共感しながら楽しむことができた。
さらに、『ぼくと釣り日記』の面白さを語るうえで絶対に欠かせないのが架空魚である。
ライギョがカミナリに打たれてあやかしとなった「神成魚」をはじめ、
木魚、ならぬ「黙魚」。木魚にナマズの魂が入り込み黙魚となって蘇っ…?何を言ってるのかちょっとよくわからないが、
「コイのぼり」なんていう架空魚もいる。もはや魚でもなんでもなく、鯉のぼりである。目がジワる。
インタビューでも和田氏が「バカらしくてくだらないこと」を意識的に入れていると言っていたように、『ぼくと釣り日記』では「遊び過ぎだろ!」とツッコミたくなるような架空魚が大量に仕込まれている。ネーミングやビジュアルに遊び心が溢れていて、架空魚が出てくるたびにとても楽しい。
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ちなみに公式PVではもっと「魚???」と思うような架空魚も登場しており、開発者の和田氏によると、ラストに出てくる虎のような魚は「半身虎魚」というらしい。読み方は「はんしんたいがーす」…阪神タイガース!?!?
という爆笑ネタもある一方で、「オイカワ」や「アユ」、「ニジマス」など普通の魚もたくさん登場するので安心してほしい。ただ、普通の魚を真面目に釣っている途中でおやじギャグのようなくだらなさ全開の架空魚が出てくると、やっぱりちょっと笑ってしまった。まんまと術中である。
釣りゲーム初心者だからこそ味わえた、釣りが「できた」時の達成感
『ぼくと釣り日記』は魚を釣り上げる瞬間だけでなく、釣り全体の楽しさを落とし込んだ作品だ。
釣りにほとんど触れたことのない状態でプレイした筆者にとって、『ぼくと釣り日記』は釣り場探しからアワセ、リールでの駆け引き、疑似餌のテクニックまで、一つひとつのシステムを新たに学びつつ覚えていける作りになっていた。
与えられたヒントを頼りに、手探りで試行錯誤する。その不自由さがあるからこそ生まれる達成感は短いスパンで「報われる」感覚を得ることができ、釣りゲームが好きなプレイヤーでも、釣り未経験者でも十分に楽しめるはずだ。
まつやまいぐさ氏の温かみあるイラストや、あやかしたちの茶目っ気も作品の魅力を強力に後押ししているので、新たな本格釣りゲームとして、そして初心者に向けた釣りゲーム入門としても、素直に楽しめる一作としておすすめしたい。
『ぼくと釣り日記』の基本情報
| ゲーム名 | ぼくと釣り日記 |
|---|---|
| ジャンル | 釣りアクションRPG |
| プラットフォーム | Nintendo Switch / Nintendo Switch 2 |
| 価格 | 6,578円(税込) |
| リリース日 | 2026年10月8日 |
| 公式サイト | https://bokutotsurinikki.imgs.jp/ |
| 公式X | https://x.com/Imagineer_info |
| コピーライト | © Imagineer Co., Ltd. / TOYBOX Inc. |
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