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釣りの本格的な奥深さと、誰でも遊べる間口の広さ。この一見両立が難しいテーマに挑んだのが、2026年10月8日にイマジニアから発売される釣りアクションRPG『ぼくと釣り日記』だ。

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今回は本作の開発者であり、過去には『牧場物語』シリーズも手がけたトイボックス和田康宏氏にインタビューを実施。本作の企画が始まったきっかけから、メインである「釣り」の作り込み、世界観づくり、そしてシナリオに込めた想いまで、じっくりとお話を伺った。

釣り好きに贈る、「本格派」の釣りアクションRPGを

――まず最初に、なぜ今あえて「釣りのアクションRPG」というジャンルを作ろうと思われたのか、きっかけを教えてください。

和田氏:きっかけは、トイボックスのクリエイターである金沢が、イマジニアさんのアドベンチャーゲーム『ミステリーの歩き方』を作らせていただいたご縁で、ミーティングや飲み会でご一緒する機会があったことですね。

今の釣りゲームはよくあるミニゲーム的なものや、スマホのアプリでタイミングよくポチポチするカジュアルなものはあるけれど、家庭用ゲームでちゃんとした釣りゲームがない。
昔はバスフィッシング系のタイトルや、糸井重里さんが手がけられた釣りゲームなどがあり、それを喜んで遊んでいたユーザーもたくさんいたので、釣りゲームを待っているユーザーさんも多いんじゃないか、という話になったんです。

僕は僕で、昔いたパック・イン・ビデオやビクターインタラクティブソフトウェアの時代から『川のぬし釣り』や『フィッシュアイズ』といった釣りゲームに関わったり、横で開発を眺めたりしていたというのもあって、僕だったらこんなゲーム、僕ならではのゲームができるんじゃないかな、というのがあったので、企画を作らせていただいて、というのがきっかけです。

――和田さんならではの部分というと、どんな構想があったのでしょうか。

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和田氏:最初は、ものすごくリアルな釣りゲームを考えていました。世界中の釣り場があって、道具も実在メーカーのものを再現して…どうせ作るならそれくらいやるのがマックスだろう、と思ったんです。

ただ、いろいろ取材をしたり企画を詰めたりしていくと、とてもじゃないけれど5年、10年かかりそうだなと。時間もお金もかかりますし、今、家庭用のコンシューマーで新たにオリジナルのソフトを作るのは、いろんな意味でなかなか難しい。
だから世の中にオリジナル作品がなかなか出てきにくい状況になっていますし、版権物のようなタイトルはビジネスとしての計算が立つから皆さん作られています。
もちろんそれで面白いものもたくさんありますし、それが悪いわけではないんですが、やっぱり「新しいものを生み出していかないとゲームの未来は明るくないんじゃないか」と僕は思うんです。それこそ、もう発売から25年以上が経つ『牧場物語 ハーベストムーン』などを作ったくらいの頃からずっと一貫している想いです。

そう考えると、最初はなるべくコンパクトな作りで、狭くてもその中でより深いもの、「やって良かった」と思ってもらえるようなプレイ後感…読書の読後感じゃないですけど、「遊んでみて良かったな」「面白かったな」と思ってもらえるようなものを作れるんじゃないかということで、ちょっとシフトしました。
そのうえで、僕ならではのものって何だろうと考えた時に、リアルな釣り、本物の釣り場や本物の釣り具、というのを最初は考えていたんですけど、180度転換して、自分なりの世界観やキャラクターが出てくる中で、その世界に浸りながら楽しめる釣りにしたらいいんじゃないかな、と考えました。

「釣りの楽しさ」の本質を追求し、ゲームに落とし込んだ

――「釣りの楽しさ」をゲームに落とし込むにあたっては、どのようなことを意識されましたか?

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和田氏:最初にこんな企画にしたいと言った時に、じゃあ釣りの面白さって何だろうね、ということは開発の内部でも話しましたし、イマジニアさんとも話をしていました。
実は釣りの面白さって、釣っている時だけじゃないんです。明日どこに釣りに行こうとか、そこにはどんな魚がいるとか、あの魚を釣るならこういう道具がいいとか、そういう前準備も含めて釣りは楽しいんですよ。実際、釣りに行って1匹も釣れずに帰ってくることは本物の釣りでもよくあります。でも、そうだとしても「釣りってつまんないな」とはならないんです。

「ダメだったなー」とはなるけれど、いろいろ調べたり考えたりしながら準備をする楽しさや、あそこにいるはずだと投げてみてやっぱりダメだったとか、思った通りそこにいたとか。その場所の空気や水を体感して、「面白かったな。次は釣ってやろう」と思って帰る。
その感覚をゲームで表現しているものはあまりないよね、というのがあったので、そこを楽しめるようなゲームにしたいなというのがありました。「本格的」にもいろんなアプローチがありますが、『ぼくと釣り日記』における釣りの本格さというのは、そういうところにありますね。

――今回、淡水釣りがメインになっているのも、本格的な釣りを目指されたことが影響しているんでしょうか?

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和田氏:いったんコンパクトに作ろうとなった時に、『川のぬし釣り』が頭に浮かんで、一番身近なのはやっぱり川釣りかな、となったんです。子供の頃にちょっと釣りをしたことがある、という人も近所の川なんかが多いでしょうから。

一方で釣り方や道具の種類にはある程度幅を持たせて、浮き釣り、ルアー釣り、渓流釣りの3種類を用意したうえで、どの魚を狙うかによって餌を変えたり、どのポイントを狙うかによって竿の種類を変えることで様々な釣りのシチュエーションを楽しめるようにしています。
竿は遠くまで届く長さによって3段階あるのと、こんな大きな魚をちっちゃい竿では釣れないよね、ということから強度の概念も組み込みました。

こうした、釣りの手応えに関わる部分は開発現場の釣りの経験値がすごく高かったので、積み重ねられたノウハウを使って手応えが感じられるようにしてほしい、とお願いして今の形になっています。

――実際の釣り経験に基づいて、釣りらしさが再現されているんですね。水の音などもすごくリアルで、没入感が高められていると感じました。

和田氏:音に関しては、ノイジークロークさんにお願いしたんですが、本当にいろいろな現場に足を運んで収録してくださって。「ポトン」という音なら洗面器でも出せたりするんですけど、「バシャン」のような音はちょっと大きい桶だったり、あるいはプールみたいなところだったり、生に近い音を収録していただいています。

――現実の釣りだと天気や時間帯も釣れやすさに影響してきますが、そのあたりもゲーム内に落とし込まれているんでしょうか?

和田氏:はい。ゲーム内では明示されていないんですが、『ぼくと釣り日記』では魚のランクが4段階くらいにわけられています。
高いランクになるほど天気や時間帯といった条件が設定されていて、ランクが低めだと晴れでも雨でも、昼でも夜でも釣ることができる。
ランクが高いと夜でなければ釣れないなどの条件がある、といった具合です。このあたりはストーリーの中で示唆されたり、「さかな図鑑」を見ればわかるようになっていたりと難易度面は調整していますが、できるだけ天気や時間帯も含めた、本格的な釣りの楽しさを味わってもらえるように意識していますね。

あえて手間を残し、プレイヤーに達成感を味わってほしい

――本格的な釣り体験、というところでいくと、『ぼくと釣り日記』は新しい釣り場で釣りをする時、ぬしを釣り上げるまでは「のろい」のせいでマップが白黒(モノクロ)です。
色がない釣り場、というのは一見リアルさからは逆行する設定ですが、あえてのモノクロなのでしょうか?

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和田氏:はい。そこはあえて残している部分です。
テストプレイをしてくださった方からも見えづらいという声があって、コントラストの調整を入れていますが、それでもまだ見づらさはあると思います。ですが、僕自身がゲームをする時の楽しみとして、マイナスからスタートして少しずつ何かができるようになったり、少しずつ報われていくというところがあるんです。
なので、モノクロ画面でのプレイは最初は戸惑うと思いますし、苦戦もしますが、十数分~数十分程度でカラーが開放されるようにしているので、なんとか頑張ってほしいなと。ゲームを通して成功体験を用意したいという想いがあるんです。

――先ほど試遊させていただいた時、色がないので魚がいるポイントがなかなか見つけられなくて苦戦しましたが、正しい場所がわかった時には難問が解けた時のような嬉しさがありました。

和田氏:そうそう(笑)「できた」って時はやっぱり喜びたいじゃないですか。
それに、最近はゲームに限らず、映画でもアニメでも3倍速で観たりする人が増えているのが個人的には悲しいなと思っていて。演出の一部として入れられている「間」でも、早く全体像を知って早く次のコンテンツへいきたいからと飛ばされてしまう。
ですが、そこでちょっと立ち止まれるものがあれば、それまでは知らなかった嬉しさや楽しさに触れることができる。そうやって、小さな喜びを積み重ねていく体験をしてもらいたいんです。

――お話を聞いていて、そういえば子どもの頃、『牧場物語』でウシを何度も撫でるのが好きだったなあ、と思い出しました。撫でるたびに「モ~」と鳴いてくれるので、気持ちが通じて早く仲良くなれたらいいなと。

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和田氏:嬉しいですね。あれって1回撫でればゲームの内部処理的には終わりなんですけど、でもやっぱり、子どもにやらせるとずっと撫でていたりするんですよ。シンプルな遊びを自分の中で膨らませて、想像力豊かに遊んでくれている。
そうやって遊んだ子は大人になった時、人の痛みや優しさをきちんと感じられる人になるだろうな、なってほしいなと。だから、そういう要素は絶対に残さないといけないなと思っています。

『ぼくと釣り日記』では、先ほどお話しした魚が釣れるポイントを探すことはもちろんですし、魚とのバトルでも小さな気持ち良さがたくさん感じられるように意識していますね。

釣りバトルは「ゲーム体験」としての楽しさを盛り込んでいる

――確かに、魚とのバトルは小さな成功体験の連続でした。
魚を引き寄せる時に糸が切れないように竿を操作したり、タイミングを見てジャンプさせ、体力を消耗させたり。うまくできた時の快感がどんどん積み重なって、最後に釣れた時に大きな達成感が訪れる感覚が心地良かったです。

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和田氏:魚とのバトルは糸が引っ張られすぎると切れて、緩すぎると針が外れる、という本当にシンプルで単純な駆け引きではあるんですけど、実際の釣りではありえないような要素も取り入れて、ゲーム体験としての楽しさを重視しました。

牧場でいうならひたすら畑を耕したり、パズルゲームでいうなら夢中になってポチポチしたり、そういうところに通じる快感があるんですよね。畑を耕せば種を植えられる、パズルゲームなら連鎖が発生する。うまくいった時の報酬があるから、ついついやってしまう。そんなふうに、ちょっとした気持ち良さが積み重なって長く続いていくような、ゲーム的な楽しさが実感できる仕組みを目指しています。

今までにお話しした、釣れるポイントを探すまでが本格的な釣りの楽しさを味わってもらう段階だとしたら、魚とのバトルはゲームとしての楽しさを味わってもらうフェーズですね。それぞれに違った楽しさがあるので、両方に触れる中で「釣りってけっこう楽しいんだな」と思ってもらえると嬉しいです。

「リアルすぎて釣れない」から出発し、ようやくたどり着いた面白さ

――『ぼくと釣り日記』には現実の釣りとゲームでの釣り、両方の側面から楽しさや達成感が得られる遊びが詰め込まれているんですね。本作の釣りを楽しんでもらうために、苦労されたことなどはありましたか?

和田氏:実は、最初は先ほどお話ししたような、いろいろ調べて「あそこじゃないかな」とか、「あの魚はこう釣ろう」と準備をして行っても釣れない、という経験をそのままゲームにしてみたんですよ。でも全く釣れなくて、さすがにこれはダメだなとなって(笑)

――プロトタイプは釣れない釣りゲームだったんですか(笑)

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和田氏:はい(笑)リアルにするあまり、リアルすぎてゲームになっていない状態だったんです。
「どこに魚がいるか全然わからない」というところから始まって、開発目線でいけるかな、となってもイマジニアさんにやってもらうとやっぱりわからない、釣れない。
そこを解消できたと思って外部のテスターさんにテストプレイしていただくと、さらにわからないことが出てくる、といった感じでした。なので、とにかく初めてプレイされる方でもスムーズに遊べるような方向性に寄せていきました。

画面に出てくるいろいろなUI、例えばガイドや魚のメーターなども最初は全くなかったんです。引っ張る方向と逆側にスティックを倒すと魚をジャンプさせて疲れさせられる、というシステムも、説明はするものの全然できなくて。ジャンプさせようとスティックを倒しても、糸が張りすぎると耐えきれずに切れてしまうわけですが、どこまで糸が張ったら切れるのかがプレイヤーさんたちにはわかりにくい。
そこで、糸の状態がわかるようにガイドを入れたり、魚をジャンプさせるまでにあとどれくらいかが視覚的にわかるようにメーターを入れたりしました。

ただ、そうやって補助機能を入れると「できた」という気持ち良さも薄れてしまうので、そこは魚の動きの複雑さや速度で個性を持たせたり、ランクや大きさによってメーターがなかなか上がっていかないようにしたり。
あとは糸の切れやすさなどでも調整しましたね。レベルデザイン自体は万人向けにしつつ、そこまでいって、やっとゲームとして面白くなったなという手応えがありました。

――今の形になるまでには、かなりの試行錯誤を繰り返されたんですね。

和田氏:そうですね。「このままじゃ面白くない」と感じるところに関しては、もう何回も議論してトライアンドエラーをして。それでも、「ゲームっぽくはなってきたけど面白くないよね」という時期が1年近く続いていました。

一番大変だったのが肝心の釣り部分だったんです。自分たちの想像以上に、テストプレイしてもらったら「わからない」ものが多かったので、どう伝えたらいいかでかなり悩みました。
ですが、そうやって外部の方に意見をいただいて磨いた結果、自分でやってみても前より明らかに面白いと自信をもって言える出来になったので、テストプレイをしてもらって本当に良かったと思っています。

『ぼくと釣り日記』の本番はストーリークリア後から始まる

――ゲームのボリュームとしては、クリアまでおよそ何時間ほどになっているんでしょうか?

和田氏:慣れた人なら2~3時間でストーリーのクリアまではいけるようになっています。初めてプレイされる方でも6~7時間あればいけるんじゃないかと思いますね。

ただ、本番はどちらかというとストーリーのクリア後になっています。プロローグから8章までがメインストーリーなんですが、そこまでだと「さかな図鑑」の埋まり具合は全体の30%ほどなんです。残りの70%はストーリークリア後、9章で釣れるようになっていきます。

――すると、9章以降がすべての魚を釣って「さかな図鑑」を埋める、というやり込み要素になっているんですね。魚は全部で何種類登場するんでしょうか?

和田氏:魚は全部で108種類ですね。

――煩悩の数ですか?(笑)

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和田氏:煩悩の数です(笑)といっても、108種類にそんなに意味はなくて、金沢が「108がいい、108がいい」と言ってて決まっただけなんですけど(笑)

ただ、日本の淡水魚って実はそんなにいないんですよ。図鑑に載っている魚自体は何百、何千といるんですが、同じ形をしていても色が違うキンブナ、ギンブナ、マブナみたいな感じで、亜種がすごく多くて。ゲームとしては同じ形の魚ばかりだとやっぱり寂しいので、なるべく違う種類の魚を入れようとなって、108種類の中には本来なら日本にはいない外来種も含まれています。

――魚のグラフィックやモーションは1種類1種類特徴があって、かなりリアルに作り込まれている印象でした。

和田氏:やっぱり、釣りを主体にしたゲームである以上、主役は魚だと思うんですね。

なので、世界観やキャラクター、ストーリーもしっかり作り込んではいるけど、あくまでも主役を引き立たせるための脇役です。リアルな魚は可能な限りリアルにしたいし、そこを作り込むことでミニゲームやカジュアルな釣りゲームとの差別化を図りたい、という狙いがあります。

「半身虎魚」の読み方はまさかの…!?遊び心満載の架空魚

――魚の表現がリアルだと「釣りをしている」という感覚も強くなりますし、釣れた時が嬉しいですね。一方で、作中に登場する実在しない魚、架空魚はかなりぶっ飛んだものも多い印象です(笑)

和田氏:架空魚は序盤で出てくる「黙魚」とか、「コイのぼり」とか、全部で30種類くらい入ってますね(笑)

「オナラカマス」とか、子どもが好きそうだなと思って。イマジニアさんもそのあたりを広い心で許してくださったので、親子で「面白いね」とクスクスしながら遊んでもらえるようなものを選びました。

――(架空魚を見せていただきながら)この魚、PVにも出ていましたが…「半身虎魚」とは?

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和田氏:これ、「はんしんたいがーす」と読みます。架空魚の名前を考えてくれた、まつやまいぐささんが阪神ファンなので(笑)

――阪神タイガース(笑)
まつやまさんといえば『ぼくと釣り日記』のキャラクターデザインを担当されていますが、もしかして架空魚の名前やデザインもまつやまさんが・・・?

和田氏:はい。まつやまさんが100個以上、ノリノリで書いてくれて。その中でなるべくイマジニアさんに怒られなさそうで、CERO Aでいけそうなやつを30個ほど選びました(笑)

――「ピラピラルク」は、ピラルクがモチーフでしょうか?

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和田氏:はい。ヒラメみたいな、ピラピラのピラルクです(笑)本物のピラルクもちゃんといるんですけど、ちゃんとでっかくてアロワナっぽい形なんですよ。でも「ピラピラルク」は、紙みたいに薄っぺらです(笑)

あとはアリゲーターガーをもじった「アリガーターゲー」とか、魚じゃないのもいますよ。これなんか、メタルなヘビで「ヘビメタル」(笑)

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――「ミドルドッグフィッシュ」は、そのまま犬に見えるような…?(笑)

和田氏:この子は、まつやまさんの愛犬の追悼で。亡くなってしまった愛犬がゲームの中で魚として転生した、という設定です。やっぱり愛が深くて、柄は「なんで左右対称なの?」とか3回くらいダメ出しをもらいました(笑)

くだらない面白さの奥にある、ずっと心に残るメッセージ

――遊び心が光るというか、リアルな魚とのギャップがすごくて面白いです(笑)
架空魚のデザインも、それぞれ個性的ですごく凝っていますよね。試遊で触らせていただいた範囲でも、キャラクターの表情がコロコロと非常に豊かに切り換わっていくのが印象的でした。

和田氏:実は今回、まつやまいぐささんのイラストが今までの比ではないレベルで作中に使われているんですよ。

まつやまさんとは、僕は何十年も一緒にお仕事させていただいているんですが、これまでは基本的にまつやまさんにデザインをしていただいた素材をもとに、2Dや3Dのモデルにしていたんです。ですが、『ぼくと釣り日記』はゲーム内で出てくるイラストは3Dキャラクターを除いてすべてまつやまさんに描いていただいたものを使っています。
ほかのゲームでは絶対にやっていないことなので、まつやまさんの絵がお好きな方にはぜひそこも見ていただきたいですね。

――『ぼくと釣り日記』には主人公やじいじに加えて、あやかしたちが登場しますが、あやかしを登場させようと思ったきっかけは何だったんでしょうか?

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和田氏:やっぱり、他にないものを作ろう、というところが一番大きいですね。

僕はいつも、物作りを始めるときには誰も作っていないものを作りたいという想いがあるんです。そのうえで、釣りゲームを作ろうとなると、基本的には現代が舞台であることが多いんですね。なので、そこは時代として少し古いものにしたいなというのがあったのと、あとはやはり、舞台を和にしたい気持ちがありました。

アメリカだと湖でバス釣りをしたり、渓流でのフライフィッシング、あとは海ですごく大きなマグロを釣るのが主流だったりするんですね。でも、日本人である僕たちが海外の方々にもゲームを遊んでもらいたいとなった時、海外の人が好きなものを想像で作ると、どうしても作り込みが浅い部分が出てきてしまう。
それよりも、僕ら日本人にとっての釣りはこうなんだよ、と作った方がちゃんとしたものができるな、と。そう考えた時に、和を舞台にして僕ならではのゲームを作るなら、ということであやかしを入れることも自然と決まっていきましたね。

――本作には、あやかしは何種類くらい登場するんでしょうか?

和田氏:数自体は10種類くらいですが、マイナーチェンジとかではなくて、それぞれ違った個性の子たちと出会えます。違うマップに行く度に新しいあやかしが登場して、いろいろな要素が開放されていくので、ストーリーでも重要な存在になっています。

――序盤で出会う「ぽこみ」や「うすぐも」など、あやかしたちにもそれぞれ個性があって、愛嬌があったり、お茶目なキャラクターが印象的でした。主人公に対してもかなり好意的ですよね。

和田氏:『ぼくと釣り日記』に登場するのは、基本的には性善説によるあやかしになっていますね。

もちろん、ちょっと意地悪っぽいことをするやつもいるんですけど、基本的にはこちらから害を与えなければ向こうも危害を加える気はない、という感じです。
あやかしや妖怪といった超自然的なものは、概念としては皆さんなんとなく想像がつくと思うんですけど、積極的に人間と仲良くなりたい、あるいは積極的に人間と喧嘩したい、というわけではなく、ただ自然にそこにいて、その存在なりに生きている。そういうものと捉えているので、本作の世界観では精霊に近い存在で、それが動物みたいな形をとって現れている、と思っていただくとわかりやすいと思います。

「のろい」で困っているところを主人公が助けてくれたから、あやかしたちも助けてくれる。たぬきのあやかし「ぽこみ」は道具屋みたいに必要なものを交換してくれます。
そのほかにも魚拓を取れるようにしてくれるあやかしや、魚拓の機能を拡張して泳いでいる魚を見ることができるようにしてくれるあやかしもいます。最初はちょっと感じが悪くても、実はすごく優しかったり、恩はしっかり返してくれたりするので、そういったあやかしとの交流も楽しんでほしいですね。

――じいじやあやかしとのやり取りにも和田さんらしさというか、メッセージ性のあるエピソードだけでなくクスッと笑えるシーンもあり、まつやまさんの絵の優しいタッチもあって、それこそ「まんが日本昔ばなし」を読んでいるような気分になりました。

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和田氏:『ぼくと釣り日記』では、8割くらいはしっかり作り込んだうえで、いかにくだらないものを織り交ぜていくか、というのを隠れたテーマにしているんですよ。

もともと、ずっとやりたいと思っていたのが70年代にNHKでやっていた人形劇なんです。子ども向けでありながらけっこうシュールなところがあって、セリフもバカっぽくてくだらなくて、それが大好きだったんですよね。
まつやまさんとも、一緒にこういうおバカだけどほっこりしたり、笑えたりする絵本を作ろうよと話していて、その中でネタが出た世界観やストーリーが『ぼくと釣り日記』につながっています。

実際、メインストーリーが終わった後のシナリオ…つまりゲーム全体の70%くらいはおバカシナリオなので(笑) バカらしくてくだらなくて、親子で笑いながらプレイできる。
だけど実は、物語の奥にはちょっとした教訓があったりする。あんまり説教臭くならずに、なんとなく伝わるものがある。そんなゲームとして皆さんにお届けできたらと思っています。

「結局釣りじゃないよね」を払拭する、けれど気軽に楽しめる釣りゲーム

――最後に、『ぼくと釣り日記』を楽しみにされている方々へ向けて、メッセージをお願いできますか?

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和田氏:『ぼくと釣り日記』は、釣りをしたことがない方はもちろんですが、釣り好きの方にも喜んでいただける要素をたくさん盛り込んでいます。

最初にお話ししたように、釣りの楽しさは釣れた時だけではなくて、前準備をしている時、釣り場に行った時の雰囲気など、人によって釣りが好きな理由は様々だと思います。
本作でそういった、釣りのいろいろな魅力が味わえるようになっているので、いろいろなゲームに触れる中で、「釣りゲーっていってるけど、結局釣りじゃないよね」と感じていた方もいらっしゃると思うんですが、ぜひもう一度、ゲームの世界に戻ってきてください。

もちろん、釣りをした経験がない人も楽しめるように作っていますし、まつやまいぐささんの絵がお好きな方も、ゲーム内でまつやまさん直筆のイラストをたくさん楽しんでいただけるので、釣り未経験の方は釣り入門と思って触ってみていただけると嬉しいです。
くだらないんだけれどもクスッと笑えたり、なんだか心がほのぼの温かくなったり、そういう世界観と物語になっています。お子さんと一緒に親子でも楽しんでいただければと思います。

『ぼくと釣り日記』の基本情報

ゲーム名 ぼくと釣り日記
ジャンル 釣りアクションRPG
プラットフォーム Nintendo Switch / Nintendo Switch 2
価格 6,578円(税込)
リリース日 2026年10月8日
公式サイト https://bokutotsurinikki.imgs.jp/
公式X https://x.com/Imagineer_info
コピーライト © Imagineer Co., Ltd. / TOYBOX Inc.

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