発売から11日で、国内累計販売本数が15万本を突破した『ほの暮しの庭』。
農作や畜産、村人との交流を楽しむ田舎暮らしと、夜の村で怪異(お化け)に遭遇するホラーを組み合わせた生活シミュレーションゲームだ。
パッケージ版は各所で品切れが発生しており、SNSの盛り上がりも衰えを見せない本作を購入しようか、今まさに検討中の方も多いのではないだろうか。そこで本レビューでは、序盤のストーリーを追いながら各要素を取り上げ、作品の魅力をお届けする。
ユーザーからは生活シミュレーションの完成度の高さに称賛の声が上がる一方、何かと「不穏さ」や「ホラー」も話題にあがる『ほの暮しの庭』だが、実際のところはどうなのか。気になっていた方はぜひ本記事で確認してほしい。
――――――――――
※ゲームシステム面についてはプレイレポートで詳しく取り上げています。本記事ではストーリーをメインで追っていくため、生活シミュレーション要素について知りたい場合はプレイレポートをご覧ください。
目次
スローライフと思いきや…!?冒頭から不穏すぎる「彼ヶ津村」での幕開け
ゲームを開始して髪型や服を選び、主人公の見た目を決めてキャラメイクを終えると、シーンは森らしき場所からスタートした。
少し進むと畑があり、作物の収穫ガイドが出たのでおもむろにカブを抜く。スポン、スポンと野菜を抜いていく感触はそれだけでも気持ち良く、癖になりそうだった。
これからのんびり農作業が始まるのだろう…と、筆者もすっかり油断していたのだが。
シーンが切り換わったかと思うと、突然ニワトリが敷地外に出て行ってしまった。
逃げるものは追いかけたくなるのが常で、ニワトリを追って柵を跳び越え、森の中へ。かなり余談だが、小さくジャンプする主人公がそれだけでもかわいい。ついつい、必要もないのにピョンピョン跳ねてしまった。
ニワトリはどんどん先へ逃げるが、この時点では「待て待て~」と笑いながら追えるほど空気は穏やかだった。
![]() |
![]() |
ところが、ニワトリはなぜか脇目も振らずに森の奥深くへと入って行ってしまう。茂る木々の間を抜け、倒木の上をためらいもせずに渡っていく。
しかも道中には、神域との境界を示す紙垂(しで)と、不浄を遠ざけるための注連縄(しめなわ)が張り巡らされている。『ほの暮しの庭』が「夜廻」チームの手掛けた作品と知っているだけに、明らかに入ってはいけない場所へ踏み入っているのでは、と不安になった。
そして、やっとニワトリに追いついたと思うと、目の前には少女(?)が佇んでいた。
![]() |
![]() |
主人公が様子をうかがうが、少女は微動だにしない。ただ正面を一心に見つめている。主人公は彼女の視線の先にある大穴を見て、一度振り向いてから大穴に向かう。
「まさか…?」と思ったのも束の間、主人公は大穴へ飛び降りてしまった。
映し出されたのは、最初の朗らかな農作業からは想像もできない衝撃的な光景だった。
ついさっきまでジャンプが楽しくて跳ね回っていた筆者も、ここでは言葉を失った。本当に何が起きたのか。血だまりの中に横たわる主人公は大丈夫なのか。理解が追い付かないまま『ほの暮しの庭』のタイトルが現れ、一瞬、同様に衝撃的な始まりだった『深夜廻』が頭をよぎった。
しかしその後、主人公は何事もなかったかのように大穴から這い出してくる。
すでに先ほどの少女の姿はなく、ニワトリもどこかへ行ってしまっていた。
もしかして、主人公は彼女と知り合いで、彼女の身代わりとして大穴に飛び込んだのだろうか…? この穴は生贄を捧げる場所だったのだろうか…? 主人公は何か呪いにかかってしまったのだろうか…?
そんなことを考えながら元来た道を戻っていたら、彼ヶ津村の住人であるコマコに出会った。「大丈夫?」と尋ねられたが、正直なところ回答を選ぶまで10秒ほど迷ってしまった。見た目は無事でも、直前の光景を思えば大丈夫なはずがない。
結局、混乱したまま「ううん」と答えたが、続けてコマコから「ご両親は?」「迷子になっちゃったの?」と質問が。主人公は「……」と黙り込んで何も答えられず、コマコも「どうしよう」と困ってしまう。どうやら、主人公には記憶がないようだ。
その時、コマコと同じく彼ヶ津村の住人キスケがやってきたのだが、主人公にかけた第一声は「なんで帰って来たんだ!?」だった。
キスケによると、主人公は「昔、村から消えたやつに、そっくり」なのだとか。大穴に落ちたのは今さっきのはずなのに「昔」という、早速不穏な展開だが、ひとまずは迷子として村に向かうことに。
ちなみに、ここでようやく主人公の名前を決めることになる。少しぶざけた候補も頭に浮かんだが、結局はデフォルトの「アメ」を選んだ。冒頭から続く不穏さにそぐわず、名前にはハートマークを入れたりもできるのだが、この先ずっと村人たちに呼ばれると思うと妙に真剣になってしまった。
次の場面で、やはりふざけた名前にしなくてよかった、と思うシーンに出くわした。
キスケがリンと話し込んでいて、リンの口から「キスケさんが言ってた神隠しの……?」という言葉が。シリアスな雰囲気全開で、どうやら主人公は神隠しで消えた子どもなのでは、と思われているらしい。何か事情がある様子だが、それでもリンは笑顔で歓迎の意思を示す。
![]() |
![]() |
この「違和感」や「怪しさ」、「何かを隠している」という感覚は、ストーリーの中で何度も味わうことになる。
最初の驚きは、村に案内してくれたリンがボロ家と荒れ果てた土地を押しつけて40万円超の費用を請求してきたことだが…それは「働かざる者食うべからず」ということで、まあ置いておくとしても。
![]() |
![]() |
住人たちは挨拶に回っても意味深な態度で口を聞いてくれない。さらに、夜になると家の扉を激しく叩く何者かが主人公を激しく叱責してくる。
![]() |
![]() |
扉の向こうなので姿は見えないが、まるで主人公が以前から村を知っていて、目的を持って戻ってきたかのように話す。
「まさか本当に自分がなんなのかわからないというのか」という問いかけには、怖さより先に「どういうことだ」と知りたい気持ちが膨らんだ。声は「お前が村を救ってくれるんじゃないのか!?」「この古より呪われた土地の物語に終止符を打つ」ことが主人公の役目だとも言っていて、主人公自身にも重大な秘密が隠されていることが匂わされていた。
こうした体験を通して得た、「この村は何かおかしいのでは?」という疑念が確実なものになるのが、村の一員になるために神さまへ捧げ物をするシーン。リンはなんとヤギさんを井戸の中に放り投げる(!?)のだ。
野菜を供えるならまだわかるが、村長、なんと生きているヤギさんを躊躇なく放り込んでしまう。落ちていくヤギさんの「メエェェエー…」という声がなんとも切なかったが、しかしこのシーンで彼ヶ津村の「おかしさ」を強烈に突きつけられた。
さらに追い打ちをかけてくるのが、彼ヶ津村の掟だ。
| 1. 午後十一時以降外出禁止 2. 村のために協力せよ 3. 見知らぬ者に近づくな 4. 他人の秘密を暴くな 5. 村を出てはならぬ 6. 山からの声に応えるな 7. 失った物を探すな 8. 願いには相応の代償が必要 |
「なんだこれは?」と思ってしまうようなものがいくつもあり、因習村の気配を隠そうとおもしていない。だが逆に、ここまであからさまに禁じられているからこそ、この村には一体何が隠されているのか、住人たちが抱えているであろう秘密とは何なのかが気になった。
荒地を開墾し、作物を育てる楽しさ。地道な作業が愛着を生む「昼の生活シミュレーション」
ともあれ、これで晴れて彼ヶ津村の一員である。早速、荒れ果てた庭を整えることから始めた。
リンに与えられた家と庭は、最初から立派な農園ではない。石や木、雑草が広がり、どこから手を付けようか迷うほど荒れている。不要な物を取り除き、クワで土を耕し、種をまいて水をやる。作業自体は地道だが、雑草だらけだった場所にウネが並ぶと、「ちゃんと畑になった」とうれしくなった。
同じ場所にウネが並び、作物が育ち始める。自分の手で景色が変わる過程も生活パートの楽しさだ。数日後、芽が育って収穫できるようになると、待った時間まで報われた気分になる。
収穫した作物を出荷し、得たお金で新しい種や道具を買う。土地を整えて昨日より庭が広がれば、できる作業が増えていくため、「次はここを片付けよう」と自然に予定を立てたくなった。
何もなかった場所へ自分の手を入れた跡が残る。この小さな達成感が積み重なるほど、彼ヶ津村が少しずつ自分の居場所へ変わっていった気がした。
庭が形になってくると、次に意識したくなるのが作物の品質と道具の強化だ。
品質の高い作物ほど出荷時の売値が上がり、同じ収穫量でも多くのお金を稼げる。また、ジョウロやクワ、ツルハシなどの道具は、通常のものから銅、鋼、金、隕鉄へと段階的に強化できる。
強化には一段階前の道具に加え、サザンカの雑貨屋で購入する金型と、石切場で採掘した鉱石を加工して作る延べ棒が必要だ。より良い作物を育て、必要な素材をそろえて道具を強化する目標が、日々の作業に次の目的を与えてくれた。
農作の収益や効率を高めようとすると、自然に畑の外へも足が向く。川では釣り、山では採集や狩猟、石切場では採掘に取り組める。体力と時間には限りがあり、一日ですべてを終わらせるのは難しい。
畑を優先するか、採取や採掘へ向かうか、村人へ会いに行くか。やりたいことが増えるほど一日が短く感じられ、「もう少しだけ動きたい」と惜しみながら帰宅する日も増えていった。
もちろん、失敗もある。『ほの暮しの庭』の作物にはそれぞれ栽培に適した季節があり、収穫までにかかる日数も異なっている。
そのため、本来なら季節が変わるまでの残り日数と、作物が育つ時間を確認してから種をまかなければならない。だが初めての季節の変わり目で確認を忘れていたために、育てていた畑を見事に台無しにしてしまった。
かなり悔しい体験になったものの、それ以降はカレンダーを見て、季節の変わり目をしっかり確認するようになった。
カレンダーには季節の変わり目だけでなく、品評会や村人の誕生日も記されているため、こまめにチェックすると先の予定を立てやすくなりそうだ。
農業をはじめとした生活に多少の余裕が出てくると、徐々に村へと繰り出す時間も取れるようになった。
当初は村八分状態だった村人の対応も、交流を重ねるたび徐々に和らいでいく。
住人の中でも筆者が特に気になったのは、村に馴染まず、無愛想でどこかトゲのある態度を見せる少女・トバリだ。話しかけても冷たい反応を返されるが、交流を重ねることで彼女との関係がどう変わるのか気になり、マップで姿を見つけるたびに会いに行った。
村に馴染まず、こちらにも冷たい態度を見せるトバリ。交流を重ねた先の変化が気になった
こうして気になる住人ができると、畑仕事だけで終わる一日がもったいなくなる。効率よりも「今日は誰に会いに行こう」と考え始めた時、この村へ愛着を持ち始めたのだと実感した。
突如破られた平穏。血だまりの惨劇から始まる、夜闇の中の徘徊
だが、平穏な田舎村生活が送れそうな気配がしてきたある日、おぞましい事件が起きる。彼ヶ津村に住む少女、ヨウがかわいがっていたニワトリのピロちゃんと鶏小屋で一晩を過ごした次の日、鶏小屋は真っ赤な血と大量の羽根が飛び散った惨状となっていたのだ。
![]() |
![]() |
リンは当たり前のようにヨウが掟を破ったから起きたことだと語るが、夜間外出禁止の掟を破ることでなぜこんなことになるのか、全く理解が追いつかない。
「午後十一時以降外出禁止」は、ゲームプレイにおいても肝になる掟だ。
村に住まうなら掟を守るように、と強く求められるが、理由は十分に教えてくれない。ゲームが始まってしばらくは、午後十一時に外出していると家へ戻るよう、強制的に促されるため、筆者も最初は素直に従っていた。
しかしこの事件が起きた後、主人公はピロちゃんの幽霊らしきものと遭遇し、初めて夜の闇に踏み出すことになる。
「失った物を探すな」という掟も夜間外出と同時に破ることになるかもしれないが、ヨウが大切にしていたピロちゃんだ。追いかけずにはいられない。
なぜ掟を破ってはいけないのか。その答えは、夜の闇の中にあった。
夜の闇は想像以上に暗く、不気味な雰囲気が漂う。ピロちゃんの姿を追って慎重に歩を進めると、突如として怪異が出現した。
懐中電灯で照らすことで全容がありありと映し出される。大きな目玉のついた両手で主人公をわしづかみにしようとしてきたが寸前でかわし、怪異から逃げながらピロちゃんを追いかけなければならなくなった。
深夜の村の様相は、昼とは全く違っていた。村人が行き交っていた道から人の姿が消え、代わりに得体の知れないお化けが徘徊している。
建物も道も同じはずなのに、暗がりの中では知らない場所へ来たように感じた。昼に親しんだ村だからこそ、その変貌が不気味だった。
途中、画面が暗転したと思うと離れた場所へと飛ばされていた。そのまま道なりに進んでいくと、昼間は見慣れない白い木が。茂っている赤い葉がなんとも不気味だ。
さらに近づいてみると、ウロが人の顔のように変貌した。
明らかにこちらを見ている。「ずっ さが……て…… かえ、し……」と意味深な言葉を発し、また場面が暗転。現れたのは、暗がりの中からこちらを見る黄色い大きな目玉がふたつ。
ギョロギョロした黄色い目玉は、黒い毛むくじゃらの怪異の姿で襲いかかってきた。
![]() |
![]() |
来た道を戻って逃げるも、先回りで道を塞がれてしまった。毛むくじゃらの怪異が主人公にジリジリとにじり寄り…。
大きな目玉が目の前に迫ったところで春の14日、初めての深夜探索は幕を閉じた。
知恵と経験で乗り切る怪異との邂逅。夜の探索がゲームプレイを快適にする絶妙なサイクル
このイベント以降、夜の探索が本格的に解禁されていく。
夜パートは、扉を激しく叩く音で主人公が目を覚ますところから始まる。家の外へ出ると怪異が姿を現し、その夜に村を徘徊するボスクラスがわかる仕組みだ。つまりプレイヤーは「今夜はこの相手が出る」と把握したうえで、夜道へ踏み出すことになる。
怪異が近くにいると心音がドクン!ドクン!と強く鳴り響くため、姿を見つける前から否応なく緊張が走った。懐中電灯の光は前方しか照らせない。前を確認すれば背後が気になり、振り返れば進行方向が怖くなる。
怪異が突然現れると、警戒していても思わず身体が跳ねた。
中には視界を真っ赤な掌で埋め尽くしてくる怪異や、画面上で「だるまさんが転んだ」を強制してくる怪異もおり、ホラーゲームに苦手意識がなくても、一瞬ビクッとなってしまう演出は随所に用意されている印象だ。
![]() |
![]() |
怪異に追いかけられている状況だと、考える余裕はさらに減る。どの道から帰るべきか、曲がった先に別のお化けがいないか。
焦って走り続けると突然現れた怪異にぶつかって体力を削られるため、とにかく逃げまくればいいわけでもない。
「これはまずい」と距離を取り続け、ようやく追われなくなった時には心底ほっとした。
また、お化けの姿や動きも一様ではない。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
暗がりから突然現れるもの、背後をついてくるもの、半透明の姿でうなるもの、素早く襲いかかるもの…それぞれに特徴があり、夜の彼ヶ津村は昼の不穏さとは別の恐怖で主人公に迫ってくる。
ただ、『ほの暮しの庭』では怪異に対して、警戒する距離や逃げ方を工夫してかわすだけでなく、攻略手段が用意されている。
小型の怪異なら弓で直接攻撃をして倒せるほか、最初に遭遇した掌に目玉のついた怪異も、特定のオブジェクトをツルハシで攻撃して壊す、といった手順を踏むと倒すことができた。
![]() |
![]() |
昼間、彼ヶ津村の中を歩き回って覚えた地理は逃げる際に役立ち、お化けの動きを知れば次は少しだけ冷静に対処できる。突然現れると驚いて体がビクッと跳ねてしまうのは変わらないし、怖さが完全に消えるわけではないが、前回よりも遠くまで進めた時には確かな達成感があった。
初見では慌てて逃げるだけだった正体の分からない恐怖が、観察によって攻略できる相手へ変わる瞬間は素直に嬉しい。恐怖から逃げるだけでなく、自分の知識で少しずつ乗り越えていく手応えがある。緊張と慣れが絶妙に残り続ける塩梅が非常によくできていると感じた。
しかも、夜に踏み出すことにはゲームプレイ面でのメリットも多く、たとえ怪異を倒せなかったとしても無駄にはならない。
夜の探索では「呪物」を入手できる。勾玉、銅鏡、剣などの呪物は「辻の祠」にあるツリーを進めるために使い、主人公のスキルを伸ばしたり、一部のアイテムの作り方を解放したりすることが可能だ。
水やりを自動化するスプリンクラーも、ここで作り方を解放できるアイテムの一つ。夜に得た呪物が、昼の農作業を直接便利にしてくれる。なお、呪物の中には特定のお化けを深夜に呼び出すために使うものもあり、種類によって用途が異なる点にも収集欲をそそられた。
また、夜に出会う存在は全てが敵対的とは限らない。
春の間、毎晩橋の下に現れるタヌキのような怪異は普通に会話ができる相手で、農作物を納めることで任意の勾玉と交換してくれる。
欲しい勾玉を効率よく集められるため、昼間の農作を頑張るモチベーションにもつながった。また、怪異らしい言動がありつつも、「こんなちっこい子どもまで働かせるとは、ほんとこの村のモンは冷てぇわ」と、いっそ村人より人間味のある発言も。恐ろしい怪異が徘徊する夜に、探索を助けてくれる相手がいるのは心強い。
こうした経験をすると、どんなに怖い思いをした後でも、「もう夜へ出たくない」という気持ちは思いのほか簡単に揺ぐ。怖さともう一度挑みたい気持ちとが同じ夜の中に同居していて、ついつい帰宅した直後から次の準備を考えてしまった。
ちなみに、タヌキのような怪異からは気になる情報も聞けた。
この怪異は春になると野菜が食べたくて畑を漁りに来るそうだが、「ここの神さまがうるさて」、「勝手に荒らすと祟りが来る」のだという。怪異の口から神さまの存在が語られるということは、彼ヶ津村における神さまは単なる信仰の対象には留まらないのかもしれない。
10年前の変死事件、「お根付け料」、不可解な掟……深まる「神さま」と因習の謎
彼ヶ津村の夜の姿を知ってしまうと、住人たちが隠している秘密がますます気になった。
「……あなたも見たでしょう この村の、夜の姿を」というリンの口ぶりからして、全員ではないかもしれないが、住人たちは怪異の存在を知っているように思われる。
そんな中、主人公はトバリとともに、彼ヶ津村の過去に関わるであろう重大な事件について知ることになった。
村長邸の蔵の中にあった新聞記事には、10年前、山間の村で1週間のうちに7名が変死する事件が起きたことが書かれていた。死因は失血死とされ、犯人は捕まっていないという。
![]() |
![]() |
真っ先に頭に浮かんだのは、ヨウが大切に育てていたニワトリのピロちゃんだ。ピロちゃんがいた鶏小屋も大量の血痕が残されていた。また、夜の徘徊で遭遇する怪異も血にまつわる表現が多かったことから、「怪異に襲われたのでは…?」という思考が頭をよぎった。
さらに不穏な空気を感じさせるのが、神さまの存在だ。
神さまにまつわる住人の反応は気にかかるものばかりで、ハスミは神さまに自身の罪をなかったことにしてくれ、と願い、ロッカクは掟を破ったヨウの代わりにどんな罰でも受ける、ヨウだけは連れて行かないでくれ、と懇願していた。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
こうした住人たちの様子を見ていると、彼ヶ津村の「神さま」は実在を強く信じられているようだ。現代社会においては、神さまの存在はかなり希薄になってきているが、住人たちがこれだけ神さまを信じるに足る何かがあるのだろうか。
その答えに近づくきっかけとなったのが、「お根付け料」と「墓参り」のイベントだ。
リンは普段から掟を守るよう村人へ強く求めているが、さらに毎月の「お根付け料」なるものも徴収してくる。支払えない村人には「健康診断」と称して採血を実施している様子まであり、穏やかな村の日常へ強い違和感が差し込んだ。
お金や物品を徴収するならともかく、代わりに血を寄越せ、というのはどう考えても普通ではない。その疑念の答えが、主人公のもとにお根付け料を徴収しに来たコンノのセリフの中にあった。
どうやら、お根付け料は「神前に、ささやかな捧げもの」をするためのものらしい。
そして、リンとコンノの会話では、「本当の儀式はこれから」というリンの発言もあった。主人公が彼ヶ津村の一員となるために神さまに捧げ物をした時のように、また神さまへの何らかの儀式を行おうとしているようだ。
一方、村人たちはお根付け料を快く受け入れているようには見えない。また、神さまに対する畏怖の大きさに対して、掟の方は意図的に破る者や、あまり重視していない様子の者も見られる。
![]() |
![]() |
実際、トバリは掟に正面から反抗する様子を見せており、スミレは深夜に出歩いている。リンの掟に対する態度や、「儀式」に対しても村人全員が一丸となって協力しているとは言いがたい。
このように、村人たちとは温度差を感じることが多いリンだが、厳しい言動は村長としての責任感からきている様子がうかがえる。
「もう少しだけ…… もう少しだけ、私に時間をください」。そうつぶやくリンの表情はひどく曇っていた。もしかすると、村に再び悲劇が起こるまでのタイムリミットなど、何らかの期限が迫っているのかもしれない。
墓参りでは、リンとキスケの会話の中で「十年前、儀式をきちんと行っていれば、あんなことは起きなかった」という発言があった。十年前ということは、やはり新聞記事に書いてあった事件と関係しているのだろう。
![]() |
![]() |
また、住人たちの会話を聞くとコマコやヨウ、スミレたちの親は亡くなっているらしい。そして、リンが住人たちに掟を厳しく強いるのは、亡くなった父の遺言が影響していることもキスケとの会話でうかがえた。
新聞記事の7名が亡くなったという記述から考えて、犠牲になったのは彼らの父親や母親だったのかもしれない。だとすると、リンは彼ヶ津村で再び悲劇が起きないように対策を取るべく動いている可能性がありそうだ。
ここから、物語は彼ヶ津村に隠されている秘密の解明に向けて大きく動き出していく。この不穏な村に過去起きた事件と、様々な事情を抱えた住人たちの結末は、ぜひ実際にプレイして自分の目で確かめてほしい。
昼の平穏が夜の恐怖を際立たせる。スローライフとホラーが融合した唯一無二の作品
『ほの暮しの庭』は、生活シミュレーションにホラーを添えただけの作品ではない。
昼は荒れた庭を整え、作物を育て、釣りや採取で得た品を出荷する。一方、夜の村からは人の姿が消え、見慣れた道を怪異が徘徊する。穏やかな日常を重ね、彼ヶ津村へ愛着を持つほど、見慣れた景色が豹変する夜の恐怖は強くなっていく。
同じ場所で生活しながら、昼と夜で正反対の気持ちを同時に抱かせる絶妙なバランスが『ほの暮しの庭』の魅力といえる。
自分のペースで田舎暮らしを楽しみたい人も、秘密を追う物語が好きな人も、そしてじわじわと高まる恐怖感を味わいたい人も幅広く楽しめる。この懐の広さは『ほの暮しの庭』でしか味わえない。
とりわけストーリーは因習村らしさが全面に押し出された、先が気になって仕方がない内容となっている。生活シミュレーション好きだけでなく、「この世界観好きだな」と感じた方も、ぜひ手に取ってプレイしてみよう。
『ほの暮しの庭』のゲーム情報
| ゲーム名 | ほの暮しの庭 |
|---|---|
| ジャンル | 生活シミュレーション |
| プラットフォーム | Switch2/Switch/PS5/Steam/Windows |
| 価格 | 【ダウンロード版】 Switch2/PS5/Steam/Windows:9,020円 Switch:7,920円 【パッケージ版】 Switch2/PS5:9,020円 Switch:7,920円 【Nippon1.jpショップ限定版】 Switch2/PS5/Windows:14,300円 Switch:13,200円 【Nippon1.jpショッププレミアム限定版】 Switch2/PS5/Windows:25,850円 Switch:24,750円 |
| リリース日 | 2026年7月30日 |
| 公式サイト | https://nippon1.jp/consumer/honogurashi/ |
| 公式X | https://x.com/Honogurashi |
| コピーライト | ©2026 Nippon Ichi Software, Inc. |
Twitterで最新情報をゲット
神ゲー攻略では最新ゲーム情報やプレイレポートを配信するTwitterアカウントを運用中!新作タイトル発表やイベント情報、キャンペーン情報など有益な情報をつぶやいていますので、是非フォローお願いします!
注目の記事
- 近未来の月面世界を旅するアクションADV『プラグマタ』がついに発売!【攻略wikiも開設】
- Miiたちの生活を見守るコミュニケーションゲーム『トモダチコレクション』の新作が好評発売中
- 『ゲーム・オブ・スローンズ:キングスロード』CBTレポート!ドラマ世界の重さを感じられるアクションRPG
発売直後の新作ソフト
発売直前の新作ソフト
-
未配信
-
未配信
PCPS5Xbox Series配信日: 2026年8月18日Frogwares/価格不明ラヴクラフトの世界がリアルに描かれますサバイバルホラー!水没したアーカムの街の探索や人知も及ばぬ未知の怪物との戦いを体験しよう -
未配信
【厳選】編集部注目のアプリ
| ジャンル別のおすすめゲームアプリ | ||||
|---|---|---|---|---|




























































































