『アノマリス/ANOMALITH(以下、アノマリス)』は、サバイバルホラー要素を持ったTPSの異常探索アクションアドベンチャーだ。プレイヤーは超現実的な空間を探索し、異形の存在と戦いつつ、調査や物資収集を進める。
世界観としては「昭和レトロ」や「リミナルスペース」が挙げられる。どこか懐かしさを感じさせつつも、不安をかき立てる不気味な空間……例えば、人の気配がしない古びた商店街、内部の構造が狂っている病院、不自然に長く歪曲した廊下などをプレイヤーは探索していく。
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ゲームシステム的にはTPSであり、弾薬管理をしつつ銃火器による遠距離攻撃を行える。しかし、銃火器だけでなく異形化スキルと呼ばれる攻防一体の技も使用可能だ。敵の攻撃を弾くパリィや、強力な近接攻撃を駆使すれば、戦闘を有利に進められる。
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本記事では、東京ゲームショウ(TGS)2026の試遊およびSteamで配信されている体験版をもとに『アノマリス』の魅力をお届けする。
また、レポート後には本作に関する開発者へのインタビューをQ&A形式で収録。『アノマリス』開発上のこだわりなども語られているので、プレイレポートとあわせてぜひチェックしてほしい。
目次
過酷な世界とそれに立ち向かう主人公
人類に厳しく崖っぷちな世界
『アノマリス』は「昭和██年の日本」を舞台にしている。この世界では、我々の知る日本とは異なり、特殊空間「異界」が前触れなく発生する。そして、本作はこの異界を探索するゲームだ。
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異界は極めて危険な空間である。ひとたび異界化した場所は、物理法則が乱れた迷路のような閉鎖空間となり、そこには異形の存在「アノマリー」が徘徊し始める。例えば、異界化したビルの内部では「壁が白く透け、内部でブロックのようなものが浮遊する」「床が谷のように深く陥没する」といった異常な光景が広がる。
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また、さらに恐ろしいのは、異界は「変異」を発生させ、内部の人間を徐々にアノマリーへと変化させていく。異界内に取り残された人々はアノマリーによって殺されるか、自身もアノマリーと化して人間性を喪失する末路をたどるのだ。
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このように、本作は非常にダークで非情な世界観を持っており、人類は極めて厳しい状況に立たされている。そして、そのダークな世界観はゲーム序盤の展開から容赦なく展開されていく。
主人公である「水無月 玲緒奈(ミナヅキ レオナ)」は、「危険区画対策室」に所属している。この組織の目的は、異界を探索・調査し、異界内で見つかる超常の性質を持った「異物」を回収するか、異界の発生源となるものを破壊して異界の侵食を抑えることだ。
しかし、チュートリアルの舞台となる異界化したビルにおいて、主人公以外の調査要員は全滅してしまう。「危険区画対策室」が、人命よりも異物回収などを優先する非人道的な組織であることも相まって、調査要員はアノマリーによって次々と命を奪われていくのだ。
▲陥没したロビーの先で同僚の調査要員が追われているのが見える
結果として、玲緒奈は「危険区画対策室」に残された唯一の調査要員となってしまう。交代要員や追加人員も来る目処は無いまま、玲緒奈は危険な任務へと向かうこととなる。
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▲生き残りもいるが巨大なアノマリーの一撃で再起不能になってしまった |
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| さらに、「危険区画対策室」の拠点に存在する異物「終末時計」が示す人類滅亡までの猶予は、わずか約1年。人類はまさに崖っぷちの状況なのだ。 | |
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崖っぷちな世界でも「あがく」主人公
人類滅亡が間近に迫った世界。対する主人公の玲緒奈には、そんな絶望に抗うヒロイックな魅力がある。たとえ「終わっている」としか言えない状況でも、彼女は決して「あがく」ことをやめない強さを感じさせるのだ。
玲緒奈は口や態度こそ悪いが、かなり善良な人間だ。上司である「須藤 京香」に反発しつつも、自分の身の安全や任務よりも人命の救助を優先したり、(冗談交じりではあるが)終末時計の示すタイムリミットを延ばすことをモチベーションにしようとしたりする。
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とはいえ、彼女は熱血肌というわけではない。仕事自体は淡々とこなし、異界の危険にも動じない。どちらかといえば現実的でクールな性格だと言えるだろう。
公式サイトのプロフィールによると「劣悪な家庭環境を抜け出し、路上生活を送っていた」とのことなので、彼女の善良さには、人命を軽視する体制に対する反骨心や、過酷な環境を生き抜いてきたハングリー精神、世界に対する怒りなどが反映されているのかもしれない。
上司の京香に生存者がいる可能性は限りなく低いと断言されても、可能性がわずかでもあるなら、玲緒奈は生存者を探す。たとえその先に、より残酷な現実が待っていたとしても、彼女は歩みを止めない。
また、その性格のためか、彼女はワンオペ状態と化した調査任務に関しても「大勢で乗り込んだって無駄死にが増えるだけ」と軽く流し、粛々と異界を探索する。他の登場人物たちからも、異界探索の適性を認められている彼女は、この終わりつつある世界が求めるヒーローの素質を備えた人物と言えるかもしれない。
なお、試遊および体験版では詳細は明かされなかったが、彼女は異界から一度生還した後、親友を探すべく再び異界へと自ら足を踏み入れる決断をしており、何かの影響で他の者よりも異界に対する耐性を持っていたりもする。この辺りの背景も主人公の特別さを感じさせ、この作品がただ鬱屈とした展開だけでは終わらなさそうな印象を筆者に抱かせた。
独自の世界観をじっくりと味わえるゲーム体験
孤独感を刺激してくる恐怖と緊張
本作の世界観のキーワードの一つになっている「リミナルスペース」は様々な意味合いを持つ言葉だ。
元々は建築学用語における「(廊下や階段などの)つなぎの場所」を意味していたが、インターネット・ミームとしては「不安を感じさせる空間」「誰もいない無人の空間」「非現実的な空間」「寂しさやノスタルジーを感じさせる空間」など、複合的な雰囲気を表す言葉として定着している。
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とはいえ、解釈は多様だが、その多くは「孤独感」と密接に繋がっている印象だ。少なくとも、本作の場合はこの「孤独感」が強い意味を持つように思える。
つい少し前まで誰かがいたような病院の待合室。しかし、誰もいない。どこにでもあるような白い階段。しかし、誰もいない。多くの椅子が置かれたロビー。しかし、誰もいない。……などなど、構造的に異常ではなくとも、プレイヤーの不安を煽るような場所は多い。
そこに何かがいたとしても、それはアノマリーであり、彼らは無言・無音で襲いかかってくる。玲緒奈をサポートするオペレーターなどはいるが、現地への増援は見込めないため、玲緒奈は孤立無援で戦う必要がある。
ゲーム的にも、ソロ探索の危険や緊張感を様々な場面で感じることになるだろう。
例えば、ローリングやステップのような緊急回避的なアクションは本作にはない。そのため、本作で一番危険なのは大量のアノマリーに囲まれることだ。
また、ガチガチに厳しくはないものの本作には「所持アイテムの制限」や「残弾管理」などの概念があり、初見攻略時は出口が分からないのも相まって、緊張感は高い。
ストーリー的にも、ゲーム的にも「孤独感」が強い意味を持っていそうであり、「リミナルスペース」はその象徴とも言える。
SCPの影響を受けたアノマリーや異物
本作は、インターネット発の巨大なホラー・コンテンツである「SCP財団(以下、SCP)」の影響を受けている。
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SCPは「SCP財団」の設定など共通の背景のもと、多くの人々が創作物を投稿してきたコンテンツなため、多種多様な物語を含むが、ホラーとしてのベースは「自然法則に反した異常な生物・物品・現象・場所」が、淡々と事務的な報告文書の形式でまとめられている点に根付いている。
常識の範囲外にある不可解な異常性が、一見普通にも見える、常識的で無機質なトーンで語られる。これにより、かえって読者の想像力はかき立てられ、現実の延長として、恐怖を身近に感じてしまうのだ。この現実とフィクションの境界が曖昧になるような、強いリアリティと不安を味わえることは、SCPの醍醐味のひとつだろう。
『アノマリス』においても、こうした「淡々としたトーンで不安を煽る」要素や演出が数多く散りばめられている。まず、本作のキーワードである「リミナルスペース」自体が、その高い効果を生み出す要因だと言える。
その他、ゲーム内のSCP的な要素として挙げられるのは、図鑑機能である「調査報告書」だ。ここでは撃破したアノマリーや回収した異物の詳細な情報を確認できる。報告書を開けば、自然法則から逸脱した能力や特性を持つアノマリーや異物の記録を、きわめて事務的なトーンで楽しむことが可能だ。
なお、同じアノマリーや異物でも、累計撃破数や回収数に応じて追加の解説が解放されることがある。
一見、人類にとって有用な効果しかない異物でも実は恐ろしいデメリットが確認できたりと、「調査報告書」もまた異界が油断ならない場所であることを思い出させてくれる。
▲なお異界の研究を行う伏見博士との会話によると、異物は人の悪意が沈着したような有害な効果を持つものが多いようだ
世界観とホラー感が融合した「アトラクション」的体験
本作は世界観やストーリーが非常に重要な役割を担っていることもあり、ゲームとしては初見攻略つまり「未知の異界を手探りで進んでいく過程」が最も楽しい作品だ。言い換えると、初見ならではの「探索感」こそが本作最大の醍醐味である。
「探索」と聞くと、広大なフィールドを自由に歩き回るような大作RPGを想像するかもしれない。しかし、本作の場合は、ストーリーの展開、緊張感ある戦闘、そして異常空間そのもののデザインや雰囲気を味わう、ステージクリア型のゲームに似た「アトラクション」的な体験が軸となっている。
押し出されているのは自由度の高さではなく、あえて「制限が設けられた状況」の中でどこまで進めるかという目標とハードルだ。未踏の難地をどう進み、立ちはだかる敵や障害にどう対抗していくか? その試行錯誤こそが楽しいのだ。
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SCPテイストの不気味な世界観に、「多勢に囲まれる危険」「所持アイテム制限」「残弾管理」といったサバイバルホラーのエッセンスが合わさり、絶え間ない緊張感も探索のスパイスとして機能している。随所に仕掛けられたアノマリーの待ち伏せなどを切り抜ける中で、プレイヤーは異界の恐ろしい雰囲気をダイレクトに味わうことができるのだ。
また、ステージの要所ではオペレーターや上司との通信会話が発生し、登場人物たちの過去や密かな想いが示唆されることもある。さらに、探索の中で回収した異物は「調査報告書」の項目をアンロックし、図鑑として世界の裏側を読み解く楽しみを提供してくれる。
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この「探索によって新たな情報が得られる」というサイクルが、過酷な状況でも先へ先へと進めたくなる大きな動機づけとなっている印象だ。
総じて、本作は、不穏な世界観やストーリー、物理法則を無視した異界の異常さ、そして不気味なアノマリーたちの危険を主人公と同じ目線で体感しながら、未知の領域を踏破していく「探索の面白さ」がギュッと詰まった一作と言えるだろう。
TPS初心者でもアクションを楽しめる戦闘システム
銃火器と異形化スキルを駆使する「立ち回り重視」のアクション
『アノマリス』にはスパイスとしてのサイコホラー要素があり、弾薬や回復アイテムをリソースとして管理しつつ、物陰からひっそりと忍び寄るアノマリーや、大量のアノマリーが一気に出てくる罠などが存在する、緊張感ある探索を楽しめる。
しかし、本作はリソース管理がすべてのゲームというわけでもない。主人公である「水無月 玲緒奈〈ミナヅキ レオナ〉」は「異形化スキル」と呼ばれる特異な技を使用できる。
異形化スキルは「MP」を消費して、敵の攻撃をはじくパリィや、強力な近接攻撃を繰り出すことができる。
MPは、敵に銃撃を当てることで回復する。つまり、異形化スキルを積極的に使用した後、
攻撃とMP回復を兼ねて銃撃を行うことで好循環が生まれ、戦闘が有利になる仕組みだ。
例えば、罠によって複数の敵に囲まれてしまった場合、まずは近接スキルで目前の1体を粉砕して包囲網に穴を開け、そこへ走り抜ける。直後に、追ってくる敵へサブマシンガンを乱射してMPを回復しながら撃破し、近づいてきた別の敵を再び近接スキルで仕留める……。このように、銃火器と異形化スキルを併用することで、ピンチを切り抜けることが可能だ。
一方で、戦闘時の「立ち回り」は重要となる。本作にはステップやローリングといった無敵時間のある緊急回避アクションが存在しないため、安全なスペースや敵との距離感を意識しなければ、あっという間に囲まれてしまうからだ。
プレイヤーは「距離を取る」「MPを消費してパリィで防ぐ」「敵の飛び道具を銃で撃ち落とす」といった防御行動を的確に判断する、慎重な立ち回りが求められる。
逆に言えば、その「立ち回り」の基礎さえ押さえてしまえば、あとは自由だ。上手くやれば、近接攻撃でアノマリーを複数体一気に倒したりもできる。また、防御行動が上手くいかなくても、回復アイテムをショートカットから即時に使えるため、防御面もノーミスを許さないような厳しすぎる要求はされない。
銃器を強化してガンシューティングとして遊ぶのもよし、異形化スキルを強化して近接主体で暴れ回るもよしと、プレイヤーの好みに合わせたプレイスタイルで進めるぞ。
ハードコアすぎない、間口の広いゲームバランス
銃器による射撃と、MPを消費する異形化スキル。この2つをうまく回していくことで戦闘のサイクルが生まれ、結果的に銃弾の節約にも繋がる。そのため本作はサバイバルホラーのTPSでありながら、ガチガチのリソース管理に縛られすぎることなく、スタイリッシュなアクションを堪能できる場面も多い。
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また、バックパックに物資を詰め込んで拠点に持ち帰る「ルートシューター」的な要素を含みつつも、ライトユーザーへの配慮も多い。ポータルを通じてアイテムを無限に拠点へ送れるうえにセーブも自由に行えるため、「欲張らずに一度帰還すべきか」という駆け引きは不要だ。ステージクリア型のゲームに近い、非常に快適な遊びやすさを保っている。
シビアな「死にゲー」でもなく、強化要素もしっかり用意されているため、アクションが苦手な人や「世界観・ストーリーを楽しみたい」という人でもプレイしやすい設計だと言えるだろう。敵の強さも5段階(※)から選択できるため、自分好みの最適なバランスで異界探索を楽しむことができる。
※難易度は「ストーリー」「イージー」「ノーマル」「ハード」「サバイバル」の5種類が存在し、タイトル画面のオプションから変更可能。最上位の「サバイバル」はワンミスが命取りになる上級者向けとなっている。
なお、Steamで配信中の体験版は9月29日に大きなアップデートが実施された。TGS2026の試遊版から操作性(特にキーボード&マウス操作)が大幅に改善されたほか、回復アイテムがショートカットから即座に使えるようになるなど、よりユーザーフレンドリーな方向へと調整が進められている。
オプション設定も充実しており、「エイムアシスト」をオンにすれば、シューティングが苦手なプレイヤーでも安心だ。視野角やカメラ速度なども細かく調整できるため、自分にとってストレスのないゲーム環境を構築しやすい。
▲視野角「30」のゲーム画面 |
▲視野角「90」のゲーム画面 |
弱点を探りながら戦うボス戦の興奮
探索だけでなく、『アノマリス』にはプレイヤーを興奮させる「熱いボス戦」もしっかりと用意されている。例えば、体験版の最後に待ち受ける「シラヤミガタ」は、背中のライトから放つ強烈な光線や、短距離ワープからの近接攻撃、さらには大量の構造物を飛ばしてくるなど、多彩な技を駆使する強敵だ。
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プレイヤーは敵の近接攻撃をパリィで弾き、銃撃で反撃を加えながら立ち回ることになる。その激しい攻防の中で「どこを撃てば有効か」という弱点部位を探り当てていくプロセスが楽しいポイントだ。
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また、防御面に関しても決してパリィ一辺倒では通用しないのも面白い。広範囲の光線に対してはダッシュで攻撃範囲から逃れたり、物陰に隠れたりと、敵のモーションに合わせて「どう避けるべきか」を素早く判断する必要があるし、飛来する構造物に対してはダッシュで避けるか、ひとつひとつ銃撃して壊すかはプレイヤー次第だ。
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さらにパリィはMPを消費するため、「銃撃でMPを稼ぐか、いざという時のために温存するか」といった駆け引きも生まれる。激しい猛攻をしのぎ、試行錯誤の末に強敵を打ち倒す。アクションゲームのボス戦における王道の盛り上がりが、本作にも用意されているのだ。
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なお、戦闘中にボスの特定の攻撃をやり過ごすと、追加の弾薬や回復アイテムがドロップすることもある。道中の探索でリソースが枯渇気味になっていても、プレイヤースキル次第で十分に勝利を掴める設計になっており、ここでも「ハードコアすぎない、遊びやすい調整」が光っている。
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アイテム開発やカスタマイズ、ステージへの再挑戦
本作では持ち帰った「異物」を消費することで、武器の開発・カスタマイズ、防具の開発、スキルの取得などを行える。クリア済みのステージは何度でも再探索できるため、RPGのレベル上げのような感覚で異物を収集し、じっくりとキャラクターを強化していくことも可能だ。
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武器のカスタマイズ性も高く、アタッチメントを細かく選べるだけでなく、性能には影響しないカラーリングの変更も行える。銃器にこだわりのあるプレイヤーなら、単なるステータス強化に留まらない「自分だけの一丁を作る」楽しみを見出せそうだ。
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さらに嬉しいのが、防具の性能と見た目を個別に設定できる、いわゆる「見た目装備」のシステムだ。全9部位に分かれた衣装は、現在のステータスを維持したまま外見のみを自由に変更できる。他作品とのコラボ衣装なども用意されているため、お気に入りの武器とファッションの組み合わせで探索に臨めば、ゲームへの没入感はさらに高まるだろう。
なお、クリア済みのステージを再訪した際は、敵やアイテムの配置がランダムに変化する。例えば病院のステージで、待合室に入った瞬間に大量のアノマリーに囲まれたり、物陰に前回はいなかった敵が潜んでいたりと、ランダム性による新鮮な驚きがあるのだ。
これにより、素材稼ぎが目的の周回プレイであっても、作業にならず一定の緊張感を持って楽しむことができる。もちろん、「稼ぎの周回に緊張感は求めていない」というプレイヤーであれば、難易度設定を下げてサクサクと快適に素材を集めることも可能だ。
まとめ:ディープな恐怖と遊びやすさが同居する探索ホラー
総じて『アノマリス』は、リミナルスペースやSCPテイストといった不気味なホラー要素を、「昭和レトロな日本」という舞台の中に落とし込んだ意欲作だ。
ただ理不尽な恐怖に怯えるだけでなく、過酷な運命に抗う主人公・玲緒奈のヒロイックな魅力や、銃火器と「異形化スキル」を交えた戦略的なアクションが、絶望的な世界を生き抜く確かな「楽しさ」も提供してくれる。
サバイバルホラー特有の緊張感を味わえる一方で、気軽に使えるアイテム転送や難易度調整、豊富なカスタマイズ要素が用意されており、幅広いプレイヤーが楽しめるバランスに仕上がっている点も特徴だ。
ダークでディープな世界観にどっぷりと浸りたい人に強くおすすめできる一作だ。Steamで配信中の体験版は操作性もアップデートされ、初期より遊びやすくなっている。気になった方は、ぜひ自らの手で「異界」へと足を踏み入れてみてほしい。
ゲームのこだわりや注力ポイントが分かる開発者インタビュー
1.ゲームの核心・魅力について
――本作は「異常現象×変異する少女×サバイバルTPS」とされていますが、サバイバルTPSを選んだ理由を教えてください。また、本作にはSCPやリミナルスペース、昭和など様々なエッセンスが複合されていますが、これらの要素を組み合わせた狙いについてもお聞かせください。
私とディレクターがTPSが好きだったというのが企画の始まりでした。当初はサバイバルホラーを考えていたのですが、真正面から作ると埋もれてしまうと感じたため、SCPやリミナルスペースという違う切り口にしました。
元々アノマリス開発以前からジャンルとして好きだったのも正直大きいと思っています。昭和の要素は「当時は普通でも今見るとなんとなく怖い」という感情を記号化するために加えました。
2.ゲームプレイ体験について
――体験版では、マップ各所に弾が落ちていて弾切れになりにくく、異形化スキルに使うMPも射撃を当てると回復するため、撃ち続けながらテンポよく進める流れになっていました。この弾数を気にせずどんどん撃ちながら戦っていける遊び心地を軸にした狙いと、その中でサバイバルらしい緊張感を出すために工夫したポイントを教えてください。
フリューのゲームタイトルは世界観やシナリオ、楽曲を楽しみながらゲームを遊べるようにするという思想が根本にあるので、ゲームジャンルに傾倒し過ぎず、でも楽しいを実現するためのバランスでした。
ラッシュという要素がわかりやすい緊張感の要素だと思っています。探索中に突然閉じ込められ、敵が襲ってくるのですが高難易度であればあるほど手に汗握るはずです。
――本作の戦闘はハンドガンやショットガンなど豊富な種類の銃での射撃と、パリィ、近接攻撃といった異形化スキルなど、攻撃手段が豊富に用意されています。多様な遊び方を成り立たせるために、大切にしたことや意識した点を教えてください。
なるべくバランスよく使いやすい調整を目指しました。ただ、全部使う必要はないです。攻略重視でも良いですし、ロマンを追い求めても大丈夫なようにしています。
――射撃では「エイムアシスト」機能が採用されていますが、強めに補正が入っている印象でした。「エイムアシスト」の調整を行う際に重視したいことを教えてください。
前の回答と少し被りますが、本作は初めてTPSを遊ぶ方も多いと思ったので、その方たちでも楽しく遊べるように調整してもらいました。通常のアクションゲームであれば、苦手でもいつか攻撃は成功しますが、TPSに関しては一切当たらない可能性が高いのでそれが無いように意識しています。
――体験版では、ローリングなど回避アクションがなく、敵と距離を取ったり、パリィを成功させることが立ち回りで重要になっていました。あえて回避アクションを採用していない理由と、戦闘の軸にした理由や狙いについて教えてください。
プレイヤーの攻撃手段が豊富かつ強力なので、回避手段も同じようにしてしまうと敵をもっと強くしてバランスを取る必要があり、結果的にゲーム全体としては高難易度になってしまうと思い回避アクションは入れていません。
体験版ではパリィのみですが、他の防御スキルもあるので、パリィを戦闘の軸にはしていないです。どちらかというと、攻撃時の位置取りを軸にし、狙って撃つ楽しさを体験できるようにしています。
――体験版ではパリィを狙うタイミングもわかりやすく、パリィを成功させると敵が無防備になり、そこへ近接スキルなどの反撃をつなげられるのが爽快でした。攻撃を弾いてから反撃に入るまでの一連の流れで、爽快さを生むためにこだわった要素と、その爽快さが成り立つようにリスクとのバランスで意識した点を教えてください。
パリィ含めて異形スキルは敵に弾を当てないと、スキルを使用することができないので「撃つ・弾く」を早いサイクルで感じられるようにしました。パリィは数発当てれば使えるようなバランスにしているので、迫ってくる敵の攻撃をギリギリでいなす楽しさを体験できるとおもいます。
――異形化スキルは、銃撃戦のサポートとして、時には強力な切り札として機能すると紹介されています。サポート寄りのスキルと切り札寄りのスキルにどのような違いを持たせているのか、またどのような組み合わせの広がりを想定して設計しているのかを教えてください。
サポート寄りスキルはパリィを始めとした防御や狙いづらい相手に対する誘導弾など、射撃の補佐という位置づけですが、切り札寄りのスキルは広範囲かつ攻撃力に特化したスキルですね。ただこちらは時間経過で再利用可能になるスキルなので、先ほどのサポート寄りスキルとは分けて使うことができます。
――銃器はハンドガンやショットガンなどの種類ごとに複数用意されているほか、パーツのカスタマイズや色の変更もできるようになっていました。開発チームに銃好きな方が多いとのことですが、銃の外観や挙動を作り込む際に、再現にこだわった点と、ゲームとして遊びやすくするために意識したことなどがあれば教えてください。
逆にやり過ぎない方を意識してました。見た目もそうですが、ゲームとして楽しい、多くのプレイヤーがその武器に期待する効果を得られるように調整していました。リロード動作も銃ごとに細かく作っているので楽しんでもらいたいですが、あえて正しくは作っていないです。
――本作ではコスチュームを「死ぬほど作った」とのことですが、コスチューム作りで大切にしたことを教えてください。また、開発チームおすすめの防護服や、見た目を楽しむ着せ替え要素としてのコスチュームでこだわった1着などがあれば教えてください。
組み合わせて見た目の変化がわかりやすいようにしています。チーム全員それぞれ癖があると思うので、オススメを上げるのは悩ましいですが、私はピチッとしたスーツにカジュアルなアウターを重ねるのが大好きです。
――サイドミッションをクリアすることで手に入る報酬には、銃やコスチュームなど、そのミッションでしか入手できないものはありますか。あれば、特に力を入れて作ったものと、そのこだわりを、差し支えない範囲で教えてください。
メイド服は気がついたら実装されていたので、恐らく開発メンバーに強い癖を持っている人がいますね。メガネも涙フレームや丸型など色々種類用意してます。
――本作はアノマリーの生態や異常現象、異物に関して記された調査報告書も見どころかと思います。こうしたテキストを書く際に大切にしたことや、プレイヤーに注目してほしいポイントがあれば教えてください。
全部は語らないが、想像できるくらいの補足は入れることを意識していました。異物のテキストについては、ティザーの施策で「アヲダ商會」という正体不明の組織が一部の異物を紹介していたのですが、それを見てからもう一度テキストを読むと二度美味しいと思います。
3.キャラクター・物語のテーマについて
――本作には玲緒奈をはじめ、個性的なキャラクターが登場します。キャラクターを作り上げるうえで意識したことや、注目してほしいことを教えてください。また、主人公の玲緒奈の性格やビジュアル、造形でこだわった点があれば教えてください。
本作は理不尽に真っ向から立ち向かう強さと残酷な世界に壊される人間の弱さを描くために、儚さや庇護欲をかきたてる描写が中心にならないようにしていました。
玲緒奈はこれまでの人生からドライで皮肉屋でもありますが、強い正義感と優しさを持ち合わせているので、そのバランス感を大事にしていました。造形もあえて少女的な要素は抑え、中性的に寄せています。
――本作のシナリオは田中ロミオさん、キャラクターデザインはMONさん、楽曲は北村友香さんが担当されているとのことですが、それぞれの方にお願いした理由と、依頼するうえで世界観や物語の軸として大切にしてほしいと伝えたことがあれば教えてください。
私とディレクターが好きだから、そして本作と創作の方向性が合いそうという理由が一番です。こちらがやりたいSCPやリミナルスペースを基軸とした世界観はお伝えしていますが、あとは各クリエイターさんが得意とする部分を発揮していただきました。
4.ビジュアル・世界観・音楽について
――異界では、重力の反転や歪曲といった異常な事象が発生する空間が登場し、探索中の不穏さを引き出していました。異界を描くにあたって工夫した点や、苦労した点を教えてください。
ありがちなホラーな見た目にならないように気をつけていました。ただ、リミナルスペースはかなり塩梅が難しく、シンプルゆえの気持ち悪さとただ安っぽくなる状態を往復しながら今の状態になりました。
――商店街の看板やバイクなどのオブジェクトは、既存のアセットを使わず、世界観に合わせてスタッフの方が一から作られているとのことですが、昭和レトロの空気を出すために、プレイヤーの方に気づいてほしいこだわりや、お気に入りの小物とその理由があれば教えてください。
商店街に限らず全体的に昭和の雰囲気で統一されていますが、実はそれぞれ時代設定を細かく分けています。病院は平成初期、商店街は1979年頃、団地は1965年頃といった具合に、場所ごとに異なる時代感を意識して作り分けているので、そうした細かな違いも楽しんでいただけると嬉しいです。
ちなみに、公用車はきちんと8ナンバーにし、普通車と軽自動車もそれぞれナンバーを使い分けてます。
――体験版では、ムービーにはホラーのような怖さを感じるシーンがある一方、探索や戦闘中は画面が明るめで、ホラー表現が控えめに感じられました。公式では「異常現象ホラー」とも紹介されていますが、探索や戦闘の画面を明るめに見せる設計にした理由と、不気味さを残すために工夫した点があれば教えてください。
リミナルスペースと呼ばれるコンテンツをチームで解釈した結果、部分的にはホラーらしい暗い雰囲気もありつつも、基本的には人気ない、あるいはさっきまで人がいたような不気味さを感じられるようにしました。
――本作はSCPをモチーフにしているとのことですが、アノマリーのデザインや行動特性を考えるうえで、SCPのどのような要素をゲームに落とし込んでいったのか、工夫した点を差し支えない範囲で教えてください。
主人公たち含む調査要員の立ち位置だったり、危険区画対策室の組織としての役割はSCP財団を意識しています。SCPそのものは気付ける人向けに散りばめているので、ぜひご自身で体験してください。
5.開発の背景・想いについて
――体験版は想定を上回る人数に遊んでいただけたとのことですが、体験版配信後に届いた反応の中で、想定と違った声や、印象に残った声があれば教えてください。
フリューのこれまでの全タイトルは全員全力で取り組んでいますが、結果的にゲーム性に欠けた部分があるのは事実のため、厳しい意見が大量に届くと思っていました。実際には、面白い部分と改善してほしい部分を丁寧に述べてくださったのが純粋に嬉しかったです。
――製品版では、メインの物語に加えて、サイドミッションや調査報告書といった探索要素を含めて、どの程度のボリュームを想定されていますか。差し支えない範囲で教えてください。
サイドミッションは30以上あり、サブシナリオも兼ねているので全部やると5~6時間以上はかかると思います。やってみると思ったより多いな…と感じるかもしれません。
6.読者・ファンの方へのメッセージ
――発売を楽しみにしている方々に向けて、メッセージをお願いします。
TPSというフリューとしては新ジャンルでしたが、数度のフィードバックを通してより良いものに出来たと思っております。発表当初からここまで応援いただいている方々には感謝してもしきれません。
そして最近本作を知ってくれた方は、フリューの公式Discordに情報がまとまっているので、ぜひご参加してチェックいただけると嬉しいです!
ゲームの基本情報
| ゲーム名 | アノマリス/ANOMALITH |
|---|---|
| ジャンル | 異常探索アクションアドベンチャー |
| プラットフォーム | PC(Steam)/PS5/Switch2 |
| 価格 | 通常版:8,580円 デジタルデラックスエディション:12,100円 数量限定 危険区画対策室BOX:12,100円 |
| リリース日 | 2026年10月29日 |
| 公式サイト | https://www.cs.furyu.jp/anomalith/ |
| コピーライト | © FURYU CORPORATION |
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