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開発者インタビュー |
2026年11月5日にNintendo Switch 2 / PlayStation5 / PC(Steam)向けに発売予定の新作ローグライトアクション、『クライムライト/CRYMELIGHT』。
『懺悔するほど強くなる』をコンセプトに、少女たちが背負う罪と向き合う物語を描く作品だ。
今回、東京ゲームショウ(TGS)2026での現地取材と合わせて、プロデューサー・ディレクターの礒部氏にインタビューを実施。罪というテーマの発想から、クライムカードを軸にしたバトル設計、2D表現、オープニングの仕掛けまで、制作秘話を伺った。
目次
純粋だからこそ痛々しく美しい。悪意のない罪が生むカタルシス
――それでは早速ですが、プロデューサーレターでは少女たちが罪に苦しみ、迷い、懺悔しながら、それでも前へ進もうともがく姿を描いているというお話がありました。今回、罪と向き合う登場人物を少女たちにした理由と、少女たちだからこそ描けると考えたことを教えてください。
礒部氏:「CRY」シリーズは、少女たちが涙を流しながら、さまざまな苦悩や想いを通して成長していく物語だと思っています。
ただ、その涙の理由は作品ごとに違います。悲しみや喪失、願い、愛情、後悔。その中で『クライムライト』では、シリーズの大事な部分を“罪”というテーマを通して描こうと考えました。
主人公のアリスは、記憶を失った少女です。
何も覚えていない、ある意味では純白な存在でありながら、どうやら大きな“罪”を背負っているらしい。その正反対の要素を持った少女を中心に、『不思議の国のアリス』をモチーフにしたワンダーランドという世界を作っていきました。
少女たちを中心にした理由としては、やはり「純粋さ」が大きいと思っています。
大人であれば、善悪や損得、社会的な立場など、さまざまな理屈で自分の感情を隠したり、言い訳をしたりできるかもしれません。
でも本作の少女たちは、良くも悪くも純粋です。
誰かを想う気持ちも、救いたいという願いも、許されたいという祈りも、非常にまっすぐです。だからこそ、その純粋な感情が間違った方向へ進んでしまった時に、とても痛々しく、同時に美しくも見えるのだと思います。
『クライムライト』で描いている罪は、ただ悪意から生まれたものではありません。
誰かを大切に思ったからこそ間違えてしまったり、救いたかったからこそ傷つけてしまったりする。そういった、純粋さゆえの危うさや残酷さは、少女たちだからこそ強く描ける部分だと思っています。
そして、そんな彼女たちが自分の罪から目を逸らさず、迷いながらも懺悔し、それでも前へ進もうとする。その姿こそが、『クライムライト』で描きたかった少女たちの強さです。
――プロデューサーレターでも、誰かを傷つけてしまった罪、誰かを見捨ててしまった罪、自分自身を赦せない罪など、少女たちの罪の種類がさまざまに挙げられていましたね。これらの罪は、自分を責める気持ちに根ざしているようにも思われます。
本作では「罪」をどのようなものとして描きたいと考えたのか、また、それぞれの罪を描くうえで意識したことを教えてください。
礒部氏:先ほどもお伝えした通りですが、本作で描いている「罪」は、単純に悪意から生まれるものではありません。
なので、それぞれの罪を描くうえでは、「何をしたのか」だけではなく、「なぜそうしてしまったのか」という感情を大切にしています。
久弥さんとは、シナリオを作っていく中で何度もやり取りを重ねました。
ただ“こういう行動を取った”という事実だけではなく、その時に彼女たちの中でどんな感情が生まれていたのか。人間として、そして純粋な少女として、なぜその願いを抱き、なぜその行動に至ったのか。そこをしっかり描くことで、彼女たちの罪が単なる設定ではなく、リアルな内面から生まれたものとして伝わるように意識しています。
だから本作の罪は、裁かれるためだけのものではありません。
その子が何を大切にしていたのか、何を失いたくなかったのか、何をどうしても諦められなかったのか。そういったものが形を変えて現れたものでもあります。
罪を通して、少女たちの弱さや歪みだけでなく、そこにあった想いや祈りまで感じてもらえたら嬉しいです。
罪と向き合い強くなる。プレイヤーにも前に進んでいる感覚を
――『懺悔するほど強くなる』というコンセプトにも、罪というテーマとの深い関連性が感じられます。少女たち自身が人間として強くなっていく意味と、システム的に強くなっていく意味がかけられているように思われますが、意図的に重ねられているのでしょうか?
礒部氏:はい、そこはかなり意識して設計しています。
本作に登場する少女たちは、それぞれ生前に抱えている罪があります。
その罪から目を逸らすのではなく、懺悔し、受け止め、意味を与えていく。その過程で、少女たちは精神的にも少しずつ前へ進んでいきます。
加えて、ゲームシステムとしても、懺悔を行うことでアリスは強くなっていきます。
ワンダーランドで魂を狩り、その想いや断末魔を背負い、ティーパーティ会場で懺悔することで、それが力へと変わっていく。つまり本作では、「心が罪と向き合うことで強くなる」という物語上の成長と、「懺悔によって能力が強化される」というゲーム上の成長を、できるだけ同じ感覚で体験できるようにしています。
――2つの意味を重ねたことには、どのような狙いがあるのでしょうか?
礒部氏:狙いとしては、プレイヤーに“強化している”だけでなく、“罪を背負って前に進んでいる”感覚を持ってもらいたかったんです。
本作は基本的に、一般的なローグライトの構造を踏襲しています。
倒されると時間が巻き戻り、その挑戦中に手に入れたクライムカードなどの一時的な強化要素は失われます。これは、毎回違うビルドを作り、その時の手札やスキルでどう戦うかを楽しんでもらうための要素です。
一方で、アリスの基本的な強さに関わる部分や、ティーパーティ会場での武器強化、アイテム解放などに使用する素材は、時間が戻っても失われないようにしています。何度も挑戦する中で、少しずつ確実に前へ進んでいる感覚を持ってもらいたかったからです。
ローグライトとして何度も戦い、倒され、また戻って強くなる。その繰り返しの中で、アリスたちはただ数値的に強くなるだけではなく、自分たちの罪や記憶にも少しずつ近づいていく。
システムと物語の意味が重なることで、単なる成長要素ではなく、『クライムライト』らしい“痛みを力に変える”体験になったと思っています。
――戦うほどに使用者の罪悪感が引き出され、記憶や罪が呼び覚まされる「ワンダークライム」の設定も、今お話しいただいたようなメッセージ性と非常に深く結びついていると感じました。
戦闘によってキャラクターの過去が明らかになっていくことを結びつけたこの設定は、どのような発想から生まれたのでしょうか?
礒部氏:「ワンダークライム」は、久弥さんにシナリオを描いていただく中で生まれてきた、本作にとって非常に重要な設定です。
本作では、少女たちがそれぞれ生前に抱えた罪や後悔と向き合っていきます。その罪が、ただ心の中にあるものではなく、ワンダーランドという世界の中で能力として具現化する。それが「ワンダークライム」です。
最初に久弥さんからその要素が出てきた時点では、まだゲームとしてどう見せるか、どう戦闘や演出に組み込むかまでは固まりきっていない部分もありました。
ただ、罪悪感が能力として現れ、それを使うほどに記憶や罪が呼び覚まされていくという構造は、シナリオとしてもゲームとしても非常に面白いと感じました。そこから、シナリオ側の意図と、ゲームとして見せられる表現をすり合わせながら、現在の形にしていきました。
たとえば、単にキャラクターが特殊能力を使うだけではなく、その能力がその子の過去や罪と結びついている。戦うことで強くなる一方で、その子が抱えているものにも近づいてしまう。そういう構造にすることで、バトルと物語が自然につながるようにしています。
強い役は気持ちよく、揃わなくても苦しくないクライムカード
――バトル要素でいうと、「クライムカード」は『クライムライト/CRYMELIGHT』の大きな特徴のひとつになっています。
クライムカードはポーカーの役を狙う楽しさがある一方で、狙った役が完成しないまま戦いが進むケースも出てきそうだなと感じました。役が揃わなかった場合でも手札やビルドが活きるように、カードごとの発動効果を調整しているなど、工夫した点があれば教えてください。
礒部氏:おっしゃる通り、クライムカードはポーカーの役を狙う楽しさがある一方で、毎回きれいに狙った役が完成するわけではありません。
極端な話、最初の5枚で非常に強い役が揃うこともあります。その場合、本当に一気に強くなります。
開発中にも、「ここまで強くなってしまって大丈夫なのか」という話は何度もありました。でも、強い役が揃ったのに、あまり強くなった実感がないのは、それはそれで嬉しくないと思うんです。
なので本作では、強い役ができた時には、ちゃんと気持ちよく強くなれるようにしています。良い役が揃ったら、その時はぜひ「今回は強いぞ」と思いながら、気持ちよく戦っていただきたいです。もちろん、それでも負けてしまう時は全然ありますが(笑)。
一方で、役がまったく作れなかった場合にどうなるのか、という点も当然意識しています。
本編では、ティーパーティ会場で強化項目を解放していくことで、クライムカードのリロードができるようになったり、ショップでカードを購入できるようになったりします。プレイを重ねることで、少しずつ狙った役を作りやすくなる構造にしています。
また、開発側では、リロードなども含めて各役がどのくらいの確率で成立するのかを確認しながら調整しています。
「この役以上は多くのプレイヤーが現実的に狙えるはず」というラインを見ながら、敵の強さやカード効果のバランスを調整していきました。そのため、強い役ができた時の爆発力は残しつつ、役ができなかった時にも極端に苦しくなりすぎないように設計しています。
ちなみに、僕がバランスを確認する時は、トランプを0枚状態で戦っています。その状態でもゲームとして成立するかを見ながら調整しているので、難しすぎることはないはずです!
――クライムカードで役を狙うにはマップでどのルートを選ぶかが重要になりますが、マップにはカード以外にもスピリット、派生スキル、必殺技など様々な要素が散りばめられていることで、ビルド構築に深みが出ていました。
手札づくりをマップと組み合わせた理由と、それによってプレイヤーの判断にどのような違いをもたらすことを狙っていたのか、教えてください。
礒部氏:マップについては、現在もまさに調整を続けている部分です。
本作では、クライムカードやスキルを手に入れて、そのランの中でビルドを作っていく楽しさがあります。
一方で、ティーパーティ会場に戻ったあとに使える強化素材など、次の挑戦につながる要素も存在します。
そのため、マップ上では「今このコロシアイを有利に進めるためのカードやスキルを狙うのか」、それとも「今回は少し先を見て、永続強化に使える素材を狙うのか」という判断をしてもらいたいと思っています。
ポーカーの役を作るためには、当然カードが重要になります。
ただ、カードだけを追いかければいいわけではなく、派生スキルや必殺技、スピリットなども含めて、その時のビルドに必要なものを選んでいく。今の手札を伸ばすのか、足りない部分を補うのか、次の挑戦を見据えて素材を集めるのか。
その迷いをマップ選択の中に入れたいと考えて制作しました。
加えて、本作ではトランプで役を作っていくため、マップ上には各トランプのスート、いわゆるマークだけが表示されているマスも用意しています。
たとえば「このマークが欲しいのに、今選べるのは違うマークだ」「フラッシュを狙いたいけれど、このルートだと欲しいスートが取れないかもしれない」といった悩みが生まれます。
単に報酬の強さだけで選ぶのではなく、今の手札と照らし合わせて、どのマスへ進むかを考える。そういった判断も、クライムカードとマップを組み合わせた理由のひとつです。
体験版の段階では、正直まだその判断の面白さを十分に出しきれていない部分もあると感じています。なので現在、マップの報酬配置や選択肢の見え方、カードや素材を取りに行く意味合いなどを、製品版に向けてさらに調整しています。
理不尽にしないから上達できる。自由度の高いビルド構築
――体験版でもマップは試行錯誤のしがいがあって面白かったので、製品版でどうなっているか、とても楽しみです。
戦闘では弱攻撃や強攻撃、掴み、クライムライドからの跳ね返し、派生スキル、必殺技など多彩な攻撃手段があり、敵や状況に合わせて使いこなせるようになると一気に面白くなっていきました。敵を倒す気持ちよさと、攻撃の種類を増やして敵ごとに有効な手段を変える設計とで、特に大切にしたことを教えてください。
礒部氏:本作では、「この敵にはこの技が正解です」というような作りには、しないようにしています。
もちろん、弱攻撃、強攻撃、掴み、クライムライド、派生スキル、必殺技など、それぞれに手触りや役割の違いはあります。
ただ、敵ごとに明確な最適解を用意しすぎてしまうと、最終的には「正解の行動を選ぶ遊び」になってしまうと思っています。
『クライムライト』では、コロシアイに挑むたびに入手できるクライムカードが変わります。
そのため、毎回同じ戦い方になるのではなく、「今回は通常攻撃を強化するビルドになりそうだ」「今回は投げを強化しやすいから、掴みを軸にしてみよう」「今回はスキルが伸びているから、派生スキルを中心に戦おう」といったように、その時々で戦い方の方針が変わっていきます。
そこで敵ごとの最適解を強く作りすぎてしまうと、せっかく投げを強化しているのに、「この敵には通常攻撃でしか大きくダメージを与えられない」といった状況が生まれてしまいます。
それは、ローグライトとしてのビルドの楽しさを削いでしまうので、避けたいと考えました。
――うまくビルドがハマるとすごい火力が出て、雑魚戦は癖になるくらい楽しかったです(笑)
一方で、ボス(番人)との戦いはアクション性が強い歯応えのある難易度で、攻撃のタイミングが音で分かることもあり、繰り返し挑戦するうちに「できるようになった」と強く実感できる作りになっていました。
繰り返し挑戦する中で上達を実感させる設計として、意識したことや工夫した点を教えてください。
礒部氏:『クライムライト』はローグライトアクションではありますが、これまでの「CRY」タイトルと同じく、シナリオドリブンの作品でもあります。
そのため、アクションが難しすぎることによって、物語を楽しむ体験が阻害されることは避けたいと考えていました。
一方で、ただ簡単に倒せるだけでは、ボス戦としての達成感や、「自分がうまくなった」という実感は生まれにくいと思っています。
そこで意識したのは、敵の攻撃を“理不尽にしない”ことです。
ボスの攻撃タイミングや危険な行動は、できるだけ視覚的にも聴覚的にも分かるようにしています。
攻撃が来る前の予兆や、タイミングを知らせる音を入れることで、初見では避けられなくても、何度か挑戦するうちに「ここで来るんだ」「この音が鳴ったら回避すればいいんだ」と分かるようにしたかったんです。
連続攻撃をうまく避けられた時って、すごく気持ちいいですよね。
「今、自分はちゃんとアクションゲームをうまく遊べている」と感じられる。その体験は大切にしています。
シナリオを楽しみたい方がアクションで必要以上に詰まらないようにしつつ、アクションとしての歯応えや、繰り返し挑戦することで上達していく気持ちよさも感じられる、そんなバランスで調整しています。
もちろん、分かりやすくしているからといって、簡単という意味ではないです(笑)。
番人たちはしっかり強いので、ぜひ何度も挑戦しながら、「できるようになった」感覚を味わっていただけると嬉しいです。
2Dだから実現できた、『クライムライト』ならではの空気感
――コロシアイの合間には、「書庫」に立ち寄ることもいい息抜きになりました。
特に書庫の「本を読む」ではストーリーや各キャラクターに対して、アリス視点の心情を含むテキストが読めるようになっていて、「こんなこと考えてたんだ」と知ることができるのが面白かったです。こうした読み物を用意した狙いと、書く際に意識したことを教えてください。
礒部氏:書庫の「本を読む」は、物語を振り返るための機能でありながら、アリスというキャラクターの内面を知ってもらうための場所でもあります。
ローグライクという性質上、何度も挑戦して、倒れて、またティーパーティ会場へ戻ってくるというサイクルがあります。
その中で物語も少しずつ進んでいくのですが、どうしても間にバトルや周回が挟まるので、「前にどんな出来事があったか」「このキャラクターは何を抱えていたか」を忘れてしまうこともあると思っています。
そこで、書庫ではストーリーやキャラクターについて、あとから振り返れる読み物を用意しました。
ただのあらすじではなく、アリスの視点や心情も含めて書いているのは、そこに本作らしさを出したかったからです。
同じ出来事でも、アリスがどう感じたのか。
誰に苛立ったのか、誰を少し信じたのか、何に違和感を覚えたのか。
そういった主観が入ることで、プレイヤーが物語を思い出すだけでなく、アリスの心の変化も一緒に追えるようにしています。
ローグライトとしてテンポよく遊びながらも、物語やキャラクターの感情から置いていかれない。そして、読み返すことでアリスの心情にも少し深く触れられる。
書庫の読み物は、そのための機能として入れています。
――ぜひグラフィック面についても伺いたいのですが、プロデューサーレターでは、制作面だけを考えれば3Dで作ったほうが効率的な場面も少なくないというお話がありました。それでもキャラクターから背景まですべてを2Dで表現した決め手と、2Dにしたことで狙いどおりになったと感じる点を教えてください。
礒部氏:一番大きな決め手は、キャラクターのかわいさや魅力を最大限届けるためには、2Dで表現するのが一番合っていると感じたことです。
制作面だけで考えれば、3Dのほうが効率的な場面はたしかにあります。
一度モデルを作れば、いろいろな角度から見せられますし、アクションやカメラ演出の面でも作りやすい部分は多いと思います。
ただ、キャラクターデザインは最初に2Dのイラストとして上がってきます。
そのイラストが持っているかわいさや儚さ、表情の細かいニュアンスを、できるだけそのままユーザーの皆さんに届けたいと思いました。
3Dには3Dの良さがありますが、2Dで描かれたキャラクターを3Dモデルにした時に、どうしても少し印象が変わってしまうことがあります。
なので今回は、思い切ってキャラクターから背景まで、すべて2Dで表現することにしました。
2Dにしたことで狙いどおりになったと感じているのは、やはりキャラクターのかわいさや表情の見え方です。
アドベンチャーパートでは、ただ立ち絵が表示されて会話するのではなく、表情や仕草、動きの間も含めて、まるでアニメを観ているような感覚になるように作っています。
一方で、2Dは3Dに比べると、立体的な見せ方やダイナミックなカメラワークが難しい部分もあります。
だからこそ本作では、2Dにしかできない画面作りをかなり意識しました。
背景やステージ、アドベンチャーパートの構図、クライムカードの見せ方なども含めて、1枚のアートとして見ても美しく感じられるようにしています。僕自身も画面の見せ方やアートディレクション的なこともしており、かなり細かくデザインにはこだわっています。
かわいくて、美しくて、でもどこか不穏。
そういう本作ならではの空気感は、2Dにしたことでかなり表現できていると思います。
過去作経験者から新規プレイヤーまで、誰もが楽しめる罪と涙の物語
――オープニングムービーでは、アリスがワンダーランドへ迷い込む始まりが描かれ、メインテーマ「Love and Guilt」の歌詞にはストーリーに深く関わってきそうなフレーズもありました。オープニング映像や歌詞に込めた想いや物語との関わり、プレイヤーの方々に注目してほしいポイントを教えてください。
礒部氏:オープニングテーマ「Love and Guilt」は、最初に僕の方で歌詞の大まかな形を書いて、それを削除さんにメロディに乗るように整えていただく形で作っていきました。
今回の楽曲では、アリスが初めてワンダーランドへ迷い込んだ時の情景や感情を、歌詞の中にかなり入れています。
記憶を失った少女が、何も分からないまま不思議な世界へ落ちていく。そこで出会うものが救いなのか、罰なのかも分からない。そういう、物語の始まりの不安や美しさを意識しています。
一方で、この歌詞は、最初に聴いた時と、ゲームを最後まで遊んだあとに聴いた時で、かなり印象が変わるように書いています。
たとえば「ボクはまた生まれ直す」や「愛も罪も同じ鎖」といったフレーズは、初めて聴いた段階では少し抽象的に聞こえるかもしれません。
ただ、本編を進めていくと、アリスや少女たちが何を背負っているのか、なぜワンダーランドにいるのか、そして「愛」と「罪」がどう結びついているのかが少しずつ見えてきます。
そのうえで改めて聴いていただくと、同じ歌詞でもまったく違う意味に感じられると思います。
オープニング映像についても、アリスがワンダーランドへ迷い込む“始まり”を描きつつ、実は本編を知ったあとに見ると意味が変わる要素を入れています。
最初は幻想的な導入として見ていただけると思いますが、クリア後には「あの場面はこういう意味だったのか」「この歌詞はこの場面につながっていたのか」と感じてもらえる部分があると思います。
なので、プレイヤーの皆さんには、ぜひゲームを始める前と、物語を最後まで見届けたあとで、もう一度オープニングを見て、楽曲を聴いていただきたいです。
きっと最初とは違う景色に見えると思います。
――『クライ』シリーズは各作品の物語が独立しているため、過去作未プレイでも『クライムライト』からでも問題なくプレイできるというお話がありました。
一方で、過去作を遊んだ方がニヤリとできる要素を盛り込んだとも過去のインタビューで仰っていましたが、共通の言葉や要素(「辺獄」や「ヨミガエリ」など)を盛り込む際に意識したことを、差し支えない範囲で教えてください。
礒部氏:『クライムライト』は完全新作として作っているので、過去作を遊んでいない方でも問題なく楽しめるようにしています。
一方で、“クライ”シリーズとして大切にしている空気感や、過去作を遊んでくださった方が少し反応できるような言葉や要素も、差し支えない範囲で入れています。
たとえば「辺獄」や「ヨミガエリ」のような言葉は、そのひとつですね。
ただ、こういった共通の言葉や要素を入れる時は、かなり慎重に精査しています。
過去作を知らないと意味が分からないものにはしたくありませんし、逆に過去作とのつながりを強く出しすぎて、『クライムライト』単体の物語が弱く見えてしまうことも避けたいと思っていました。
あくまで本作は本作として独立した物語です。
そのうえで、過去作を遊んでくださった方が「あ!!!!」と感じられるような温度感にしています。
そのあたりは、シリーズに関わっていただいている久弥直樹さんにシナリオを書いていただいていることもあり、かなり安心していました。
“クライ”らしい言葉の使い方や、過去作を知っている方への見せ方、でも新規の方を置いていかないバランスは、とても大切にしていただいています。
なので、過去作を遊んでいない方には、まず『クライムライト』単体の物語として楽しんでいただきたいです。
そして過去作を遊んでくださっている方には、ニヤリとしていただけるような要素も感じてもらえたら嬉しいです。
――ありがとうございます。最後に、発売を楽しみにしている方々に向けてメッセージをお願いします。
礒部氏:本作は、「CRY」の名前を持つタイトルとして、少女たちの涙、そしてその先にある光を罪というテーマを通してしっかり描きたいと思って作ってきました。
過去作を遊んでくださっている方には、きっと思っている以上に「CRY」らしさを感じていただけると思いますし、今回初めて触れてくださる方にも、ひとつの新しい物語として楽しんでいただける作品になっていると思います。
ワンダーランドは、かわいくて、美しくて、でもどこか不穏な世界です。
そこでアリスたちは、自分たちの罪や後悔と向き合いながら、それでも前へ進もうとします。
ローグライトアクションとしての手触りや、クライムカードで役を作るビルドの楽しさ。
そして、少女たちが何を背負い、何を失い、何を選ぶのかという物語。
その両方を、ぜひ楽しんでいただきたいです。
『クライムライト』は、僕たちにとっても、とても大切なタイトルです。
発売まで、そして発売後も、皆さんに少しでも良い形で届けられるよう、最後までしっかり磨き込んでいきます。
ぜひ、アリスたちの罪と涙の物語を見届けてください。
ゲームの基本情報
| ゲーム名 | クライムライト/CRYMELIGHT |
|---|---|
| ジャンル | 懺悔して強くなるローグライクアクション |
| プラットフォーム | Nintendo Switch 2 / PlayStation5 / PC(Steam) |
| 価格 | 通常ダウンロード版:3,278円 通常パッケージ版:4,378円 デジタルデラックス:6,578円 ティーパーティBOX:10,978円 |
| リリース日 | 2026年11月5日 |
| 公式サイト | https://www.cs.furyu.jp/crymelight/ |
| 公式X | https://x.com/_Project_Alice |
| コピーライト | © FURYU CORPORATION |
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