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【ミラクルニキ】イベント「新世界」ストーリーまとめ(昼)

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ミラクルニキ攻略班
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ミラクルニキにおけるイベント「新世界」の昼ストーリーをまとめてご紹介。話の内容が気になる方は、参考にどうぞ!

新世界

ネタバレを含んでいます
こちらの記事はネタバレを含んでおります。事前に内容を知りたくない方は、閲覧をお控え下さいますよう、よろしくお願い致します。
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1「夢から覚めて」

海水の中で
音だけ響く
モモ ニキ!起きて!
身体は柔らかに落ちていき
魂が遠い呼び出しに応える
モモ ふーん。そういうことなら……奥の手があるもんね!
モモ コーチョコチョ!
ニキ驚 ……!!!
無限の海から出て
彼女は眉を寄せた
朦朧と目を覚ましーー
(朝を知らせる鳥の囀りは聞こえず、窓の外はすでに日差しで眩しい)
モモ ニキ、やっと起きた。いつまで寝てるんだよ!
ニキ驚 ここ……どこ?
モモ困 何言ってるのさ……え、ここは自分の家じゃないかって?寝ぼけないで!
(ニキの視線は白い天井付近を彷徨った。そこに吊り下がっている照明器具は、よく見慣れたものだ)
(布団の感触、家具の置き場所も懐かしい感じがする)
ニキ驚 ……私の家?
ニキ考 ここ……マーベル大陸じゃないの!?
モモ困 マーベル大陸?何それ……。
ニキ驚 何って、モモと私は一緒に……え、どういうことなの……?
ニキ考 長い長い、変な夢を見ていたの……?
モモ困 そんなことより!みんな待ってるよ。早く起きて着替えないと!
モモ笑 みんなパーティの準備をしているのに、一人だけ寝ぼけてていいの?
ニキ驚 パーティー……あっ、忘れてた!
(モモはニキの手を引っ張って起きるのを急かすと、ベッドから飛び降りてクローゼットの戸を開け放った)
モモ笑 今日はこの家に集まって、パーティーをするんだ。ニキも早く可愛い服に着替えて!下の部屋でみんな待ってるから。
(パタンッ)
(そう言ってモモは出ていきドアが閉まると、部屋にはニキだけが取り残された)
(クローゼットには服が整然と掛けられており、ニキはその中の一着を取り出した)
(記憶の底に埋もれていた思い出が、次第に蘇ってくる)
(遠い夢の中での記憶。次いつまた会えるのかわからない人々との思い出)
(かつての温かい思い出……)
ニキ考 本当に……全部夢だったの?
モモ笑 ニキ!来た来た!
夢エリス パーティーの飾りつけをしているところなの。ニキも一緒にどう?
(ニキが答えようとすると、急に現れた人物が紙の束をニキに握らせた。それは様々な切り絵の図案で、手書きの印が描き込まれている)
昼ポポ笑 ニキ!どの図案がいいと思う?
(ニキは驚き、ポポに握られた自分の手を見て、またポポに視線を戻した)
(ポポはニキの視線に首を傾げたが、相変わらず愛想のいい笑顔を浮かべている)
ニキ驚 ……ポポ?ど、どうしてここに?
昼ポポ笑 旅に行かないで、みんなとパーティーすることにしたの!あたしがいなきゃみんな寂しがるでしょ!
モモ困 そうだね。『今日だけ』は賑やかな人がいた方がいいかも。
昼ポポ怒 ええっ!?いつもでしょ!
(ポポとモモが騒いでいる、見覚えのある光景)
ニキ驚 (……やっぱり夢だったんだ!)
ニキ笑 (ポポがいなくなったのは夢!)
(ニキはポポの後ろ姿を見ながら、安堵のため息をついた)
昼ポポ困 ニキ、どうしたの?心ここにあらずって感じだけど……。
(ポポはモモのフードを引っ張っていた手を離し、心配そうにニキを見つめた)
ニキ笑 何でも無いわ。よく寝られなかっただけかな。
(部屋の外からヒールの音が近付いてきて、サクラがドアを開けて入ってきた)
夢サクラ 材料を持ってきたわ。いつ始める?
墨もすったし、今からでもいいんじゃない?
(ニキが振り向くと、リンレイが筆と墨と硯を持って入ってくるところだった。リンレイはニキに微笑んだ)
(懐かしいその微笑みは、あの悪夢のような出来事などなかったかのようだ)
(あれほど想った人が、目の前にいる。まるで寒空に吹き込んだ一陣の春風のようだ)
ニキ考 リンレイ……。
夢リンレイ笑 あら?ニキ、どうしたの?
ニキ笑 ううん、なんでもない……リンレイ、久しぶりだね。
夢リンレイ笑 ええ、久しぶりね。みんなとパーティーができるなんて、本当に嬉しいわ。
ニキ笑 (夢でよかった……)
夢リンレイ ニキ、顔色が悪いわ?寝不足かしら?
昼ポポ困 リンレイも同じこと聞いてる!ニキ、悪い夢でも見たの?
モモ困 そうなんだよ!さっき起きた時も、変なこと言ってたんだ!
夢エリス ニキったら、寝言?
夢エリス 部屋の飾りつけは私たちがやっておくから、ニキはまず寝ぼけ頭を起こさないとね!
(エリスはリンレイから硯を受け取りサクラはニキの傍に材料を運んできた)
夢サクラ ニキ、ご所望の物よ。足りない物はないかしら?
昼ポポ笑 大丈夫だよね!ニキ、早く始めよう!
ニキ うん……そうだね。
(喜びと戸惑いと共に、その新しい一日は始まった)

2「積もる雪」

夢サクラ これはどうかしら?
夢エリス 綺麗ね。切り絵はこっちに貼ればいいかな?
夢サクラ もうちょっと高いところがいいわ。
夢リンレイ うーん……横に詩を書くのはどうかしら?
モモ笑 ボクも賛成!文学的な感じだね!さすがリンレイ!
昼ポポ笑 ニキ、ほらほら!あたしの作った飾りも凄いでしょ!
ニキ笑 うん……本当だね!
ニキ (夢の中でも現実でも、モモとポポは仲良しなのね)
ニキ (みんなとまた一緒に過ごせるなんて……なんて素敵なの……)
昼ポポ驚 ニキ!何ぼんやりしてるの!
(ポポの声で我に返ったニキは、自分が赤い紙を大きく切りすぎていたことに気が付いた)
ニキ考 あっ……ごめんなさい、ぼんやりしていたみたい。
昼ポポ微笑み 大丈夫、紙ならまだまだあるよ!サクラさんがいっぱい持ってきてくれたの!
ニキ笑 そうなんだ、良かった……。
(完成した色とりどりの飾りは、壁や窓ガラスに貼られた)
(手先の器用な少女たちは、小さな部屋の中を賑やかな雰囲気にしてパーティームードを盛り上げた)
昼ポポ笑 完成!どう、上手でしょ!?
モモ喜 わぁ!見てみて!雪だよ!
(モモは窓辺に飛びついた。窓の外にはひらひらと舞う粉雪。遠くの建物も空もぼやけて見える)
夢リンレイ 綺麗ね……。
夢エリス 雪なんて久々なのに、みんなで一緒に見られるなんてね!
夢サクラ ええ、この地方だと、初雪はいつもこの時期みたいね。
昼ポポ笑 積もったら雪合戦しようよ!
モモ笑 いいね!ボクの新技を見せてやる!
(ニキは窓際に歩み寄った。雪は地面に薄く降り積もり、木々の梢にも銀色の霜が降りている)
ニキ (雪……ノーザンを離れてからこんな雪は久しぶり……)
ニキ驚 (……ノーザン?)
(その瞬間、雪は突然激しくなり全てを覆い尽くすと、ニキの目の前には果てしない雪原が広がっていた)
(目の前の景色に息を呑んだニキ。目を擦ってもう一度見やると、遠くに小さな町とそこに建つ高い建物、交差する道路が見えた)
ニキ考 (……幻覚?まだ寝ぼけてるの?)
昼ポポ笑 ニキ!早く着替えて、雪合戦に行こうよ!
夢サクラ 暖かい服に着替えましょう。雪が激しくなってきたわ。

3「繰り返す昨日」

優しい海
暖かな海
海水に身を任せて
世界の側面を漂う
夢の海に再度包まれ
彼女は目を開けれず
彼女は声を出せずに
モモ ニキ!起きて!
(瞼の隙間から入ってくる、窓の外の眩しい日差し。それに見慣れた照明と白い天井)
モモ ニキ、やっと起きたね!
モモ みんな待ってるよ、早く起きて着替えないと!
モモ笑 みんなパーティの準備をしているのに、一人だけ寝ぼけてていいの?着替えたら早く下りてきて!
ニキ驚 (……え?)
ニキ驚 (モモのさっきの言葉……どこかで聞いたような?)
(ニキはクローゼットの中を見た。服が整然と掛けられている。昨日と同じように)
(突然、窓辺から鳥が遠くに飛び去り、ニキは我に返る)
ニキ考 (……考えすぎかな)
(ニキは頬を軽く叩き、着替えて階下へ向かった)
モモ笑 ニキ!来た来た!
夢エリス パーティーの飾りつけをしているところなの。ニキも一緒にどう?
(ポポがニキに飛びついてきて、紙の束をニキに握らせた。それは様々な切り絵の図案で、手書きの印が描き込まれている)
昼ポポ笑 ニキ!どの図案がいいと思う?
ニキ驚 え……そんな、昨日……。
夢サクラ 材料を持ってきたわ。いつ始める?
ニキ驚 !?
(ニキが振り向くと、リンレイが筆と墨と硯を持って入ってくるところだった。リンレイはニキに微笑んだ)
(昨日とまったく同じ微笑みだ)
ニキ困 (……どういうこと?)
夢リンレイ笑 ニキ、どうしたの?
ニキ困 う……ううん……なんでもないよ。
昼ポポ困 ニキ、悪い夢でも見たの?
モモ困 そうなんだよ!さっき起きた時も、変なこと言ってたんだ!
ニキ考 (あの夢のせい?だけどこの既視感は何……?)
夢エリス ニキったら、寝言?
夢エリス 部屋の飾りつけは私たちがやっておくから、ニキはまず寝ぼけ頭を起こさないとね!
(エリスはリンレイから硯を受け取りサクラはニキの傍に材料を運んできた)
夢サクラ ニキ、ご所望の物よ。足りない物はないかしら?
昼ポポ笑 ニキ、早く始めよう!
ニキ うん……そうだね。
(ニキは昨日と同じ場所に座り、ハサミを持ち、記憶を頼りに切り絵を作り始めた)
昼ポポ笑 ニキ、ほらほら!あたし、凄いでしょ!昨日より上手にできた!
(ポポは完成した切り絵を広げてみせた。繋がった笑顔のモモだった)
ニキ笑 うん……本当だね!
ニキ考 (……これもまた夢?)
ニキ考 (ううん……だって、ポポは昨日の切り絵のことを覚えてた……)
昼ポポ困 ニキ!何ぼんやりしてるの!
ニキ驚 私……。
夢リンレイ笑 うーん……横に詩を書くのはどうかしら?
ニキ驚 ……リンレイ、昨日も同じのを書いていなかった?
夢リンレイ笑 え?昨日、私が何を書いていたって?
ニキ困 ……。
(ニキの後ろでは、エリスが完成した切り絵を窓にあて、隣ではサクラが飾りを貼り付けようとしている)
夢サクラ これはどうかしら?
夢エリス 綺麗ね。切り絵はこっちに貼ればいいかな?
ニキ驚 この切り絵……昨日ここに貼ったのとまったく同じじゃない?
夢エリス 今から貼るのよ?
モモ困 ニキ、何言ってるんだよ!
モモ困 パーティーの準備は今日しようって決めて、さっき集まったばかりだよ?
昼ポポ怪 ニキったら、まだ寝ぼけてるのね!
(ポポがニキの頭をポンポンと軽く叩いて、笑った)
(部屋が笑い声に包まれる。温かく楽しい一日なのに、ニキだけが立ちすくみ、愕然としている)
ニキ驚 ……どういうことなの。

4「夢の亀裂」

(みんなにはニキにとっての『昨日』は存在していないようだ)
(だが彼らはニキの経験した『昨日』をちっとも奇妙に思っていない)
(ニキは壁の日めくりカレンダーを見た。昨日と同じ日付のままだ。ニキは自分の記憶を疑った)
ニキ困 だけど……ポポは昨日も切り絵を作ったって言ってた……。
昼ポポ誤 それは……家で練習してきたのよ!
(ニキは、切り絵の図案が印刷された絵を手にとった)
(美しい切り絵の図案数枚の横には、ニキが昨日つけた印があった)
ニキ驚 この印……私が昨日つけたものよ。
ニキ驚 昨日、一緒に図案を選んだよね。ポポは切り絵が苦手だからって。
昼ポポ困 あたし……。
ニキ困 覚えているわ。昨日、ポポはモモの頭を切り絵で作って、モモに突っ込まれてたよね。
モモ ……。
(モモはテーブルの上に腹ばいになって、尻尾を揺らしながら今晩のメニューを見ている)
ニキ驚 リンレイは覚えてる?
(リンレイは墨を筆に含ませ、新たな一筆をしたためている)
ニキ驚 ……サクラさん?エリス?
(ポポ以外には誰もニキの声が届かないようで、それぞれ作業に集中していた)
ニキ困 ……ポポ?
昼ポポ誤 ニキってば、記憶違いだよ!
ニキ困 そ……そうかな?
(混乱するニキの頭の奥で、警鐘が鳴る。これは現実なのか幻なのか)
(窓の外では降り出したばかりの雪が風に吹かれて空中でクルクルと舞い、地面に薄っすらと積もり始めていた)
ニキ困 (雪……待って!雪!?)
ニキ驚 (昨日も雪が降って、厚く積もっていたよね……)
(何かが破裂する、小さな音がした。そして静寂が訪れる。まるで何もなかったかのように静かだ)
ニキ困 どういうこと……。
(ニキが振り返ると、ポポは切り絵を作っていた手を止めた)
ニキ驚 ……ポポ!?

5「円環に囚われて」

身体は海水に浸かる
もがいても もがいても
何度も深海へ引寄せられる
助けの声も海では出せない
そして、
深海に落ちて
光がなくなった
モモ ニキ!起きて!
(ニキは夢の中から目を覚ました。眩しい窓の外の光。体中が冷や汗でびっしょりだ)
モモ ニキ、やっと起きた!
ニキ無 ……。
モモ困 みんな待ってるよ、早く起きて着替えないと!
ニキ困 (……まったく同じ)
モモ笑 みんなパーティーの準備をしているのに、一人だけ寝ぼけてていいの?着替えたら早く下りてきて!
ニキ驚 モモ……。
(パタン)
(ドアの閉まる音だけが、ニキへの返事だった)
(ニキはベッドに腰掛けた。日めくりカレンダーは昨日のままで、冷や汗が流れた)
ニキ困 (幻覚なんかじゃない。本当に昨日に戻ってる……)
ニキ困 (どうして……)
(クローゼットには服が整然と掛けられていた。いつもの『昨日』と同じように)
ニキ無 (『昨日』……ってどんな終わり方だったっけ?)
ニキ無 (みんなの様子がおかしかった、それから……昨日の終わりは?全然覚えてない……)
(突然、窓辺から鳥が遠くに飛び去っていく)
(ニキが窓の外を見ると、通りには雪が降った痕跡がまるでなかった)
ニキ困 (どういうこと?)
(今までの『昨日』と同じく、ニキは着替えて階下に向かった)
モモ笑 ニキ!来た来た!
夢エリス パーティーの飾りつけをしているところなの。ニキも一緒にどう?
(ポポがニキに飛びついてきて、紙の束をニキに握らせた。それは様々な切り絵の図案で、手書きの印が描き込まれている)
昼ポポ笑 ニキ!どの図案がいいと思う?
(部屋の外からヒールの音が近付いてきて、サクラがドアを開けて入ってきた)
夢サクラ 材料を持ってきたわ。いつ始める?
夢リンレイ笑 墨もすったし、今からでもいいんじゃない?
ニキ驚 (やっぱり、何から何まで同じ……)
(ニキが振り向くと、リンレイが筆と墨と硯を持って入ってくるところだった。リンレイはニキに微笑んだ)
ニキ困 (まるで繰り返しみたい……永遠に抜け出せないループ)
夢リンレイ笑 ニキ、どうしたの?
ニキ困 リンレイ、変だと思わない?今していることを、前にもしたような……。
夢リンレイ ニキ、顔色が悪いわ?寝不足かしら?
(リンレイは心配そうにニキを見つめるが、ニキの言葉に対してはまるで訳がわからないという顔をしている)
ニキ困 (どうして……リンレイは何も感じないの?)
ニキ無 ……みんな、何も気付かないの?私たち、昨日に戻っているのよ。それも何度も!
(沈黙した空気の中、周囲を見渡すニキは自分の呼吸が止まるかと思った)
(だが、沈黙は長くは続かなかった。誰もがニキの言葉が聞こえなかったかのように、自分の作業に集中していたからだ)
(リンレイは紙を敷いて、また詩をしたためた)
(エリスが完成した切り絵を窓にあて隣ではサクラが飾りを貼り付けようとしている)
(ポポは隅に座って切り絵を作っている。横にあるのはあの、印の入った図案の束)
(気味が悪いほど静まり返っていた)
ニキ困 ……みんな変だと思わないの?
(リンレイは顔も上げず、筆に墨を含ませ、新たな一筆をしたためた)
(サクラとエリスは、まだ切り絵と飾りを貼る位置を相談している)
(モモは窓辺に寝そべり、外の雪を見ている)
(ポポは作った切り絵を開くがーーそこに現れたのは、ニキが見たことのない図案だった)
ニキ驚 (『昨日』とは違う切り絵……)
(窓の外の雪は次第に激しさを増し、すぐに通りは真っ白になった)
(同じ……何もかも!ただ……)
(ニキが再びポポの方を振り向き、彼女の切り絵をじっと見つめると、頭の奥でまた警鐘が鳴った)
(ニキの視線に気付いたのか、ポポは不自然に切り絵を隠した)
ニキ困 ……ポポ、あなた何か知っているんじゃないの?
(ポポの動きがぎこちなく止まった)
ニキ驚 ……これはどういうこと?ポポ!?

6「砕ける夢」

(静寂が訪れる)
(まるで静かな夜のようだ。風もなく星が降ってくるかのような)
(だが今は昼間だ。しかも、窓の外に白く積もる雪で明るい。けれど雪の降る音は聞こえなかった)
ニキ困 ポポ……どうしたの?
昼ポポ赤 (ポポの手から切り絵とハサミが机の上に落ちた。ポポは顔を上げると、ニキをじっと見つめる)
昼ポポ赤 (その目つきはまるで別人だった)
(ポポの周囲にいたモモ、サクラ、エリス、リンレイ、みんなの動きが止まり、身体にまだらの光や奇妙な色が現れる)
ニキ無 何が起きたの……どういうこと!?
昼ポポ赤 (ポポはゆっくりと立ち上がると、ニキに一歩ずつ近づいてきた)
(周囲の全てが、溶けるように剥がれ落ちていく。彼女たちの姿も次第に消えていった)
ニキ驚 待って!モモ、サクラさん、エリス、リンレイ!……みんな幻覚なの!?
(ついに部屋は溶けてなくなり、虚無の中にニキは放り出された。ポポが目の前まで歩み寄ってくる)
昼ポポ赤 これは夢。
昼ポポ赤 (ポポは感情の読めない表情をしていた。まるで目の前の奇妙な出来事をすべて把握しているかのように)
ニキ困 ポポ……どうしたの?
(ニキは手を伸ばそうとして躊躇う。まるでポポではない別人のように思えたからだ)
ニキ困 ……一体何が起きているの?
ニキ困 夢って……どういうこと?
ニキ悲 ここ数日の出来事、サクラさん、エリス、リンレイ……みんな夢だったの?
昼ポポ赤 黙りなさい。
ニキ無 ……え?
(その冷淡な声に、ニキは我が耳を疑った。背筋に走る悪寒は錯覚などではない)
昼ポポ赤 私はこの滅びようとする世界で、お前たち愚かな人間を救おうとしている。それだけ分かれば十分よ。
ニキ驚 滅びようとする世界!?それって……マーベル大陸のこと!?
昼ポポ赤 身の程をわきまえていれば、最悪の結果は免れたかもしれないのに。
ニキ無 ……どういう意味?
(ポポはニキをちらりを見やった。ニキが見たことのない、捉えどころのない眼差しだ)
昼ポポ赤 マーベル大陸にとって、お前は部外者だ。何かを変えることなんて出来やしない。
昼ポポ赤困 この美しい夢の方が、お前の望みではないのか?それをなぜ破壊しようとする?
昼ポポ赤困 この世界は私が救う。お前は、永遠に美しい夢を見続けるがいい。
(言い終えると、ポポは踵を返して立ち去ろうとした。ニキは思わず駆け寄って彼女にしがみつく)
ニキ悲 待って!
ニキ悲 あなた……ポポじゃないでしょ!?
ニキ泣 ポポに何をしたの!彼女は無事なの?
昼ポポ赤困 (ポポはわずかに眉をひそめて深く息を吐き出すと、ニキの手を振りほどいて向き直った)
昼ポポ赤 ……それを知る必要があるのか?
ニキ悲 当たり前でしょ!ポポが無事なのか知りたいに決まってる!
ニキ悲 私の大切な友達なの。あなたに手出しさせないわ!
(ポポの目元に何かが光った。手で額を押さえ、ニキに背を向ける)
ニキ驚 (……ポポ、どうしちゃったの?)
ニキ驚 (苦しそうにしてる……)
昼ポポ悲 ニキ……逃げて……。
昼ポポ悲 (ポポは振り返った。その顔はニキが知るかつてのポポの顔だったが、ふたりの距離が縮まることはなかった)
ニキ困 逃げる?どこへ?
ニキ驚 待って!ポポね?今のあなたはポポなんでしょ!?
昼ポポ悲 ……こいつは、夢であらゆる人間を操ろうとしてる奴なの。だから、早くここから逃げて!
ニキ悲 操るって一体……ううん、それよりポポ、一緒に逃げよう!
昼ポポ泣 だめ、あたしは……ニキ、早く!もう間に合わない!
(ポポはニキを振り払うと、指で宙に見えない線を描いた。すると背後の虚空が一瞬で切り裂かれ、ニキは真っ逆さまに落ちていく)
(直後、ポポは何かに引っ張られるように、苦しそうに頭を抱えて地面に倒れ込んだ)
ニキ驚 ポポ!!
ニキ驚 (ニキは手を差し伸べるが、何も掴むことはできない)
(落ちていく間際に、ニキはポポが拳を握りしめるのを見た。そして、夢の空間はすぐに塞がってしまった)
昼ポポ赤 無駄だ……お前たちがどうあがいても、無駄だ!
昼ポポ赤 (体内にいる『何か』はポポの抑圧を振り切り、再び虚無の中の黒い霧のような、不気味な眼差しに戻っていた)
(それが、ニキの見た最後の光景だった)
夢が砕かれる

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