【ミラクルニキ】イベント「新世界」ストーリーまとめ(昼)
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- ミラクルニキ攻略班
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ミラクルニキにおけるイベント「新世界」の昼ストーリーをまとめてご紹介。話の内容が気になる方は、参考にどうぞ!
| ネタバレを含んでいます |
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| こちらの記事はネタバレを含んでおります。事前に内容を知りたくない方は、閲覧をお控え下さいますよう、よろしくお願い致します。 |
昼ストーリー |
夜ストーリー |
1「夢から覚めて」
| 海水の中で 音だけ響く |
| ニキ!起きて! |
| 身体は柔らかに落ちていき 魂が遠い呼び出しに応える |
| ふーん。そういうことなら……奥の手があるもんね! | |
| コーチョコチョ! | |
| ……!!! |
| 無限の海から出て 彼女は眉を寄せた 朦朧と目を覚ましーー |
| (朝を知らせる鳥の囀りは聞こえず、窓の外はすでに日差しで眩しい) |
| ニキ、やっと起きた。いつまで寝てるんだよ! | |
| ここ……どこ? | |
| 何言ってるのさ……え、ここは自分の家じゃないかって?寝ぼけないで! |
| (ニキの視線は白い天井付近を彷徨った。そこに吊り下がっている照明器具は、よく見慣れたものだ) |
| (布団の感触、家具の置き場所も懐かしい感じがする) |
| ……私の家? | |
| ここ……マーベル大陸じゃないの!? | |
| マーベル大陸?何それ……。 | |
| 何って、モモと私は一緒に……え、どういうことなの……? | |
| 長い長い、変な夢を見ていたの……? | |
| そんなことより!みんな待ってるよ。早く起きて着替えないと! | |
| みんなパーティの準備をしているのに、一人だけ寝ぼけてていいの? | |
| パーティー……あっ、忘れてた! |
| (モモはニキの手を引っ張って起きるのを急かすと、ベッドから飛び降りてクローゼットの戸を開け放った) |
| 今日はこの家に集まって、パーティーをするんだ。ニキも早く可愛い服に着替えて!下の部屋でみんな待ってるから。 |
| (パタンッ) |
| (そう言ってモモは出ていきドアが閉まると、部屋にはニキだけが取り残された) |
| (クローゼットには服が整然と掛けられており、ニキはその中の一着を取り出した) |
| (記憶の底に埋もれていた思い出が、次第に蘇ってくる) |
| (遠い夢の中での記憶。次いつまた会えるのかわからない人々との思い出) |
| (かつての温かい思い出……) |
| 本当に……全部夢だったの? | |
| ニキ!来た来た! | |
| パーティーの飾りつけをしているところなの。ニキも一緒にどう? |
| (ニキが答えようとすると、急に現れた人物が紙の束をニキに握らせた。それは様々な切り絵の図案で、手書きの印が描き込まれている) |
| ニキ!どの図案がいいと思う? |
| (ニキは驚き、ポポに握られた自分の手を見て、またポポに視線を戻した) |
| (ポポはニキの視線に首を傾げたが、相変わらず愛想のいい笑顔を浮かべている) |
| ……ポポ?ど、どうしてここに? | |
| 旅に行かないで、みんなとパーティーすることにしたの!あたしがいなきゃみんな寂しがるでしょ! | |
| そうだね。『今日だけ』は賑やかな人がいた方がいいかも。 | |
| ええっ!?いつもでしょ! |
| (ポポとモモが騒いでいる、見覚えのある光景) |
| (……やっぱり夢だったんだ!) | |
| (ポポがいなくなったのは夢!) |
| (ニキはポポの後ろ姿を見ながら、安堵のため息をついた) |
| ニキ、どうしたの?心ここにあらずって感じだけど……。 |
| (ポポはモモのフードを引っ張っていた手を離し、心配そうにニキを見つめた) |
| 何でも無いわ。よく寝られなかっただけかな。 |
| (部屋の外からヒールの音が近付いてきて、サクラがドアを開けて入ってきた) |
| 材料を持ってきたわ。いつ始める? | |
| 墨もすったし、今からでもいいんじゃない? |
| (ニキが振り向くと、リンレイが筆と墨と硯を持って入ってくるところだった。リンレイはニキに微笑んだ) |
| (懐かしいその微笑みは、あの悪夢のような出来事などなかったかのようだ) |
| (あれほど想った人が、目の前にいる。まるで寒空に吹き込んだ一陣の春風のようだ) |
| (エリスはリンレイから硯を受け取りサクラはニキの傍に材料を運んできた) |
| ニキ、ご所望の物よ。足りない物はないかしら? | |
| 大丈夫だよね!ニキ、早く始めよう! | |
| うん……そうだね。 |
| (喜びと戸惑いと共に、その新しい一日は始まった) |
2「積もる雪」
| これはどうかしら? | |
| 綺麗ね。切り絵はこっちに貼ればいいかな? | |
| もうちょっと高いところがいいわ。 | |
| うーん……横に詩を書くのはどうかしら? | |
| ボクも賛成!文学的な感じだね!さすがリンレイ! | |
| ニキ、ほらほら!あたしの作った飾りも凄いでしょ! | |
| うん……本当だね! | |
| (夢の中でも現実でも、モモとポポは仲良しなのね) | |
| (みんなとまた一緒に過ごせるなんて……なんて素敵なの……) | |
| ニキ!何ぼんやりしてるの! |
| (ポポの声で我に返ったニキは、自分が赤い紙を大きく切りすぎていたことに気が付いた) |
| あっ……ごめんなさい、ぼんやりしていたみたい。 | |
| 大丈夫、紙ならまだまだあるよ!サクラさんがいっぱい持ってきてくれたの! | |
| そうなんだ、良かった……。 |
| (完成した色とりどりの飾りは、壁や窓ガラスに貼られた) |
| (手先の器用な少女たちは、小さな部屋の中を賑やかな雰囲気にしてパーティームードを盛り上げた) |
| 完成!どう、上手でしょ!? | |
| わぁ!見てみて!雪だよ! |
| (モモは窓辺に飛びついた。窓の外にはひらひらと舞う粉雪。遠くの建物も空もぼやけて見える) |
| 綺麗ね……。 | |
| 雪なんて久々なのに、みんなで一緒に見られるなんてね! | |
| ええ、この地方だと、初雪はいつもこの時期みたいね。 | |
| 積もったら雪合戦しようよ! | |
| いいね!ボクの新技を見せてやる! |
| (ニキは窓際に歩み寄った。雪は地面に薄く降り積もり、木々の梢にも銀色の霜が降りている) |
| (雪……ノーザンを離れてからこんな雪は久しぶり……) | |
| (……ノーザン?) |
| (その瞬間、雪は突然激しくなり全てを覆い尽くすと、ニキの目の前には果てしない雪原が広がっていた) |
| (目の前の景色に息を呑んだニキ。目を擦ってもう一度見やると、遠くに小さな町とそこに建つ高い建物、交差する道路が見えた) |
| (……幻覚?まだ寝ぼけてるの?) | |
| ニキ!早く着替えて、雪合戦に行こうよ! | |
| 暖かい服に着替えましょう。雪が激しくなってきたわ。 |
3「繰り返す昨日」
| 優しい海 暖かな海 |
| 海水に身を任せて 世界の側面を漂う |
| 夢の海に再度包まれ 彼女は目を開けれず 彼女は声を出せずに |
| ニキ!起きて! |
| (瞼の隙間から入ってくる、窓の外の眩しい日差し。それに見慣れた照明と白い天井) |
| ニキ、やっと起きたね! | |
| みんな待ってるよ、早く起きて着替えないと! | |
| みんなパーティの準備をしているのに、一人だけ寝ぼけてていいの?着替えたら早く下りてきて! | |
| (……え?) | |
| (モモのさっきの言葉……どこかで聞いたような?) |
| (ニキはクローゼットの中を見た。服が整然と掛けられている。昨日と同じように) |
| (突然、窓辺から鳥が遠くに飛び去り、ニキは我に返る) |
| (……考えすぎかな) |
| (ニキは頬を軽く叩き、着替えて階下へ向かった) |
| ニキ!来た来た! | |
| パーティーの飾りつけをしているところなの。ニキも一緒にどう? |
| (ポポがニキに飛びついてきて、紙の束をニキに握らせた。それは様々な切り絵の図案で、手書きの印が描き込まれている) |
| ニキ!どの図案がいいと思う? | |
| え……そんな、昨日……。 | |
| 材料を持ってきたわ。いつ始める? | |
| !? |
| (ニキが振り向くと、リンレイが筆と墨と硯を持って入ってくるところだった。リンレイはニキに微笑んだ) |
| (昨日とまったく同じ微笑みだ) |
| (……どういうこと?) | |
| ニキ、どうしたの? | |
| う……ううん……なんでもないよ。 | |
| ニキ、悪い夢でも見たの? | |
| そうなんだよ!さっき起きた時も、変なこと言ってたんだ! | |
| (あの夢のせい?だけどこの既視感は何……?) | |
| ニキったら、寝言? | |
| 部屋の飾りつけは私たちがやっておくから、ニキはまず寝ぼけ頭を起こさないとね! |
| (エリスはリンレイから硯を受け取りサクラはニキの傍に材料を運んできた) |
| ニキ、ご所望の物よ。足りない物はないかしら? | |
| ニキ、早く始めよう! | |
| うん……そうだね。 |
| (ニキは昨日と同じ場所に座り、ハサミを持ち、記憶を頼りに切り絵を作り始めた) |
| ニキ、ほらほら!あたし、凄いでしょ!昨日より上手にできた! |
| (ポポは完成した切り絵を広げてみせた。繋がった笑顔のモモだった) |
| うん……本当だね! | |
| (……これもまた夢?) | |
| (ううん……だって、ポポは昨日の切り絵のことを覚えてた……) | |
| ニキ!何ぼんやりしてるの! | |
| 私……。 | |
| うーん……横に詩を書くのはどうかしら? | |
| ……リンレイ、昨日も同じのを書いていなかった? | |
| え?昨日、私が何を書いていたって? | |
| ……。 |
| (ニキの後ろでは、エリスが完成した切り絵を窓にあて、隣ではサクラが飾りを貼り付けようとしている) |
| これはどうかしら? | |
| 綺麗ね。切り絵はこっちに貼ればいいかな? | |
| この切り絵……昨日ここに貼ったのとまったく同じじゃない? | |
| 今から貼るのよ? | |
| ニキ、何言ってるんだよ! | |
| パーティーの準備は今日しようって決めて、さっき集まったばかりだよ? | |
| ニキったら、まだ寝ぼけてるのね! |
| (ポポがニキの頭をポンポンと軽く叩いて、笑った) |
| (部屋が笑い声に包まれる。温かく楽しい一日なのに、ニキだけが立ちすくみ、愕然としている) |
| ……どういうことなの。 |
4「夢の亀裂」
| (みんなにはニキにとっての『昨日』は存在していないようだ) |
| (だが彼らはニキの経験した『昨日』をちっとも奇妙に思っていない) |
| (ニキは壁の日めくりカレンダーを見た。昨日と同じ日付のままだ。ニキは自分の記憶を疑った) |
| だけど……ポポは昨日も切り絵を作ったって言ってた……。 | |
| それは……家で練習してきたのよ! |
| (ニキは、切り絵の図案が印刷された絵を手にとった) |
| (美しい切り絵の図案数枚の横には、ニキが昨日つけた印があった) |
| この印……私が昨日つけたものよ。 | |
| 昨日、一緒に図案を選んだよね。ポポは切り絵が苦手だからって。 | |
| あたし……。 | |
| 覚えているわ。昨日、ポポはモモの頭を切り絵で作って、モモに突っ込まれてたよね。 | |
| ……。 |
| (モモはテーブルの上に腹ばいになって、尻尾を揺らしながら今晩のメニューを見ている) |
| リンレイは覚えてる? |
| (リンレイは墨を筆に含ませ、新たな一筆をしたためている) |
| ……サクラさん?エリス? |
| (ポポ以外には誰もニキの声が届かないようで、それぞれ作業に集中していた) |
| ……ポポ? | |
| ニキってば、記憶違いだよ! | |
| そ……そうかな? |
| (混乱するニキの頭の奥で、警鐘が鳴る。これは現実なのか幻なのか) |
| (窓の外では降り出したばかりの雪が風に吹かれて空中でクルクルと舞い、地面に薄っすらと積もり始めていた) |
| (雪……待って!雪!?) | |
| (昨日も雪が降って、厚く積もっていたよね……) |
| (何かが破裂する、小さな音がした。そして静寂が訪れる。まるで何もなかったかのように静かだ) |
| どういうこと……。 |
| (ニキが振り返ると、ポポは切り絵を作っていた手を止めた) |
| ……ポポ!? |
5「円環に囚われて」
| 身体は海水に浸かる |
| もがいても もがいても 何度も深海へ引寄せられる 助けの声も海では出せない |
| そして、 深海に落ちて 光がなくなった |
| ニキ!起きて! |
| (ニキは夢の中から目を覚ました。眩しい窓の外の光。体中が冷や汗でびっしょりだ) |
| ニキ、やっと起きた! | |
| ……。 | |
| みんな待ってるよ、早く起きて着替えないと! | |
| (……まったく同じ) | |
| みんなパーティーの準備をしているのに、一人だけ寝ぼけてていいの?着替えたら早く下りてきて! | |
| モモ……。 |
| (パタン) |
| (ドアの閉まる音だけが、ニキへの返事だった) |
| (ニキはベッドに腰掛けた。日めくりカレンダーは昨日のままで、冷や汗が流れた) |
| (幻覚なんかじゃない。本当に昨日に戻ってる……) | |
| (どうして……) |
| (クローゼットには服が整然と掛けられていた。いつもの『昨日』と同じように) |
| (『昨日』……ってどんな終わり方だったっけ?) | |
| (みんなの様子がおかしかった、それから……昨日の終わりは?全然覚えてない……) |
| (突然、窓辺から鳥が遠くに飛び去っていく) |
| (ニキが窓の外を見ると、通りには雪が降った痕跡がまるでなかった) |
| (どういうこと?) |
| (今までの『昨日』と同じく、ニキは着替えて階下に向かった) |
| ニキ!来た来た! | |
| パーティーの飾りつけをしているところなの。ニキも一緒にどう? |
| (ポポがニキに飛びついてきて、紙の束をニキに握らせた。それは様々な切り絵の図案で、手書きの印が描き込まれている) |
| ニキ!どの図案がいいと思う? |
| (部屋の外からヒールの音が近付いてきて、サクラがドアを開けて入ってきた) |
| 材料を持ってきたわ。いつ始める? | |
| 墨もすったし、今からでもいいんじゃない? | |
| (やっぱり、何から何まで同じ……) |
| (ニキが振り向くと、リンレイが筆と墨と硯を持って入ってくるところだった。リンレイはニキに微笑んだ) |
| (まるで繰り返しみたい……永遠に抜け出せないループ) | |
| ニキ、どうしたの? | |
| リンレイ、変だと思わない?今していることを、前にもしたような……。 | |
| ニキ、顔色が悪いわ?寝不足かしら? |
| (リンレイは心配そうにニキを見つめるが、ニキの言葉に対してはまるで訳がわからないという顔をしている) |
| (どうして……リンレイは何も感じないの?) | |
| ……みんな、何も気付かないの?私たち、昨日に戻っているのよ。それも何度も! |
| (沈黙した空気の中、周囲を見渡すニキは自分の呼吸が止まるかと思った) |
| (だが、沈黙は長くは続かなかった。誰もがニキの言葉が聞こえなかったかのように、自分の作業に集中していたからだ) |
| (リンレイは紙を敷いて、また詩をしたためた) |
| (エリスが完成した切り絵を窓にあて隣ではサクラが飾りを貼り付けようとしている) |
| (ポポは隅に座って切り絵を作っている。横にあるのはあの、印の入った図案の束) |
| (気味が悪いほど静まり返っていた) |
| ……みんな変だと思わないの? |
| (リンレイは顔も上げず、筆に墨を含ませ、新たな一筆をしたためた) |
| (サクラとエリスは、まだ切り絵と飾りを貼る位置を相談している) |
| (モモは窓辺に寝そべり、外の雪を見ている) |
| (ポポは作った切り絵を開くがーーそこに現れたのは、ニキが見たことのない図案だった) |
| (『昨日』とは違う切り絵……) |
| (窓の外の雪は次第に激しさを増し、すぐに通りは真っ白になった) |
| (同じ……何もかも!ただ……) |
| (ニキが再びポポの方を振り向き、彼女の切り絵をじっと見つめると、頭の奥でまた警鐘が鳴った) |
| (ニキの視線に気付いたのか、ポポは不自然に切り絵を隠した) |
| ……ポポ、あなた何か知っているんじゃないの? |
| (ポポの動きがぎこちなく止まった) |
| ……これはどういうこと?ポポ!? |
6「砕ける夢」
| (静寂が訪れる) |
| (まるで静かな夜のようだ。風もなく星が降ってくるかのような) |
| (だが今は昼間だ。しかも、窓の外に白く積もる雪で明るい。けれど雪の降る音は聞こえなかった) |
| ポポ……どうしたの? | |
| (ポポの手から切り絵とハサミが机の上に落ちた。ポポは顔を上げると、ニキをじっと見つめる) | |
| (その目つきはまるで別人だった) |
| (ポポの周囲にいたモモ、サクラ、エリス、リンレイ、みんなの動きが止まり、身体にまだらの光や奇妙な色が現れる) |
| 何が起きたの……どういうこと!? | |
| (ポポはゆっくりと立ち上がると、ニキに一歩ずつ近づいてきた) |
| (周囲の全てが、溶けるように剥がれ落ちていく。彼女たちの姿も次第に消えていった) |
| 待って!モモ、サクラさん、エリス、リンレイ!……みんな幻覚なの!? |
| (ついに部屋は溶けてなくなり、虚無の中にニキは放り出された。ポポが目の前まで歩み寄ってくる) |
| これは夢。 | |
| (ポポは感情の読めない表情をしていた。まるで目の前の奇妙な出来事をすべて把握しているかのように) | |
| ポポ……どうしたの? |
| (ニキは手を伸ばそうとして躊躇う。まるでポポではない別人のように思えたからだ) |
| ……一体何が起きているの? | |
| 夢って……どういうこと? | |
| ここ数日の出来事、サクラさん、エリス、リンレイ……みんな夢だったの? | |
| 黙りなさい。 | |
| ……え? |
| (その冷淡な声に、ニキは我が耳を疑った。背筋に走る悪寒は錯覚などではない) |
| 私はこの滅びようとする世界で、お前たち愚かな人間を救おうとしている。それだけ分かれば十分よ。 | |
| 滅びようとする世界!?それって……マーベル大陸のこと!? | |
| 身の程をわきまえていれば、最悪の結果は免れたかもしれないのに。 | |
| ……どういう意味? |
| (ポポはニキをちらりを見やった。ニキが見たことのない、捉えどころのない眼差しだ) |
| マーベル大陸にとって、お前は部外者だ。何かを変えることなんて出来やしない。 | |
| この美しい夢の方が、お前の望みではないのか?それをなぜ破壊しようとする? | |
| この世界は私が救う。お前は、永遠に美しい夢を見続けるがいい。 |
| (言い終えると、ポポは踵を返して立ち去ろうとした。ニキは思わず駆け寄って彼女にしがみつく) |
| 待って! | |
| あなた……ポポじゃないでしょ!? | |
| ポポに何をしたの!彼女は無事なの? | |
| (ポポはわずかに眉をひそめて深く息を吐き出すと、ニキの手を振りほどいて向き直った) | |
| ……それを知る必要があるのか? | |
| 当たり前でしょ!ポポが無事なのか知りたいに決まってる! | |
| 私の大切な友達なの。あなたに手出しさせないわ! |
| (ポポの目元に何かが光った。手で額を押さえ、ニキに背を向ける) |
| (ポポはニキを振り払うと、指で宙に見えない線を描いた。すると背後の虚空が一瞬で切り裂かれ、ニキは真っ逆さまに落ちていく) |
| (直後、ポポは何かに引っ張られるように、苦しそうに頭を抱えて地面に倒れ込んだ) |
| ポポ!! | |
| (ニキは手を差し伸べるが、何も掴むことはできない) |
| (落ちていく間際に、ニキはポポが拳を握りしめるのを見た。そして、夢の空間はすぐに塞がってしまった) |
| 無駄だ……お前たちがどうあがいても、無駄だ! | |
| (体内にいる『何か』はポポの抑圧を振り切り、再び虚無の中の黒い霧のような、不気味な眼差しに戻っていた) |
| (それが、ニキの見た最後の光景だった) |
| 夢が砕かれる |