【FGO】荊軻の元ネタと史実解説
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FGO(フェイトグランドオーダー)のサーヴァント「荊軻」の元ネタである史実を解説。原典となる神話や歴史、史実と設定の相違点や登場済みのサーヴァントとの関係性を掲載しているので、FGO(FateGO)を考察する参考にどうぞ。
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荊軻 |
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荊軻の元ネタ
荊軻のプロフィール
出典 | 史実 |
地域 | 中国 |
時代 | 紀元前3世紀 |
誕生年月日 | 不明 |
没年 | 紀元前227年 |
荊軻の史実・伝承
荊軻の出自
荊軻は中国の衛で生まれ、読書と剣術を好んで修行していた。若くして諸国を放浪し、帰国後は官僚を目指していた。しかし官僚の夢は挫折し、その後は遊侠(任侠)として生活していた。
荊軻は喧嘩になりかけるとすぐに退散するため、臆病者と笑われていた。しかし些細なことで命を落とす危険は冒さなかったともされている。
やがて燕に住み、筑と言う弦楽器が得意な高漸離(こう ぜんり)と親しくなる。燕では酒を飲みながら高漸離と歌い楽しみ、やがて泣き始める有様だった。まるで周りに誰も存在しないような振る舞いは、「傍若無人」の由来になる。
始皇帝(政)暗殺の依頼
紀元前233年、燕の太子である丹が人質になっていた秦から逃げ帰る。幼少からの友人だった政(後の始皇帝)が、成人後は丹を見下していたため、怒って帰ってきた。
当時秦は勢いを増し、圧倒的な勢力だった。燕が攻められるのも時間の問題という状況で、丹は復讐もかねて政の暗殺を企てる。
丹の相談を受けた燕の実力者・田光は、親しくしていた荊軻を推挙した。荊軻は依頼を引き受け、政暗殺の準備をする。
暗殺の準備
荊軻は燕で最も肥沃な土地である督亢(とくごう)と、秦での処刑を逃れて燕に亡命してきた樊於期(はん おき)の首を手土産に謁見しようと考えた。
しかし丹は、樊於期の首を差し出す案に心を痛め、拒否した。荊軻は直接樊於期に会い、秦への復讐のために協力を頼むと、樊於期は事情を飲み込み自分の首を差し出した。
次に荊軻は暗殺に使う暗器・匕首を求め、上等な匕首を百金出して手に入れる。荊軻はさらに匕首の刃先に毒を焼き入れると、試し斬りで斬った死刑囚は一人残らず死んだという。
荊軻の旅立ち
丹は刺客の相棒として、秦舞陽(しん ぶよう)という男を同行させようとした。しかし荊軻は秦舞陽を信用せず、荊軻の旧友を同行者に加えようとした。
だが、遠方に住む友との合流に時間がかかり、やがて丹から「荊軻が怖気付いたのではないか」と疑われてしまう。そのため、荊軻は仕方なく秦舞陽を連れて出発することにした。
そして紀元前227年、荊軻は親友の高漸離らに見送られ、秦の首都・咸陽へと旅立つ。この時、荊軻が詠んだ詩句の内容から、生還を期さない覚悟だったとされ、友人たちは涙を流した。
政との接見と暗殺
咸陽に着いた荊軻たちは、樊於期の首と領地割譲の証である地図を政に献上する。政は大いに喜び、荊軻たちの接見を許した。
そして政が荊軻たちの前で地図を開いた頃を見計らい、荊軻は匕首を手に政の袖を掴んで刺そうとした。しかし政の袖が千切れため、間一髪で逃げられてしまう。
臣下や衛兵たちは政の殿上に武器を持ち込むことは禁止だったため、丸腰で慌てていた。政は長剣を持っていたが、焦って剣を抜けず、必死に逃げ回った。秦舞陽は終始恐怖に震えるだけで使い物にならなかった。
荊軻は政を追いかけ回すも、政の侍医が薬箱を投げつけたことで荊軻が怯み、その隙にようやく政は剣を抜いた。長剣と匕首(短刀)では勝負にならず、荊軻は脚を斬られ動けなくなり、最後に投げた匕首も外れてしまった。
荊軻の最期
荊軻は暗殺失敗を悟った後、柱にもたれ座り込み政を嘲笑った。政は激怒し、何度も荊軻を切り刻んで惨殺したという。
その後、紀元前226年に政は燕を攻めて首都を陥落させた。暗殺の首謀者である丹も殺され、紀元前222年には完全に燕が滅んだ。
荊軻の親友・高漸離は政への復讐を目論み、暗殺を計画するも失敗。ほかにも張良など始皇帝暗殺を決行するものは数多くいたが、結局誰も始皇帝暗殺を成功できなかった。
宝具の元ネタ
不還匕首
宝具名 | 不還匕首 『ただ、あやめるのみ』 |
||
ランク | B | 種別 | 対人宝具 |
レンジ | 1 | 最大捕捉 | 1人 |
宝具説明
始皇帝暗殺のために用意した匕首。地図に巻いて隠したという逸話により、隠匿面に非常に優れている。
対象に匕首を突き刺して仕留める。毒はかすり傷程度でも即死であるが、耐毒の逸話があるものは有利な判定を行える。
しかし、この宝具の真価はそんなところにない。この匕首を使うということは、「己が還らない」と覚悟するものである。故に荊軻は己の死を受け入れ、全力を使って暗殺を完遂しようとする。
己が還らないことを前提に任務を遂行するという点で、回避が極めて困難な暗殺宝具。
宝具名の由来
「匕首」は荊軻が始皇帝暗殺に使った武器。
「不還」は荊軻が旅立つ別れ際に残した「風蕭蕭として易水寒し 壮士 ひとたび去ってまた還らず」という詩句が由来かと思われる。
Fateシリーズでの設定
史実との相違点
史実では男性
Fateシリーズでの荊軻は女性として描かれているが、史実では男性。他の女性化したサーヴァントのように、作品内の史実は男性なのか、何故女性になったのかは本編で詳しく語られていない。
始皇帝暗殺の設定
カルデアエースにて記載された「英霊伝承」の設定によると、汎人類史の始皇帝は怪しげな肉塊と一体化して不死身になっていたという。そのため、荊軻は「ヒュドラの毒」を使って暗殺を決行している。
「ヒュドラの毒」は売人によって限界まで薄められていたが、不死殺しの概念は残っていた。そして荊軻は暗殺未遂だったが、始皇帝にかすり傷をつけて不死性を剥奪している。
ちなみにカルデアエース販売後に実装された2部3章では、異聞帯での始皇帝が登場しており、不死性を得たまま世界を統一した始皇帝が登場している。
FGOでの小ネタ
酒乱な一面
「傍若無人」の四字熟語の元になった人物であるためか、イベントでは度々酒を飲んで酔っ払っている描写が多い。
イベント「ほぼ週間サンタオルタさん」では奈須きのこ氏が荊軻の酔っ払いシーンを描いたものの、立ち絵の表現に困ったため、イラスト担当の高橋慶太郎氏に打診して表情差分を速攻で描いてもらったという裏話がある。
なお、イベント「閻魔亭繁盛記」ではエリザベートの「恋はドラクル」を歌う専用立ち絵が新たに追加。ちなみにエリザベートの成長した姿であるカーミラは、荊軻と同じCVなので中の人繋がりのネタでもある。
関係の深いサーヴァント
キャラ名 | 荊軻との関係 |
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始皇帝 |
生前、暗殺に挑んだ宿敵。異聞帯の歴史での始皇帝であり、2部3章で荊軻と対峙する。 |
スパルタクス |
2部3章で共に召喚された「叛逆三銃士」の1人。1部2章でも共闘している。 |
モードレッド |
2部3章で共に召喚された「叛逆三銃士」の1人。 |
マルタ |
クリスマスイベントで共演した飲み仲間。 |
マタ・ハリ |
クリスマスイベントで共演した飲み仲間。 |
牛若丸 |
クリスマスイベントで共演した飲み仲間。 |
関連リンク
参考文献
・FGOマテリアルⅡ(TYPE-MOON BOOKS出版)
・wikipedia
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