【FGO】モルガンの元ネタと史実解説
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FGO(フェイトグランドオーダー)のサーヴァント「モルガン」の元ネタである史実を解説。原典となる神話や歴史、史実と設定の相違点や登場済みサーヴァントとの関係性を掲載しているので、FGO(FateGO)を考察する参考にどうぞ。
©TYPE-MOON / FGO PROJECT
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モルガン |
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モルガンの元ネタ
出典 | アーサー王伝説、イギリス妖精史、及び異聞帯ブリテン |
地域 | 最果てのオークニー |
時代 | 5〜6世紀 |
誕生日 | 不明 |
原典はケルト神話とアーサー王伝説
モルガンは、ケルト文化圏の神話や伝説に登場する、死や戦場、勝利などを象徴する女性だ。ケルト神話で戦士に死を告げる女神だった存在が、アーサー王伝説が成立する際にアーサー王の異父姉として組み込まれた。勇猛な戦士を愛する性質と、愛した戦士に勝利や死を運ぶ性質を持つ。
モルガンの人物像
アヴァロン島に住む姉妹たちの長姉
初出の文献「マーリンの生涯」では、モルガンをアヴァロンを統治する九姉妹の長姉として描写している。外見は他の姉妹より優れており、美声をも持つことから歌姫として描かれている。
また、医術や優れた知識を持ち、病人の治療も行える。アーサーが「カムランの戦い」で重傷を負った際は、アヴァロン島へアーサーを連れて行き、自身の能力でアーサーを治癒したとされている。
黒魔術を扱う魔女
「マーリンの生涯」以降の創作物では、モルガンに「アーサーの姉」や「黒魔術を扱う」といった、ブリテン崩壊に繋がる設定が追加された。新たに追加された設定にて、アーサーを憎悪の対象として見るようになったが、どの作品でも最終的にアーサーをアヴァロン島へ連れていく点に変化はない。
モルガンの人物相関
アーサーとモルガンは異父姉弟
母 | 父 | 子供 |
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イグレイン | ゴルロイス |
・モルゴース ・エレイン ・モルガン |
ウーサー | ・アーサー |
モルガンはアーサーから見ると、異父姉の立場となる。モルガンはコーンウォール公「ゴルロイス」と「イグレイン」の間に産まれた3姉妹の末娘。そして、アーサーはモルガンの母であるイグレインと、ブリタニアの王「ウーサー」の間に産まれた子供である。
アーサー(アルトリア)の史実解説 |
イグレインとウーサーは不貞の関係? |
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夫のいるイグレインとウーサーの間に産まれたアーサーであるが、不貞の末に産まれた子供ではない。イグレインに一目惚れしたウーサーは、彼女を奪うためにコーンウォールへ侵攻。侵攻時にウーサーはマーリンの力を借りてゴルロイスに姿を変化。イグレインは騙される形で関係を結んだとされているため、元凶はウーサーとマーリンといえる。 |
円卓の騎士の約半数の母
モルガンはアーサー王を中心とした、円卓の騎士に連なる人物のうち、約半数の母親である。具体的にはガウェインやアグラヴェイン、ガレス、ガヘレス、モードレットが該当する。
なお、5人の騎士のうち、モードレッド以外はロット王との子であり、モードレッドとは異父兄弟にあたる。モードレッドはモルガンの異父弟であるアーサーとの間にもうけた子供であり、不義の子とされている。
ガレスの史実解説 |
ガウェインの史実解説 |
モードレッドの史実解説 |
アーサーとの間に子供をもうけたのはモルゴース? |
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1470年頃に完成された文献「アーサー王の死」では、「モードレッド」はモルゴースとアーサーとの間にできた子供とされている。しかし、Fate設定をはじめ、創作物ではモルゴースとモルガンはしばしば同一視され、モルゴースが産んだモードレッドなどはモルガンの子供とみなされている。 |
モルガンの史実・伝承
アーサーへ憎悪を募らせる
モルガンはブリテンを崩壊に導くほどの憎悪を、アーサーに向けていた。憎む理由に不明点は多いが、母・イグレインを騙し、父・ゴルレイスを討ったウーサーへの憎悪が、仇の子であるアーサーにも向けられたとも考えられている。
円卓の騎士を二分する密告をする
モルガンは円卓の騎士「ランスロット」と、アーサーの妻「ギネヴィア」の不貞行為をアーサーに密告したとされている。密会現場を押さえようと円卓の騎士たちは不貞の場に踏み込むが、最強の騎士と名高いランスロットに騎士12人を殺害され、逃亡も許してしまう。
逃亡したランスロットをアーサーは討とうとするが、ランスロットには人望があり、円卓の騎士の中には命令に従わない者もいた。また、ランスロット討伐のためにアーサーが城を開けた隙を見て、モードレッドが謀反を起こしたなど、密告が間接的に円卓の騎士を二分した原因を作ったといえる。
ランスロットの史実解説 |
アーサーが死ぬ原因を作る
円卓の騎士が二分した原因の大半は、ランスロットとギネヴィアの不貞であるが、アーサーが死ぬ原因を作ったのはモルガンである。モルガンは、アーサーが所有していた「エクスカリバーの鞘」を奪い去り、湖に投げ捨てたのだ。
エクスカリバーの鞘は所有者の傷を癒やす効果を持つため、鞘さえ持っていれば重傷を負っても回復する。しかし、反旗を翻したモードレッドとの会戦で傷を負ったアーサーの手元には鞘がない。アーサーはモードレッドとの戦いで負った傷が癒えることなく、死へと至ったのである。
ケルト神話でのモルガン
死と戦いと勝利の女神
アイルランドでは、破壊や殺戮、勝利をもたらす戦いの女神として描かれる。姉妹、または三相の戦女神たちの中でも主格とされる存在で、名前の意味は「夢魔の女王」とも「大女王」とも言われる。表記揺れにモリグー、モーリアンなどがある。
変身が得意で、主に美女やカラスの姿で戦場を渡り歩き、敵に恐怖と混乱をもたらした。一方で味方には勝利を与える存在でもあり、二度に渡る「マグ・トゥレドの戦い」(モイ・トゥラの戦い)ではヌァザやルーを援助している。ヌァザはフィンの祖先、ルーはクー・フーリンの父親である。
クー・フーリンとの因縁
「クアルンゲの牛捕り」ではクー・フーリンへ愛を囁いて一蹴され、憤怒したモルガンは鰻、雌牛、狼とさまざまな動物に姿を変えてクー・フーリンを妨害した。しかし返り討ちにされて脚と目を失い、モルガンは老婆の姿でクー・フーリンに癒しを求めた。
クー・フーリンは求めに応じ、モルガンを許して傷を癒したため、以降モルガンはクー・フーリンに助力するようになる。クー・フーリンの最後の戦いではカラスの姿で肩に止まり、敵に首を取らせて戦士の最期を見届けた。
Fateシリーズでの設定
2部6章「アヴェロンルフェ」のネタバレを含みます |
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2部6章後半までに判明した情報と、一部サーヴァントの絆礼装情報を掲載しています。ネタバレが気になる場合はご注意ください。 |
異聞帯でのモルガンの設定
オークニーで生死を分ける
FGOで召喚されるモルガンは異聞帯のモルガンであり、汎人類史のモルガンとは異なる出自を持つ。異聞帯では星の内海からやって来た「楽園の妖精」で、オークニーの雨の氏族に拾われ育てられた。
しかし、モルガンは楽園の妖精を嫌うブリテンの妖精たちに殺害される。だが、ベリル・ガットが召喚した汎人類史のモルガンは自身の命を引き換えに、異聞帯のモルガンを生存させる歴史に書き換える。
救世主トネリコとして活動
生き残ったモルガンはトネリコという名前でブリテンを厄災から救う救世主として活動する。しかし妖精たちの度重なる裏切りにより、妖精を救うことを諦め支配による統治を目指す。
女王モルガンとして妖精國を建国
救世主であったトネリコは女王モルガンとしてブリテンの妖精を支配し、妖精國として新生する。本来大厄災で滅びるブリテンは回避され、女王モルガンによる統治が約2000年続いた。
史実との相違点
モードレッドの叛逆の原因を作ったのがモルガン
Fate設定では、モードレッドの叛逆に引き金を引いたのはモルガンとされる。モルガンはアーサーの精子を素に、1体のホムンクルス・モードレッドを創り上げた。アーサーの認知外で育てられたとはいえ、アーサーは父親の続柄となる。
成長したモードレッドは円卓の騎士に入り、立派な騎士になろうと努力をしていた。しかし、モードレッドが叛意を抱かないことに憤ったモルガンは、モードレッドに出生の秘密を暴露。
モードレッドは直系の子供である自身を後継者にするべきと進言するが、アーサーは王位を譲らないばかりか、認知もしないと拒絶。これまでアーサーに対して抱いていた想いが全て憎悪に変わり、モードレッドはアーサーに叛逆を始めたのだ。
モードレッドの史実解説 |
女性のアーサーから精子をどうやって搾取した? |
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Fate設定のアーサー、いわゆるアルトリアは女性であるが、モルガンの魔術により一時的に男性に性転換したようだ。なお、モルガンは妻であるギネヴィアに変身し、男性化したアーサーと関係を持ったと言われている。 |
FGOでの小ネタ
異聞帯と汎人類史では別人
FGOで召喚できるのは異聞帯のモルガンであり、汎人類史のモルガンとは別人。マテリアルでは異聞帯と汎人類史でのモルガンの性格や生き方の違いが説明されており、ボイスでも汎人類史での自分の関係者について言及している。
モルガンの再臨画像とマテリアル情報 |
モルガンのセリフ・ボイス |
アルトリアオルタとの関係
アルトリアオルタはモルガンへの追加ボイスで、「我が母にして姉、そして鏡でもある」と言及している。アルトリアとモルガンは姉妹関係だが、反転した自分をモルガンと重ねているのかもしれない。
また、宝具の「約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)」に何故モルガンの名があるのかは不明。モルガン本人も「嫌がらせの天才か?」と、何故自身の名前をつけたか問い質している。
アルトリアオルタのセリフ・ボイス |
トリスタンの幕間の物語で存在が示唆されている
トリスタンの幕間の物語「失うことから始まるもの」にて、モルガンの存在が示唆されている。幕間の物語では、フードを被った怪しげな女が、トリスタンにギフトを与えた。
紆余曲折ありトリスタンのギフトが消滅した際、「悪しきギフトは消滅した」「妖姫(あねうえ)……どこぞに顕れているのか……」とアルトリアが思案。アルトリアが姉と称す人物は、モルガンの可能性が高い。
術クーフーリンが嫌いなことに挙げている
「クーフーリン(キャスター)」が嫌いなことを問われた時、メイヴとモルガンの名前を挙げている。クーフーリンが挙げたモルガンは、ケルト神話側のモルガンと考えられる。アーサー王物語のモルガンとは、異なる存在だが同一視される場合もある。
クー・フーリン(キャスター)のボイス・セリフ一覧 |
水着モルガン実装の背景
武内社長の鶴の一声により実装した
水着モルガン(トネリコ)は、ノクナレアの実装のおまけで実装されている。武内社長の「ノクナレア配布で欲しい」の一声で、トネリコからノクナレア実装までの一連の流れが決定した。奈須きのこ氏による竹箒日記にて、経緯がやんわりと記載されている。
引用元:竹箒日記(2023/8/11) |
関係の深いサーヴァント
キャラ名 | モルガンとの関係 |
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アルトリア |
異父妹であり、仇の子。 憎悪から国を崩壊させるまでに暗躍したが、カムランの戦いで重傷を負ったアーサー王の傷を治癒したとの逸話もある。 |
モードレッド |
実の娘であり、憎き相手との子供。 ブリテン崩壊のために円卓の騎士に送り込み、最終的に反乱を引き起こさせた。 |
ガウェイン |
ロット王との間にもうけた、実の子供。 なお異聞帯のモルガンは実子を授かってない様子。 |
ガレス |
ロット王との間にもうけた、実の子供。 |
アグラヴェイン |
ロット王との間にもうけた、実の子供。 |
術クーフーリン |
マイルーム会話にて、嫌いなことに名前を挙げている。なお、対象人物はケルト神話のモルガンと思われる。 |
妖精トリスタン |
異聞帯における娘。 救世主だったモルガンを唯一心から感謝した存在だったため、モルガンから庇護を受ける。 |
キャストリア |
異聞帯において女王モルガンを倒すとされる予言の子。モルガンと同じ楽園の妖精であり、救世主トネリコの姿と酷似している。 |
参考文献
・wikipedia
関連リンク
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