【FGO】ランスロットの元ネタと史実解説

ランスロットの元ネタ

ランスロットのプロフィール

出典の詳細

明確な原典は不明

ランスロットの出典であるアーサー王伝説は、明確に原典と呼ばれる作品が存在しない。

理由として、アーサー王伝説とされる民間伝承や作品がいくつも存在しているため、正確な原典が不明になっている。

アーサー王伝説が広まったのは、12世紀に「ブリタニア列王史」を書いたジェフリー・オブ・モンマスが、アーサーの生涯を1つの物語として完成させたのがきっかけ。

また、15世紀に書かれたトマス・マロリーの「アーサー王の死」は、それまで描かれたアーサー王伝説を1つにまとめた作品と言われている。

ランスロットの史実・伝承

ランスロットの出自

ランスロットはフランスの地方国家ベンウィックのバン王とエレインの間に生まれる。両親は早くに亡くなったとされている。

そのため、幼少のランスロットは他の子供達と共に、湖の乙女(妖精)に預けられて育てられた。

もしくは父が戦死し、落城した城から母とともに逃亡。湖の岬で休んでいるときに湖の乙女・ニミュエにランスロットが拐われたとも伝わっている。

この逸話がきっかけで「湖の騎士」と呼ばれるようになる。

アーサー王との出会い

成長したランスロットは修行のためにブリテン島へと渡り、そこでアーサー王と出会う。アーサーを気に入ったランスロットは、円卓の騎士として王に仕えるようになる。

また、バン王はブリテン島の統一を手助けしていたが、領地を留守にしたせいで反乱が起きて戦死。この経緯からランスロットが父の代わりにブリテン島へ渡ってアーサーに仕えた話もある。

円卓の騎士としての活躍

ランスロットは円卓の騎士の中でも最強の騎士として名を連ねる。最も優秀な騎士として有名なガウェインとは親友であり、互いの腕を競うライバルであった。

しかし、ランスロットはアーサーの妃であるギネヴィアと互いに恋に落ちてしまい、騎士道と不義の恋との板挟みに苦しむことになる。

エレインとギャラハッド

ランスロットは母親と同じ名前であるエレインという女性に縁があり、2人のエレインに恋心を抱かれた。

カーボネックのエレインとの逸話では、国で最も美しいという評判からモルガンに嫉妬されて呪いを受けるが、ランスロットが救出。エレインはランスロットに恋をする。

しかしランスロットはギネヴィアに一途だったため、エレインは魔法でギネヴィアに変身。ランスロットと一夜を過ごし、ギャラハッドが生まれた。

アーサー王との決裂

ギネヴィアとの不義を続けていたランスロットだったが、ある日不倫の現場をアグラヴェインと12人の円卓の騎士に踏み込まれる。

そして、ランスロットはアグラヴェインたちを殺害してしまう。さらに火刑に処されることになったギネヴィア救出のために、ガレスも殺してしまった。

その後、円卓の騎士はランスロット派とアーサー派に対立。ランスロットはギネヴィアとともにフランスで籠城し、円卓の騎士同士の戦いが続くことになる。

ランスロットの最期

アーサーとの争いの最中、モードレッドがブリテン島で反乱を起こす。モードレッドを止めるため、ランスロットとアーサーは和議を結ぶも、アーサーはモードレッドと相討ちになる。

ランスロットはアーサーへの援軍派兵が遅れたことと、自らの行いで王が破滅したことを悔いる。その後、ギネヴィアに別れを告げられたランスロットは、騎士を引退して出家を決意する。

ランスロットはギネヴィアと二度と会うことはしなかった。ギネヴィアが病死した事が伝わるとランスロットは絶食し、後を追ってこの世を去った。

宝具の元ネタ

アロンダイト・オーバーロード

宝具説明

無毀なる湖光に過負荷を与え、籠められた魔力を漏出。攻撃として転用する。

本来であれば光の斬撃となる魔力をあえて放出せず、対象を斬りつけた際に解放する剣技に寄った宝具。

膨大な魔力は切断面から溢れ、その青い光はまさに湖のようだと称された。

宝具名の由来

ランスロットが所有している剣・アロンダイトが由来。「オーバーロード」は英語で直訳すると過負荷を意味する。

Fateシリーズでの設定

史実との相違点

円卓の騎士との関係

サーヴァントとして召喚された円卓の騎士同士では、ランスロットの生前の行いから様々な反応を見せている。

不貞を暴かれギネヴィアを侮辱したアグラヴェインは、互いに犬猿の仲。良い親子関係を築きたいマシュ(ギャラハッド)からは、辛辣な言葉を投げかけられている。

しかしランスロットに兄弟を殺された身であるガウェインは、「友を許せなかった自分の未熟さ」を反省しており、関係は修復されている。

FGOでの小ネタ

女好きな一面

セイバーのランスロットは女好きな性格として描かれている。女性なら無条件で褒め、敵であっても助けるなど積極的にアプローチする。

また、ストーリーでは女性への態度をマシュから軽蔑され、ハロウィンイベントではクレオパトラから「ヒトヅマニンスロット」と呼ばれるなど公式でネタにされている。

関係の深いサーヴァント

キャラ名	ランスロットとの関係
アルトリア	生前に仕えた王。 裏切った経緯から顔向けできないと感じている。
マシュ	息子であるギャラハッドの霊基を持つ少女。 彼女との接し方が分からずよく混乱している。
ガウェイン	同じ円卓の騎士。 仲間だが、兄弟の件で敵対したこともある。
モードレッド	同じ円卓の騎士。 生前に出自を知らなかったようで、その素顔に驚く。
トリスタン	同じ円卓の騎士。 禁断の恋に手を染めたという共通点で仲が良い。
ベディヴィエール	同じ円卓の騎士。 1部6章では、かつての仲間として普通に会話している。
ガレス	生前慕われていたが、誤って殺害してしまったことを後悔している。
アグラヴェイン	ギネヴィアとの不貞を暴いた張本人。犬猿の仲。

参考文献
・FGOマテリアルⅣ(TYPE-MOON BOOKS出版)
・wikipedia

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