【FGO】加藤段蔵の元ネタと史実解説

段蔵の元ネタ

段蔵のプロフィール

出典の詳細

江戸時代の軍学書などに登場

加藤段蔵は、江戸時代初期の軍学書や仮名草子(文学作品)などに登場する戦国時代の忍者とされている。呼び方も「鳶加藤」「飛加藤」など様々ある。

段蔵の史実・伝承

甲陽軍鑑の伝承

段蔵の最も古い記録は、1586年に成立した「甲陽軍鑑」の末書結要本と呼ばれる別巻になる。本書にて言及されている「とび加藤」もしくは「じゅつし(妖術使い)」が段蔵だと考えられている。

「甲陽軍鑑」では、1558年に武田信玄の元にとび加藤と名乗る者が仕官しに来る。八尺の棒や槍でどんな堀や塀も飛び越えてみせたが、どこかの隠密(忍者)だったため殺害したと書かれている。

また、1559年には長尾景虎の元に妖術使いがやってきて、牛を呑みこむ「呑牛の術」や扇で木をあおいで花や実をつけさせる「生花の術」などを披露する。

しかし木の上から見ていた男に術を見破られ、妖術使いはその男を殺害。景虎は妖術使いが隠密だと見破り、成敗する。

北越軍談の伝承

1697年に成立した「北越軍談」では、「甲陽軍鑑」で登場したとび加藤と妖術使いの逸話を混同し、「鳶加藤」という一人の人間の仕業だとしている。

鳶加藤は常陸国茨城郡の出で、風間次郎太郎を師として幻術を身につけたとされている。後に長野業正の推挙で長尾景虎に仕えて活躍した。

だが、景虎は鳶加藤を危険視しており、配下に鳶加藤の身柄を預けた。鳶加藤は不穏な空気を察し、からくり仕掛けの傀儡を身代わりに逃亡してしまう。

その後、鳶加藤は武田信玄に仕官するが、信玄の暗殺を企てていた。これは自身が逃亡したことで立場が悪くなった長野業正への義理立てであった。しかし、鳶加藤の暗殺計画が発覚してしまい、1557年に鳶加藤は首を討たれた。

その他の伝承

1666年刊行の「伽婢子」では、「北越軍談」と似た段蔵に関する逸話が記載されているが、名前は「飛加藤」に変わっている。

1809年から1825年にかけて刊行された「繪本甲越軍記」では、初めて加藤段蔵という名前が使われた。なお、設定が伊賀出身の忍術名人に変わっている。

宝具の元ネタ

絡繰幻法・呑牛

宝具説明

真空の刃を生み出し、対象を吸い寄せた後に圧縮粉砕する。「北越軍談」にて語られた、牛を呑み込む幻術を応用させたものである。

果心居士が手ずから組み込んだ礼装により、魔性特攻の性質を有する。

逸話通りに「物体を目の前から消す」「消した物体を再び目の前に出す」幻術として用いる事も可能だが、FGOでは基本的に使用されない。

宝具名の由来

「北越軍談」や「甲陽軍鑑」で記載された、牛を呑みこむ「呑牛の術」が由来。

妖術斬法・夕顔

宝具説明

手にした花や果実を斬ると、なぜか、遠く離れた敵の首が落ちる。仮名草子「伽婢子」では夕顔、軍学書「北越軍談」では瓠瓜を用いて行われた、摩訶不思議な絶技。

幻術の一種に過ぎない、と段蔵は語る。あまりにあまりな殺人術なのでできれば使いたくない、というのが本音らしい。

宝具名の由来

「北越軍談」などで記載された、扇をあおいで瓠瓜の種を発芽し実をつけさせる「生花の術」が由来かと思われる。

Fateシリーズでの設定

史実との相違点

出自と風魔との関係

Fateシリーズでの加藤段蔵は、幻術士の果心居士と忍者の初代風魔小太郎によって製造されたからくり人形として登場している。

元々からくり人形(傀儡)を操った伝説があるが、段蔵本人がからくり人形であった事実から派生した伝説とFGOでは設定されている。

また、段蔵は初代風魔小太郎の技を一種のデータとして内蔵しており、幼い五代目風魔小太郎の育ての親になった過去もFGOでは追加されている。

関係の深いサーヴァント

キャラ名	段蔵との関係
風魔小太郎	五代目風魔小太郎にとって育ての親。
長尾景虎	伝承にて、かつて仕えた主。
パライソ	武田家に仕えた忍。段蔵と信玄との関係からか、どこかわだかまりがある。
リンボ	1.5部にて因縁のある相手。

参考文献
・FGOマテリアルⅥ(TYPE-MOON BOOKS出版)
・wikipedia

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