【FGO】紅閻魔の元ネタと史実解説

紅閻魔の元ネタ

紅閻魔のプロフィール

出典の詳細

出典は日本民話・宇治拾遺物語など

紅閻魔の出典は、日本民話や宇治拾遺物語などに登場する「舌切り雀」。

ただし、紅閻魔は舌切り雀の話にはないオリジナルの設定が多く盛り込まれている。

「舌切り雀」のあらすじ

昔々あるところに心優しいお爺さんと欲張りなお婆さんが住んでいた。ある日、お爺さんは怪我をした雀を連れ帰り、そのまま家で可愛がった。

しかし、ある日雀が障子の張り替えに使う糊(米粒)を食べてしまい、お婆さんは激怒。雀はお婆さんに鋏で舌を切られ、山へ逃げてしまった。

お爺さんは雀を探しに山へ行くと、藪の中に雀のお宿を見つける。お爺さんは助けた雀に再会し、ご馳走を振舞われる。さらに大小二つのつづらを渡され、お爺さんは小さなつづらを持ち帰った。

お爺さんは家に帰り、つづらを開けると中に財宝が詰まっていた。財宝を見た欲張りなお婆さんは、雀のお宿に押しかけ大きいつづらを強引にもらう。

しかし、帰り道につづらを開けたお婆さんは中から魑魅魍魎が溢れ出し、命からがら逃げ帰った。

紅閻魔の史実・伝承

生まれは鬼ではなく人間

紅閻魔は生まれながらの鬼ではなく、元々人間だった。生前は禿(かむろ)と呼ばれる遊郭の下働きで、虐げられながら生きていた。

ある日、遊郭から逃げ出した紅閻魔は山中へ迷い込み、後の閻魔亭である迷い家に辿り着く。

紅閻魔は閻魔亭のご馳走の山を目にするが、遊郭で舌を抜かれて喉が潰れていたため、食事を口にすることなく息絶えた。

閻魔亭は迷い込んだ人を試すためにご馳走を用意していた。しかし、紅閻魔は手をつけずに亡くなったため、死者ではなく雀の鬼として地獄に生まれ直す。

死後に奪衣婆の養子になる

死後、雀の鬼になった紅閻魔は、奪衣婆の養女として賽の河原で働くことになる。

奪衣婆とは、三途の川で亡者の衣服を剥ぎ取る老婆の鬼。閻魔大王の妻という説があり、FGOでも閻魔大王の妻にあたる。

しかしケチな奪衣婆は、自分の子供なら従業員のように給料を払わなくてもいいという理由をつけ、養子の紅閻魔をこき使っていた。

閻魔大王から「閻魔亭」を任される

奪衣婆から不憫な扱いを受ける紅閻魔を見かね、閻魔大王は正式に紅閻魔を養女として受け入れる。

そして紅閻魔は閻魔大王の名代として、閻魔亭の管理を任されることになった。

お爺さんとの出会い

ある日、紅閻魔は人里が恋しくなってしまい、里に下りてしまう。雀の姿で人里に下りた紅閻魔は人間に捕まるが、お爺さんに助けてもらう。

その後、紅閻魔は恩返しのためにお爺さんを閻魔亭に招き入れて楽しく暮らした。しかしお爺さんは里に帰ると言い、紅閻魔はつづらを渡して見送った。

お爺さんは人里に戻ると雀のことを話さず、お宿で過ごした日々をお伽話として村人に聞かせて楽しませた。つづらの財宝も村人に分け与え続け、お爺さんは孤独死を遂げる。

紅閻魔は最後まで自分の幸せを望まなかったお爺さんを不憫に思い、再び恩返しするために閻魔亭を開き続けていた。

宝具の元ネタ

十王判決・葛籠の道行

宝具説明

閻雀裁縫（抜刀）術、奥義の三。禍を呼ぶ葛籠を召喚し、これを開封。中から現れた百鬼夜行（正体は雀たち）は敵を混乱させ、葛籠の中に封印する。

その後、葛籠ごと雀のお宿に運ばれた敵は地獄の十王（死者を裁定する十人の王。閻魔大王はこのひとり）に扮した雀たちのお座敷にて、紅閻魔の裁きの一刀を受ける。

宝具名の由来

「十王」とは、仏教における地獄で亡者の審判を行う裁判官のこと。十王には閻魔大王のほか、秦広王、初江王、宋帝王、五官王、変成王、泰山王、平等王、都市王、五道転輪王がいる。

Fateシリーズでの設定

史実との相違点

「舌切り雀」にないオリジナル設定

紅閻魔の設定は舌切り雀が元ネタだが、「舌を切られた」「雀のお宿」「つづらを渡した」以外の設定は原作にはないオリジナルが多い。

主に「閻魔大王の養子」「雀の鬼」「元人間」「少女剣士」などはFGOで新たに付け加えられた設定になる。

FGOでの小ネタ

紅閻魔の受講生たち

イベント「閻魔亭繁盛記」では紅閻魔の料理教室を受講した生徒として、玉藻の前、清姫、巴御前が登場。ほかにも紅閻魔の受講生であるサーヴァントは存在する。

マイルームの会話では鈴鹿御前や刑部姫も生徒だったようで料理の腕について言及している。また、名前だけだが滝夜叉姫(たきやしゃひめ)や天宇受賣命(アメノウズメ)も教え子だったそう。

関係の深いサーヴァント

キャラ名	紅閻魔との関係
玉藻の前	料理教室の教え子。玉藻以外にも日本出身サーヴァントの教え子が多い。 【紅閻魔の教え子たち】
虞美人	閻魔亭の常連で、仲が良い。
茨木童子	茨木が自身と同じ元人間の鬼であることに反応している。
佐々木小次郎	燕を斬るために魔法の域に至った剣技を変態扱いする。

参考文献
・wikipedia

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