【FGO】茨木童子の元ネタと史実解説

茨木童子の元ネタ

茨木童子のプロフィール

出典の詳細

出典は「御伽草子」

茨木童子は「御伽草子」などに登場する鬼。酒吞童子の配下であり、平安時代の大江山を本拠地に京都を荒らし回った。

酒吞童子の一味は後に源頼光と配下の頼光四天王に退治され、茨木童子は唯一逃げ切っている。

茨木童子の史実・伝承

茨木童子の出自

茨木童子は摂津国(現在の大阪と兵庫)、もしくは越後国(現在の新潟)が出生地だと考えられている。生まれた頃から歯が生え揃っており、巨大な体で周りから恐れられていたそう。

酒呑童子の最も重要な家来としても有名。生まれた時は人間だったが鬼と化した後に酒呑童子と出会い、酒呑の舎弟になって共に京を目指した。

ほかにも異形の姿や怪力から親に捨てられ酒呑童子に拾われるなど、酒呑童子との逸話は様々ある。

大江山の鬼退治

酒呑童子らによる被害が拡大する中、源頼光は鬼退治を行う。配下の頼光四天王である渡辺綱、坂田金時、碓井貞光、卜部季武のほか友人の藤原保昌を含めた総勢五十数名で、大江山に向かった。

頼光らは山伏の姿で、宿を求める振りをして酒呑童子の本拠に潜入。酒呑童子たちが酒宴で盛り上がり、深夜に酔って動かなくなった鬼たちを頼光らは残らず退治した。

しかし茨木童子だけは渡辺綱と戦っていたところ、酒呑童子が討たれるのを見て退却。鬼たちの中で唯一逃げるのに成功した。

渡辺綱との戦い

茨木童子と渡辺綱の戦いは「前太平記」や「御伽草子」「羅生門」などで記されている。戦う場所は一条戻橋や羅生門などそれぞれの物語で詳細は異なるが、大まかな話の流れは共通している。

伝承によると、渡辺綱が道に困った若い女を馬に乗せたところ、女に化けた茨木童子が襲いかかる。綱は慌てて茨木の腕を切り、難を逃れた。

綱は頼光に茨木の腕を見せ、頼光は陰陽師(安倍晴明とも)に相談した。陰陽師は、鬼が必ず腕を取り返しにやってくるので7日間家に閉じこもるよう綱に忠告する。

綱は言われた通り屋敷に篭り、護符や仁王経の力で身を守った。しかし年老いた綱の伯母がやってきて屋敷に入れろと嘆き悲しむので、綱は伯母を屋敷に入れてしまう。すると伯母は茨木童子の姿に変わり、腕を持ち去り消えてしまった。

宝具の元ネタ

羅生門大怨起

宝具説明

頼光四天王がひとり渡辺綱の名刀「髭切り」によって斬られた右腕は、英霊と化した現在にあって平時ではきちんと繋がっているが、いつでも自在に切り離して操り、空中を舞わせることが可能であり、攻撃用の武器として扱える。

鬼種の恐るべき炎熱を纏った火炎の拳は大鬼が如き巨腕と化して、まさしく鬼火の如く敵陣を舞い、砕く。別名、叢原火(そうげんび)。平安ロケットパンチ。

宝具名の由来

羅生門で戦った渡辺綱とのエピソードがそのまま由来になったと思われる。

ちなみに叢原火とは、空中を浮遊する正体不明の火の玉(鬼火)の一種。

大江山大炎起

宝具説明

叢原火を対人戦闘用に特化させたもの。攻撃対象一～三名を完膚なきまでに砕き灼き尽くす、灼熱の十連撃。

相手は燃え尽き、黒炭のようになった骨だけが残される。茨木本人は「まさに破山抜骨(はざんばっこつ)の技よ」と息巻くが、抜骨の下りは酒天の影響である。

宝具名の由来

大江山に住む鬼としてのエピソードがそのまま由来になったと思われる。

Fateシリーズでの設定

史実との相違点

女性の姿で登場

Fateシリーズでの茨木童子は、金髪朱瞳の少女の姿で登場している。ただ、茨木童子の姿は酒呑童子と同じく諸説あり、女の鬼だったという説もある。

渡辺綱との物語でも女性に化けており、一説では酒呑童子の恋人だった説もある。

FGOでの小ネタ

海外での人気

茨木童子は海外で「バナナ鬼(banana oni)」と呼ばれている。理由は角の形や色合いなど外見的な理由のほか、バナナは海外で「頭がわるい」「正気でない」というスラングであることも原因だと思われる。

ちなみに日本版の2018年水着イベントでは、主人公の選択肢にバナナ鬼と出てきたことがある。

関係の深いサーヴァント

キャラ名	茨木童子との関係
酒呑童子	最愛の義兄弟。酒呑の鬼としての気質に惚れ込み崇拝する。
坂田金時	二度殺しても飽き足りないほど嫌いな宿敵。
源頼光	一度でいいから殺したい宿敵だが、絶対無理だと恐れてもいる。
牛若丸	1部7章で賢王によって共に召喚されるも、仲違いして茨木が逃亡。源氏全般は嫌い。
ロビンフッド	「緑の人」と言って懐く。村から仲間外れにされたロビンの境遇にも同情的。
マシュ	礼儀正しく、名前に「魔」と「酒」がつくことから好意的。

参考文献
・FGOマテリアルⅣ(TYPE-MOON BOOKS出版)
・wikipedia

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