【陰陽師】日輪の暁ストーリーまとめ【ネタバレ注意】
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『陰陽師』の日輪の暁(日輪の城)のストーリー(シナリオ)をまとめて紹介。滝夜叉姫や燼天玉藻前の追憶絵巻や、イベントのストーリーも記載しているので参考にどうぞ。
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二大式神降臨集結イベント
エピソード1
【玉藻前】 「天命とはなんだ?」【荒】 「天命は不可知かつ不変なものだ。」【玉藻前】 「そなたのような天命を窺える者でさえ、変えられぬというのか?」【荒】 「我らが天命を選ぶ者ではなく、天命に選ばれる者であるゆえ…」【玉藻前】 「無理にでも変えようとしたら?」【荒】 「天行に常あり、万物は天に準じ進んでいくのだ。 抗うのか、この先にある危険はわかるはずだ。」 |
エピソード2
【寄生霊】 「どんなに強くても、ここは通れない。」【玉藻前】 「笑わせるな、お前らが止められると思うのか?」【寄生霊】 「そうだ、これが天命だ。」【玉藻前】 「この場所…力が侵食される… あとどのぐらいか…… 千代、羽衣、愛花……」 |
エピソード3
【赤舌】 「長い間誰も来ていなかった。貴方は強い。 だが、真の試練はこれからだ。残りの妖力だけでは、無理だ。」【玉藻前】 「置物の分際で、私の力を図れるとっても?」【赤舌】 「置物だと?」【玉藻前】 「このような場所で、試練のために存在し、置物でなく?」【赤舌】 「天命が与えた役名だ、逆らえない。」【玉藻前】 「くだらん。 千代、羽衣、愛花、やっと見つけた。 心配するな、一緒に行こう、天命でも私を止められない。」【荒】 「これは…… 玉藻前、これは貴方が選んだ道なのか?」 |
日輪の城・序章
序章1
【晴明】 「玉藻前?」【玉藻前】 「晴明、庭で長い間待っていたぞ。ここ数日どこに行っていたのだ?」【晴明】 「あちこちを訪れて、海国の侵入を阻止する方法を探し求めに出かけていたのだ。 恐らく、大嶽丸が持ってる「八尺瓊勾玉」が一番ややこしいものになるな。」【玉藻前】 「そうか。ならば、対策は見つかったのか?」【晴明】 「……まだだ。」【玉藻前】 「「日輪の城」という場所を聞いたことはあるか?」【晴明】 「ああ。見つけようとしても見つからない、例の古い城のことだろう。 あの城を訪ねようとする人々は、皆海の霧に消えてしまったと聞いている。 何らかの神器に影響された故に、妖しい地となってしまったと推測する者がいたな。」【玉藻前】 「世間の奴らはだいたい定見がないものだ。お前自身はどう思う?」【晴明】 「見つからない……神器……海国……なるほど、そういうことか。 だが、こんな時期に都から離れてしまったら……」【玉藻前】 「天象を読めるお前なら、もう気付いているはずだ。 お前達がこのまま都に留まってしまえば、未来は滅びる運命になる。 お前はただ迷っているだけだろう。」【晴明】 「…… 玉藻前、私とともに行ってくれないか?」【玉藻前】 「悪いな、晴明。今回ばかりは予定が入っている。 だが安心しろ。「紙舞」という子が「日輪の城」まで案内してくれるからな。」【晴明】 「「紙舞」……?その子はどこに?」【玉藻前】 「ふふ、直に来る。 お前ならきっと、真実にたどり着けるだろう。」【晴明】 「……わかった。 ありがとう、玉藻前。」【源博雅】 「荒川の妖怪たちはもう落ち着いてる……あいつは確かに民の被害を最低限にしたな。 大嶽丸の状況は?海国の鬼船はまだ荒川にいるのか?」【晴明】 「藤原氏と一緒に調査したのだが、どうやら海国の軍隊は複数の小隊に分散したようだ。七角山や黒夜山などでその形跡を残している。 奴らがどう動いているのかがまだ把握できていないからな……目的を予想するのは難しい。」【源博雅】 「くそっ、小隊で俺達を乱すつもりか? 大嶽丸……絶対に許せない。どこに隠れていようと、必ず見つけてぶっ飛ばしてやる!」【晴明】 「……いや、博雅。ここから離れるんだ。」【源博雅】 「離れる? 晴明、どういうつもりだ?大嶽丸のやつをこのまま野放しにしたら、どんな騒ぎを起こすかわからないんだぞ! こんな時にどこに行くんだよ!? 言ってみろ!」【神楽】 「お兄ちゃん……落ち着いて、話はまだ終わってない。」【晴明】 「私たちの目的地は、「日輪の城」という場所だ。 大嶽丸の武器「八尺瓊勾玉」は、草薙剣と互角に戦える神器だ。 長い間消息を途絶えていたが、まさか彼が持っていたとは…… だが草薙剣が我々の手にない以上、彼と決戦するにはもう一つの神器と手に入れなければならない。 それが「日輪の城」にあるというわけだ。」【源博雅】 「そうだとしても、見たこともない「神器」とやらのために都を見捨てるなんてできないだろ。 俺たちの敵はもう目の前にいるんだよ!」【晴明】 「海国の目的は都ではない。必ず別の何かを企んでいる。 大嶽丸も自らの形跡を消し、どこかに身を潜めている。 たとえこのまま追いすがっても、戦力を無駄にする他ないだろう。それこそ海国の思う壺だ。 数十日かけてあちこちを奔走し、やっとこの結論を得たのだ。私を信じてくれないのか?博雅。」【神楽】 「みんな落ち着いて。」【晴明】 「……すまない。 どうやらお互い怒りに囚われてしまったようだな。今一番大事なのは、海国を阻止する方法を探し求めることだ。 博雅、私の判断を信じてくれ。」【源博雅】 「…… 神器と手にしたらすぐ戻る。それでいいな?」【晴明】 「ああ、約束だ。」 |
序章2
【紙舞】 「すみません…あなたが晴明様でしょうか?」【晴明】 「ああ、そうだ。 (なぜ紙舞が来ることを玉藻前は知っていたのだ?)」【紙舞】 「遥か遠い地よりお訪ねしました。都の天才陰陽師に、私の故郷を救ってもらいたいのです。 そこは既に虚無で歪んでおりますが、晴明様が危機になる状況を解決してくだされば、最強の力を手に入れることでしょう。」【晴明】 「力など望んでないが、もし君が「日輪の城」の者なら、手伝ってあげよう。」【紙舞】 「!! では、私が案内致します。」── 日輪の城へ移動 ──【紙舞】 「この先が私たちの目的地、「日輪の城」です。 我が家の万灯様が、埠頭で皆さんをお待ちしております。」【晴明】 「なぜ博雅と神楽の舟が離れていったのだ?」【紙舞】 「晴明様、ご心配なく。別の港から上陸するのかもしれません。 着きましたよ。」【万灯】 「晴明様、お名前はかねがね伺っております。私は「万灯」と申します。」【晴明】 「出迎えに感謝します。今日は万灯様にお伺いしたい事があってお訪ねしました。」【万灯】 「そうですか。ぜひ、ゆっくりお話をしましょう。 ですが、まずはこの辺りを案内させてください。美しい「日輪の城」の景色を堪能してほしいのです。」【晴明】 「それは……」【小白】 「八百比丘尼様、どうしたのですか?」【八百比丘尼】 「いえ、ここの景色を眺めていただけですよ。 漁船や建物の様式、そして街の飾り……」【小白】 「それなら小白も見ました。」【八百比丘尼】 「ええ……昔なら在り来たりな風景でしたが、今は滅多に見られなくなりましたね。」【万灯】 「皆様のお顔には、やはり困惑が浮かんでおりますな。当然でしょう、見知らぬ人に見知らぬ城へと連れられたのですから、状況がわからなくても当たり前のこと。 ですが、皆様がこの古城の秘密を解けば、私が皆様を招いた本意を理解するでしょう。」【晴明】 「わかりました、万灯様。ご案内お願いします。」【万灯】 「言い忘れましたが、この城の民たちはとっても幸せに暮らしております。 ですから、くれぐれも彼らを邪魔しないように気を付けてくださいませ。」── 移動 ──【夕】 「女将さん!お酒半斤ちょうだい!」【おかみ】 「はいよっ、少々お待ち。」【米藏屋主人】 「夕ちゃん、ずいぶん楽しそうだね。豪勢な晩餐でも作るのかい?」【夕】 「へへ!そうなの! 父ちゃんと母ちゃんがやっと帰ってくるんだよ。だから美味しい料理を食べさせてあげようと思って、やる気満々なんだ! 本当に久しぶりで…会いたくてしょうがなかったんだから!」【米藏屋主人】 「ああ、思い出しいた。卑弥呼様の祝儀で戻ってきたんだね? 皇宮が城中の店に一斉出荷を命じたもんだから、未明の頃は死ぬほど忙しかったよ。」【夕】 「そうそう!夕も期待してたんだ。卑弥呼様はきっとこの日輪で一番美しいお嫁さんになるもん! 花婿も素敵な方なんだって!夕はまだ見たことないんだけどね。」【おかみ】 「おや、無いのかい?残念だね。 先日市場に来たんだよ。卑弥呼様への贈り物を選んで、新婚の夜に渡すって言ってねえ。 あの優しい目ときたら、断れる女なんてありゃしないよ。」【夕】 「ちょっと、女将さんはもう結婚してるじゃない!旦那さんに聞かれたらどうするの?」【米藏屋主人】 「ははは、聞かれたってどうもできないよ、ねえ?」【おかみ】 「そうそう、うちの旦那は優しいんだよ。」【夕】 「ははは!はは! うわっ!もうこんな時間。早く帰って準備しないと! 祝儀でまた会おうね!」【米藏屋主人】 「ああ、気をつけて帰るんだよ!」【夕】 「祝……儀……」─── 移動 ───【晴明】 「民は「卑弥呼」という名前をよく口にするようですね。 万灯様、そのお方は?」【万灯】 「はい、彼女は日輪の城の女王。すなわち、ここの統治者ということです。 その上、彼女は…」【小白】 「なになに?」【万灯】 「ぜひ、女王様の祝儀にご参加ください。さすれば、お分かりになることでしょう。」【晴明】 「ここまで同行したのですから、そろそろ時空を逆転する力とは一体何なのか、それを教えてくれないでしょうか?」【万灯】 「焦ることはございません。この日輪の城にはまだまだ、晴明様に知っていただくことが有り余っておりますよ。」【晴明】 「しかし、ここに来たのは……」【万灯】 「まずは王城の日輪閣へ向かいましょう。説明はその後です。」【八百比丘尼】 「城中央の高い塔が日輪閣なのですか?」【万灯】 「ああ、いえ。 あれは物見櫓というものです。日輪閣はここからもっと北の方に。」【晴明】 「物見櫓か。見晴らしが良さそうですね。それに登れば、城全体が一目でわかるでしょう。」【小白】 「そうすれば神楽様と博雅様を見つけることができますよね!」【八百比丘尼】 「ええ、まずはあの二人と合流すべきだと思います。」【万灯】 「提案があります。女王様の祝儀は城でも最大の祭典…その時は晴明様のお仲間も日輪閣へ向かうはずです。 もしそれでもお会いになれなかったのなら、物見櫓に登って探すのは如何でしょう?」【晴明】 「そうですか……わかりました。万灯様、引き続き案内をお願いします。」【小白】 「では出発!」── 移動 ──【透古】 「やっぱりあっちの方が良いのでは……いやいや、いっそ全部持って来てからゆっくり選び出そう。 おじさん、ひまわりの畑まで乗せてっくれませんか?」【漁老】 「透古の頼みなら手伝うさ!ほら、乗ってきな。」【透古】 「ありがとうございます。」【漁老】 「お安い御用だよ。だが透古、今日の祝儀に行かないのかい?」【透古】 「もちろん行きます!卑弥呼様の祝儀なら誰だって出席しますよ。 あの方は我々の敬愛する女王ですから。」【漁老】 「なら、なんで畑に戻るんだ?遠回りで時間がかかるだろうに。」【透古】 「実は、卑弥呼様に一番大きいひまわりを贈りたかったんです…結婚の進物として。 既に一輪摘んだのですが、ここまで歩いてくるうちに、どうしてももう一度選ばなければと考えてしまって。 百に一つしかないひまわりでなければ、我が卑弥呼様に相応しくないからです。」【漁老】 「はは、卑弥呼様は透古にとっても大切なお方だろうね。 お前の気持ちはきっと届くさ。 よしっ、じゃあ最後まで手伝ってやるか。花を選び終えたら、皇宮まで送ってやるよ。」【透古】 「本当ですか!ありがとうございます、おじさん。」【八百比丘尼】 「卑弥呼という女王様はとても敬愛されているみたいですね。」【小白】 「晴明様、小白も一番大きなひまわりを摘んでまいりましょう!」【晴明】 「博雅と神楽を見つけるのが当面の急務だ。花畑は後にしよう。」【小白】 「そうですよね!忘れちゃうところでした。」【八百比丘尼】 「人々は王城の方向に向かっています。あの二人は中にいるのでしょうか。」【晴明】 「私の考え過ぎだといいが…」【八百比丘尼】 「晴明さん?」【晴明】 「いや、私たちも行こう。」── 移動 ──【大将】 「はぁ…… 私はこれでも、卑弥呼様がこの日輪の城を築いてきたのをずっと見届けた身だ。 卑弥呼様は国と民のために幾多犠牲を払った。やっと頼れる方を見つけた今、彼女の幸福を皆が祈願するだろう。 しかし、我家の曜姫はいつ嫁に行けるのだ……私が息を途絶える前に、その日が訪れるのだろうか……」【従僕】 「大将様、なにをおっしゃって! 大将様は必ず長生きすることでしょう。お嬢様の祝儀は大将様がご司会でなければなりません。 それに、お嬢様も立派に育ちました。女王様に負けない美人でございます。お嬢様の求愛者は城を囲むほど数が多いのですよ。 大将様、御心配なさらないで下さいませ。」【大将】 「ははは、まったく口八丁だな! 何か不備がないかもう一度確認しろ。ないのなら入るぞ。」【小白】 「この国の人は幸せそうですね。あの女王様はきっと賢明な王だと思います。」【八百比丘尼】 「晴明様、何故顔をしかめるのです?」【晴明】 「あの万灯様が、ここの民を邪魔するなと言った真意を考えている。」【八百比丘尼】 「私も違和感を覚えました。彼らはどこかで……私と似ているような気がします。 ただ、まだ断定できません。」── 移動 ──【小白】 「うわわ!賑やかです!こんなに大勢の人が女王様の祝儀に参加するのですか?」【藤原道綱】 「……」【小白】 「おや?小白の見間違いでしょうか?藤原の陰陽師がなぜここにいるのです?」【藤原道綱】 「……」【晴明】 「彼は……? ここは人が多すぎる。行動をするには不便だ。」【八百比丘尼】 「万灯様、王城に着いたら…… ……万灯様?」【晴明】 「ここにはいないようだな。」【小白】 「まさか、逃げたんじゃ! せ、晴明様はここで待っていてください!小白が探しにいって参ります!」【晴明】 「待て……」【小白】 「うわあっ!いたたた……何かにぶつかってようです……」【晴明】 「申し訳ない、小白に悪気は無いのだ。」【夜霊】 「……」【晴明】 「鬼霊!?」【夜霊】 「逃がさんぞ!」【晴明】 「迎え撃つ準備をしろ!」── 「婚宴の盃」入手 ──【小白】 「やっ、やっと振り切りましたね…… あの敵はどういうことでしょう…どこから来たのかもわかりませんね。小白はまったく気付きませんでした。」【晴明】 「人が集まるところに潜んでいるようだ。市場には一人もいないから、ここで少し整えよう。」【八百比丘尼】 「晴明さん、横丁の奥にいるのは…… 先ほど見かけた女の子です。」【夕】 「うう……うう…… 父ちゃん……母ちゃん…… 二人とも……うう……うう……」【八百比丘尼】 「あなたは「夕」さん、ですよね? 何かあったのですか?」【夜霊】 「逃がさんぞ!」【小白】 「また敵が現われました!」【晴明】 「撃退しよう!」── 移動 ──【八百比丘尼】 「妖しい鬼霊がたくさん現れるのはなぜです?どこから現れているのでしょうか? それと、逃がさんぞ、っと言っていましたが……」【小白】 「神楽様と博雅様も同じ目に遭ってるかもしれません。早く見つけないと!」【晴明】 「ああ、謎は多くなるばかりだな。このまま物見櫓へ向かおう。 しかし、この辺りに舟は見えないな。埠頭に戻らないと。」(晴明たちの前に立ちはだかったのは、見たことのない姿だった。)【???】 「あんたたち、余計なまねをするな。 早くここを離れるんだ。」【小白】 「待ってください!小白たちは万灯様のお客さんです!」【晴明】 「仲間と逸れてしまって、物見櫓で彼らを捜したいだけなのだ。」【???】 「どうしても言うのなら、やむを得ず「離れてもらう」ことにする。 消えろ!」【八百比丘尼】 「くっ!!」【晴明】 「八百比丘尼!」(切っ先が八百比丘尼の体を突き通し、鮮血が刃をつたって流れたが、それもすぐに凝固した。)【八百比丘尼】 「ゲホ……大丈夫です……」【???】 「あんたの体…… そうか……あんたも永劫に堕ちたか……」【晴明】 「君は誰だ?」(相手の武器を収めたかと思うと突如背後に回り、2人を気絶させた。)【晴明】 「うっ……」【八百比丘尼】 「……」【小白】 「なにを……うっ……」【???】 「眠れ。」晴明一行は眠りに落ちた…… |
序章3
【紙舞】 「この先が私たちの目的地、「日輪の城」です。 我が家の万灯様が、埠頭で皆さんをお待ちしております。」【晴明】 「博雅と神楽はどこにいる?」【紙舞】 「晴明様、ご心配なく。別の港から上陸するのかもしれません。着きましたよ。」【晴明】 (ここはかなり怪しい。真相を調べる時機を待とう。)【万灯】 「晴明様、お名前はかねがね伺っております。私は「万灯」と申します。」【晴明】 「出迎えに感謝します。今日は万灯様にお伺いしたい事があってお訪ねしました。」【万灯】 「そうですか。ぜひ、ゆっくりお話をしましょう。ですが、まずはこの辺りを案内させてください。美しい「日輪の城」の景色を堪能してほしいのです。」【晴明】 「それは……」【八百比丘尼】 「八百比丘尼様、どうしたのですか?」【八百比丘尼】 「(小声で)昨日の出来事が、何故また……」【万灯】 「皆様のお顔には、やはり困惑が浮かんでおりますな。当然でしょう、見知らぬ人に見知らぬ城へと連れられたのですから、状況がわからなくても当たり前のこと。ですが、皆様がこの古城の秘密を解けば、私が皆様を招いた本意を理解するでしょう。」【晴明】 「わかりました、万灯様。ご案内お願いします。」【万灯】 「また言い忘れましたが、この城の民たちはとっても幸せに暮らしています。ですから、くれぐれも彼らを邪魔しないように気を付けてくださいませ。」── 移動 ──【晴明】 (横丁の奥で泣き叫んでる女の子ではないか?)【夕】 「女将さん!お酒半斤ちょうだい!」【おかみ】 「はいよっ、少々お待ち。」【米藏屋主人】 「夕ちゃん、ずいぶん楽しそうだね。豪勢な晩餐でも作るのかい?」【夕】 「へへ!そうなの!父ちゃんと母ちゃんがやっと帰ってくるんだよ。だから美味しい料理を食べさせてあげようと思って、やる気満々なんだ!」①夕に話しかける【八百比丘尼】 「夕さん、私のこと覚えていますか?あなたのご両親が……」【夜霊】 「逃がさんぞ!」── 戦闘 ──【八百比丘尼】 「夕さんじゃなく私に向かってる?」【夕】 「本当に久しぶりなの!!」【米藏屋主人】 「ああ、思い出した。卑弥呼様の祝儀で戻ってきたんだね?皇宮が城中の店に一斉出荷を命じたもんだから、未明の頃は死ぬほど忙しかったよ。」【夕】 「そうそう!夕も期待してたんだ。卑弥呼様はきっとこの日輪で一番美しいお嫁さんになるもん!花婿も素敵な方なんだって!夕はまだ見たことないんだけどね。」【おかみ】 「おや、無いのかい?残念だね。先日市場に来たんだよ。卑弥呼様への贈り物を選んで、新婚の夜に渡すって言ってねえ。あの優しい目ときたら、断れる女なんてありゃしないよ。」【夕】 「ちょっと、女将さんはもう結婚してるじゃない!旦那さんに聞かれたらどうするの?」【米藏屋主人】 「ははは、聞かれたってどうもできないよ、ねえ?」【おかみ】 「そうそう、うちの旦那は優しいんだよ。」【夕】 「ははっ!うわっ!もうこんな時間。早く帰って準備しないと!祝儀でまた会おうね!」【晴明】 「……」── 移動 ──【八百比丘尼】 「晴明さん、物見櫓に行きませんか?神楽さんたちがまだ行方不明ですし。」【晴明】 「博雅と神楽を見つけても、神器の手がかりがない。王城で何か解決する方法が見つかるかもしれない。向こうで調べてみよう。」── 移動 ──【透古】 「やっぱりあっちの方が良いのでは……いやいやいや、いっそ全部持って来てからゆっくり選び出そう。」①透古に話しかける【夜霊】 「逃がさんぞ!」── 戦闘 ──【八百比丘尼】 「……やはりおかしいですね。城の人に話しかけるたびに、鬼霊はどこかから現れ私たちを攻撃します。」【晴明】 「前に進もう。私たちの推測を証明するのだ。」②透古に話しかけない【透古】 「おじさん、ひまわりの畑まで乗せてくれませんか?」【漁老】 「透古の頼みなら手伝うさ!ほら、乗ってきな。」【透古】 「ありがとうございます。」【漁老】 「お安い御用だよ。だが透古、今日の祝儀に行かないのかい?」【透古】 「もちろん行きます!卑弥呼様の祝儀なら誰だって出席しますよ。あの方は我々の敬愛する女王ですから。」【漁老】 「なら、なんで畑に戻るんだ?遠回りで時間がかかるだろうに。」【透古】 「実は、卑弥呼様に一番大きいひまわりを贈りたかったんです…結婚の進物として。既に一輪摘んだのですが、ここまで歩いて来るうちに、どうしてももう一度選ばなければと考えてしまって。百に一つしかないひまわりでなければ、我が卑弥呼様に相応しくないからです。」【漁老】 「はは、卑弥呼様は透古にとっても大切なお方だろうね。お前の気持ちはきっと届くさ。よしっ、じゃあ最後まで手伝ってやるか。花を選び終えたら、皇宮まで送ってやるよ。」【漁老】 「本当ですか!ありがとうございます、おじさん。」【八百比丘尼】 「……やはりおかしいですね。城の人に話しかけるたびに、鬼霊はどこかから現れ私たちを攻撃します。」【晴明】 「前に進もう。私たちの推測を証明するのだ。」── 移動 ──【大将】 「はぁ……」①大将に話しかける【夜霊】 「逃がさんぞ!」【八百比丘尼】 「晴明さん、これで確認できましたね。」【晴明】 「ああ、今日の出来事も出会った人たちも、昨日とまったく同じだ。一旦干渉しようとすると、鬼霊に攻撃される。私たちは同じ日の輪廻に閉じ込められたということか。」②大将に話しかけない【大将】 「私はこれでも、卑弥呼様がこの日輪の城を築いてきたのをずっと見届けた身だ。卑弥呼様は国と民のために幾多犠牲を払った。やっと頼れる方を見つけた今、彼女の幸福を皆が祈願するだろう。しかし、我家の曜姫はいつ嫁に行けるのだ……私が息を途絶える前に、その日が訪れるのだろうか……」【従僕】 「大将様、なにをおっしゃって!大将様は必ず長生きすることでしょう。お嬢様の祝儀は大将様がご司会でなければなりません。それに、お嬢様も立派に育ちました。女王様に負けない美人でございます。お嬢様の求愛者は城を囲むほど数が多いのですよ。大将様、御心配なさらないで下さいませ。」【大将】 「ははは、まったく口八丁だな!何か不備がないかもう一度確認しろ。ないのなら入るぞ。」【八百比丘尼】 「晴明さん、これで確認できましたね。」【晴明】 「……今日の出来事も出会った人たちも、昨日とまったく同じだ。一旦干渉しようとすると、鬼霊に攻撃される。私たちは同じ日の輪廻に閉じ込められたということか。」【藤原道綱】 「……」【小白】 「やっぱり藤原家の道綱様がいるんですね。小白の見間違いではありませんでした。」【晴明】 「考えを整理しよう。万灯がまたどこかに消えてしまった。昨日のように人の群れを干渉すると、また攻撃される。物見櫓の方に向かうと、また見知らぬ女性と遭遇する。」【小白】 「ごめんなさい、晴明様!今日は絶対に誰にもぶつかりませんから。」【八百比丘尼】 「でしたら、皇宮へ行ってみませんか?」【晴明】 「ああ。それぞれの角度から情報を収集していけば、城の真相を早めに掴めるかもしれない。」【小白】 「おや?晴明様、あの方は来た途中で見かけた大将ではありませんか?どうして空気としゃべっているのでしょう?」【大将】 「曜姫、大きくなったな。おまえの今の様子を見せたら、母親もさぞかし喜ぶことだろう。」【晴明】 「曜姫?大将を調べてみよう。」【夜霊】 「誰も、邪魔させんぞ!」【晴明】 「!!」(突然現れた姿が、鬼霊の攻撃を阻んでくれた。)【小白】 「あっ!あの女の人です!」【???】 「あんたたち、とにかく手伝ってくれ。」── 戦闘 ──── 移動 ──【????】 「あ・・・・・・・・!!!」【小白】 「晴明様!強い霊力があの女にぶつかったのを小白は見ました!」【晴明】 「圧倒的な力だ……殿中には一体……」【???】 「ゴホ…………ぐっ!」【小白】 「逃げましたよ!晴明様、私たちもついて行きますか?」【晴明】 「彼女はこの輪廻に閉じ込められていない。もしかしたら、現状を変える鍵になるかもしれないな。後を追おう。」【小白】 「はい!」【八百比丘尼】 「ええ。」── 移動 ──【???】 「ゲホ……ゲホゲホ……」【八百比丘尼】 「大丈夫ですか?傷を見せてください。」【???】 「ありがとう……私はずっとここで戦っていた……この城の人々を助けようと思った……この日輪の城は……同じ日を繰り返しながら……もう何百年も経っているんだ。」【小白】 「何百年も!?」【晴明】 「なぜここの時空は歪んだのだ?民たちはなぜ閉じ込められた?」【???】 「卑弥呼……が……ゴホ…ゴホゴホ……」【八百比丘尼】 「少し休んでください。」【???】 「……いや。物見櫓……そこに私の部下が……早く……塔に行かないと……まずは次の輪廻からあんたたちを隠さなければ……」── 移動 ──【明六】 「滝夜叉姫様、どうされましたか!あなたたちは何者です!」【滝夜叉姫】 「彼らは味方だ……明六、私は先に鳴の間へ戻る。日輪のことを説明してやってくれ。」【明六】 「そうですか……私は「明六」といいます。滝夜叉姫様に頼まれ、この物見櫓を守り、日輪の昼の時間を記録しています。滝夜叉姫様は今休憩中ですので、皆様はご心配なく。明日の朝に起きると思います。その時にはまた皆様にお知らせしますので。輪廻が始まれば、卑弥呼様の祝儀は再び開かれます。ですが安心してください。ここにいる限り、輪廻の影響は及びません。もう遅いですし、皆さんは客間で休んでください。この「日輪の城」を気に入ってくだされば幸いです!」【晴明】 「ありがとう。では、言葉に甘えさせてもらうよ。」【八百比丘尼】 「なるほど、道理で日輪の人々は同じ言動を繰り返していたのですね。」【晴明】 「ああ。その真相は私たちが探し求める神器とどこかで繋がっているはずだ。滝夜叉姫が休んでいる間は邪魔しない方がいいな。彼女の回復を待とう。」 |
日輪の城・本編
1日目
【滝夜叉姫】 「よく来てくれた、陰陽師。私の力はまだ完全に回復していない。悪いが、少しばかり休ませてもらう。この日輪の城で、時音の欠片を集めてもらえないだろうか?卑弥呼にもう一度挑戦するために、もっと早く回復せねば。」── 移動 ──【八百比丘尼】 「卑弥呼にひまわりを捧げようとしている男の子だ。」【晴明】 「昨日から気になってたが、この辺りの花の様子は少し異常だ…」【八百比丘尼】 「これは「ひまわり」、陽の光に向かって育つ花だ。」【晴明】 「ここが異常なのだ。この辺のひまわりは太陽に向いていない。それぞれ違う向きになっている。」【八百比丘尼】 「日輪の城は時空の外にある場所。もしかしてこれらのひまわりも住民たちと同様…日夜の更迭を忘れてしまったのかもしれない。」【晴明】 「混乱した輪廻の中で、あの少年はお気に入りの一輪を見つけられるだろうか。」【八百比丘尼】 「残念ながら、花畑に何度来ようが、昨日より美しい花は見つからないだろう。」【晴明】 「彼を邪魔しないほうがいいだろう。行こう。」── 移動 ──【藤原道綱】 「立った!茶柱が立ったぞ!」【小白】 「小白の見間違いではありません!本当に藤原道綱様です!」【晴明】 「おまえもここに閉じ込められてしまったのか?」【夜霊】 「逃がさんぞ!」── 戦闘 ──【晴明】 「藤原道綱殿はよそ者なのに、なぜ鬼霊を引き寄せたんだ。」【八百比丘尼】 「まさか、彼も輪廻に囚われているのか。」【晴明】 「城の住民でないにも関わらず、輪廻に引きずり込まれたってことか…」【八百比丘尼】 「おそらく、時音は特定の対象ではなく、地域に影響を与えているのだろう。」【晴明】 「まさか同じ時代から来た陰陽師も助ける羽目になるとは。」── 移動 ──【晴明】 「紙舞…」【小白】 「逃げるな!」【紙舞】 「最初からここにいますし、逃げるつもりもありません。」【八百比丘尼】 「なぜ我々をこの無限に輪廻する城におびき寄せたのだ?」【紙舞】 「私の願いはもう達成しました。さて、この私に何をするおつもりでしょうか?」【小白】 「ムカつくヤツですね!脱出する方法を教えてください!」【晴明】 「下がれ小白。いくら聞いても無駄だ。」【八百比丘尼】 「死んでも黒幕を明かさないと、既に覚悟しているのだろう。」【小白】 「え?紙舞さんは誰かの指図を受けているということですか?」【晴明】 「黙っていても真実はそこにある。教えてくれ。」【紙舞】 「何を言っても無駄です。かかってきてください。」(一戦を経て、紙舞が敗北した。)【万灯】 「みっともないぞ、紙舞よ。」【晴明】 「やはりお前だったか、万灯!」【万灯】 「やはり?相変わらず鈍いんだな、晴明。」【晴明】 「お前…(なぜだ…どこか懐かしい気配を感じる。)」【万灯】 「今日の遊びはここまでにしよう。」【晴明】 「お前は一体…?」【小白】 「行ってしまいました。」【晴明】 「あいつとは…どこかで…」【小白】 「どうされました?」【晴明】 「いや、何でもない。進もう、まだやらねばならないことがたくさんある。(彼は一体何者だ。俺が失った記憶と何らかの関係があるかもしれない。)」── 移動 ──【八百比丘尼】 「まことに立派なお屋敷ですね。」【晴明】 「ここには重要な人物が住んでいるのだろう。」【街人1】 「見て見て!将軍様と娘さんが出てきたよ!」【晴明】 「将軍一人しかいない…」【八百比丘尼】 「誰も乗っていない馬が並行していますね…」【街人2】 「なんて勇ましいお姿なのだ!日輪の城の安泰はひとえに将軍家のおかげだ。」【街人1】 「前回の勝利から帰ってきた時、将軍様が兵士らの前で言ったことは本当に胸を熱くさせるものだった。」【街人2】 「俺もその場にいたぞ!「今回の戦に勝ったものの、勇敢なる仲間を沢山失った!いいか、逝った命にも意味がある。勇者たちの犠牲があったからこそ、こうやって日輪の城の平和を守れたのだ!」」【街人1】 「その口調似てるじゃないか。だが、俺には死の覚悟なんざ到底できないな。今日まで生きてきたから女王様の婚宴を見届けられたんだぞ。さらに数十年生きればもっと面白いものをこの目で見れるかもしれないじゃないか!」【街人2】 「だから、俺たちのような庶民は所詮将軍の器がないってことよ。将軍様もお前と同じ事を考えてたら、日輪の城はとっくに…」【街人1】 「ああもういい、将軍親子が行ってしまったじゃないか。俺らもそろそろ日輪閣に行こう。女王様の婚宴に遅れるぞ!」【晴明】 「俺たちもこれから婚宴に向かうか?」【八百比丘尼】 「はい、すぐ行きましょう。」── 移動 ──【おじいさん】 「ばあや、そろそろ出かけるぞ。いい年してめかしこむなって。あんたの足だと、日輪閣についた頃には婚宴も終わっちまうわい。」【老婆】 「これは女王様と万灯様の婚宴じゃよ!お化粧はお二人への敬意を表してるのじゃ。こんな歳まで生きて、参加した婚宴は山ほどあるが、あれほど仲睦まじい夫婦は初めて見た。」【おじいさん】 「万灯様が卑弥呼様に向ける愛は燃えるように熱いものじゃった。あの相手を見る目、私は一番分かっている。あれは、相手をちっとも傷つけたくない目じゃよ。ばあや、俺があんたを見る目もそのようなもんじゃろう。」【老婆】 「お好きに軽口を叩いてな。その豆粒のような目じゃ、何も感じないわよ。風流な万灯様とは比べ物にもならない。娘もあのような夫ができるように、お二人の幸せを少しでも分けていただけたら何の悔いもないわい!」【おじいさん】 「亭主を貶すんじゃない。歳のせいで皮膚が弛んでるから小さく見えるだけだよ。あんたなぁ、早く出ないと、日輪閣についた頃はもう子供が生まれてるかもしれんぞ。」【老婆】 「はいはい、行くよ。」【晴明】 「俺たちも橋のほうへ行こう。橋を渡れば日輪閣だ。」【八百比丘尼】 「はい、行きましょう。」── 移動 ──【街人1】 「この橋を渡れば日輪堂の入口だ。卑弥呼様と万灯様の婚宴が見れるなんて、俺はなんて幸運なやつなんだ!木彫りの玩具を作ったけど、あのお二人は気に入ってくれるだろうか。こう見ても何日もかかったんだぞ!」【街人2】 「しまった!お祝を持ってくるのを忘れちまった!昨日遅くまで飲んだせいで、今朝ぼんやりしながら出かけてしまったんだった。これから取りに戻ったら婚宴に間に合わないぞ!」【街人1】 「ここは市場に近いから、お祝に何かを買ってきたらどうだ。」【街人2】 「それはいいね。市場にある酒屋なら知ってる。そこの酒は、大通り三本隔てても匂いが漂ってくるんだ!」【街人1】 「お前、また酒屋で酔いつぶれるつもりじゃねえよな…」【街人2】 「まさか!酒は婚宴で飲んだほうが美味いに決まってる。先に橋を渡れ、俺は酒を買ったら追いかけるから。」【八百比丘尼】 「晴明さん、私たちは日輪閣を調べますか?それとも市場へ進みますか?」①日輪堂の入口へ【晴明】 「ここは人が大勢集まっている。敵はいつでも現れてくるから、用心しろ。」【八百比丘尼】 「初めて来た時は、みんな楽しく笑っていて、賑やかな婚宴としか思いませんでした。今となっては、妖しさと悲しみしか感じません。」【滝夜叉姫】 「この光景、もはや数え切れないほど見てきた。自分までなんとも感じなくなってしまったら…と、思うこともあった。」【晴明】 「ここまで来た以上、日輪の城を救う手助けをさせてもらおう。結果はどうであれ、恐れることはない。お前はもう一人ではない。」【滝夜叉姫】 「礼を言うぞ。」【小白】 「セイメイ様、王宮の外はごった返しです。無理やり入りますか?」【晴明】 「いや、今入ったら藪から蛇だ。人混みが少し減ってから、ここに戻ろう。」【滝夜叉姫】 「これは…花の冠…」【八百比丘尼】 「どうやら囲まれたようだな。」【小白】 「ひぃ!!いつから後ろにいたんですか?!怖いですよ!」【晴明】 「ここは一緒に包囲を突破しよう。」【夜霊】 「逃がさんぞ!」【晴明】 「日輪堂の周りに鬼霊が多すぎる。一旦撤退だ!」── 移動 ──【夕】 「今日こそ…今日こそ帰ってくる。帰って…くる…」【八百比丘尼】 「この子は輪廻の中で何度も家族を失っている…なぜ彼女を解放してあげないんだ…こんなの、あまりにも酷だろう…」【晴明】 「先日より調子が悪くなっているようだ…なぜこんな変化が起きているのだ?」【夕】 「いや、もう帰ってこない…確か…確か…」【夜霊】 「逃がさんぞ!」【小白】 「セイメイ様は何もしていないのに、どうして鬼霊が現れたんですか?」【八百比丘尼】 「彼女の意識が自ら覚醒しているのでしょうか?」【晴明】 「俺たちがいなかったら、自分が呼び寄せた鬼霊に千切られていたかもしれない。」【滝夜叉姫】 「この子は当分安全だ。これ以上干渉してはいけない。」【八百比丘尼】 「滝夜叉姫!このまま見捨てるんですか?」【滝夜叉姫】 「一刻も早くここを離れよう。これ以上いるとまた鬼霊が現れる。」── 移動 ──【八百比丘尼】 「彼女を解放してあげてもよいのではありませんか?同じ苦しみを何度も味わう彼女をどうして見過せるのですか?」【滝夜叉姫】 「私は…待っているのだ。日輪の民が自力で目覚める日を。」【八百比丘尼】 「彼女をなんだと思っているのです?あなたの実験道具ではないのですよ?」【滝夜叉姫】 「私はただ…彼女の代わりに決断してはいけないと思っている。輪廻から抜けるかどうかは、彼女自身が決めることだ。横やりを入れられては、本当の解放にはならない…それまで、ずっときっかけを作り続ける。そして待つんだ…彼らが自らきっかけを掴んでくれる日まで。あなたほど聡明な方なら、きっと私を理解するだろう。もちろん、卑弥呼を倒せば、この城の民を解放したことになる。」── 移動 ──【明六】 「お疲れ様です、晴明様。日輪の城の輪廻では、一つの地点を通過すると時音の欠片を獲得し、滝夜叉姫様に渡すことができます。そして、これらの欠片は来る最終決戦で大いに役立つでしょう。取得地点によっては、時音の欠片の力を秘めた器具を手に入れることもあります。輪廻の中で何度もお試しください。例えば、この間御集めになった盃と時音の箱…いずれも鳴の間で欠片の力を解き放ち、対応する欠片を入手することができます。大変お疲れでしょうから、監視塔の中でお休みになってください。こちらは今回集めた欠片です。」 |
2日目
新ストーリーのみ記載
透古と話すルート
【滝夜叉姫】 「今日もよろしく頼むぞ、陰陽師。再度戦えるまで、あと少し休息が必要だ。ただ…今回はどれほどの民を救えるか…城に潜んでいる危険に気付きました。なるべく輪廻の中にいる民に影響を与えずに行動してください。」── 移動 ──【八百比丘尼】 「適した花を彼の前に置くだけなら、大丈夫でしょう。」【晴明】 「用心に越したことは無い。彼と接したら…また鬼霊を招いてしまうから。」【八百比丘尼】 「気を付けます。」【小白】 「八百比丘尼様が自ら関心を示すなんて珍しいですね。」【晴明】 「日輪の民から、自分が経験したことを連想したのだろう。生と死の狭間で苦しくもがく味は、彼女が一番知っているからな。」【八百比丘尼】 「せめて終わりなき輪廻の中で、一度だけでも一番美しい花を見つけさせましょう。」【透古】 「え…あなたは?」(透古は八百比丘尼と視線が合ったのに、すかさず何もなかったようなふりをして、ひまわり畑の奥へと入っていった。)【小白】 「セイメイ様、お気を付けください!彼に接してしまいましたから、まもなく鬼霊が出てきます!あれ!?鬼霊は…出てきません!」【晴明】 「彼の輪廻を干渉したのに、鬼霊は出てこないのか?」【八百比丘尼】 「もしかして、この子は既に…」①透古と話す(透古は八百比丘尼の視線を避けるように目を伏せ、彼女の背後に回った。)【八百比丘尼】 「偽るのをやめなさい。あなたは既に輪廻から抜けたのでしょう。」【透古】 「……!」(透古はひまわり畑の奥に走った。)【小白】 「こいつはやはり訳ありですね!」【晴明】 「どういうことか、追いかけて確認しよう。」── 移動 ──【小白】 「ここにいました!」(透古は走るのを諦め、振り替えって晴明たちを見る。)【八百比丘尼】 「滝夜叉姫に解放されたのに、なぜ毎日輪廻の中にいる振りをしているのです?」【透古】 「なにを言っているんだ?」【八百比丘尼】 「……」【透古】 「俺はまだ一番美しいひまわりを見つけていない。だから諦めちゃいけないんだ。止まったら、自分がもう死んでいることを認めてしまうことになる。それだと、本当に何もかも止まってしまいます。」【晴明】 「真実を見て見ぬふりをしているってことか。」【透古】 「真実を見て見ぬふりをしているのは、滝夜叉姫様のほうだ。ここから離れる術がない以上、俺らは本当の解放を得られないよ。」【八百比丘尼】 「これが滝夜叉姫が言っていた「待つ」理由でしょうか。解放を本当に望んでいる人しか、輪廻に囚われた「心」を解放できません…」【透古】 「輪廻の中にいるのに、ずっと正気でいられるなんて、貴方たちは滝夜叉姫様がずっと待っていた人だろう。」【八百比丘尼】 「彼女が待っているのは、あなたたちです。」【透古】 「俺たち…?」【八百比丘尼】 「ここの住民を信じ、いつか自ら選択をするのだろうと、ずっと待っているのです。この夢を見続けるか、死をーー彼女とともに、「生きるための死」を迎えるか。」【透古】 「「生きるための死」…?」【八百比丘尼】 「命は死してこそ完全なものになります。終わりがあるからこそ、日々経験していること、選んだことが、かけがえのないものになります。今日摘んだ花を誰に捧げるか、今日は誰のために泣いているか…繰り返せない「日々」が、命に意味を与えるものです。」【透古】 「滝夜叉姫様が何度も卑弥呼様に挑んでいるのは、俺たちの時間稼ぎのため…?」【八百比丘尼】 「いいえ、あなたたちが「選択」の重みを思い出すまで待っているのです。どちらにするか、もう決めましたか?」【透古】 「ありがとう…もう決めたよ。これはこの畑で一番大きくて美しいひまわりだ。俺の代わりに滝夜叉姫様に捧げてください。」【八百比丘尼】 「卑弥呼様ではなく、滝夜叉姫様にですか?」【透古】 「そうだ。俺はもう逃げたくないんだ。過去にこだわり続けるのももう沢山だ。」── 「向日葵の絵巻」入手 ──── 移動 ──【晴明】 「今日はここで彼女に会っていない。紙舞はもう日輪の輪廻にいないようだな。」【小白】 「どうやってできたんでしょうか?まさかあの万灯という奴の仕業ですか?」【晴明】 「恐らくそうだ。行こう。」── 移動 ──【八百比丘尼】 「まことに立派なお屋敷ですね。」【晴明】 「ここには重要な人物が住んでいるのだろう。」── 中略 ──【晴明】 「俺たちもこれから婚宴に向かうか?それとも、昨日行かなかった将軍邸に向かうか?」①将軍邸へ【従僕】 「広いお屋敷を掃除するのって本当に疲れちゃいます…資人様はよく何十年もここで働けますね。」【執事】 「それっぽちの仕事だろう?楽なもんだよ。君はゴミが落ちてないことを確認すればいいが、俺は屋敷全体の秩序を守らなけりゃいけないんだぞ!そして、この日輪の城を守っている将軍様と曜姫様のことを考えてみろ。あのお二人が弱音を吐いたりしたことなんぞあるか?」【従僕】 「……」【執事】 「今日ご結婚なさる女王様なんて、日輪の城の政を全部管理しなきゃいけないんだ。毎日どれだけのお役目があるか想像だにできない!」【従僕】 「そう考えれば、私の仕事は本当に楽なもんですね~」【執事】 「今のは少し厳しかったかもしれんが、我々のような雑用係は日々些細な仕事をしてるとはいえ、全部完璧にこなすのも易しいことではないぞ。」【従僕】 「確かに。」【執事】 「疲れたら裏山で休んで来い。清々しい風に吹かれながら、山から美しい日輪の城を俯瞰すれば、心も癒されるだろう。」【従僕】 「そういえば、浦山にはまだ一度も行っていません。今日の仕事もそろそろ終わるし、後で行ってみますね。」【執事】 「風景に見とれちまって女王様の婚宴に遅れるなよ!」【従僕】 「日輪閣はここから近いですし、ちょっと居眠りするくらいなら大丈夫でしょう!」【小白】 「あれっ、セイメイ様!この武器は滝夜叉姫様が持っているものと似ていませんか。」【晴明】 「確かに似ている。裏山の見晴らしがいいと言っていたな。俺たちも見に行こう。」【八百比丘尼】 「そうしましょう。」── 「木刀」入手 ──── 移動 ──【晴明】 「城にこれほど落ち着く場所があるとは。ここから俯瞰すれば、賑やかな城にたくさんの魂が囚われているとは想像もつかないだろう。」【八百比丘尼】 「向こうに墓碑があります!でも、なんて小さなお墓…何が埋まっているんでしょう…墓碑には何か書いてありますね。「生は遠船の如く、死の終点へ往く」…」【晴明】 「「生きるための死…」。あれは…兎の置物。」── 「兎の置物」入手 ──【八百比丘尼】 「だが、私という船は渦巻に捕らえられてしまいました。抜け出そうと必死にもがいているのに、渦巻の中心に引きずり込まれずに済んだだけのようです。「死の終点へ行く」。簡単に言ってくれますが、私はただどうしようもなく、渦巻に回されるほかありませんでした。」【晴明】 「渦巻に捕らえられたのはお前だけではない。日輪の城はまるで大きな渦の如く、意識を失った無数の舟がこの中で数百年も回っている。」【八百比丘尼】 「……」【晴明】 「しかも彼らのほとんどは自分の状況を理解していない。これが幸か不幸か、誰に分かろうか。」【八百比丘尼】 「そろそろ降りましょう。」【晴明】 「八百比丘尼……」【八百比丘尼】 「それは、不幸中の幸いと言っていいでしょう。」【晴明】 「日輪閣に向かおう。」── 移動 ──②市場へ── 移動 ──【夕】 「今日は…今日は…帰ってこない…」【夜霊】 「逃がさんぞ!」── 戦闘 ──【晴明】 「この子はもう限界のようだ。」【八百比丘尼】 「これ以上この子を滝夜叉姫の実験台にはさせません!」【晴明】 「彼女は君が思っているほど非情ではない。」【八百比丘尼】 「え?」【晴明】 「滝夜叉姫はまだ重傷から回復していないはずだ。なのに、鳴の間で回復を待たず、毎日市場に来るのはなぜだと思う?」【八百比丘尼】 「……ずっとこの子を影で守っているんだ。」【晴明】 「心が動けば取り乱れてしまうのは、君だけではないようだ。滝夜叉姫は近くにいるはずだ。彼女に直接確認しよう。」── 移動 ──【八百比丘尼】 「滝夜叉姫…」【滝夜叉姫】 「彼女を助けてくれて、ありがとう。だが、本当にこの輪廻から脱し、すべてを失う長い年月を受け入れるかどうかは、やはり彼女の代わりには決められない。」【八百比丘尼】 「だけど、あなたは彼女に決める機会すら与えていません。」【滝夜叉姫】 「本当の死を受け入れてはじめて、束縛から解放することができる。彼女なら、きっと決められるはずだ。」【八百比丘尼】 「それはあなたの独りよがりです。みんながみんな、あなたのような強い意志の持ち主ではありません。」【滝夜叉姫】 「鋭い巫女よ、あなたの言う通りだ。民たちが夢から目覚めないから、私はずっと待っていなければならないのだ…」── 移動 ──【暮六】 「あれ、いつからそこにいたんです?しかもこんなにたくさんの時音の欠片を持っているなんて。もう遅いので、先に寝ますね。何かあれば、翌朝明六くんに言ってください。おやすみなさい。」 |
そっとしておくルート
【藤原道綱】 「茶柱が揺れている。この罫は、こんな時に現れるはずが…これは決して今日の罫ではあるまい…一体何が起きているんだ…」【夜霊】 「逃がさんぞ!」── 戦闘 ──【小白】 「道綱様に接していなくても、鬼霊をひきつけましたね?」【晴明】 「夕が鬼霊に遭った時と同じだ。彼は自ら日輪の城の輪廻を見破ったからだろう。」【八百比丘尼】 「だとすれば…この方は既に輪廻から脱出しているのでしょうか?」【藤原道綱】 「な…なんてことだ!いくら占っても、今この時は…この時ではないはずだ!」【晴明】 「道綱殿、こんな異様な場所に来たのは何のためだ。」【藤原道綱】 「一族に伝わる秘伝に、この地に二つの秘宝、時音と雲外鏡があると記載されている。宝物を探しに来たに決まっているであろう!」【晴明】 「残念だが、貴方はその宝によって輪廻に巻き込まれてしまった…今夜は野宿せず、監視塔の中で過ごしてください。」 |
3日目
新ストーリーのみ記載
透古と話すルート
【滝夜叉姫】 「連日ご苦労だった、陰陽師。今度は、私と卑弥呼様の最後の戦いになるだろう。あともう少し時音の力があれば、私は完全に回復できる。手を貸してもらえるだろうか。八百比丘尼…」── 移動 ──【晴明】 「今日はここで彼女に会っていない。紙舞はもう日輪の輪廻にいないようだな。」【小白】 「どうやってできたんでしょうか?まさかあの万灯という奴の仕業ですか」【藤原道綱】 「占いによれば、紙舞は東側の木こり小屋にいる。」【晴明】 「確かに、その方角から紙舞の妖気を感じる。少し調べていこう。」── ①木こり小屋を調べる【神楽】 「お兄さん、見て。晴明、小白、八百比丘尼も来たよ!」【源博雅】 「……(また会っちまったのかよ。)」【小白】 「小白たちに会った途端に、博雅様の顔色が悪くなりましたね?」【源博雅】 「ふん、うるさい子犬が気に食わないだけだ。」【小白】 「同じことを繰り返すようですが、小白は犬じゃありません。キツネです!」【神楽】 「お兄さんと日輪の城で遊んで結構楽しかった。小降りし始めたから、ここで休んでるの。」【小白】 「ほほお、二人きりの時間をお邪魔してしまったようですね。神楽様、セイメイ様と八百比丘尼様がいるともっと楽しくなりますよ。」【源博雅】 「うるせえな、子犬!」【晴明】 「既に何か気づいてるだろう。」【八百比丘尼】 「鋭い博雅様なら、この小屋に満ちている妖気に既に気づいているでしょう。」【源博雅】 「ああ、だがこの辺りを神楽と探してもあやかしが見つからないんだ。そして、妖気は机上の墨絵から発しているのが分かったよ。」【八百比丘尼】 「大分年季の入った紙に見えますね。描いてある内容は関連しているようです。美しい絵ですが、所々色が切れているところがあります。まるで、筆が何度も手から落ちたように。」【晴明】 「紙舞の絵だろう。折り紙のあやかしの手だ。人手のようには動けない。」【八百比丘尼】 「彼女が経験したことを記録しているようですね。」【小白】 「セイメイ様と八百比丘尼様はもはや阿吽の呼吸ですね。それに対して、前からここにいた博雅様はなんにも分からなかったですねえ。」【源博雅】 「その折り紙のあやかしとやらには会ってないし、他人の過去なんかに興味もない。」【八百比丘尼】 「紙舞があやかしになる前は、淳という絵師の画用紙だったようですね。淳は絵画に夢中になり、その紙まで彼の美しい絵に引き付けられ、だんだんあやかしに化したのです。淳は彼女のことを恐れず、「紙舞」と名付けた。二人して日輪の城を隅々まで歩き回り、筆ですべての美景を記録してきました。一方、紙舞は淳の側にいるうちに、だんだん人間の感情、欲が生まれ、ただの白紙ではなくなりました。楽しい時間がずっと続いていけると思っていた紙舞ですが、淳は隣の城の娘と恋に落ち、一番美しい絵を彼女に差し上げようとしました。家を出た淳は二度と戻ってきませんでした。このままだとだんだん意識を失い、淳を忘れ白紙に戻るんじゃないかと、紙舞は日々のことを筆で記録し始めました。気が付けばこんなに長い年月が経ってしまっていた。そしてある日、琵琶を持った男がここを訪れました。」【晴明】 「万灯。」【小白】 「やはりあの悪い奴ですね!」【八百比丘尼】 「その後は何も描いていません。やはり紙舞を支配したのでしょう。」【晴明】 「もしそうであれば、万灯から真実を聞き出すと同時に、紙舞も助ける必要がある。(琵琶…この武器…)」【晴明】 「神楽、今回は極めて危険な旅だ。博雅からは一歩も離れないように。」【源博雅】 「神楽を守るのは俺一人で充分だ。敵が誰だろうが、俺が倒れない限り、神楽には指一本触れさせまい!」【神楽】 「ありがとう、お兄さん。」【源博雅】 「家族を守るのは兄としての役目だ。これもできなければ、一人前の男ではないからな。」【藤原道綱】 「占いによれば、紙前はすぐそこにいる。行こう!」── 「古琴」入手 ──── 移動 ──【小白】 「あなたたちもついていませんね。やっと見つけました!」【万灯】 「ついていない?お前らを待っていたんだよ。」【晴明】 「お前は何者だ?なぜ万灯の姿をしている。そしてなぜ紙舞を利用したのだ?」【万灯】 「彼女が行けばお前らも簡単に引っかかるだろうからな。使わない理由はなかろう。」【小白】 「よくも小白たちを騙しましたね!あなたは何のあやかしですか!」【万灯】 「騙す?罠を仕掛ければ揃いも揃って捕獲できる奴らを、騙すまでもない。」【八百比丘尼】 「では、万灯のふりをやめたのはなぜですか?」【万灯】 「いい加減飽きてきたから。」【晴明】 「……」【紙舞】 「万灯様は私を支配していません。すべては私が買って出たのです。」【小白】 「ええ?こやつとはグルだというのですか?」【紙舞】 「万灯様に恩返しするために、何かをしようと決めたんです。私を見つけた万灯様は、私を連れ出そうとしただけでなく、日輪の城の真実も教えてくれました。ここを離れれば淳に会いに行けるのに、私は気が引けました。時間がどれだけ経ったかも分からないし、おそらく淳はとっくに愛しい女性と結ばれたでしょう。あやかしの私が会いに行っても、二人にとって重荷でしかありません。他の女性と一緒に絵を描くのを見るより、寂しさを味わうほうがまだマシだと思いました。すると、万灯様が淳のことを教えてくれました。淳が出会った女性は私と酷似していました。女性に聞こうとしたけれど、私ではないと気づきました。日輪の城に戻る途中、淳は病にかかり、なくなった時もずっと大切な絵を抱えていました。その絵には私が描かれていました。無数の輪廻を経て、淳の気持ちが伝わったのです。万灯様がすべてを教えてくれたおかげで、生きていく意味を見つけました。そして、日輪の城の美しい風景をより多くの人に見せられないのは勿体ない、淳の夢とともに外に出るべきだと教えてくれました。私は一度も支配されたことはありません。この御恩を返したいからこうしているんです。」【小白】 「あれ?あの奴、意外と悪くなかったりして…」【晴明】 「お前に近づいたのはお前を利用するためだと、お前に伝えたこともただの陰謀だと、知っていながらか?」【万灯】 「ふふふ。」【小白】 「こいつ、拍手していますよ。もう二度と逃げられないと分かっているくせに。」【万灯】 「今の言葉でようやく少しだけ「晴明」を感じたよ。今までのお前はまったくがっかりさせるものだった。今のお前らは総がかりしても俺には敵わないだろう。」【晴明】 「お前は一体何者だ??」【小白】 「この音色…体が動きません…」【八百比丘尼】 「この琵琶の音色は…」【八百比丘尼】 「異国まで名を馳せる陰陽師…道満…」【晴明】 「なに?」【道満】 「わざわざ晴明をここまで誘ったのに、半身しか残っていないとは、まったくがっかりさせるもんだ。神器の力で、過ぎ去りし決戦の時に連れ戻そうと画策していたのだがな。お前に負けた事実を抹消し、お前をこの手で葬るつもりだった。だが、今のお前を見てすっかりやる気を失せてしまったよ。お前を殺しても、心の無念を晴らせまい。だからお前を活かしておかねばならない。」【晴明】 「お前という存在、そしてお前を倒したことも何一つ覚えていない。一体何を企んでいるんだ?」【道満】 「俺はお前の暗闇。永遠に醒めぬ悪夢そのものだ。」【晴明】 「……!!!」【道満】 「完全な姿になる頃に、また来るよ。俺たちは宿敵だ。お前は死ぬまで、俺の暗闇から逃げられまい。せいぜい生きるがよい、晴明。本当のお前が戻ってくる暁には、また最後の戦いをしよう。」【八百比丘尼】 「道満が行ってしまいました。大丈夫ですか、晴明さん?」【晴明】 「少し頭痛が…」【八百比丘尼】 「滅多に消息が掴めない道満とこの日輪の城で会うとは。会わないほうがよかったですけど。」【晴明】 「ここから離れた以上、もう俺たちを阻まないだろう。彼とのことで、これ以上他人を巻き添えにしたくない。俺はもう大丈夫だ。時音の欠片を集めていこう。」── 「千羽鶴」入手 ──── 移動 ──【夕】 「昨日…昨日は…帰ってこなかった…」【夜霊】 「逃がさんぞ!」── 戦闘 ──【八百比丘尼】 「彼女はもう限界です。」【滝夜叉姫】 「ぐうっ……!彼女を連れて離れるんだ。元の生活軌道に戻せば、まだ少し時間稼ぎができる!」── 移動 ──【藤原道綱】 「やっと理解できた。この日輪の城で輪廻を避けるには、滝夜叉姫の加護が必要だったのか。」【滝夜叉姫】 「貴方は…覚醒した外来者?」【藤原道綱】 「その通りです!滝夜叉姫さん、どうか監視塔で一夜宿をさせてもらえませんか?毎日この子の悲劇を見なければいけないと思うと、背筋がぞっとするよ…」【夕】 「毎日…輪廻…?これは、夢じゃないの?父ちゃんと母ちゃんは…夢じゃなかったの?夢、じゃなかった!!!!」【夜霊】 「逃がさんぞ!」── 戦闘 ──【夕】 「信じない信じない信じない!!父ちゃんと母ちゃんはきっと、きっと帰ってきたよ!!」【滝夜叉姫】 「夕、あなたのお父さんとお母さんは海難で亡くなったんだ。生き残った人がこれを持ち帰ってきた。」【夕】 「うそ、うそうそうそ!!!この手首飾りは…何度も!何度も見たもん!!父ちゃんと母ちゃんはきっと帰ってきたのよ!嘘つきばっかり!!!!」【夜霊】 「逃がさんぞ!」── 戦闘 ──【夕】 「父ちゃん…一番きれいな手首飾りを選んで、夕にあげるって約束したのに…」【小白】 「き、消えた…」【晴明】 「鬼霊の攻撃に耐えきれず、この輪廻で消えたか…」【滝夜叉姫】 「これが、彼女の「心」が決めたことだ。生きることを諦めたから、この輪廻で死の資格まで奪われてしまった。しかし、これからも彼女は、何度も何度も失う苦しみを味わうことになる。だからこそ私は、輪廻の連鎖を断ち切らねばならない。」── 「硝子の飾物」入手 ── |
そっとしておくルート
【藤原道綱】 「茶柱が揺れている。この罫は、こんな時に現れるはずが…これはどう考えても三日前の罫ではないか…一体何が起きているんだ…」【夜霊】 「逃がさんぞ」── 戦闘 ──【小白】 「何とか道綱様を助けないといけません、セイメイ様!」【晴明】 「やはり、このまま輪廻を放っておけん…一刻も早く卑弥呼を倒さねば。」【藤原道綱】 「そこの子ぎつね、なにを言っているんだ?」【晴明】 「行こう、この島の真実を見せてやる。」 |
卑弥呼挑戦前
【卑弥呼】 「曜姫、お友達を連れてきたようですね。なぜ私に抗うのです?なぜ、私たちが愛する日輪の城を壊そうとするのですか?」【滝夜叉姫】 「数百年の間、一体なにが正しいことなのかをずっと考えていました。あの年、突如襲い掛かってきた疫病で城の民は一夜にして命を奪われ、あなたの愛する方まで亡くなられました。たしかに、日輪の城が助かったのはあなたのおかげです。ですが・・・住民が終わりなき輪廻に閉じ込められ、魂が城に縛られてしまった・・・あなたのせいで、日輪の城は永劫に陥ったのです。」【卑弥呼】 「私は女王としてするべきことをしたまでです。「あの人」を守りたかっただけなのですよ。何がいけないというのですか!?」【滝夜叉姫】 「さきほども言ったように、何が正しく、あなたが何を間違えたのか、私には分かりませんでした。それでも、私は変えたいです。選択の権利を民たちに返し、自らの未来を探し出してほしい。」【卑弥呼】 「曜姫・・・」【滝夜叉姫】 「この戦いは、私からの餞別です。卑弥呼様、どうかその執着から解放なさってください!」 |
卑弥呼撃破後
【滝夜叉姫】 「すべてが終わりました。お礼として、皆様に差し上げましょう。」【晴明】 「これは・・・」【滝夜叉姫】 「これは雲外鏡です。外界から見つからぬよう、日輪の城を守る神器です。薄々気づいていましたわ。これのためにここにいらっしゃいましたね。日輪の城は解放された以上、雲外鏡は必要ありません。」【晴明】 「ありがとう、この神器で俺たちの国を救えるかもしれない。」【小白】 「セイメイ様、廃墟の中からこれを見つけました。」【滝夜叉姫】 「これは、彼女の「時音」。日輪の城が現世の時間を撹乱し、一日を何回も輪廻させられるのは、すべてこの「時音」の力があるからです。」【八百比丘尼】 「時音を壊したら・・・」【滝夜叉姫】 「日輪の城のすべてが消え、ここの人々は魂となる。」【八百比丘尼】 「晴明さん、どうしましょうか?」【晴明】 「ああ、滝夜叉姫に決めてもらいたい。」【滝夜叉姫】 「・・・」①時音を渡す ②時音を壊す |
①時音を渡す
【晴明】 「ならば、時音をおまえに預けよう。」【滝夜叉姫】 「卑弥呼が己の幸せのために、民を犠牲にしたと思っていました。己の意志で他人の運命を決めるなんて、身勝手すぎると思っていました。でも、透古さんたちを見たら、自分も身勝手だったと、気づかされました。私はここに残る、みんなの選択を待つ。」【八百比丘尼】 「相当、長く待つでしょうね。」【滝夜叉姫】 「しょせん、もう一つの輪廻だ。彼女がいないだけ。」【八百比丘尼】 「あなたは、まだ卑弥呼に・・・」【晴明】 「どこかで再会するまで、達者でいてくれ。」【滝夜叉姫】 「きっとまた会える、この恩は忘れません。さようなら、遠き国の陰陽師。」【晴明】 「ああ、また会おう。」── 「不死の夢」挿絵獲得 ── |
②時音を壊す
【滝夜叉姫】 「すべてを塵に返しましょう。私たちを捉えてきた甘い夢、日輪の城の悪夢は、これでようやく終わりますね。改めて、感謝致します。」【晴明】 「これからどうするつもりだ。」【滝夜叉姫】 「ここに残って、亡くなった民たちを慰めます。亡くなられたけれど、自由な身で生涯を送りました。これが正に私の望んでいる結末です。」【八百比丘尼】 「命が尽きるまで・・・」【小白】 「セイメイ様、博雅様が呼んでいます!早く港で合流しましょう。」【晴明】 「どこかで再会するまで、達者でいてくれ。」【滝夜叉姫】 「きっとまた会える、この恩は忘れません。さようなら、遠き国の陰陽師。」【晴明】 「ああ、また会おう。」── 「永劫の夢」挿絵獲得 ── |
終章
【源博雅】 「やっと日輪の城から戻ってきた!晴明よ、あの神器はどうなっている?」【晴明】 「城で手に入れた鏡は間違いなく異様な力が秘められている。ただ、これは完全な姿ではないような気がする・・・」【百目鬼】 「都の陰陽師。」【晴明】 「おまえは・・・百目鬼?」【百目鬼】 「神器を持ち帰ったようですね。」【晴明】 「なぜ神器のことを知っている。玉藻前はどこだ?」【百目鬼】 「玉藻前様のご命令で、神器の残り半分を陰陽師晴明に渡しに参りました。」【晴明】 「玉藻前はどうした?」【百目鬼】 「神器を私に託した直後に姿を消しました。この私の目でも、あの方の所在を見出せません。それだけではなく・・・」【晴明】 「なんだ?」【百目鬼】 「玉藻前がどこからこの半分を手に入れたのも、私には分かりません。」【晴明】 「行き先を聞いても、何も教えてくれませんでした。」【源博雅】 「玉藻前はいつも神出鬼没だからな。気にするな。そんなことより、神器はこれで完全になったのだ。」【百目鬼】 「確かに、玉藻前様の行方は私どもが聞くべきものではありません。役目を果たしました。これで失礼します。」【晴明】 「玉藻前・・・」 |
日輪の城CG
燼天玉藻前追憶絵巻
天命
問 |
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【玉藻前】 「晴明、いくつか聞きたいことがある。貴方に関係あることだ。」【晴明】 「私に関係がある?なんのことだ?なるべく答える。」【玉藻前】 「運命は天が定めた物なのか、自分の手で切り開く物なのか。貴方は運命を信じるのか?」①信じる ②信じない【玉藻前】 「なるほど、これが貴方の答えだ。」 |
「私の妻と子の死を、存じていたのではありませんか?」 「彼らの運命は既に決まっていた。」 「何もせずに見ているのが神の使命なのですか?」 玉藻前は「神」と名乗るやつらのことが嫌いだった。神社の者がなぜこうも忠実に仕えているのかも理解できない。 神は優しいのだと人々は言う。 だが彼の妻は天雷に打たれ、彼らの子も「神」からの恩恵を何一つ受けていなかった。死んでいく民に目もくれなかった神は、優しいと言えるのだろうか? 「笑わせてくれる。」 神が口にする「運命」は、玉藻前のすべてを奪った。この時代は、人も鬼も絶望の深淵へと追い込むらしい。 「彼らの魂はどこにあるのです?何年も捜したのですが、何も掴めておりません。」 「予言を見れば自ずとわかる。見終えたら、ここを離れたまえ。」 神は運命の川を玉藻前の足元で流し、玉藻前は妻と子の姿を見た。だが同時に、彼にとって受け入れがたい結末を目にした。 玉藻前は屈せず、数日後に再び神の元を訪ねた。 「運命とはなんですか?」 「運命は知られぬもの、故に主は彼らを探し出せぬ。運命は変えられぬもの、流れは定められている。」 「変えてみせると言ったら?」 神は応じず、彼を世から離れたある場所へと連れて行った。 暗闇の中、淡い青の光がゆっくりと浮かび上がる。玉藻前は迷わず足を踏み出した。 |
虚憊
問 |
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【玉藻前】 「晴明、いくつか聞きたいことがある。貴方に関係あることだ。」【晴明】 「私に関係がある?なんのことだ?なるべく答える。」【玉藻前】 「絶望の時に、頑張り続けられる原動力は?内なる思いか、それとも周囲の応援?」①内なる思い ②周囲の励まし【玉藻前】 「なるほど、これが貴方の答えだ。」 |
真っ暗な闇の中、一体の悪鬼が玉藻前に襲い掛かった。だが彼に触れる寸前、悪鬼は狐火に纏われ、鼓膜を刺すような憤怒の声を上げた。 それからも一体、もう一体と、終いには悪鬼の群れが波のように玉藻前の足元を目掛け、彼を死の静寂という深淵へと引きずり込もうとしていた。 「下がれ。お前らの相手をする暇などない。」 「お前はここで死ぬ運命なのだ!」 悪鬼の言葉に玉藻前は怒りを増していたが、自分の妖力が徐々に衰えていることに気付く。本来悪鬼など彼に指一本触れることもできないが、今となっては彼の狐火にも耐えられるようになっていた。 神はここを凶悪な場所だと言っていたが、どうやら悪鬼のことではなく、妖力を吸い取ってしまう「空間」そのものを指していたようだ。 「千代、羽衣、愛花…」 力が尽きようとしていた瞬間、玉藻前は狐火を集中させ、悪鬼の群れから一本の道を焼き出した。 妻と子への思いが、彼を諦めさせなかったのだ。 |
団欒
問 |
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【玉藻前】 「もし、将来起きる出来事を見えるとしたら…良い事を見るか、それとも悪い事を見る?」①良い事 ②悪い事 |
「ついに…ついに…」 「おかえり。」 「天」に見捨てられた妻と子は、死後の魂もこの地に追放されていた。幾度もの試練を乗り越え、家族はついに再会を遂げたのだ。 妻と子の力が徐々に玉藻前に流れていき、鬼神は彼に近づくことができなくなった。 すっかり衰弱していた彼は家族に包まれ、永遠に取り戻せないと思っていた温もりを感じていた。 「どんなに時が経っても、あなたは必ず会いに来てくれると信じていました。」 「千代…」 「知っていますよ、あなたの狐火が都を焼いてしまったことを。でもあれはあなたの本心じゃない。あれは私が知っている玉藻前じゃない。」 「陰陽師は命を持って償うべきだ…」 「羽衣と愛花は現世にいる限り、この災禍からは逃れられなかった。私達の敵は見える誰かではなく、見えない運命よ。」 「運命…俺はあの悲惨な結末を見た。あの時、お前達に降りかかった災難のような。」 「それなら尚更戦わなければ。大丈夫、あなたはもう一人じゃないわ。」 彼女がそう告げた瞬間、千代、羽衣と愛花は空に消え、不思議な笛の声が彼の耳元で鳴り響いた。 玉藻前はそっと手を体に当てる。そこには以前とは全く異なる姿の自分がいた。 |
神器
問 |
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【玉藻前】 「困難に遭遇した時、人はいろんな解決方法を考える。貴方は、自分の力で解決する?それとも人の助けを求める?」①自己解決 ②助けてもらう |
以前は少々耳にした程度だったが、玉藻前はついに神器の力を知り得た。 予言によれば、神器は二つに分けられ、半分の鏡は「天道」の域外に落とされた。試練を乗り越え、それを手にした者はいないという。 彼はすぐに晴明を訪ね、現世にあるもう片方の鏡を探すよう告げた。凶悪の地にある部分は、自分が取り戻す――これが最初の計画だった。 だが、鏡が現世に戻ると、彼の前で異変を起こし、空に浮かびながら八尺瓊勾玉の主を映し出した。 「なるほど、己の使命を理解しているようだな。」 少しの間だけ目覚めた鏡は、すぐに再び眠りへと堕ちた。 玉藻前は微笑みながら鏡を見つめ、何かを決意したかのように立ち上がり、遠くを眺めながら言った。 「晴明よ、我々の反撃の始まりだ。」 |
残響
問 |
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【玉藻前】 「もし周囲のすべてが変わったら、貴方はどうする?残る、或いは去る?」①残る ②去る |
広大な逢魔の平原では、無数の妖怪が彷徨っていた。悲しく泣きわめく声が玉藻前の耳を疼かせる。 ここは元より何もない土地であり、妖怪は妖気によって集まっている。この光景は玉藻前さえも驚かせた。 「あの汚い海妖共は、もう逢魔の平原に来ていたのか?」 玉藻前は付き添いの狐に影響が及ばぬよう先に離れさせ、自分は葦の中をゆっくりと進んでいた。傷だらけで、余命も僅かな妖怪を眺めながら。 殺戮だけを嗜むのなら、このような悲惨な光景にはならなかったはずだ。海妖共はここで一体何をしたのだ? だが、このようなことがこの平原だけに起きているとは限らない。 彼は道を阻む妖怪を押し退け、歩いて、歩いて…そして逢魔の平原を通り抜けた先の丘で、後ろを振り向いた。 狐火が静かに妖怪たちの身を包み、まるで空に浮かぶ星のような光を放ち、平原の先へと消えていく。 逢魔が時は過ぎ、夜がやってきたのだ。 |
旧友
問 |
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【玉藻前】 「人間とは、複雑で、予測できない物だ。貴方は内なる自分を親しい友人に曝けられるのか?」①従わない ②従う |
「玉藻前?なぜ我の元に?」 今まで黒晴明の居場所を突き止めた者はいなかった。だが現に、玉藻前はこうして彼の前に現れている。 「見ての通り、私の力はここまで衰えている…お前にとってはなんの利用価値もないだろう。」 「そう量るな。私にとっては、あいつもお前も葛葉の子で、晴明だ。」 「フン、我をあの未熟者と一緒にするな。」 玉藻前は笑い、黒晴明の隣に腰を掛け、酒を注いだ。 これは彼と葛葉が一番愛した酒であり、残り少ない分も大事に取ってある。 玉藻前にとって、黒晴明は昔ながらの旧友のような存在であり、過去の貴重な記憶を思い出させてくれる。 それは彼にとって偽りの自分を剥がし、世界の騒がしさから解放される数少ない一時だった。 葛葉よ、安心して私に任せろ――玉藻前は心の中で決心した。 |
燼天玉藻前CG
滝夜叉姫追憶絵巻
天才
「天才」という言葉は、陰陽道を修行し始めたときからずっと傍にあった。 私の力のめざましい進歩に人々は驚き、私も人を凌駕する感覚に陶酔した。 先生はいつも私にこう教えていた、陰陽道は争いの術ではなく、陰陽の均衡を守る術だと。 しかし、弱者の話は私にとって、全く意味を持たなかった。 なぜなら私は十歳のあの年、陰陽道の対決で、先生を打ち負かしたからだ。 十三歳の頃、故郷の陰陽師たちは皆私に負かされた。私は故郷を去る時がきたと思った。 その後十年余り、私は天下を遊歴している。 陰陽道を用いて式神との契約を締結したり、災いをもたらす妖怪を退治する。 けれどもこんな事は私にとって、全て余興に過ぎなかった。 私が渇望するのは、同じように陰陽道を修行した強者、そして彼らが私に負かされる姿を楽しむことだ。 私の相手はもういないと思っていた、あの同じく「天才」と呼ばれる銀髪の少年に出会うまでは。私は初めて敗北の味を知った。 |
万灯
あの「晴明」という名の少年は、本来私のものだった全てを奪い去った。 陰陽道の対決で一手遅れた私は、彼に敗北した。 だが彼に、どうやってその強大な力を得たのかと問うと、彼は私にこう言った、陰陽の均衡を守りたいからだと。 先生の昔の言葉がまた頭の中で反響した。まるで私の今迄の人生を嘲笑うかのように。 晴明、私たちは水と火のように、相容れぬ存在だ。 私はその平安京という名の場所を離れ、再び放浪を始めた。 より強大な力を追い求め、晴明に勝つためだ。 それだけではない、彼に負けたという事実も抹消しなければ。 偶然に、私は一冊の手帳から、時空術に関する手がかりを見つけた。 「日輪の城」という場所に、私が切望する力が秘められている。 長い長い探求を経て、ついに「日輪の城」がある島に上陸した。 だが、徐々に奥深くに行くにつれて、別の意図が私の体を占拠した。 この感覚をどう言い表せばいいのかわからない、意識がだんだんぼんやりとしていく。 ただ確かなことは、私とこの万灯という名の男は似通った魂を持っている。 それならば、私は昏睡の中で、運命の演出を静かに待つことにしよう。 |
太陽
「曜姫、付いて来て!」 「はい、陛下。」 「言ったでしょう、祭りを見物する時は、直接名前を呼んでいいのよ。」 女王様は前で私に手を振っている。夕日が彼女のすらっとした姿を金色で縁取る。 でも私は、これは彼女自身が発する光だと思った。彼女の胸元の日の石は優しい色できらめいていて、私が胸元に付けている月の石をかすかに映し出している。私は下を向いて月の石をひと目見る。映し出しているのは私の心の中の太陽だ。 曜姫、これは父上がつけてくださった名前。 彼は私に真昼の太陽のように輝いてほしいと願った。 でも、私の心の中では、私たちの女王様こそが全てを輝かせる存在だ。 彼女は私たちを率いて国家を統一し、この輝かしい日輪の城を築いた。 彼女はまるで我が子のように民を愛し、一生懸命に国家を統治する。彼女に対するどんな賛美の言葉も決して大げさではない。 小さい頃に母を亡くした私にとって、彼女は師でもあり友でもある、最も近い存在だ。 「はい、卑弥呼様!」 私はそう言って、早足で彼女のところに向かう。 彼女は振り返ると私の手を引っ張り、私たちは大勢の人に取り囲まれて祭りの人並みに溶け込んだ。 |
月夜
ここは月の家、私の家だったところ。 ここも永遠の中から開放された、日輪の城の民の亡魂が休むところだ。 卑弥呼の術によって、この島は彼女の婚宴の日をたえず繰り返している。 こんな状況がもう800年以上続いた。 その間、私は何度も彼女を倒そうとした。でも力の差は巨大で、私が勝利の希望を見ることはなかった。 だが私の努力は無意味ではなかった。毎回彼女に傷を負わせるたびに、彼女の術の根底を揺るがすことができる。一部の城の民は永劫から開放された。 ただ、長い輪廻の歳月により、人々の肉体は既に摩滅していた。彼らは地縛霊となり、霊として自由を取り戻した。 私は、いつか卑弥呼を徹底的に負かす。そして、全ての人をこの悲しみの輪廻から救い出す。 その時が来るまで、この日輪の城は鬼族の国となるだろう。 かまわない、夜の美しさは昼の美しさに勝る。 私と共に立ち上がってほしい。 私が、あなたたちの新しい女王になる。 |
女王
言い伝えによると、邪馬台国に子を生むことができない一人の女がいて、毎日神社で祈念し、ついに神を感動させたらしい。 ある美しい早朝に、天から赤ん坊の女の子を授かった。 神は赤ん坊への祝福を携え、彼女に宝玉を授けた。 しかしその女は神の奇跡を目の当たりにして恐れ慄き、赤ん坊を神社に捨て去った。幸い赤ん坊は一人の善良な巫女によって育てられ、卑弥呼という名で呼ばれた。成長した卑弥呼は、強大な霊力を持つ巫女となった。 邪馬台国は長い間戦乱の中にあった。卑弥呼は戦乱に苦しむ民に指導者として選ばれ、統一戦線を率いて邪馬台に征戦した。 神が授けた宝玉には時空に干渉する力が秘められていて、卑弥呼の強大な術も加わり、彼女の軍隊は負けることがなく、ついに戦乱を鎮めた。 卑弥呼は新しい都で日輪閣を築き、「太陽の女王」として即位した。 これが太陽の女王の物語。この物語は日輪の城で広く伝えられている。 この物語の真偽を疑う者もいるが、そんな疑いは全く無意味だ。 女王の輝きは今この時も、この上なく真実だから。 |
陰霧
塩辛く渋い海風が晴明の頬に絶え間なく打ち付ける。 近頃少し陰気で肌寒い平安京と違い、ここの空気は乾燥していて透き通っている。血の臭いも全くしない。 心地よい雰囲気は晴明の思考を遊離させる。 一月前はちょうど真夏で、花火大会が都に久しぶりの平穏をもたらした。 神楽と大将は軽便な浴衣に着替え、先に出て行った。 晴明が庭院で一休みしていると、思いがけず予想もしない客人がやってきた。 華麗な装いの、精緻な化粧を施した女が晴明の前に来た。 晴明はひと目見てわかった、彼女は式神だと。晴明は内心の疑問を抑え、女が渡した巻物を受け取った。 それをゆっくりと開くと、一枚の地図が突如目の前に現れた。 「黄泉帰りの方法を知りたいか?」 滴り落ちた雨水が晴明の思考を断ち切った。遥か彼方に黒い雲が集まっている。暴風雨がもうすぐやってくる。 晴明は船首の方を見る。そこにはあの華麗な装いの女がいる。彼女は晴明に向かってにっこりと微笑むと、紙切れとなって風と共に散った。視線の遠くには、一筋の金色の光が蒼穹を貫いている。女の声が波打つ海面にかすかに漂った。 「日輪の城へようこそ。」 |