【陰陽師】平安美食祭ストーリーまとめ【ネタバレ注意】
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『陰陽師』の平安美食祭イベントのストーリー(シナリオ)をまとめて紹介。
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序章ストーリー
序章ストーリー |
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【源博雅】 「晴明、晴明!あいつ、食事の時間なのにどこに行ったんだ?」【神楽】 「博雅お兄ちゃん、晴明はご飯を食べに行ったみたい。」【源博雅】 「はあ!?あいつは自宅で食事する気か?まさか平安京の美食祭が始まったことを知らないのか?ついてこい、俺が奢ってやる。」【神楽】 「お兄ちゃん、宝くじにでも当たって大金を手に入れたの?」【源博雅】 「違う違う、無銭飲食する「食の神」を捕えてほしいって依頼が来たんだ。捕まえた後、「食の神」とある料理人に美食祭で店を出させて、団体戦の優勝を勝ち取らせるんだと。おまけに食べ放題の無料食券をくれた。美食街の運営に協力してほしいみたいだが、俺も訳が分からない。とにかく美味しい料理が食べれるだろうから、お前たちも連れていってやろうと思ったんだ。」【八百比丘尼】 「博雅さん、こんにちは。」【源博雅】 「何だ、美味しい料理が食べられると聞いて急に現れたのか?悪い、四人分の席を用意するように話をつけてある。」【晴明】 「それなら、私の膝の上に小白を座らせればいい。」【神楽】 「晴明、ずるい。小白は私の膝の上に座るの。」【白蔵主】 「ええ!?」【白蔵主】 「こ、小白が店の中に入れるなら、どっちでも構いませんよ。皆の席をちゃんと確保できるなら。」【源博雅】 「はあ……分かったよ、全員連れていけばいいんだろう。全員揃ったら行こう。遅れたら長時間並ぶ羽目になるかもしれない。」 【飯笥】 「いらっしゃいませ!美食祭に参加される皆様、うちの新店「妖怪食堂」へようこそ!平安世界の料理なら何でもあるよ!海の幸山の幸、全て揃っております!……ふう。で、なんで吾輩がここで店を開く羽目になったんだっけ?」【食霊】 「お前が無銭飲食していることがばれたから、素魚が陰陽師に俺たちを捕まえてくれと依頼したんだ。少しの辛抱だ。美食祭団体戦が終われば、見逃してくれる。ただの「店長代理」だよ。その間、「食の神」の姿を維持できるように、俺は頑張ってお前の腹を満たす。そのほうはお前にとっても都合がいいだろう。」【飯笥】 「ふふ、高橋くんはまた本音を隠したね。この美食街には君の思い出が詰まっている。昔からある美食祭の店が潰れるのは嫌だから、店長になってあげるって素魚と約束したんでしょ?君は吾輩が捕まる心配をしてるわけじゃないでしょ。」【食霊】 「う、うるさいな、とにかく一緒に食材の仕入れ先に行くぞ。あそこには必要な食材がたくさんあるから、まとめて仕入れる。」 【食霊】 「飯笥、ほら見ろ、この食材は新鮮で、活きがいい。善は急げだ、さっそく挑戦しよう。」 【飯笥】 「素魚のやつ、結構頼れるな。こんな短い間に、妖怪食堂の工事を済ませたのか。さっそく新しい厨房に行って、本当の「戦い」を始めるぞ!」 【食霊】 「俺が一度手本を見せてあげるから、よく見てて。まずは最初の料理を作ってみて。一度美食街に戻って様子を見てから、また料理を作ろう。」 【食霊】 「早く看板を出さないと、このままじゃ客足が遠のいてしまう。何て書いたらお客さんを引きつけることができるだろう……」 【飯笥】 「陰陽師様、美食街の毎日の売上はとても大切ですよ。陰陽師様の収益でもありますから。」 【飯笥】 「吾輩が豪華な料理にありつけるかどうかは、全てあなた次第です!!」 |
開店ストーリー
食霊
食霊ストーリー |
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【飯笥】 「「夢のおむすび」はできたの?吾輩が味見してあげる!わあ……美味しい、最高!こんな料理が作れるなら、店を出しても全く問題ない!食の神が保証する!ちぇっ……吾輩に食べさせてくれなら、安心してお店を任せることなんてできないな。せっかく本店が営業し始めたんだ、吾輩は神の力を使ってこの瞬間を記録する!妖怪食堂本店、ご開店おめでとうございます!!三……二……一……」 |
犬神
犬神ストーリー |
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【犬神】 「これが両面仏殿の「風雷ラーメン」か!ぜひ味見させてください。このびりびり痺れる感じ!両面仏殿のラーメンよりも美味しい!?うう……あの味が恋しくなってきた。もう一度、両面仏殿に手作りの麺を召し上がっていただきたいものだ。だが今は、お客様の接待に集中すべき!」 |
鉄鼠
鉄鼠ストーリー |
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【鉄鼠】 「この「宝集めたこ焼き」なかなか良さそうやな、味見してもええか?すごいな!絶対売れるで!はあ、金儲けのいい機会やと思ったのに。小綺麗にして、大儲けするで!寄ってらっしゃい、見てらっしゃい!」 |
鎌鼬
鎌鼬ストーリー |
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【镰鼬】 「「兄弟の鉄板焼き」の情熱、感じ取ったぜ!俺たち三兄弟にも食べさせてくれ!情熱が込められた料理、もう食べられないのか……二太郎、三太郎……早く持ち場に戻れ!」 |
孟婆
孟婆ストーリー |
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【孟婆】 「「地獄おでん」?そのことならよく知ってるよ。うん!美味しい!うう……牙牙もお腹空いたって。牙牙、こっちに来て。あちこち走り回らないでね。」 |
海坊主
海坊主ストーリー |
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【海坊主】 「海の幸、「海鮮の盛り合わせ」……ははは、わしのよく知っている料理だな。ん……わしに味見させないのか?美味しい海の幸を食べたければ、わしのところへ来るのじゃ。全て準備しておいた!」 |
飴細工
飴細工ストーリー |
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【飴細工】 「「幼き龍の飴」、まさかこの味を作れるとは。これは心温まる料理だ。はは、また別の機会に食べるとするか。この店は子供たちに気に入ってもらえるかな?はは、ここで待つかな。」 |
星熊童子
星熊童子ストーリー |
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【星熊童子】 「「大江山吟醸酒」は門外不出の酒のはずだが、なぜ……生粋の味だ、感心したよ。まさかだが、偽物じゃないのか?もっと盛り上がれ、おいらは賑やかな場所が好きなんだ。皆一緒に来なよ。」 |
小松丸
小松丸ストーリー |
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【小松丸】 「あれれ!これは「青の森の果物」だよね!ああ、本物の青の森の果物だ。食べたいな……おお!平安京の街は、人がいっぱい!好き好き!」 |
各店主ストーリー
食霊
食霊ストーリー |
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【食霊】 「神様、頼んでたお店の看板、流石にもう完成してるよな?」【飯笥】 「はっ……しまった……ごめん!!食べることに夢中で、すっかり忘れてた!!!代わりにバラを飾るのはどう?」【食霊】 「はあ……そうだと思って、看板は俺がもう用意した。」【飯笥】 「へへ、なんだ、一丁前に吾輩をからかいおって。用意してあるなら安心……安心……」 |
犬神
犬神ストーリー |
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【飯笥】 「犬神、犬神、さっき皆に聞いてまわったんだけど。両面仏はとっくに平安京の陰陽師封印されたらしい。犬神のためにラーメンを作るなんて不可能だって。つまり、この前のは偽物だ。」【犬神】 「なん、だと…………ありえない…………そんな……」【飯笥】 「大きな打撃を受け、犬神は体が痺れたようだ。でも一体どんな妖怪なんだろう、そんな高度な幻術を使えるなんて。人を騙すことには長けている吾輩も、幻術の隙を即時には見抜けなかった。あの尻尾は多分猿のものだけど、平安京には猿の妖怪がいる?」【犬神】 「……猿……」【飯笥】 「正体がまだ分からないから、一旦「ラーメン仏」と呼ぼう。吾輩は「ラーメン仏」の気配を感じる。彼はまだ美食祭の中に紛れ込んでいる。人を誑かす妖怪は、人を誑かす神が退治してあげよう!」【犬神】 「……人を誑かす……」【飯笥】 「犬神はゆっくり休んでて、ね。」【数珠】 「すみません、おすすめの料理は何ですか?」【一つ目小僧】 「お邪魔しました。」【青坊主】 「……」【飯笥】 「吾輩は感じる。「ラーメン仏」はこの坊主たちの中に隠れている!吾輩が見極めよう、誰の様子が怪しいか。うむむ……じー……」【青坊主】 「?」【飯笥】 「?」【青坊主】 「……」【飯笥】 「あれ、行っちゃった!怪しい!」【一つ目小僧】 「あ、あの、ラーメンをお願いします……」【飯笥】 「じー……」【一つ目小僧】 「肉抜きで……」【飯笥】 「うん……」【数珠】 「大将、「チャーシューラーメン」をお願いします、葱多めで。」【飯笥】 「じー……お肉を食べるなんて、仏様の教えを破るのか!正直に言いなさい、君の正体は「ラーメン仏」でしょう!」【数珠】 「違います!たこの代わりに注文しただけで、あたしが食べるわけじゃないの。「ラーメン仏」なんて知りません!」【飯笥】 「ほお……くんくん……確かに猿の匂いはしない。」【犬神】 「……普通のラーメン……チャーシューラーメン……」【一つ目小僧】 「ずず……ずず……」【数珠】 「……?」【飯笥】 「犬神、そのラーメンは豚の油を使っているでしょう?」【犬神】 「……ああ……」【飯笥】 「じゃあどうして彼はあんなに美味しそうに食べているのだ、お肉はだめなはずなのに。」【一つ目小僧】 「ん?またばれたか……逃げよう。」【飯笥】 「あ!待て!」【飯笥】 「ラーメン仏!諦めなさい!ばら、体当たり!」【ラーメン仏】 「うわあああ!勘弁して、勘弁してくれ!!川猿は悪い妖怪じゃありません!」【飯笥】 「ふん、さっさと白状しなさい、君は一体どんな妖怪なの?か、川猿?」【ラーメン仏】 「えへへ。」【飯笥】 「えへへじゃない!吾輩は何年も都で人を誑かしてきたけど、そんな名前は聞いたことがない。本当に猿なの?」【ラーメン仏】 「うん、本当です。元々は川猿屋の工事を手伝っていましたが、疲れて腹が減ったので、美食祭で美味しい料理を頂戴しようとやって来ました。もしサボったのがばれたら、帰ったら長の尻尾でしばかれます。飯笥様、どうか見逃してください!」【飯笥】 「ってことは、犬神が出会った両面仏も、君たち川猿が化けていたのか?本当に悪い妖怪たちだ、犬神は本気なのに、そんな彼まで誑かすのか。」【ラーメン仏】 「誑かしたくて誑かしたわけじゃない、川猿は数々の試練を乗り越え、変化の術を身につけて、ようやく一人前になれるのです。親しい人のふりをして近づきよく観察し、外見などの情報を手に入れることで、川猿はようやくその妖怪の姿を再現できるのです。」【飯笥】 「犬神を誑かしたうえに、彼に成りすますの?」【ラーメン仏】 「えへへ、飯笥様に化けることもできますよ。お見せしましょう……」【飯笥】 「やめてやめて、警告しとくけど、この都には吾輩が誑かした人間が山ほどいるのだ。これ以上吾輩の名誉を傷つけないでくれ。」【ラーメン仏】 「おかしいですね、なぜ川猿が必ず悪いことをすると思うんです?人を誑かすことで有名な飯笥様なら、私が人助けしたことによって、評判がよくなることだってありえますよ。」【飯笥】 「うーん…一理あるかもしれない。……やはりやめておこう、町に飯笥が二人も現れたら、皆恐れて商売すらできないかもしれない。ばったり会った時も気まずい。吾輩は川猿が思うほど自分のことが好きじゃないのだ。とにかく、時間を作って犬神にちゃんと説明して謝りなさい。彼は君の正体が両面仏かどうかを気にするような妖怪ではない。ただ友達に騙されたことは、彼にとって大きな衝撃なのだ。本当の姿で彼に会いに行けば、彼はまたラーメンを奢ってくれるはず。」【ラーメン仏】 「……うん、彼の眼差しから友情への熱い思いを感じ取ったから、彼の手作りのラーメンの味を確かめるべく一つ目小僧に化けたのです。折を見てちゃんと説明します、ご心配なく。」【飯笥】 「よし、吾輩は帰る、元気でな。」【ラーメン仏】 「お気をつけて……飯笥が去った後……」【ラーメン仏】 「……ポンッ」【偽飯笥】 「ふふ、変化の術が、また一つ増えた!」 |
鉄鼠
鉄鼠ストーリー |
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【九命猫】 「ネズミ、たこ焼き五十皿にゃ。」【鉄鼠】 「ひぃ……九命猫、また来たんか!?」【九命猫】 「何だにゃ?あたしはたこ焼きを食べてはいけないというのにゃ?よく聞くのにゃ、ネズミ。晴明たこ焼きは、必ず買うにゃ。あいつを食べて、噛み砕くのにゃ。」【鉄鼠】 「はいはい、たこ焼き五十皿、まいど!」【食霊】 「げっ……たこ焼きの店の前に、前回より長い列が出来てしまった。鉄鼠、お前は一体何をしたんだ?すごい人気だな。」【鉄鼠】 「へへ、わいの商才に感謝してくれ。わいは色とりどりのたこ焼きを作ったうえに、四種類の特別な形、それぞれ平安京の有名な四人の陰陽師に似せたもんも作った。陰陽師達に恩がある、または恨みがある妖怪は数え切れないほどおるやろ。やから金を払いたい妖怪は後が絶たへんのや。」【食霊】 「恩がある妖怪が買うのは理解できるけど、恨みがある妖怪はどうして買うんだ?」【鉄鼠】 「食霊様は世間をあんまり知らへんな。往々にして、負の感情のほうが強いもんや。さっきの九命猫なんかは、夢の中でも晴明様を食い散らかしたいと思ってるくらいや。だからわいはそんな夢を叶える機会を与えたったちゅうわけや。ほら、すごい幸せそうやろ。」【食霊】 「納得できない。俺は料理人として、やはり味でお客様の心を掴みたい。それに……どうせ陰陽師たちの許可はもらってないんだろう。こんな変なたこ焼き、本人に知られたら店を壊されるよ!」【鉄鼠】 「そ、そんなことはバレた時に考えたらええんや。大丈夫大丈夫、わいはちゃんと機転を利かせるからな。」【九命猫】 「八……八十八……ぐ……ぐぐ……ぐぐぐ……げっぷ……ネズミ……」【鉄鼠】 「ど、どないしたんや?様子がおかしいで……ま、まさか食あたりか?」【食霊】 「そうじゃないことを祈るよ……彼女はさっきお前のたこ焼きを食べたばかりだ……それに彼女はどうやら怒っているみたいだ。」【九命猫】 「八十八個……あたしは晴明を八十八個も食べた……ネズミ……どうしてあたしの恨みはまだ晴れないのにゃ!!!ネズミ……そして料理を作ったお前も……死ね……九命猫の鋭い爪に襲われそうになった鉄鼠は、必死に逃げ回った。」【鉄鼠】 「ひぃい!!九命猫のこの恨み、陰陽師に助けを求めるしかなさそうや!」【食霊】 「へんてこな陰陽師たこ焼きを作っておいて、今更どの面さげて会いに行くんだ……俺たちの命は九つもないぞ。仕方ない、俺が何とかする。鉄鼠、一刻ほど時間を稼いでくれ。」【鉄鼠】 「一刻!?わいは今にも噛まれて死にそうやで!笠、旗、銭……九命猫に捕まりそうになるたびに、鉄鼠は様々な方法を使って巧みに逃げる。それもまた鉄鼠の持ち前の才能なのかもしれない。」【食霊】 「できた、食霊謹製、消化を助ける果物の盛合せ。おーい、早くお食べ!」【九命猫】 「にゃん?」【鉄鼠】 「猫は果物は食べられへんで!食霊様は、そんなことも知らんのか?待て、これは……」【キョンシー妹】 「やっほー! 来たよ!」果物の匂いを嗅いだキョンシー妹は、高く飛び上がり食霊たちの前で着地した。【キョンシー妹】 「あ、猫さんだ。」【九命猫】 「ふにゃ!?」【キョンシー妹】 「もふもふ……なでなで……」【九命猫】 「気持ちいいにゃ……もうだめにゃ……」【キョンシー妹】 「うんうん、果物の盛り合わせ美味しかったし、猫さんをなでなでできて幸せ。今日は本当に楽しかった!」【鉄鼠】 「食霊様、最初からキョンシー妹を呼び出すつもりやったんか?」【食霊】 「ああ、あの日彼ら兄妹三人がお前のたこ焼きを食べた後、全員消化不良になった。だから消化を助ける果物の盛り合わせを用意したんだ。それと、美食祭期間中にまた同じことになったら、俺のところに来てくれれば無料で果物の盛り合わせを用意すると約束した。」【鉄鼠】 「でもなんで、九命猫はキョンシー妹に弱いことを知ってたんや?あの二人が最後に会ったんは、かなり昔のはずやけど。」【食霊】 「え?気づかなかったのか?九命猫は何度もお前の店を訪れたが、毎回キョンシー妹が帰った後に姿を見せた。」【鉄鼠】 「そんなことがあったんか!」【食霊】 「鉄鼠、やっぱりお前はお客様のことに十分に集中できていない。お客様同士の関係に注意を払うのも、料理人の仕事だ。関係の悪いお客様に関しては、席に案内する時間や位置をずらす。仲のいいお客様なら、話が弾むように隣の席を提供する。」【鉄鼠】 「そうやな、あと貸し切り席も作っとくわ。他人に邪魔されたないお金持ちもおるし。」【食霊】 「あのな……そんなことを考える暇があるなら、真面目に頑張ってくれ。そうすればとっくにお寺も建っているだろうに……」【キョンシー妹】 「猫さん、お腹がいっぱいみたいだよ?あたしがさすってあげる!」【九命猫】 「やめるにゃ……勘弁してくれにゃ!!にゃー……!!」 |
鎌鼬
鎌鼬ストーリー |
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【一太郎】 「弟たちよ、大声を出せ!団結!」【二太郎】 「情熱!」【三太郎】 「美味!」【镰鼬】 「兄弟の鉄板焼き、いらっしゃいませ!」【天邪鬼赤】 「一つ買う、大盛り、特急で。」【镰鼬】 「はいよ!鉄板焼き特急大盛り、ご注文の品はこちらです。」【天邪鬼赤】 「俺も大盛り、特急だ。」【一太郎】 「二太郎、三太郎、今日はすごく繁盛してるな。この調子でいけば、商売も上手くいきそうだ。」【二太郎】 「オレはもうだめだ……一太郎兄貴……後ろに数え切れないほどの天邪鬼赤が並んでいる……全部特急大盛りで……なんでこんなに天邪鬼赤が来るんだ……全然間に合わねえ……」【三太郎】 「はは…ははは…全部俺僕たちの幻かもしれないよ……倒れる前の最後の幻……」【二太郎】 「い、一太郎兄貴!その手はどうしたんだ……燃えてるじゃねえか!!」【一太郎】 「ふはは……ふははははは……」【一太郎】 「たかが天邪鬼赤ごとき、燃える料理の魂でねじ伏せてやる!!」【三太郎】 「まずいよ、このままじゃ僕たち三人とも燃えて灰になってしまう。早く食霊様を呼んで!」【食霊】 「水だ、ほら!」【一太郎】 「う……う……何が起きたんだ……どうして俺は濡れている?そして手に生えていた毛はどこに消えたんだ……」【二太郎】 「一太郎兄貴……ひやひやしたぜ。」【食霊】 「念のため確認しに来てよかった、料理をする時は火に気をつけないと。厨房は事故が起こりやすい場所なんだ。お前たちはもう休んでいい、今日の天邪鬼赤たちは俺に任せろ。」【三太郎】 「食霊様、ありが……」【一太郎】 「三太郎、逃げるな……この場から逃げたら、己の負けだと認めることになるぞ?俺たちはもう何度も負けたが、俺たちの努力だけは……誰かに見せてやりたい……そして……認めてもらいたい……」【食霊】 「諦めるのは自分の負けを認めることにはならない。正直に自分と向き合ったことの証明だ。誰かに見せる前に、まずは自分と向き合うべきだ。……伝説の食の神は、料理人たちにそう教えている。鎌鼬三兄弟、もし料理人の戦場から撤退したくなければ、そこでよく見ていてくれ。俺の動きや技を見極め、学んだことを自分のものにするんだ。俺に追いついた時、お前たちはきっと一流の料理人になるだろう。」【镰鼬】 「はい!!食霊の兄貴!!」【二太郎】 「食霊の兄貴、水をどうぞ。」【三太郎】 「食霊兄さん、肩をお揉みしましょう。」【食霊】 「兄貴なんて呼ぶな、お前たちの本当の兄貴はどこに行った?」【一太郎】 「食霊の兄貴、布団を敷いておきました。今日から、あなた様はもう鎌鼬兄弟の兄貴です。「零太郎兄貴」と呼んでもいいですか?」【食霊】 「やめろ!!「食霊の兄貴」のほうがマシだ!!」【镰鼬】 「はい、食霊の兄貴!」【食霊】 「はあ……もう、好きに呼んでくれ。今日の分の食材を使い切った、片付けが終わったらもう休んでいいぞ。」【镰鼬】 「はい、すぐ綺麗に片付けます!」【食霊】 「違う違う、片付けは俺がやる、お前たちはもう休んでくれ。一太郎の手がまだ治ってないだろ?」【一太郎】 「でも……」【食霊】 「いいから早く行け、ぐずぐずするな。」【二太郎】 「一太郎兄貴、水を飲んでくれ。」【三太郎】 「一太郎兄さん、肩を揉んであげる!」【一太郎】 「お、お前ら……ちくしょう、目にゴミが入った、最悪だ。いつもダメな兄貴と一緒で、お前らもさぞ辛いだろう。美食祭が終わったら、食霊の兄貴についていってもいいぞ。天才料理人と一緒にいれば、きっともっと明るい未来がお前らを待っているはずだ。」【二太郎】 「だが食霊の兄貴は、重すぎてオレたち二人じゃ持ち上げられない。それに優秀な兄を持つと、弟としてはきつい。」【一太郎】 「馬鹿野郎、ちょっとは気概を見せろ!」【三太郎】 「一太郎兄さん、僕はもう逃げたりしない。家訓がなんと言おうと、とんでもない強いやつが相手になっても。僕は何も考えずに進むんだ、例え一太郎兄さんがぼこぼこにされても。」【一太郎】 「結局怪我をするのは俺じゃないか!まあ、言いたいことはだいたい分かる。俺たちはみんな使えねえやつだが、一つになって初めて力を発揮できる。この世において、俺らは取るに足りない存在かもしれん。だけどお互いにとって、一太郎、二太郎、三太郎は唯一無二の、かけがえのない存在なんだ。」【二太郎】 「一太郎兄貴……」【三太郎】 「にひひ……」【食霊】 「おい、まだおしゃべりしてたのか?早く休むように言わなかったか?明日も朝早くから開店するぞ。」【一太郎】 「も、もう休むよ。二太郎、三太郎、布団を温めておいたぜ、今夜は一緒に寝よう。子供の時みたいに……」【二太郎】 「いいぞ!」【三太郎】 「今行く!」 |
孟婆
孟婆ストーリー |
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【飯笥】 「吾輩は思った、汁物が味気ないとお客様が文句を言った原因は、孟婆が作る汁物は普通のものと違うから、ありきたりの食材では釣り合わないせいじゃないか、と。なので、吾輩の神の力で培ってきた緊急食を、試してみようと思う。」【山兔】 「飯笥は自分の緊急食を差し出してくれるの!よかった…」【飯笥】 「吾輩が言いたいのは、皆自分の緊急食を料理に使う時がきたということだ。」【山兔】 「何それ……緊急食って……」【飯笥】 「皆が乗っている……」【山兔】 「だめだめ!蛙さんは絶対にだめだよ!」【孟婆】 「牙牙をそんなことに使っちゃだめ!」【山兔】 「質量はもちろん、歯ごたえだけ考えても、食べ物には程遠いに決まってる。」【孟婆】 「あの……実は籠の中にあるんだけど、ここ数日、店の食材を使って味の違う料理を作ってみたんだ。皆で味見してみよう。」【山兔】 「どうぞ!」【飯笥】 「ほほう、煮物の種類が増えたね。うん……うう……この味、辛くて刺激的、そしてすぐとろける、本当にずるい団子さんだ。」【孟婆】 「そう、これは磁器蛙が残したもの!」【飯笥】 「この焼き物はちょっと苦い。燻製されたせいか?でもよく噛むとまた甘くなる、本当に不思議な味……まるで恋のようだ。」【孟婆】 「これは桜の精からもらったよ。」【飯笥】 「新鮮な昆布の味、食べるとなぜか故郷が恋しくなって、涙が出そう……」【孟婆】 「これは蟹姫の!実は、これは全部、お客様たちがいなくなった後に急に鍋の中に現れたの……お客様からの贈り物ということで!」【飯笥】 「全部悪くないけど、一緒に煮込むと変な味になってしまう。これじゃおでんとは呼べない……でもこの食材の扱い方、妙に懐かしい……お客様からもらった食材だし、どうやって味付けするか、本人たちに聞いてみましょう!」【孟婆】 「だめだよ、それじゃ他人頼りの料理になっちゃう、そんなのよくないよ。」【山兔】 「お客様が来た!早く隠れて!」【孟婆】 「お客様が来たのにどうして隠れるの?うう……寒い……」【飯笥】 「突然暗くなってきた……海の潮っぽい匂いがする……」【神秘怨霊】 「ここが孟婆の汁物の店ですか?」【飯笥】 「うわあ!ああ……怨霊か、ちゃんともてなせば、厄介なことにはならないよ。」【神秘怨霊】 「いいですな……友人がいるのは……」【孟婆】 「いらっしゃいませ!食べたい料理があれば教えてください。」【神秘怨霊】 「汁物であればなんでもいいです。」【孟婆】 「うちはもう汁物を作るのはやめたんです。でも、お客様に美味しさと大切な思いを感てもらえるおでんを提供しております。」【神秘怨霊】 「思いは重い、そしていざの時は真っ先に捨てられます。」【孟婆】 「ううん……このお客様はとても重い思いを抱えているみたい。辛さや悲しみが実体化して、黒い霧のようにお客様を包み込んでいるかのよう。」【神秘怨霊】 「とにかく、一切の苦痛を忘れさせてくれる汁物をお願いします。」【孟婆】 「こんなに話の通じる優しいお客様もいるのね。じゃあこの私が汁物を作って差し上げましょう!」【飯笥】 「ちょっと待って。汁物を作るだけじゃ、今までの努力は全部台無しになるよ。」【孟婆】 「お客様の要望は何よりも大切、店を開く時に食霊が教えてくれた。」【飯笥】 「孟婆の汁物をおでんに進化させる道のりは、まだまだ長い。おでんのためにも、簡単に諦めないで!」【孟婆】 「正直に言って、飯笥が積極的になったのは、おでんが食べたいからでしょう。」【飯笥】 「吾輩はおでんが食べたい。」【孟婆】 「あなたに教えてもらった、美味しい料理と私が作った汁物は同じような力を持ってるって。牙牙!煩悩を払うために、お客様に美味しいおでんを届けて!」【飯笥】 「どうぞ!」【神秘怨霊】 「心の温まる料理です、でも……私の望むものではありません。」【飯笥】 「一口食べて、すぐ出て行ったね。」【孟婆】 「どうしてこうなったんだろう、どこで間違えたのかな?」【飯笥】 「あのお客様は悲しみが深すぎた。一方、汁物の食材に込めた思いは優しすぎた。方向性が全然違うから、この料理を食べても意味がないのだ。料理が人の心を癒せる理由は、料理を作る時、人々は知らずに料理に思いを込めるからだ……閃いた!」【孟婆】 「閃いたって?」【飯笥】 「逆の発想だよ、つまり思い出を料理にするのだ。しばらく会ってなかった。孟婆のおでんはどうなってるかな……」【孟婆】 「えい!くらえ!」【神秘怨霊】 「……ふん!」【飯笥】 「なんでお客様と喧嘩するの!?」【怨霊分身甲】 「汁物をください……」【飯笥】 「喧嘩しながら何か呟いてる……」【怨霊分身乙】 「海の匂いが、どうしても忘れられない……」【怨霊分身丙】 「忘れたい……忘れたい……」【山兔】 「飯笥!来たのね!どう?私たちの料理現場はとても賑やかでしょ!」【飯笥】 「喧嘩現場の間違いでしょ!」【山兔】 「飯笥はお客様の思い出をよく知るべきだって言ったでしょ?ちゃんと見れば分かるよ。」【孟婆】 「受け止めた!これは……」【飯笥】 「ああ、孟婆はなぜ突然考え込んでいるのだ、次の攻撃がもうすぐくる!」【山兔】 「怨霊さんは思い出を料理に入れることに同意したけど、なんでかな、自分の気持ちや思い出を伝えるのに戦わなくちゃいけないみたい。」【孟婆】 「なるほど、大切な一族の者を裏切らざるを得ない窮地に追い込まれ、それから毎日のように辛い思い出に苛まれた……その思い出、確かに預かりました。怨霊さんの他の分身も、辛い過去に苦しんでいるの?」【飯笥】 「あ……孟婆が受け止めた手裏剣が、光の玉になって碗の中で消えてしまった。」【孟婆】 「今、碗の中はお客様が渡してくれた思い出でいっぱい。特別な出汁を、楽しみにしてて。」【飯笥】 「茶碗の中の光の玉が本当の食材になった!ここからこの思い出をどう料理するかは、料理人の技量次第だ。」【山兔】 「思い出した!孟婆が言ってたでしょ、磁器蛙、桜の精、そして蟹姫が店を出た後、碗の中に彼らからの贈り物らしい新しい食材が現れたって。」【飯笥】 「道理でこの料理の作り方を見て懐かしく思うわけだ。どうやらお客様は、知らない間に、自分なりの形で悲しい思い出を渡してくれていたようだ。おそらく、思いの渡し方はお客様の気持ちに応じて変わるのかな?」【山兔】 「桜の精は、店の前で桜の雨を降らせた。蟹姫は私と長い間じゃんけんで勝負して、勝った後に大切にしまっていた故郷の品をくれた。」【飯笥】 「そしてたぶん、このお客様の思い出は口にできないほど辛いから、戦いを通して伝えるしかないのだな。」【孟婆】 「召し上がってください、これは怨霊さんの特別なお出汁で作ったおでんです。」【飯笥】 「すごく豪華だよ!色んな食材を煮込んだおでん、そして福袋まで作った。まさに怨霊さんにそっくり!」【孟婆】 「見た目は不思議で、中身は盛りだくさんです!」【海忍】 「……美味しかった、ご馳走様。」【飯笥】 「おでんを食べ終わったら、本当の姿に戻った!」【海忍】 「昔、一族の者と修行を終えた後、寒い冬には、風の当たらない所でこんなおでんを作った。皆で取り囲むと、すぐ暖かくなった……」【飯笥】 「心の辛さを忘れることはできなくても、素敵な何かに頼ることはできるね。」【海忍】 「……ありがとう。」【飯笥】 「女将さん!吾輩にもおでんを!うん……海鮮福袋を軽く噛むとお肉と海鮮の汁が溢れ出して、まるで波のように歯に押し寄せてくる!本当に強烈な感情だ……」【山兔】 「私たちの言葉は、もう彼女の耳には届かないみたい。」【孟婆】 「今のうちに、磁器蛙の問題を解決する方法を考えよう。」【山兔】 「磁器蛙は、彼の思い出を知りたければ等価交換だって言ったから、孟婆は彼専用の料理のために店の収入を全部使い切っちゃったんでしょ。私とは関係ないよ。」【孟婆】 「私だって私たちの「地獄おでん」のために頑張ってるんだよ!収入に関することは食霊に丸投げすればいいの!」 |
海坊主
海坊主ストーリー |
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【風狸】 「食霊様ではありませんか!まだ釣りをしてるんですか。今日の収穫は……いや、聞かなかったことにしてください。」【食霊】 「相変わらず、何の収穫もない。魚が出現するあの渦はあちこち移動しているが、俺のとこには全然こないんだ。俺、まさか嫌われてるんじゃ……」【風狸】 「他の漁師さんたちは?それに海坊主は?いつもならとても賑やかで、皆魚の詰まった籠を抱えていますけど。」【食霊】 「朝、川岸には人がいっぱいいた。昨日の夜から徹夜していたのかもしれない。だがなぜか、正午に近づくと皆ここを離れ始めた。海坊主もため息をついて、いなくなった。ほら、彼らの魚籠がまだここに置かれてる。」【風狸】 「魚がたくさんあるのにそれをもらわないなんて、食霊様はあまりにも正直だ。この魚は!?」【食霊】 「うわああ!大物がかかった……くそっ、俺をなめているのか、よし!!」【海坊主】 「ゴボゴボ……助けてくれ……」【食霊】 「ん!?海坊主、なんで水の中にいるんだ?いや違う、なんで俺の釣り針にかかったんだ?」【海坊主】 「ゴホゴホ、やっと陸に戻れた。」【風狸】 「漁師たちが捕った魚は全部死んでいる。海坊主、水下の妖怪は禍々しいやつだ!」【海坊主】 「ゴホゴホ……その通り。魚が死んでいることに気がつき、わしはすぐ水中に探りに行ったが、あの妖怪は水底に潜って妖力の渦を作り上げた。川の魚は渦の中に吸い寄せられ、絶えることなく中から外に出る。さらに、死んだ魚が妖怪の腹の中から溢れ出てくる。その役割は真相を知らない人々を誘き寄せ、隙を見て水の中に引きずり込むためだ。」【食霊】 「道理で漁師達は慌てて逃げたわけだ。しかし彼らはなぜこのことを知っている?」【海坊主】 「「死んだ魚がかかる時、不吉な魔物が現れる。」漁師の間にはそんな言い伝えがある。わしもかつてそれを耳にしたことがある。」【食霊】 「そうだったのか…じゃあ急いで魚を土の中に埋めよう。真相を知らない誰かが、魚を食べてしまうのを防ぐために。風狸、お前も協力してくれ!海坊主様、鴨川の渦は消えたようです。じゃあ「魔物」の正体は?「釣り競争」も、海坊主様が考え出したんだろう。」【海坊主】 「……食霊様、わしの物語を聞いてくれるか。昔、海の上空を自由に飛ぶ鳥がいた。災害が起きた時、食べ物の確保に悩まされた鳥は、海に来てたくさんの魚を捕り、腹の中に入れてゆっくりと消化するようになった。災害は収まったが、鳥の行動は変わらなかった。呑み込んだものが増えていき、やがて鳥の体内に小さな海の結界が生まれた。重すぎて海の中に落ち、「大魚」と化した鳥は、もう空に帰ることが叶わず、妖怪たちにさんざん笑われた。」【食霊】 「そんなことがあったのか。じゃああの日喧嘩を売ってきて、俺が鴨川で釣りするように誘導した目的は?魚は釣り針にかからなかったし、餌も食べてくれなかった。」【海坊主】 「わしは鳥を救いたかった。巨大すぎる体を持つ鳥は鴨川の水底に沈み、動きたくとも動けず日々苦しんでいる。それでも、鳥はわしの助けを断った。食霊様が作った料理は、食べた人に初心を思い出させる力を持つと聞き、わしはこっそり鳥を助ける計画を立てた。しかし食霊様が持つ神の力を察知した鳥は、必死に足掻いて体を動かし食霊様の釣り針と餌を避けている。」【食霊】 「鳥は……自分が手に入れたものを諦めたくない。例え死という対価を払ってでも、人々に忌み嫌われる化け物になってでも。」【海坊主】 「わしは年寄りだから、欲望に呑み込まれた人や妖怪をたくさん見てきた。食霊様が「食の神」という称号を捨てて、街を駆け回る名のない料理人でいることを選んだと聞いた時、少しだけ希望が見えた気がした。「この若者なら、鳥を助けられるかもしれない」、わしはそう思って店長に応募した。」【食霊】 「すまない、俺にはできなかった。もしその存在を知っていたら、きっと海坊主様と一緒に方法を考えたでしょう。背負うものが多すぎて動けないことの辛さを、一人だけ空を眺めることの辛さを、俺は知っている。しかし、海坊主様は間違えた……鳥に必要なのは、初心を思い出させる料理なんかじゃなくて、心を打ち明けられる友人だ。俺は飯笥に救われた、鳥は海坊主様に救われる。」【海坊主】 「友人……友人か……ははは……はは……そうだったのか……最後の言葉はそういうことだったのか……」【食霊】 「う、海坊主?」【海坊主】 「妖怪であることは同じなのに、わしはその気持ちを理解できなかった。数百年の間鳥を知っていたのに、縮んだ距離もあっという間に他人に追い越された……食霊様!」【食霊】 「は、はい!」【海坊主】 「わしに引き続き料理屋で勉強させてください。こんな悲劇、今度はわしが終わらせる!」 |
飴細工
飴細工ストーリー |
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【飯笥】 「店長が店を放り出して、どこかへ消えた……」【食霊】 「店の中にたくさん飴細工が作って置いてある。価格表を参照して好きなもの食べてください、もしお口に合わなければ無料ですって書いてあるぞ……」【飯笥】 「最高だな!どんな味の飴でも、吾輩は価格表通りのお金を払うよ!」【食霊】 「落ち着け、俺たちは飴を食べに来たわけじゃない。こほん、もし早く店主を見つけることができたら、今夜はすき焼きを作る……」【飯笥】 「店主の居場所を突き止めたければ、吾輩とばらの鼻に任せて!行くよ!吾輩について来て!」【食霊】 「飯笥、待て、この飴には齧られた痕跡がある。ということはお客様が一人もいないわけではないのか?おかしいな、ここは不気味で、思わずぞっとする……飯笥、何か言ったか?」【飯笥】 「すき焼き、すき焼き!」【食霊】 「まあいいか……飯笥、ここは不気味だと思わないか?」【飯笥】 「え?飴の甘い匂いしかしないよ。」【食霊】 「やっぱり道案内に集中してくれ。」食霊の服が、後ろから小さな手に引っ張られた。びっくりして叫んだ後、振り返った食霊の目に映ったのは走り去った黒い影だった。【食霊】 「うわああああ!!ゆ、幽霊なのか!?」【飴細工】 「ははは、楽しそうじゃな。」【飯笥】 「飴細工店長が自分から帰ってきた!もう、店長が店の中にいなかったら、商売がうまくいくわけないじゃない。」【飴細工】 「例え賑やかな街で飴を作っていても、わしの今の実力では、わしの作る飴に興味を持つ人はそうそう現れないだろう、ただ……ここはめったに人の訪れない場所だが、わしは全然寂しくないぞ。」街の中、突然遠くから下駄の音が近づいてきて、ある小さな黒い人影が足早に飴細工の後ろに隠れた。【飯笥】 「あれ、見たことない子だ。高橋くん、さっき君の服を引っ張ったのはこの子か?」【飴細工】 「怖がらなくていい、彼らは食霊と飯笥だ。以前に話しただろう、一緒に店を開いた仲間たちだ。」子供は木のお面をかぶっているが、そのお面は液体の飴のように歪み、最後にはを食霊に向かっておどけた顔をした。【飴細工】 「いつもわしについてくるこの子は、木象ちゃんと言うんだ。この子と親しくなったら、また遊んであげてください。お礼として、街のお客様を参考にして作ったこの飴細工を、好きなだけ食べてくれ。」【食霊】 「あれ?これは甘い飴だな。」【飯笥】 「心配しないで!飴細工さんが店の中に残りたくないなら、吾輩はもっとたくさん面白い図案を探すよ。そしたらお客様たちはきっと、飴細工さんが作った飴に夢中になる!高橋くん、気づいたか?この通りの雰囲気が変わった。」街の方から「ばたばた」と走り回る下駄の音が聞こえたかと思うと、微かな笑い声がする。【飯笥】 「うわあ……本当に不気味だ……あれ、飴細工さんはいついなくなったの?木象ちゃんもどこに行ったんだろう。」するとまた微かに、変な音が聞こえる。【食霊】 「何かを噛み砕く音みたいだ……」【飯笥】 「こ、ここは飴細工さんが飴を作る所だから!あ、見て、あそこにたくさん子供がいるみたい。」突然、後ろから小さな手が飯笥の腕を掴み、飯笥と共に叫んだ。【萤草】 「捕まえた!今度はあなたが鬼だよ!」【飯笥】 「うわああああ……え?」【童男】 「ああ、あなたたちですか。」【童女】 「座敷童子、ちょっと鬼火で飴を焼いて、いい匂いがする。」【座敷童子】 「わかった。」【萤草】 「飯笥が鬼になった!早く逃げて!」【童女】 「しまった、近すぎた……」【飯笥】 「高橋くんが鬼になった!逃げるな、さもなくば吾輩はすごく怖い高橋くんに皆を捕まえさせるぞ!」【食霊】 「もうやめろ飯笥、皆もう動けなくなった。手を離せ、俺の襟を掴むな……」【童男】 「あの日蛍草は食霊を捕まえたけど、食霊は約束を破って僕たちを探しに来ませんでした……」【食霊】 「どうしてお前たちが?お前たちが食べている飴は……懐かしい妖怪の飴だ。近頃人を攫う鬼が出るというのも、お前たちの隠れんぼのことだったのか?それに飴細工さんが店を留守にするのも、お前たちと遊ぶためか。」【飴細工】 「はははは、ばれたか。」【萤草】 「私の飴の翼が、また童男に食べられちゃった!飴細工のおじいさん、もう一つ作って!」【童女】 「私も!ウサギの耳のがほしい!」【座敷童子】 「鬼火が、飴を溶かしてしまった……」【飴細工】 「ははは、一人ずつおいで、面白い妖怪の形をたくさん思いついたぞ!」【食霊】 「この店はとっくに人気店になっていたんだな……」木象ちゃんの小さい影は、飴細工の後ろに隠れている。顔にかぶった変なお面だけが外に出ていて、飴細工がその頭を撫でている。」【飴細工】 「ああ、戻ってきたか。今日も皆が会いに来たぞ、一緒に遊ばないか?お前さんたちがいなければ、わしと木象ちゃんがこんなにたくさんの子供たちに出会うことはなかった。それどころか、この店を知らない子供たちがたくさんいることにすら気づかなかっただろう。」【食霊】 「なるほど……和菓子屋の飴がもっと色々な形に変化するために必要なのは、図案じゃなくて、子供たちの純粋な心なんだ。」【飴細工】 「そうだな、もっと豪華な飴細工を作る時が来たようだ。」【食霊】 「凄まじい熱気だ!一体どうなってる?この大量の水飴は、どこから湧いてきたんだ?そしてまるで意識を持っているかのように、皆を避けて流れていく!なるほど、妖力で水飴を操っているから、その気になればどんなに大きい飴でも作れるのか。」【飯笥】 「元の小屋をすっぽり覆い隠したね、もっと大きい店を作るつもりなのかな?……で、できた!新しい和菓子屋だ、透き通る琉璃みたいに輝いている。綺麗、このまま吸い込まれそう……」【食霊】 「子供たちが屋根を取り壊して食べ始めた……この店自体が子供たちに食べさせるための飴だったのか?」【飯笥】 「すごい、この引き戸は口に入れた途端とろけだした。でもおかしいな、どうして口の端から涙が……高橋くん!一緒に店に入ろう!」【食霊】 「まあ待て、お前に贈り物があるらしい。」【飯笥】 「これは、金魚飴?」【飴細工】 「これは以前お客様に渡せなかった金魚飴だ。」【飯笥】 「君は……飴細工さん?!おじいさんからおじさんになったんだ。」【飴細工】 「二人のおかげで、こんなにたくさんの笑顔を見ることができた。はは!まるで昔に戻ったようだ。だからこそ、完璧な金魚飴の作り方を思い出すことができたんだ。これももともと木象ちゃん……そして子供たちに食べさせてあげたかった金魚飴だ。先ほど、お前たちの笑顔を見て、とても幸せだと実感することができた。」【飯笥】 「ありがとう。金魚飴、すごく美味しいよ。」【食霊】 「つまり……初心、か?」その時、木象ちゃんが後ろからそっと飴細工の服を引っ張った。木のお面は形を変え、優しい笑顔になった。【飴細工】 「人というのは、自分だけでは初心を思い出すことができない。道を見失った時、もし正しい道へと導いてくれる誰かがいるなら……」【食霊】 「その人を守り抜かねばならない。」【飯笥】 「高橋くん!早く来て!どんな飴がいい?」【飴細工】 「店長、遊んできたらどうだ?今なら店の中でブランコを作ることもできる、小さい天守閣もいいな……」【食霊】 「……うん!飯笥!食材を食べちゃだめだ、開店したばかりだぞ!」 |
星熊童子
星熊童子ストーリー |
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【食霊】 「繁盛してるな、天婦羅を一皿頼む。」【星熊童子】 「ははは、食霊様も「お客」ぶりがすっかり板についてきたな。」【食霊】 「星熊童子様が教えてくれたおかげです。美食街の店長達にはそれぞれの得意料理があります。居酒屋のお勧め料理を試してみたい。」【星熊童子】 「ならば「大江山吟醸酒」を一杯、振る舞ってやるしかないな。これは他の場所では絶対に飲めない妖怪の酒、鬼王酒吞童子も愛する逸品だ。うまい酒ではあるが、後ですごくきいてくる。食霊様は耐えられるかな?」【食霊】 「聞いたことがあります、人の憂いを払ってくれる酒だと。俺を見くびるな、飲むぞ。ぶっ!!ゴホゴホ……ゴホゴホゴホゴホ……」【星熊童子】 「早まるな、食霊様はせっかちだな。これだから素人は困るんだ。はあ、言わぬが花だな。」【食霊】 「平気、平気、俺は大丈夫です!ひっく!」【星熊童子】 「やれやれ、おいらがお茶を入れるから、ちょっと休んでて。」【食霊】 「け、結構です!ひっく!も、もう少し俺の話に付き合え!ひっく!」【星熊童子】 「困ったな、昼から酔っ払うなんて。しかも一杯だけで。」【食霊】 「し、仕方ないだろう、ひっく!こ、こんな酒は、初めてだし、ひっく!以前酒を買うのは……料理のためだったり……料理のためだったり……ひっく!お、俺自身はまだ一度も酒を飲んだことがないんだ。あ、ありがとうな、糸目さん!」【星熊童子】 「おいおい、名前まで忘れたのか、ははは。食霊様、大丈夫かい?食霊様……泣かないでくれよ……泣き上戸は見苦しいぞ……」【食霊】 「はあ?誰が泣いたって!?はあ???俺は怒ってるんだ……分かるか?怒ってるんだよ!!俺は何年もの間、日々料理の訓練に明け暮れて、一人で油まみれの厨房に引きこもっていたから、友達もいないんだ。お前にそんな生活の辛さを理解できるか!俺はそんな生活を捨てて、普通の暮らしに戻ることも考えた。」【星熊童子】 「言いたい放題だ……どうしたもんか。後から来られたお客様方には申し訳ないですが、今日は急用があるため、これで店じまいとさせていただきます。また明日来てください!本当に申し訳ありません。」【食霊】 「おいおい、どうして急に店じまいするんだ?店じまい……店がしまっても俺は飲み続ける……」【星熊童子】 「酔っ払いはさっさと追い出せば済む話なのに、何故彼のために店じまいするんだ?並んでいた大江山の妖怪たちに、どう説明するんだ。それに源頼光のことも、放っておくつもりか。全てのお客様に対して、真剣に向き合う。これがうちの店の決まりだ、だから守らねばならない。誰が決めたんだよ!彼が決めた。一応、おいらは彼が任命した居酒屋の店長だし。で、仕方なくあんたの助けを求める次第だ。おいら一人じゃ彼を運べない。店の中は狭すぎて、彼を休ませてやる場所もない。」【飯笥】 「うん……うん……高橋翼!早く起きなさい!起きなさいー!!」【食霊】 「え……どうしたんだ……急に叫んだりして……お腹空いたんなら適当に食べて……お前にご飯を作ってやる時間はないんだ……俺は寝る……」【飯笥】 「ぐぬぬ……まさか吾輩でも彼を呼び起こすことができないとは。初めて酔ったからだろうが、吾輩が想像していたよりも手強いぞ。一体どのぐらい飲んだのだ?」【星熊童子】 「「大江山吟醸酒」一杯だ、飲んだ途端倒れ込んだ。」【飯笥】 「弱すぎ!たった一杯で!弱すぎる!」【星熊童子】 「食霊様も、おいらのような妖怪を警戒してない。もし彼が寝込んだ隙においらが……」【飯笥】 「彼は誰に対してもそうなの。例え自分が攫われても、攫った人の手助けをすると思う。待て、星熊童子、君は一体何を企んでいるのだ?「大江山吟醸酒」は秘蔵の酒じゃなかったのか?それを気前よく売りに出すなんて。」【星熊童子】 「二人とも、反応が鈍すぎだろ。よく考えてみな、大江山の妖怪がそんな簡単に雇われたりするか?おいらたちが本当に金に困っていると思うか?」【飯笥】 「吾輩は鬼神の争いには興味がないし、高橋翼も君たちを知らない。普通の人に危害を加えようとさえしなければ、吾輩も邪魔はしない。」【星熊童子】 「それなら、おいらも目的を隠すのをやめよう。おいらが今回平安京に来たのは、店長という身分を隠れ蓑に、源氏に追い詰められ大江山に身を寄せたいと願う妖怪たちを呼び寄せるためだ。大江山もう随分長い間、新しい仲間を迎えていない。」【飯笥】 「ふむ、妖怪たちを呼び寄せるためか。」【星熊童子】 「酒の匂いが手紙となり印となる。おいらの仲間たちはこの地のあちこちに潜んでいる。」【飯笥】 「ごほん、「食の神」として注意しておくけど、あまり派手にやりすぎると、陰陽師たちに捕まるよ。……美味しい料理をご馳走してくれれば、このことは誰にも言わないと約束しよう!ねえねえ、何か言いなよ、吾輩みたいに話の分かる神様はそう多くないでしょ?」【星熊童子】 「いやはや、本当に節操のない神様だ。」【飯笥】 「失礼だな!吾輩にはお腹を満たすという立派な信条があるのだ!」【星熊童子】 「二人はおいらの雇い主だし、好きなだけ食べてくれ。無料だから。しかし、本当に食霊様を起こさなくてもいいのか?」【飯笥】 「放っておこう、十分寝たら自然と起きる。こう見えても、彼は毎日朝早くから働いているから、いつも睡眠不足なの。偶然酔ってしまったけど、むしろ彼にとってはいいことなのだ。」【星熊童子】 「確かに。」【飯笥】 「ねえ、もっと詳しく聞かせて。大江山は酒以外にどんな美味しい料理があるの?吾輩は聞いたことがある、大江山の炉端焼きはとても美味しいって!」 |
小松丸
小松丸ストーリー |
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【小松丸】 「瓜食べない?ほら、あなた、瓜食べない?美味しいよ、食べるとこ見せてあげる。もぐもぐ……もぐもぐ……甘くて濃厚、味は保証するよ。」【磁器蛙】 「美味しそうゲロ、食べたくなったゲロ。半分くれゲロ。」【飯笥】 「まいど!えっと、半分だけ?」【磁器蛙】 「仕方ないゲロ、今日は大負けしたから、金がないゲロ。」【飯笥】 「瓜半分、どうぞ。」【小松丸】 「(小声)磁器蛙はもう行った?」【飯笥】 「もういないよ、なになに?」【小松丸】 「磁器蛙は賭けに負けるたびに、雨女の絵巻を抱えて泣いて、泣き疲れたら寝てしまうの。雨女の絵巻は奮発して花鳥風月に描いてもらったんだって、すごく綺麗なんだ。彼にとって雨女は、幸運の女神以上の存在だと思うな。」【飯笥】 「そりゃそうだよ……彼は雨女のことをすごく特別に思っているに違いない……うむむ、小松丸に皆の前で瓜を食べてもらうためには、小松丸から噂話を聞かなければならないなんて。これも商売のためだけど、何だか微妙に後ろめたく感じる。吾輩は割とこういう噂話が好きだけどね。」【小松丸】 「えへ、皆の前で何か食べるの、恥ずかしいもん。でも人の恥ずかしいことを口にすれば、自分の恥ずかしさが和らぐ気がする。飯笥くん、なんでかな?」【飯笥】 「分からない……人間性の複雑さ、社会の裏、人食い妖怪とかのせいじゃないか……磁器蛙もそんな深い思いを抱いているのだな、やはり妖怪は見かけによらぬ。あ、またお客様が来た!小松丸くん、早く瓜を食べて。」【小松丸】 「うん!もぐもぐ……もぐもぐ……(もぐもぐ)瓜食へはい?ほえ、ああた、瓜食へない?」【蠱毒師】 「目障りな妖怪じゃ。」【小松丸】 「(もぐもぐ)ああたたって、ようへいじゃないは!?」【飯笥】 「えっと、吾輩が説明してあげる。「あなただって、妖怪じゃないか!?」小松丸はそう言っている。」【蠱毒師】 「馬鹿じゃのう。」【飯笥】 「ちょっと、吾輩の友達の悪口を言ったら、怒るよ。」【小松丸】 「(もぐもぐ)むしけーくん……むしけーくん……」【飯笥】 「飲み込んでから話して。」【小松丸】 「ごくん……思い出した、彼は蠱毒師って言うの、いつも妖怪を捕まえて虫の餌にする。飯笥くん、ほら、蠱毒師が胡蝶の精を尾行してる!こら、蠱毒師!待ちなさい!美食祭で胡蝶の精さんを尾行するなんて、絶対に何か企んでるでしょ。胡蝶の精さん、飯笥くんの後ろに隠れて、彼女があなたを守ってくれる。」【飯笥】 「そんなに大声を出しておいて、結局吾輩に守らせるの!?」【胡蝶の精】 「え?蠱毒師があたしを尾行してる?」【小松丸】 「もう、幸いあたしたちが彼の企みを見抜いたから、悲劇が起きるのを防げたよ。胡蝶の精さん、よく見て。彼が持つ籠は、あなたみたいな可愛い女の子を閉じ込めるためのものなの。くれぐれも油断しないで。」【蠱毒師】 「ふん、好き勝手ほざくな。まず、わしが本当に胡蝶の精を尾行していたのか確認すべきではないかのう?」【飯笥】 「胡蝶の精さん、怖がらずに、本当のことを教えてください。」【胡蝶の精】 「あ、あたしは……最初は美食祭の舞台で芸を披露するつもりだったの。でも行き来する妖怪は多いけれど、知り合いは一人も見つけられなかった。その時、不意に蠱毒師が現れた。あたしは少し怖くて、つい足早でその場を離れた……」【蠱毒師】 「証拠らしい証拠もないくせに、わしを捕まえる気か?これ以上勘違いされぬよう、わしが去ってもいいぞ。しかし、ただの噂で妖怪を判断するお前たちも、いいやつとは言えぬじゃろう。」【小松丸】 「あたしは……飯笥くん、どう思う?本当に勘違いだったのかな?」【飯笥】 「蠱毒師ですよね。小松丸は吾輩が森で見つけた店長、まだ都の事情に疎いです。全ての責任は吾輩にあります。妖怪を見た目で判断するのは間違いでした、本当に申し訳ありません。でも一つだけご了承ください。食の神として、吾輩には美食祭が何事もなく行われるよう、全てのお客様の安全を守る責任があります。真相、善悪を判断できかねる時もありますが、その時はこうして直接事情を聴きます。どうかご理解ください。」【蠱毒師】 「ちっ。伊達に神様と名乗っているのではないようじゃ、さすがに弁が立つのう。これじゃこっちは何も言い返せぬ。わしはとうにお前たちの目の仇にされたのじゃろう。胡蝶の精、好きなだけ街を見て回るがいい。わしはもう邪魔はせぬ、またどこかで会おうぞ。」【胡蝶の精】 「……本当にありがとうございました、お先に失礼します。」【小松丸】 「ふう……行っちゃったか、本当に怖かった。飯笥くん、これからどうするの?」【飯笥】 「もちろん持ち場に戻るよ、商売をやめるわけにはいかない。でも陰で噂をするのは、やはり控えるべきだ……」【小松丸】 「そうだね……もし本当に悪いやつが現れたら、あなたの後ろに隠れさせて。真っ向から対峙するのはお任せするよ、食の神くん!」帰り道、籠を提げた蠱毒師がぶつぶつ呟く。【蠱毒師】 「もう少し……長年の準備が……もう少し……飯笥……小松丸……次はお前たちを虫の餌にしてやるぞ……」 |
八百八の宴
エピソード1
エピソード1 |
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【八百八狸】 「この美食街の総店長は、誰だ?出てこい!!」【飯笥】 「誰ですか?何?うわあー、でかい……う、ううううちのお客様ですか?い、いいいらっしゃいませ……」【八百八狸】 「お前が店長か?来い。」八百八狸が飯笥に手を伸ばして捕まえようとした時、食霊が力強くその腕を掴んだ。【食霊】 「俺はここの料理人ですが、何か御用ですか?」【八百八狸】 「とんでもない力だ、そして呼吸が全く乱れていない、只者じゃねえな。お前は……翼じゃねえか!?」【食霊】 「この懐かしい声は、八百八様!」【八百八狸】 「翼!」【食霊】 「八百八様!」【飯笥】 「え?」【食霊】 「紹介しよう、この方は平安京に名を轟かせ、美食界を支配者する、都で一番の美食家。いくつもの店の経営者、八百八様だ。こちらは……飯笥です。」【飯笥】 「吾輩の紹介文、短っ!」【八百八狸】 「翼の父親とは友達なんだ。幼い翼が味噌汁を作ってくれたこともある。あの味は今でもまだ忘れられない。気がつけば、お前はもう一人前の料理人になったのか。感動した。」【食霊】 「でも、八百八様の姿は昔と違いますね?八百八様は人間じゃないの?」【八百八狸】 「ははは、人間の姿は仮初めの姿にすぎん。わしはずっと都で暮らしてきた狸の妖怪だ。お前の父親もそれを知っているが、幼かったお前にはそのことを言わなかった。」【食霊】 「都一の美食家は、妖怪でしたか……」【飯笥】 「狸の妖怪……どこかで見たことがあるような。あ!肩の上に「寝肥」がいるじゃないですか!彼女とは一体どういう関係なんですか!?」【八百八狸】 「寝肥か、彼女は人間の友達に託したわしの娘なんだ。本当は人間として育ってほしかったんだが。友達がこの世を去った後、彼女の妖力が急に増え始めたから、仕方なく実家に帰ってこさせることにしたんだ。不幸中の幸いだったのは、わしという実の父親と再会できたことだろう。」【食霊】 「都一の美食家も、その娘も、妖怪でしたか……」【八百八狸】 「さて本題に戻ろうか、ここの経営者が翼と飯笥ということなら、話は早い。美食街をわしに譲り、わしの配下に加わって、共に美食の街を築かないか。」 |
エピソード2
エピソード2 |
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【食霊】 「次々と都の老舗を買い占め、美食街の経営を破たんさせた者の正体は、父さんの友達だったのか。」【素魚】 「情報によると、美食祭を通じて「八百八狸」は七割の飲食店を支配下に置いたようです。単独で運営しているように見せかけている店は多いが、実のところ、その多くはすでに八百八狸の支配下にあるのです。彼は名前通り、美食界の「大妖怪」です。若様、経営者たちの最後の希望は、この美食街の存続にかかっています。それがどうしても若様を呼び戻さなければならなかった理由です、どうかもう私を…私たちを裏切らないでください。」【食霊】 「留守の間ご苦労だった、素魚。一度約束したことは、俺も飯笥も反故にしたりなんかしない。」【飯笥】 「素魚、これを見てごらん。」【素魚】 「これは……果たし状!?」【飯笥】 「あのでかい狸の提案を断ったら、すぐにこれが届いた。今日から美食祭が終わるまで、彼は毎日宴を八百八十八席設け、都中から人々を呼び集めて各店の料理を評価してもらう。もし宴で認められなかったら、吾輩たちの美食街はお客様の信頼を失う。」【素魚】 「だめですよ!八百八狸は一気にうちを潰す気ですよ!」【食霊】 「落ち着け、逆に言えば、願ってもない好機なんだ。八百八狸親子から招待状をもらった人は、無料で料理を試食できる。それで人々の支持を得て、うちの店を宣伝することに成功すれば、彼らのお客様を皆こっちに引き寄せることができる。」【飯笥】 「やるな、高橋くん。決まった、八百八狸を打ち破る方法は……正面対決だ!」【素魚】 「それは全然「方法」とは言えませんよ……むしろちゃんと考えたかすら怪しいです……もう、頼みますよ!絶対に勝ってくださいね!」 |
エピソード3
エピソード3 |
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【八百八狸】 「はは……ふははははは……連日の「戦い」も、お前を屈服させることはできんのか?弱いくせに、度胸だけはあるな。翼、飯笥ー!!」【飯笥】 「吾輩こそ聞きたい……こんなにたくさん美味しいものがあるのに、まだ満足できないのか?料理界の「大妖怪」、その名の通り恐ろしい妖怪だ。」【食霊】 「八百八様、八百八様は一体何を求めているのです?美食、そしてその中に込められた気持ちではないのですか?」【八百八狸】 「人間も妖怪もたくさんの欲望を抱えている。どんな欲望だろうが、少しでも気が緩んだらすぐに囚われられてしまう。せっかくの美食祭だ、重い話はしたくない。だがお前らに教えてやらねばならない。世の中の「食欲」は尽きることがなく、永遠に満たされない。」【食霊】 「う…」【八百八狸】 「都に残って飲食店を経営することを選んだ以上、この問題からは、決して逃げられない。尽きることのない美食の戦い、お前たちが歩み始めた道は、若い頃わしが踏破した道だ。唯一の違いは、お前らは「あの方」に祝福されているということだ。だからわしとは違う奇跡を呼び起こせるかもしれん。」【食霊】 「あの方?それってもしかして……」【飯笥】 「保食神……でしょ?吾輩に神の力を分け与えた、高橋翼の母親のご先祖様に当たる神様。」【八百八狸】 「ああ、そうだ。始まりの時、世界にはまだ味という概念が存在しなかった。「あの方」が現れたあと、五味という概念がようやく誕生した。わしもあの時初めて、「料理」と言えるものを口にすることができたんだ。本当に懐かしいな。」【飯笥】 「化け狸と保食神は知り合いなの!?昔、何があったの?」【八百八狸】 「……翼、飯笥、この試合はわしの負けだ。激しい試合だったが、おかげでお前たちも少しは成長できただろう。」美食街の中にまぶしい光の奔流が現れた。光に包まれた食霊と飯笥の姿が、少しずつ変化していく。【食霊】 「……こ、これは!これは俺たちの力なのか?」【小飯笥】 「うわあ!吾輩も元の姿に戻った!」【八百八狸】 「これからも頑張りなさい、またどこかで偶然会えるかもしれない。美食街はもういらん。だが次会う時、わしの舌を満足させるのは今よりもっと困難だろう。」【食霊】 「八百八様……毎度あり、またのお越しをお待ちしています!」 |
八百八狸の伝記
八百八狸の伝記 |
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わしの娘は食いしん坊だ。 あの娘は幼い頃から食べることを好み、親父であるわしと似て大食いだ。 娘の柔らかい頬、丸っこい手、もふもふの尻尾を撫でていると、わしは毎回その可愛さに酔いしれる。少しふっくらしているが、それがどうした?彼女の可愛さは何者にも代え難い! 娘が食べ物を手に、顔を汚すほどの勢いで食べるのを眺めるのが、わしの至福の時間だ。しかし……成長した為か、あの娘の好みは些か変わったらしく、偶に奇妙なものを食べるようになった。まあ、わしの娘が最も可愛いのに変わりはない。 「親分!大変です!」 「どうした?」 「お嬢様がまた新しい夫君を食べてしまいました!」 「何?!」 わしには言わずと知れた趣味がある。 いや、それは美食ではない。美食は決して趣味ではなく、わしの命だ。 わしの趣味とは「相撲」なのだ。 中々わしに相応しいだろう!見よ、この巨大な体、勇猛な姿、迸る威勢を。相撲は正にわしの為に用意された絶好の競技だ! 桁外れの体重で土俵を軋めかせ、足を高く上げてから、鼓を打つように力強く踏み付けるのが好きなのだ。だが……新しい匠が手を抜いたのか知らんが、近頃度々土俵を踏み潰しそうになることがある。 まあ、それでもわしは相撲が好きだ。 「親分!大変です!」 「今度はどうした?」 「お嬢様がまた新しい匠を食べてしまいました!」 「何?!」 わしは美食を愛し、美食はわしの命の一部となっている。美食を捨てることは、命を削ることと同等だ。 しかし、食事に没頭し、周囲の事を疎かにしてしまうと、まな板の鯉となってしまう。 この八百八狸組は、決してそんな愚行に走らぬぞ! 一族の子供たちに新鮮な食べ物を与え続ける為、わしは彼らに美食愛を教え込む傍ら、外の者にも実力で礼儀を「教え込んで」いる。但し……現状に留まっていると、肉山脯林とていつか底をつくだろう。子供たちの為に、わしの比類なき知恵を使い、新しい道を模索すべき時が来たのかもしれぬ。 まあ、そうだとしても、わしは美食が大好きだ! 「親分!大変です!」 「またか!どうした?」 「お嬢様がまた新しい料理人を食べてしまいました!」 「何?!」 |
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