【陰陽師】石集鳴山イベントまとめ
- 最終更新日
記事の更新を停止しています |
---|
現在、こちらのページは更新を停止しております。情報が古い可能性がございますので、ご注意ください。 |
『陰陽師』石集鳴山イベント情報まとめて記載。欠片の入手方法や謎解きの詳細、任務や報酬も一覧で記載しているので参考にどうぞ。
©1997-2022 NetEase, Inc.All Rights Reserved
イベント概要
期間 | 3/24(木)8:00~3/30(水)23:59 |
条件 | 陰陽師レベル15以上 |
不思議な山石を集めて謎を解く
石集鳴山は、欠片となり散り散りになってしまった不思議な山石を集め、山石に隠された秘密を解き明かすイベント。噂をアンロックすると様々な報酬が貰える。
庭院右上からイベントページへ入る
庭院右上紙人形からアイコンをタップするか、庭院左側の地蔵からバナーをタップすることでイベントページに入れる。
欠片の入手方法と謎解き方法
ストーリーを進めると欠片入手
イベント画面でストーリーを進めると、報酬として欠片を入手できる。
山石に欠片をはめ込む
入手した欠片を対応する山石にはめ込もう。山石ごとに欠片の色は異なるので特に迷わずはめ込むことができる。
山石完成で噂をアンロック
不思議な山石が完成すると噂をアンロックする。また、報酬画面から報酬を受け取れることができる。
イベント任務と報酬一覧
任務 | 報酬 | |
---|---|---|
山石の欠片を1種類集め、噂をアンロックする。 |
★6青吉鬼×1 |
|
山石の欠片を2種類集め、噂をアンロックする。 |
オロチの逆鱗×50 |
|
山石の欠片を3種類集め、噂をアンロックする。 |
御行ダルマ(欠片)×1 |
|
山石の欠片を4種類集め、噂をアンロックする。 |
★4奉為ダルマ |
イベントストーリー
序章
序章ストーリー |
---|
【神楽】 「小白はどこかで昼寝してるのかな……出発するのに、声をかけなくていいの?」【源博雅】 「小白のやつは、気が済むまで寝かせておけばいい。俺達は散策を楽しみ、春の景色を堪能すればいいんだ。」【八百比丘尼】 「散策でしたら、郊外に行くのでしょう。晴明さんはもう目的地をご存知なんですね?」【源博雅】 「……晴明、なんで術を使ってるんだ?まさか占いで行く場所を決めるつもりか?」【晴明】 「以前、狭間から外に溢れ出した力を霊符に閉じ込めた。その霊符を使った術なら、我々をこの力のある場所へ案内してくれるはずだ。」【源博雅】 「天羽羽斬の封印が弱まったのは、偶然ではないと危惧しているのか?」【晴明】 「偶然かどうかは、他の封印の地に行ってみればすぐに分かる。しかし邪神を封印する神器は、簡単に見つけられるものではない。」【八百比丘尼】 「古の記憶を持ち、全てを見届けた山になら、何か手掛かりがあるかもしれない。晴明さんはそうお考えなのでしょう?」【晴明】 「神の心は気まぐれだから、間違った方向へ誘導されるかもしれないが。」【源博雅】 「俺達の知っている妖怪達は、自分が住んでいる山のことに詳しいはずだ。それでもそんな噂は一度も耳にしなかった。他に何か当てがあるのか?」【晴明】 「人が滅多に訪れない山なら、もう一つ知っている……そこに行ってみよう。」(そう言いながら、晴明は一旦八百比丘尼に目を向けて反応を確認し、再び話を続けた)【晴明】 「この山は多くの人に名前だけは知られているが、肝心な居場所は知られていない。噂によれば、分身として多くの山脈を持っているらしい。」【源博雅】 「多くの山脈を持っているだと?それでも主峰は一つしかないだろ!」【晴明】 「鳴らず、尽きず、見えず……主峰については、皆の意見が分かれていて、真実は定かではない。」【神楽】 「尽きない、無限……香道大会で足を運んだところが、その山脈の一つだった。だとすれば、私達にとって、主峰は比較的探しやすいかな……」【晴明】 「その主峰はいつまでたっても見つからない。ゆえに不見岳と呼ばれている。」【源博雅】 「謎が多いな、はは、今回も面白い旅になりそうだ!」 |
大江山
大江山ストーリー |
---|
【覚】 「なんだよ、朝っぱらから皆を呼びつけやがって。」【星熊童子】 「諸君、酒盃は持ったか?!今日はおいら星熊と童子の二人が、先日書いた物語を聞かせてあげるよ!」【覚】 「星熊童子……酔ってないか?なんで自分のことを星熊、酒鬼のことを童子呼ばわりすんだよ。」(覚が言ったそばから、星熊童子の持つ杯の中から急に声が聞こえ始めた。しかし不思議なことに、杯の中の酒鬼が口を開いたわけではなかった。好奇心に駆られたみんなは、同時に声の主を探し始めた。)【童子】 「言うな。大江山の暗黒の、荒れ果てた数日間。思い出すだけでも、ひやひやするぜ。」【山童】 「うわ!酒鬼が喋った!」【覚】 「星熊童子のやつ、まさか本当に腹話術を習得したのか?」【星熊】 「山々の話をしよう。幾星霜を経て、山は活力を失い、長き眠りにつかざるを得なくなった。しかし山々は、いつか必ず蘇る。」【童子】 「山には神がいて、鬼王に座を授ける。鬼王がいる限り、山の生命力は簡単に絶たれたりしない!大江山の妖怪もそう睨んでいる。きっと何か危険が潜んでいると。山の大妖怪がこう言った。「全部星熊がダラダラしているせいだ、いざの時は星熊を生贄にすればいい。」」【星熊】 「おいらが一番苦労してるのに!」【童子】 「しかし山の大妖怪は、机を叩いてこう言った。「大江山の血流を良くすればいいんだろう!この拳を喰らえ!」」【星熊】 「おかげで机が壊れちまった。」【童子】 「しかしそんな無謀な行動に対して、従来思慮深い鬼王は何も言わず、ただただ笑っていた。だから、大妖怪は並みならぬ妖気をまとう鬼手を駆使し、大江山の最高峰の峠を破壊した。」【星熊】 「そのせいでおいらはひでえ目に遭ったんだ、何日も塵まみれでな。」【童子】 「最高峰の裂け目の奥に入った鬼王は、地脈に向かった。そこでようやく気づいたんだ。大江山を揺さぶり続けていたのは、変な巨石だったことに。」【星熊】 「そういえば、大江山の平和を掻き乱したその石、おいらはまだ一度も見たことがない。」【童子】 「大江山の平和を取り戻すため、それはとっくに鬼手に握り潰された。」【山童】 「そうだ!茨木童子の無謀な攻撃のおかげで、最高峰の下に温泉が出来たんだよ。見に行こうぜ!」【星熊】 「え?おいらの話はまだ終わっていないよ、待って!」(騒ぎながら遠くに行った一行は、陰に隠れる人影には気づかなかった。)【源博雅】 「……晴明、皆いなくなったぞ。」【八百比丘尼】 「晴明さんの不見岳を探す術は、大江山の巨石に反応しましたね。」【源博雅】 「あの山は神出鬼没で、晴明の術でも簡単に見つけることはできない。だから「不見岳」と呼ばれているんだ。だが、一体大江山の巨石と何の関わりが……晴明が持っているのは……どこにでもある石ころか?」【晴明】 「巨石の中に潜む気配は、既に大江山の中に溶け込んだ。だが私には分かる。それは私の術が探している目標の気配に似ている。だから我々は、ここに導かれた。大江山の妖怪達の力を、侮ってはならない。」 |
海国駐在
海国駐在ストーリー |
---|
【源博雅】 「ここはかつて鈴鹿山が海に沈んだ場所だろう?」【神楽】 「どうして晴明の術は、私達をここに導いたの……」【源博雅】 「おい、見ろ。海のあのあたりに、変な光が見えないか?」【八百比丘尼】 「本当ですね。海の下で何かが放っている光のようです。引き上げてみますか?」【晴明】 「待て、あの光が霊符に触れると……」【源博雅】 「光が明るくなった!どういうことだ!」(人の気配のなかった海辺が光に照らされ、人影が二つぼんやりと浮かび上がった。触れることはできないが、人影は次第にはっきりしていき、声まで聞こえるようになった。)【蟹姬】 「蝶!待ってってば!」【海の蝶】 「若様に見つかる前に、蟹姫、は、早く!」(前を走っていた女の子はもう動けないようだ。何かを抱えたまま、海辺に座り込んで、はあはあと息をしている。後ろにいた女の子は追いつくと、面と向かって座り込んだ。)【蟹姬】 「蝶、少し休もう。そんなに早く走ると、疲れちゃうよ!」【海の蝶】 「でも、これは若様が大切にしまってた石だよ。もし砕けちゃったことがバレたら……だめ!絶対に若様にバレちゃだめ!」【蟹姬】 「でも、こんなどこにでも転がってそうな石が、なんでそんなに大切なの?まさか……まさか蟹姫の力が、また強くなったのかな!だから簡単に、大切な宝物を壊しちゃった!」【海の蝶】 「困ったことになった!でも、よく見るとこの石、見たことない模様がある。中に何か隠されてるみたい……」(「ぼちゃん」と、蟹姫は砕けた石を全て海の中に投げ入れた。)【海の蝶】 「あっ!石が……」【蟹姬】 「蝶がわざわざ罪の証拠……もとい、宝物をここまで運んでくれたし、その気持ちを無駄にはできないよ!」【海の蝶】 「あ、蟹姫、海を見て……」【蟹姬】 「ふふん、蝶が石の模様を見つけてくれたおかげで思い出した。海鳴が言ってた、古い石の中には、大山の生命力が宿っている。大山と関係があるものを使って、その生命力を呼び起こせば、周囲の生き物達に霊力を与えることができるって。」【海の蝶】 「蟹姫……」【蟹姬】 「もし本当にそういう宝物だったとしたら、海に投げ入れれば、蝶の病気を治せるくらい強い力を呼び起こせるかも!」【海の蝶】 「蟹姫!」【蟹姬】 「待って、なにこれ?」(石を投げ入れた海面に、交差する光が浮かび上がり、細波と共に揺れている。)【蟹姬】 「なにこれ?もしかして宝物が効いたの?!」【海の蝶】 「でも……私、何も感じなかったよ……よく見たら、絵みたい。見て、あそこ、草や木もある。」【蟹姬】 「確かに絵に見える!何が描かれているのか分からないけど……なんだか……とても居心地の良さそうな場所だね!いいなぁ!」(はしゃぐ二人の声はだんだんと小さくなっていき、薄れゆく幻と共に消え去った。蟹姫と海の蝶の幻が現れた海辺に近づくと、晴明達は霊符によって海岸に打ち上げられた石くれを見つけた。石くれの表面には変な模様があるようだが、海水の侵食のせいで分かりづらい。)【八百比丘尼】 「不思議な宝物ですね……施された術の気配はほとんど感じ取れませんが、まるで現実のような情景を見せてくれましたね。」【晴明】 「どうやら、この石は近くで起きたことを記録する力を持っているようだ。しかし長い時間が経ったせいで、一部の記録しか残されていない。しかし、こういう術は、まだ生きている者のことしか記録できないはず……」【八百比丘尼】 「鈴鹿山は、かつてここに存在していました。」【晴明】 「それならば、ここにどんなにすごい宝物があっても、驚くことではないだろう。」 |
黒夜山
黒夜山ストーリー |
---|
【源博雅】 「変だな、なんで黒夜山の近くにこれだけ濃い妖気が漂ってるんだ。空まで曇ってる。」【晴明】 「あそこだ。」【瘴気妖怪】 「ぐあああ………汚れ……汚れ……」【八百比丘尼】 「苦しそうですね……私達を攻撃するつもりはないようです。」【晴明】 「行ってみよう。」【八百比丘尼】 「瘴気ですね。しかしあの時の瘴気とは少々違います。恐らく、黒夜山がまだ完全には瘴気の影響を取り除けていないせいでしょう。」【神楽】 「まるで病人みたい……」(八百比丘尼は笑みを浮かべたまま、何も言わなかった)【瘴気妖怪】 「祓う……全部祓う……ぐあああああ………」【源博雅】 「まずい!こっちに向かってきた!ふん!…………」【晴明】 「動きが遅いな、博雅の矢がもったいないくらいだ。」【源博雅】 「なんで俺をからかうんだ。」【瘴気妖怪】 「祓って……頼む……祓ってくれ……」【神楽】 「その一矢で、少し理性を取り戻したみたい。でも、祓われたいなんて……」【瘴気妖怪】 「瘴気が長い間……山の中に居座り続けていた……苦しい、このままだと、私は完全に妖怪に成り下がってしまう……」【源博雅】 「お前は誰だ?なんでここの瘴気に妖怪にされかけてるんだ?」【瘴気妖怪】 「私は山……山は私……ぐああああ……もうだめだ!」(目の前の瘴気の妖怪が膨張し、そのまま体を貫いた矢を折った。汚れた体が足元の大地を侵し、草木や石は瞬く間に侵食されて黒い水になっていく。山に臭い煙が立ち昇り、周りの景色を覆い隠していく。すかさず晴明が飛ばした霊符が、白い光となって瘴気の妖怪の体に入った)【瘴気妖怪】 「ぐあああ……ありがとう……山はあなたたちに感謝する、その時……また会おう……もし私の後継者が汚れた姿になっていたら、どうか浄化してやってくれ……」(瘴気の妖怪がそうつぶやくと、瘴気も弱まっていき、妖怪は瘴気と共に跡形もなく消えた。晴明は前に進み、妖怪がいた場所から、いくつかの石くれを拾った)【神楽】 「さっきまで曇ってた空が、晴れた。月の光が綺麗……これが夜の黒夜山の本当の姿……」【晴明】 「この力、山の気配だ。まさか……」【源博雅】 「まさか、山の神が残った瘴気に侵され、ここで浄化してくれる者を待っていたのか?そういうことなら、やつの言っていた汚れのことや感謝の言葉にも納得がいく。」【八百比丘尼】 「あの戦いが黒夜山に与えた傷が完全に治るまで、まだ何年もかかりそうですね……だから妖怪に似た存在が、今でも絶え間なく現れて、汚れを吸収し続けているのですね。」【晴明】 「汚れを取り除くために、己も汚れそのものになってしまった……そんな神だったのか?」 |
七角山
七角山ストーリー |
---|
【シシオ】 「おかしいな……見慣れない鹿を追いかけて来たのに、すぐに見失っちゃった……」(ガサガサ……)【シシオ】 「誰だ!」(純白の体の幽霊のような鹿が、軽やかな動きで草むらの中から飛び出し、シシオの体を抜けて森の奥に向かった。)【シシオ】 「待って!行かないで!僕の一族の者を知らないか?!」【蒼風一目連】 「仮に知っていたとしても、あれは蘇った山が生み出した幻に過ぎない。」【シシオ】 「あ、風神様!どうしてここに?「蘇る」といえば……昔、こんな話を聞いた気がする。古い山は、数年ごとに蘇る。その時、かつて山に暮らしてた古の命が、一夜にして再び山に現れるって。僕の家族のところまで案内してくれればいいんだけど……」【蒼風一目連】 「そうだな……しかし、彼もまたお前の家族の居場所を知らないかもしれない。山が蘇り、幾千万の亡霊が彷徨うのは、「山鳴」であり、生者が簡単に目にできることではない。」(そう言った途端、遠くの銀色の霊の後ろから、羽ばたきの音が聞こえ、空を覆い隠すほどの銀色の鳥の霊の群れが飛んできた。鳥の中でちらちらと光を放つ鹿の霊は、鳥となって近くの梢の周りを旋回している。)【シシオ】 「あ……行かないで!」【蒼風一目連】 「山が蘇り、かつてここで生きていた種を振り返り、再現する。かつての一族に似た者に出会えたこと、それはすでに大きな幸運だ。」【シシオ】 「でも、僕の一族はこうなるべきじゃ……!」(鳥の霊が再び羽ばたき、今度は銀色の虎へと姿を変え、ゆっくりと林の中を闊歩する。)【蒼風一目連】 「山鳴はもう終わった。戻ろうか?」(シシオは相変わらず、虎の霊がいる遠くの場所を眺めている。)【蒼風一目連】 「お前の選択も、山は全て記憶に刻む。」(虎の霊が放つ光が弱くなり、そのまま林の中で消えてなくなった。どこからともなく吹き続けた風がようやく止み、山がいつもの姿を取り戻した時、銀色の霊達も全て消え去った。)【八百比丘尼】 「本当に……感慨深いですね。珍しい山鳴に、立ち会うことができました。」【晴明】 「これはただの偶然だろうか?」【八百比丘尼】 「晴明さんは、あの変な力が関わっているとお考えですか?」【晴明】 「今はまだ何とも言えない。しかし、大方あの力の主はこの山を知っていたのだろう。そして自分に何か異変が起きたから、七角山を呼び起こした。山霊が消えたところにも、石が残っている……ありきたりの山石のようだが、石は本当に多くのことを見届けたんだな。」【八百比丘尼】 「ええ……育んだ命を、山は全て憶えていますね。」 |
終章
終章ストーリー |
---|
【八百比丘尼】 「石くれに隠れている記憶、それこそが、山が語りたい物語なのではないでしょうか?」【神楽】 「不見岳もこの山々みたいに、自分なりの形で生き物と共存してるのかな……今はまだ、不見岳の手掛かりを見つけられてないけど……」【晴明】 「むしろ、その方がいい。」【八百比丘尼】 「千の山を探し尽くして、初めて不見の岳に辿り着ける。確かにいいことかもしれません。」【晴明】 「昔の君もそうだったのだろう。多くの山を旅して初めて、不見岳の気配を察知できたのでは?」【八百比丘尼】 「ええ、不見岳は神出鬼没ですから、例え誰かがその姿を記録しても、どこかに隠れてしまいます。もしかして……何かを守っているのかもしれませんね?」【源博雅】 「そういうことなら、晴明、もう一度術で探すんだ。今度こそ不見岳の居場所を突き止めてくれ!」【晴明】 「旅支度が済んだら、出発だ。」 |
噂ストーリー
七角山
森風鳴心 |
---|
首領が戦死する前、山鳴の話を聞いたことがあった。我々は森の中で狩りをし、殺し合う。大地は血に染まり、敵は我々の刀や牙に切り裂かれる。その山は、その全てを見届けた。 「山は憶えている。育んだ全ての命のことを、絶滅した種族のことを、新しく生まれた種族のことを。その全ては、山脈の中に刻まれている」首領はこう言った。「鹿が消えた後、鳥がこの山で暮らし始めた。鳥が絶滅した後、ここは百年間、虎に支配されていた。我が一族が終わりを迎える時、山は我々のことを憶えていてくれると思うか?」 長い時が経ち、体に重い毛皮を着込み、顔を仮面で隠し、刀を足元の岩に深く刺しこみ、私は誓った。しかし山は答えなかった。 |
黒夜山
月幕奏心 |
---|
我々は姿を持たない。しかし、山は目に見えぬ魂を持っていて、山の神は魂と意識を分解し、山の数多の命を育んでいることは、しっかりと我々の意識に刻み込まれている。矮小な存在でしかない我々も、その中に含まれているのだろう。 黒夜山に生息していた命が、全てその姿を消した。瘴気に侵されて死んだのか、それともこの場所を捨てて逃げたのか?幸い、なぜかは分からないが、瘴気はもうほとんど消えていた。今の我々に与えられた職務は、まだ山に残っている瘴気を取り除くことだ。 我々の肉体は岩の隙間に、水の流れに入り込んだ。紫色の瘴気に溶け込んでいくと、意識が次第に遠のき、肉体が瘴気に侵され、膨らみながら姿を変えていく感じがした。瘴気を悉く肉体の中に閉じ込めた我々は、当てもなくただただ彷徨い続けてた。人間と妖怪に祓われるまでは。 次に姿を持つ時も、また瘴気に呑み込まれ、瞬く間に自我を失うのだろう。 しかし職務を果たして消える瞬間、一時の平和を手に入れられることもまた、一種の幸せではないだろうか? |
鈴鹿山
海魂彫心 |
---|
時代も分からない昔、それよりもさらに昔、若かった頃の鈴鹿山の近くを、通りかかった神がいた。宝を探す探検者達も行き来していた。鈴鹿山は、その懐を訪れる命を分け隔てなく受け入れた。しかし探検者達は、必ずいつか去っていく。鈴鹿山は嘆いた。「忙しい命は、訪れてはまた消える。我の傍に残ってくれる者は、いつ現れるのだろうか?」 潮に乗って訪れた青色の息吹は、鈴鹿山の最も深い場所にある巨岩の中に溶け込み、鈴鹿山の岩とは異なる青い巨岩となった。 これは私が見た、鈴鹿山のかつての記憶だ。鈴鹿山を助ける方法を探すべく、私は鈴鹿山を蘇らせることのできる宝物を求めてたくさんの場所を訪れた。途中でよく似た青い岩を見つけた。中に璞玉があることを除けば、それは何の変哲もないただの石だった。そして数ヶ月を費やしたあと、何度も頭に浮かべた美しく平和な鈴鹿山を、私はようやく術を通じて石の中に刻むことができた。だから、これは私の宝物であるとも言える。 |
大江山
火獄燃心 |
---|
山脈の平和を乱した原因を突き止めるために、大江山の山脈の下へ向かった。しかし洞窟の奥には、巨石が一つあるだけだった。古い亀裂の中に、火のような光がかすかに見える。近づいてみると、何かを感じ取ったかのように、山壁にはまった巨石は激しく震えた。地鳴りの轟音の中、これが大江山を揺るがす原因だと確信した。二人で力を合わせて巨石を抑えると、轟音が響いた後、巨石は無数の石くれとなって砕けてしまった。巨石の中に隠れていた火の光もまた洞窟の奥から消え、無数の岩の中に四散した。 迸る火の光の中、無数の知らない記憶に触れた。 ああ、そうだったのか。大江山で暮らしていた幾千万の妖怪が死んだ後、その力はここに集った。そして絶え間なく生存や戦闘を求め、眠ることはなかった。 そして巨石へと変貌し、天地を揺るがすようになった。 |