【陰陽師】旧縁結びストーリーまとめ【ネタバレ注意】
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『陰陽師』の旧縁結びイベントのストーリー(シナリオ/エピソード)「縁説物語」をまとめて紹介。章ごとにストーリーをそれぞれ分けて記載しているので参考にどうぞ。
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【縁結神】 「だめじゃ、神社が落成しても、誰も興味を持ってくれぬ。物騒な世の中じゃから、人々は縁よりももっと現実的なものを求めておる。となると今回も神力が……うーん……しっかりするのじゃ!晴明たちは平安京に祈祷の舞の舞台を建て、みなをここに避難させた。この機会に、神社でみなを励ますのじゃ!とにかく、出撃じゃ!」【???】 「このあと、祈祷の舞の会場にうちわを売りに行く予定じゃなかったのか?」【縁結神】 「平気平気、夜になったら黒ちゃんたちが神社の方を手伝ってくれるから……え?誰かに話しかけられたか?」【???】 「ここだ。」おかしな紙人形が縁結神の目の前に現れた。」 【謎の紙人形】 「久しぶりだな。」【縁結神】 「うむ……久しぶりじゃな……」【謎の紙人形】 「最後に会った時から、だいぶ変わったな。」【縁結神】 「うーん……最後に会った時から、お主は全然変わっておらぬな……ううむ……」【謎の紙人形】 「まだ私のことを思い出せないのか?」【縁結神】 「……そ、そんなことはない!われは記憶力が優れておるから、一度見たことは絶対に忘れぬ……よいよい、われの負けじゃ!しかし紙人形の友達を作ったことも、紙人形の縁を結んであげたこともないのじゃが。」 【縁結神】 「大狐!ここでお主に会えるとは!われのすごい神社を見に来たのか?」【玉藻前】 「手間を掛けてこんなところに神社を建てるとはな。で、どうだ?」【縁結神】 「うう……ここは逢魔の原の近くにある古い町、大勢の人が避難しに来たのじゃが……でもいいのじゃ!夜になって晴明の祈祷の舞が始まれば、きっとなんとかなる!じゃがお主は、晴明が心配ではないのか?」【玉藻前】 「彼にぬかりはない。私は彼を信じている。しかしお前は、金を湯水のように使って神社を再建した。そうしなければならなかった理由があるのだろうが。」【縁結神】 「ここまで来たし、きっとなんとかなるのじゃ!引っ越さざるを得ぬ状況でみなは落ち込んでおるが、互いを繋ぐ赤い糸さえ取り戻すことができれば、きっと良くなるはずじゃ!そっちこそ、逢魔の原が大変なことになっておると聞いたぞ。大丈夫なのか?」【玉藻前】 「百目鬼……う……」【縁結神】 「大狐!おかしい……さっき彼の霊体から漏れ出た気配は……」【謎の紙人形】 「感情が消える気配。つまり、心を閉ざしたんだ。」【縁結神】 「なぜ分かるのじゃ?」【謎の紙人形】 「……」【玉藻前】 「私は……さっきのは何だ?」【縁結神】 「き……聞きたいことがある!いつも持ち歩いているぬいぐるみはどこじゃ?まさかうっかり落としたわけではないじゃろうな?」【玉藻前】 「持ち歩くのが面倒だっただけだ。それがどうした?」【縁結神】 「う……」【謎の紙人形】 「なんだ?」【縁結神】 「怪しい……」 【十兵衛】 「おい、小娘、気をつけろ。急に人の後ろに回り込むな。」【縁結神】 「うわ……おっかないのう……この男、ぼーっとしていて……われが近づいてきたことにも気づかなかったようじゃ。もしかして何か困っておるのか?お主、困っておるようじゃな。実はこの近くに神社が……」【十兵衛】 「知っている、縁結神社だろう。」【縁結神】 「その通りじゃ!」【十兵衛】 「こんな世の中だぞ、縁を結ぶくらいしか能がない神様に用はない。恋する余裕なんかねえよ。」【縁結神】 「この男からは、赤い糸の存在を全く感じぬ……」【謎の紙人形】 「何か策があるのかと思っていたが、もうお手上げか。彼が取り出したのは……」【縁結神】 「針と糸?こういう仕事をしておるのか……すごいのう。無視された……」 【縁結神】 「温泉のちらしを見せてくれぬか?」【真次郎】 「どうぞ!」【縁結神】 「わあ——すごく豪華な大温泉じゃ!」【真次郎】 「気に入っていただけたなら、いつでもお連れしますよ!場所は……えっと…」【縁結神】 「思い出せなくてもよいのじゃ!この近くには豪華な縁結神社もあるじゃろう。あそこで温泉を宣伝するのはどうじゃ?」【真次郎】 「縁結神社なら、きっと信者の方々がたくさんいらっしゃるんでしょうね!」【縁結神】 「そうじゃ!神社で縁を結んだら、温泉で逢い引きすればよい。神社にも、温泉にも良いことずくめじゃ!」【真次郎】 「ただ……温泉で少し困ったことがあって、今すぐは神社に協力できないかもしれません。一緒に温泉旅館を経営すると約束してくれた人を探してるんです。彼女がこの近くに住んでいると聞いて、俺はここに来たんです。彼女に会えたら、もっと豪華で賑やかな平安京に行って客を呼び込むこともできます!」【縁結神】 「今平安京がどうなっているのか知らぬのか……もしよければ彼女の名前や見た目を教えてくれぬか?われも探すのを手伝おう!」【真次郎】 「……もう何年も会ってないんです。優しい人で、平安京の近くに住んでいて、いつも赤い服を着ていたことくらいしか思い出せません。」【謎の紙人形】 「赤い服を着て、平安京に住んでいる赤い服の女性だったら、誰でもいいのか?」【縁結神】 「勝手に他人の縁に口出しするでない!」 【縁結神】 「近くに新しい縁結神社が落成したのじゃ。神様の猫たちが毎日神社で人々をもてなしておる。見に行ってみてはどうじゃ?特別な縁を結べるかもしれぬぞ。」【万結】 「特別な縁なんかいらないよ!神社に本当に神様がいるのなら、この辺りをうろついてる妖怪をなんとかしてほしいよ。平安京を離れてから、こんなことばっかり。」【縁結神】 「お主のような若き女子が妖怪退治をしておるのか。」【万結】 「あたしは強い陰陽師に手引きしてもらったの。みんなを守る役目くらい、ちゃんと果たさなきゃ!」【縁結神】 「ならばお主の両親は何をしておるのじゃ?」【万結】 「お父さんは毎日針仕事に夢中で、あたしのことはほったらかし。お母さんはもう……とにかく、みんなを守ることができたら、あたしはここから出ていけるの!」【縁結神】 「あの十兵衛さんが父親じゃったか……」【万結】 「はいはい!言ったって分からないよ。でも、お喋りに付き合ってくれてありがとう。縁結神社は、時間があったら見に行くね。」【縁結神】 「この女子は赤い糸を持っておらぬ……この子はどこで縁を失くしたのじゃろう……」 【縁結神】 「よし!大狐が最も気にかけていることで試してみよう!大狐!もう一つ聞きたいのじゃが!町の子供たちは平安京から引っ越してきたばっかりで、まだこの地に馴染んでおらぬ。そして、われにぬいぐるみがほしいと願っているのじゃが。大狐がいつも持ち歩いているぬいぐるみ、われにくれぬか?」【玉藻前】 「いいだろう、探すから待て。」【縁結神】 「大狐、それ、本当に本当に本当に——もらってもいいのか?ぬいぐるみを作った人が誰なのか、覚えているか?それに、いつも持ち歩いていた笛は、どこじゃ?」玉藻前はしばらく黙った。【玉藻前】 「うっかりしていた、ここ数日よくそういうことを疎かにしてしまう。」【縁結神】 「逢魔の原に異変が起きた時、お主も怪我をしたのか?」【玉藻前】 「逢魔の原が汚れに侵される前、旧友の部下が助けを求めてきた。立ち去る前に逢魔の原を守る狐火を設置しておいたが、逢魔の原を守ることはできなかった。逢魔の原は甚大な被害を被った。それでも僅かに雪走の気配が残っていた。だから私と千代の力を使って、どこにあるかも分からない雪走に守護の力を送った。」【縁結神】 「なるほど、それなら雪走の持ち主がどこにいようと、雪走が守ってくれるのじゃな!もしかして、大狐はその時から、千代に関することをなおざりにするようになったのか?」【玉藻前】 「おそらくそうだろう。千代の霊体に異変が起きたことは知っている。安定しない限り、まともに戦えない。だから今も逢魔の原に帰ることができない。」【縁結神】 「縁者の霊体を安定させるのじゃな!安心するがよい!われに任せて!」 【謎の紙人形】 「彼の縁の糸はすでにこの世から消えてしまった。例え彼の感情を取り戻すことができたとしても、縁の糸を結び直すことはできない。君は神力が底をつきそうなんだ、まずは自分のことを優先しろ。」【縁結神】 「縁の糸が断たれたとしても、幸せになる資格を失ったわけではないはずじゃ。」【縁結神】 「大狐の縁についてじゃが……大狐の大切なものを取り戻せば、過去の感情を思い出すかもしれぬ。」 こうして、縁結神は納棺師に力を貸し、妖鬼を退治した…… 【納棺師】 「みなさん、ありがとうございます。」【謎の紙人形】 「気をつけろ、彼の様子がおかしい……」言ったそばから、納棺師の顔が苦痛に歪み始めた。【納棺師】 「織雪……!」【謎の紙人形】 「彼の霊体が不安定だ。消えそうになっている!」【縁結神】 「大狐と似たような気配を放っておる……大狐と同じ状況のようじゃ!力ずくで彼と織雪さんの縁を結び、霊体を安定させるしか方法はない!」納棺師の背後の棺が突然開いた。【縁結神】 「わ!そこまで影響が……」棺の中には、誰もいなかった。 |
終わらぬ縁
終わらぬ縁ストーリー |
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納棺師の霊体が不安定になったその時、織雪は行方不明になった……【縁結神】 「大変じゃ!紙人形!手伝ってくれ!」そう言いながら、縁結神は手際よく紙人形と納棺師を赤い糸で結ぶ。納棺師の霊体が安定していく。【謎の紙人形】 「……滅茶苦茶だ。」【縁結神】 「はー……びっくりした!紙人形でも、人間と一時的にでも縁を結べるとはな。お主の霊体はなかなか強いようじゃな!」【謎の紙人形】 「君がやるべきことを忘れるな。」【縁結神】 「霊体が弱まった彼は、妖鬼に襲われておる。放っておくことはできぬ……われの神力については……この問題を解決したら考えよう。しかし縁を結んだ瞬間、お主の気配をより懐かしいと感じたのじゃが……これは一体……」【納棺師】 「早く織雪を取り戻さなければ……」 【縁結神】 「さっき、縁結神社に助けてほしいと言っておったな?」【納棺師】 「あなたは……」【縁結神】 「われは縁結神社に住んでおる……神主じゃ!織雪さんに何があったのじゃ?」【納棺師】 「瘴気が蔓延って以来、私が持つ棺も瘴気の毒に侵されてしまった。そのせいで織雪の肉体も影響を受けた。昨日はまだ側にいたのに、今日になって行方不明になってしまった……それで彼女の霊体の気配を辿って、この辺りまで追ってきたんだ。」【縁結神】 「あれ、納棺師さん、いつも持ち歩いている傘はどこじゃ?」【納棺師】 「傘?」【縁結神】 「やっぱり!大狐と同じじゃ。霊体が怪我したせいで、愛する者の霊体との繋がりが弱まっているのじゃ。いつも持ち歩いている、大切なものも失くしておる……あの傘は彼が織雪さんに出会った時に使っていた傘、つまり大切な思い出の品なのじゃ!」【謎の紙人形】 「詳しいな。」【縁結神】 「われが授けた縁じゃからな!詳しいに決まっておる!」【納棺師】 「それと、一反木綿も私を追ってこの町に来ている。この前の大雨の夜、あの女がついてくるのを見た。だから……織雪の肉体が消えたことは、あの女と何か関係があるはずだ。」【縁結神】 「……しまった。紙人形、難しい事態になってしもうたぞ。」【謎の紙人形】 「……」【縁結神】 「……と、とにかく!元気を出して!みながまだここにいる間に、一反木綿の行方を調べよう!運が良ければ、ついでに大切なものも見つけられるかもしれぬ!」 【十兵衛】 「なんだよ怪しいやつって。そんな暇があるなら、早く娘を連れ戻してくれよ。」【縁結神】 「うわ……おっかないのう……」【十兵衛】 「あいつ、また町をほっつき歩いてるんじゃねえのか!まだ一人前にもなってねえのに……毎日現実離れしたことばかり考えて……」【縁結神】 「その……お主らは親子なのじゃから、ちゃんと話せば分かり合えるのではないかのう……」十兵衛はもう縁結神には見向きもしない。【縁結神】 「……手が焼ける親子じゃ。」 【真次郎】 「怪しい人?最近町をうろついている妖怪たちのことですか?」【縁結神】 「お、その妖怪たちのこと、詳しく聞かせてくれぬか?」【真次郎】 「ほとんどの妖怪たちは人間には近寄らないから、特に何もないんです。ただし、木綿のような布を纏った妖怪だけは、郊外の瘴気が漂う場所によく出没しています。店のほうは……俺はここ最近、ずっと町にいて開業の宣伝をしているから、どんな状況かはわかりません。」 【織霞】 「怪しい人ですか……近頃木綿のような布を纏った妖怪が、よく街角の温泉旅館附近に現れます。瘴気の影響を和らげるため、などと言っているらしいですよ。」 【縁結神】 「本当にここに一反木綿がいるとはな。おかしい……瘴気の気配を帯びておるのに、瘴気に侵されてはいないようじゃ……あ、あと……とある傘を探しているのじゃが……」【一反木綿】 「ふふ、お嬢ちゃん、質問が多すぎるわよ。質問に答える前に、先に手合わせしてちょうだい。」 【縁結神】 「お主からは縁の気配を感じなかった……つまり、お主は傘を持ってはおらぬ。」【一反木綿】 「あなた、しつこく追ってきたのは、そのためだったの?あいつはあんなに大切なものすら失くしたのよ。どうせこうなるなら、いっそのことあの時……」【縁結神】 「はいはい!分かった分かった!この件はなかなか複雑じゃが……われがちゃんと責任を取る!」【一反木綿】 「お礼ももらったし、一つくらい質問に答えてあげてもいいわよ。」一反木綿が手で飾り結びをいじっている。それはいつの間にか縁結神から奪ったものだ。【縁結神】 「まさかさっきの手合わせで、われの不意をついて……!」【一反木綿】 「うるさいわよ、質問があるなら早くして。」【縁結神】 「えーと、じゃから、この前の大雨の日に、納棺師が傘を失くしたところを見てはおらぬか?」【一反木綿】 「お姉さんはね、あんな男の落とし物には興味がないの。でもあの夜一人で雨に打たれていた女の子には、興味があるわ。」【縁結神】 「女の子じゃと?」【一反木綿】 「あの夜、ある女の子が雨に打たれながら泣いていたわ。一人ぼっちでかわいそうな女の子を見過ごすことなんてできないでしょう?だから彼女に聞いてみたの、手助けしてほしい?ってね。」一反木綿は話しながら、身に纏う危険そうな白い布を縁結神に巻きつけてきた。【縁結神】 「……そ、その後は?お主の手助けなら、われはいらぬぞ!」【一反木綿】 「そしたら、あの子は私に、どこか具合が悪いの?って聞いたのよ。まるで私が瘴気の影響を受けていることを見抜いたみたいだった。だから何もしなかったわ。私の心優しい友人に似ていたから。」一反木綿は一瞬だけ、声音が優しくなった。【縁結神】 「その女子と傘は……」【一反木綿】 「あの子が心配で、あたしは路地裏で観察していた。そしたら、あの男が大雨の中から女の子のほうに近づいて行ったの。男がぼろぼろの傘を持っているのを見て、あたしは安心してその場から離れたわ。で?あの女の子は、無事に家に帰ったの?そうそう、そのあと女の子がいた場所でこんな物を見つけたわ。これ、あの子の落とし物かしら?」 【縁結神】 「なるほど、傘を持っている者が誰か分かったぞ!やはり感情と記憶が薄れたせいで、大切なものを他人にあげたりしたのじゃな。」【謎の紙人形】 「すぐに彼女に会いに行こう。」【縁結神】 「ちょっと待って……さっき一反木綿が言っておった。彼女が瘴気の影響を受けているのを、万結が見抜いたって……」【謎の紙人形】 「やっぱり、織雪が行方不明になったのは彼女と関係があると思う?」【縁結神】 「なんとも怪しい!じゃが、傘さえ取り戻せば、真相が明らかになるじゃろう!」 【万結】 「また助けてくれた。」【縁結神】 「どうして顔を赤らめるのじゃ?」【万結】 「だって……だって、あたしがしたいことはいつも、逆の結果になるの。お父さんが言ってたことは、正しいのかもしれない。お父さんを恨んでいるのも、あたしの理想も、全部子供のわがままに過ぎないのかも。あたしの師匠は平安京に名を轟かせる陰陽師なんだ。最近、師匠は他の陰陽師たちと一緒に、瘴気に侵された人々と妖怪たちを助けてるって聞いた……あたしもそういう人になりたいの。いつか平安京にいる師匠のところに行って、彼女の力になりたい。」【縁結神】 「陰陽道の術が使えるのか?それはよいことじゃ、ならばどうして……」【万結】 「お父さんは何も分かってくれない。妄想はほどほどにしとけって言うの。ひどいよ!」【縁結神】 「じゃからこの前喧嘩して、雨が降っているのに外に出て行ったか?」【万結】 「うん……外に出て雨に濡れたけど、気を遣ってくれたのは妖怪だけだった……」【縁結神】 「納棺師と一反木綿じゃな……そういえば!これをお主に渡してほしいと頼まれたのじゃ。」縁結神は懐から、一反木綿に託された匕首を取り出した。【万結】 「この匕首……悪い妖怪を退治できる術が施されてる……師匠は言ってた。これがあれば、あたしはきっと本物の大陰陽師になれるって……」【縁結神】 「この匕首を返してくれた妖怪は、以前多くの人に追い回されていたのじゃ。陰陽師になる者は、様々なことを見極められるようにならねばならぬ。もう少し頑張ってみてはどうじゃ?他人に何を言われても、頑張って修行を続けるのじゃ!」【万結】 「そうね……良い妖怪も悪い妖怪もいるし……あの夜の妖怪の一人は、雨を凌ぐ傘をくれたし、早く家に帰るように諭してもくれた。」万結は大切に保管していた、ぼろぼろの傘を取り出した。【縁結神】 「万結、もし修行を続けると決めたのなら、なんとかして十兵衛さんを説得してみるのじゃ!縁結神社が、神様が助けてくれるじゃろう!」【万結】 「本当に?でも神様に捧げられるものなんて、何も持ってないよ。」【縁結神】 「簡単じゃ!この傘を捧げればよい!」 【納棺師】 「傘を取り戻したのか?」【縁結神】 「今のお主にとって、この傘がどれほど重要なのかも、何を意味するのかも分からぬが。織雪とのたくさんの思い出は、まだ覚えているはずじゃ。集中して過去を思い出すのじゃ!」【謎の紙人形】 「できるか?」【縁結神】 「この傘は彼らが出会った時に使っていたものじゃ……あの雨の中で結ばれた縁は、今でも彼らを繋ぎ止めている。われは……この傘を利用してあの雨を再現する。長い時を経て再現された雨が、きっと彼らを再会させてくれるじゃろう!」 【真次郎】 「うう……頭が痛い……あの雨……」【謎の紙人形】 「彼の懐から妖気が漏れ出てきた。」【縁結神】 「さっきの縁の力を宿した雨のせいじゃろうか?」真次郎が悶えていると、一枚の紙切れが彼の懐から舞い落ちた。【縁結神】 「これは……御札か?」【謎の紙人形】 「妖気はここから漂っていたようだ。」【織霞】 「同じ町に住んでいる者として、私が彼のお世話をしますから、ご心配なく。」【縁結神】 「ありがとう!じゃがこの御札の妖気は……一体どういうことじゃ……」 【縁結神】 「もう行くのか?」【一反木綿】 「他にもすることがあるからね。あの子にお礼を言っておいて頂戴。」【縁結神】 「で、一反木綿はどうしてここに来たのじゃ?そしてこれからどこに行くのじゃ?」【一反木綿】 「ここに来たのは、もちろん織雪を守るためよ。そして織雪を守るために、これから妖鬼が跋扈し、死闘を繰り返す場所に行って、取引をするの。一緒に来てくれる?」【縁結神】 「あ……誘ってくれてありがとう!残念じゃが、他の仕事があるのでな!」【謎の紙人形】 「……逃げ足が速いな。」【縁結神】 「お主には理解できぬ。これは人の世を生きていくのに必要な特技じゃ。」 【縁結神】 「えへへ……娘の力を目にしたら、十兵衛さんはきっと態度を改めるじゃろう!あ……」【謎の紙人形】 「……どうやら、喧嘩しているようだ。」【万結】 「どうして行かせてくれないの!ここにいても、あたしには何もできないじゃない!」【十兵衛】 「誰の入れ知恵か知らねえが、ふざけるな!お前はここに残るんだ!」【万結】 「陰陽師ならお母さんも守れた!人殺しのお父さんとは違うの!」【十兵衛】 「黙れ!」【万結】 「人殺し!人殺し!お母さんを殺した犯人め!!」親子を繋ぎ直した赤い糸が、縁結神の目の前でゆっくりと黒くなっていく。【縁結神】 「そんな……」縁結神の体の輪郭が、一瞬薄くなったように見えた。親子を繋ぎ直した赤い糸が、縁結神の目の前でゆっくりと黒くなっていく。【縁結神】 「そんな……」縁結神の体の輪郭が、一瞬薄くなったように見えた。 |
遅れた縁
遅れた縁ストーリー |
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頭を垂れる縁結神は神社の前で立ち尽くし、困惑しているようだ。【謎の紙人形】 「どうした?さっき万結と父親を結ぶ赤い糸が消えるのを止められなかったことを、まだ悔やんでいるのか?」【縁結神】 「そうじゃ……油断した。あの親子があそこまで複雑な問題を抱えているとは思っていなかった……父親が母親を殺していたとは……問題の核心を知ってしまった気がするぞ……あ!納棺師さん!もう大丈夫なのじゃな!?」【納棺師】 「ありがとう。あなたが思い出させてくれなければ、あの傘に宿る思い出を忘れてしまうところだった。」【縁結神】 「彼女を取り戻せたのは、お主の執念があってこそじゃろう。その執念を支えていたのは……」【納棺師】 「きっと……雨の中で彼女が見せてくれた笑顔だろう。」【縁結神】 「大事なのは素敵な思い出、か……そうじゃ、人々の記憶に美しい日々を残すのじゃ。大変な時ほど、思い出を頼りに大切な縁を守るのじゃ!」 【織霞】 「ああ、お嬢さんかい。どうしました、また温泉卵が食べたくなりましたか?」【縁結神】 「そういうわけではないのじゃが……」【謎の紙人形】 「一つください。」【縁結神】 「こら!えっと、織霞ばあさん、温泉……うえっ……卵、ありがとう。」【織霞】 「お嬢さん、ゆっくり食べなさい。喉に詰まったでしょう?水をどうぞ。」【縁結神】 「……おばあさん、聞きたいことがあるのじゃ。おばあさんが言っていた「主人」とは誰なのじゃ?」【織霞】 「あらあら、急に恥ずかしいことを聞いてきますね。」【縁結神】 「もし言いたくないようじゃったら……」【織霞】 「うちの主人は音に聞く美男子で、私は音に聞く美人でした。あの年の花火大会では、私は舞台の上で踊っていました。一方、打ち上げられた花火に照らされた彼は、人混みをかき分けて進んでいました……」【縁結神】 「お主らは一目惚れじゃったのか?」【織霞】 「いいえ。花火屋の店主が、私たちの仲立ちをしてくれました。」【縁結神】 「……そうじゃ、ご主人は今どこに?家を出たと聞いた気がするのじゃが。」【織霞】 「その通りです。荷物を背負って旅立ったあの日、彼は一月後に帰ると約束してくれましたが、結局四十年過ぎても帰ってきませんでした。私は見捨てられたと思いますか?いいえ、彼は私を見捨てはしないでしょう。きっと何かのせいで、帰れなくなったんだと思います。」【縁結神】 「おばあさん!こういうことはわれの得意分野じゃ!あとは任せて!織霞ばあさんの身にうっすらと赤い糸が見える。赤い糸が指し示すのは——広場のほうじゃ!」 【縁結神】 「万結、このうちわの持ち主を見ておらぬか?」【万結】 「何のうちわ?知らないよ。」【縁結神】 「……知らぬか。そうじゃ、十兵衛さんが早く帰ってくるように言っておったぞ。何だか焦っているようじゃった。」【万結】 「ふん、お父さんがいるから帰りたくないの。それより、最近妖怪が騒ぎを起こすことが前より多くなってるから、あたしは見回りに行ってくる。あ、そういえば。そのうちわの模様、温泉で見かけたことがある気がする。」 【縁結神】 「こんにちは、聞きたいことがあるのじゃが!」【真次郎】 「お客様!いらっしゃいませ。準備は全て整っていますよ。どうぞどうぞ。こちらはお客様にお配りしている上質な入浴剤です。」【縁結神】 「ちょっとちょっと、これ、カビが生えておらぬか!?」【真次郎】 「そしてこちらがうちの一番いい温泉です。」【縁結神】 「ちょっとちょっと!水がぐつぐつ沸騰しておるぞ!」【真次郎】 「そしてこの木のお盆は……ん?」【縁結神】 「このうちわ、お主のものじゃろう!」【真次郎】 「お客様、ありがとうございます。たしかに、ずっと探していたものです。」【縁結神】 「(ふー、やっと注意を逸らすことができた)このうちわ……恋人からもらったものじゃな?」【真次郎】 「お客様、さすがです。これは確かに、俺の恋人がくれたうちわです。彼女は……美しくて優しい人です。そしてうちわをあおぐ時には、屋外の木をも揺らしてしまうほど強い風を起こすのです。誰かが私をいじめると、彼女がすぐに助けてくれます。彼女は行動力があって、約束は必ず守るんです。妖怪たちも彼女に恐れをなしています。そして彼女は料理が……料理が……うーん、この記憶は何だか曖昧です。」【縁結神】 「ならば彼女の名前とか、姿は覚えておるか?」【真次郎】 「名前……何だっけ……?あ、お客様、もしよければ先に温泉に入ってください!気持ちいいですよ!」【縁結神】 「手厚くもてなされるのも大変じゃ!紙人形、一旦ここを出よう。」 【織霞】 「お嬢さん、おかえりなさい。」【縁結神】 「おばあさん、残念じゃが、ご主人を見つけることはできなかった……」【織霞】 「お気になさらず。縁があれば、また会えると信じています。」【縁結神】 「あれ?おばあさん、手に持っているのは何じゃ?」【織霞】 「これはね、むかしむかし、うちの主人のために用意した服なのです。帰ってきたら新しい服を着せてあげたかったのですが、すっかり古びてしまいました。もしかしたら今日会えるかもしれないと思って、この服を直してみたのですが。」【縁結神】 「これは、温泉旅館の服じゃろうか?」【織霞】 「ええ、一緒に温泉旅館を経営するのが私たちの夢なのです。彼が旅に出たのも、各地の温泉旅館を見学するためでした。でも出発してまもなく、消息が途絶えました。」【縁結神】 「……消息が途絶えた時、年齢はいくつくらいじゃった?」【織霞】 「二十五歳です……おじいさんになった彼の姿も見てみたいものですね。」【縁結神】 「紙人形、もしかしたらと思うことがある。じゃが、まだまだ証拠が足りぬ。」 【縁結神】 「おばあさん、彼がお主のご主人じゃ。」【織霞】 「こちらの若い方が、私の主人ですって?あらあら、お嬢さん、この老いぼれをからかわないでください。」【縁結神】 「真次郎さん、織霞さんは以前お主を守ってくれた、お主の最愛の妻じゃ。」【真次郎】 「しかし妻は俺と年が近く、美しくて優しい人だと、そう記憶しています……」【縁結神】 「実は四十年前に、真次郎さんはもう——亡くなっていたのじゃ。真次郎さんが妖気の漂う御札を持っていたことに気づくには気づいたが、われは力が弱まっているせいで、お主の正体を見抜けなかったのじゃ。お主らがわれに教えてくれた大切な人のこと、互いの年齢を除けば全て合致するのじゃ。つまるところ……真次郎さんは織霞さんに見送られてまもなく、旅の途中で不幸な事故に遭ったのじゃ。おそらく、通りすがりの大妖怪がお主を救い、お主を妖怪に変えたあと、この御札を用意してくれたのじゃろう。妖怪になると、人との縁は薄らいでゆく。人間だった時の記憶もたくさん失くしたのじゃろう。それでも愛する人を思うお主は、執念に突き動かされ、当時の願いを叶えるために温泉旅館を開いたのじゃ。じゃが、二人とももうあの時の姿ではなくなった。そして多くのことを忘れたのじゃ……」【真次郎】 「俺は……不幸な事故に……死んで……妖怪になった?」真次郎が辛そうに頭を抱え込む。」【謎の紙人形】 「まずい。彼が暴走し、悪妖になってしまうかもしれない!」【縁結神】 「早く全てを思い出させなければ!」縁結神が縁を結んでみたが、力が弱すぎるせいで、何も起こらなかった。【縁結神】 「う……」【謎の紙人形】 「これ以上神力を消費して強引に縁を結ぶのはやめろ。生死に隔てられた彼らの縁を結んでも、神力は得られない!」【縁結神】 「認められない縁がどうしたと言うのじゃ。世界が捨てた縁はわれが拾う。世界が容認してくれぬ縁は、われが守る!われは——縁結神なのじゃから!」縁結神の手のひらに光の玉が現れ、真次郎と織霞の縁が赤い糸によって結ばれた。真次郎が次第に正気を取り戻していく。 【真次郎】 「織霞、君だったんだね。長い旅をしていた気がする……まるで、夢を見ているようだった……どうしておばあちゃんの姿に?」【織霞】 「そうね、私はもうおばあちゃんになった。でもあなたはまだ若い姿のまま。一緒におじいちゃんとおばあちゃんになる願いは、もう叶わないみたい。おじいちゃんになったあなたも見てみたかった。きっと素敵でしょうね。」【真次郎】 「ごめん、君を長く待たせすぎた。」【織霞】 「いいえ。帰り道を見つけるのは大変だったでしょう?真次郎、これはあなたが旅から帰った時のために、用意した服よ。」【真次郎】 「やっぱり、君が作る服は俺にぴったりだ……」【縁結神】 「真次郎の体が!消えていく……」【謎の紙人形】 「……彼は執念があったからこそ、妖怪としてこの世に留まっていた。真相が分かり、執念がなくなった今、もうすぐ往生するはずだ。」【真次郎】 「ただいま、織霞。」【織霞】 「おかえりなさい、真次郎。」【真次郎】 「織霞、君に言ったことはなかったけど、あの日舞台の上で踊っていた君は、どんな花火よりもずっと綺麗だった……」真次郎の霊体は消えた。【縁結神】 「織霞ばあさん、大丈夫か?」【織霞】 「……ありがとう、お嬢さん。伊達に何十年も生きていませんよ。とっくに覚悟はできていました。真相を教えてくれてありがとう。彼は一度も私の側から離れず、ずっと約束を守ってくれていた。おや、雨が上がりましたね。」 【縁結神】 「大狐、大丈夫か?」【玉藻前】 「大切な何かを失くしてしまった気がする。……二度と失くしてはならないものなのに……」【縁結神】 「彼の霊体の気配がおかしい。一体どういうことじゃ……納棺師や織霞ばあさんと同じように、例え愛する者との俗縁を断たれても、これまで気づかなかった縁がまだ存在しているはずじゃが……思い出の品と思い出を使って、別れた者との縁を探し出すのじゃ。この方法なら、きっと大狐を助けられるはず!」縁結神は玉藻前と千代の縁が結ばれた時の思い出の品を見つけ出し、それに宿る思い出を神力で呼び起こそうとしている。【謎の紙人形】 「やめておけ。彼の執念は、納棺師のものとは違う。」玉藻前の強すぎる執念が、妖気を漂わせている。【縁結神】 「大狐!早く目を覚ますのじゃ!まずいぞ……大丈夫、われの神力でしばらくは妖気を抑えつけられるじゃろう。」【謎の紙人形】 「しかしこのままでは、君の霊体は跡形もなく消え去る。」【縁結神】 「じゃが……こんな姿の大狐を目にしたら、何かせずにはいられぬのじゃ。」【謎の紙人形】 「妖気はもう君の霊体を侵食し始めている。自分の精神を崩壊させるな。」【???】 「……われは……」【縁結神】 「だ……誰じゃ?何か言っておる……」【幻影縁結神】 「われは守る……全ての縁を……」【縁結神】 「あれは過去のわれ自身じゃ……どうしてここに?」【謎の紙人形】 「何だと?」 |
腐縁切り
腐縁切りストーリー |
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【幻影縁結神】 「われは……この世の縁を守るのじゃ。」【縁結神】 「紙人形、見たか?わ、われは、われの姿が見えた気がするのじゃが……」【謎の紙人形】 「……玉藻前の執念の影響を受け、君は自分の執念が見えるようになったんだ。目を覚ませ、全て幻にすぎない。」紙人形から放たれた光が縁結神の眉間に入り込み、執念の幻に囚われた彼女を呼び起こした。【縁結神】 「うう……もう一人のわれが消えた……大狐の妖気も弱まっておる!」【謎の紙人形】 「時に感情は判断を惑わす心火でしかない。こんな時こそ、冷静になるべきだ。」【縁結神】 「紙人形、その言い方、何だか懐かしい気がするのじゃが……」【謎の紙人形】 「今の私の力では、君たちを一時的に助けることしかできない。おそらく妖気の影響で、町の人々も執念を隠さなくなってきた。」【縁結神】 「よし!ならばこれを機にみなの執念を静めるのじゃ。そのあとでまた大狐を助ける方法を考える!」【謎の紙人形】 「人の心配よりも先に自分を心配しろ。」【縁結神】 「やっぱり!紙人形、裁縫屋で人が揉めているぞ!すごく揉めているのう。これは確認しないわけにはいかぬ……大狐、ここで休んでおれ。われはあっちに行ってくる!」 【十兵衛】 「丸一日探したんだぞ。こんな時間から、どこに行く気だ?」【万結】 「お父さんには関係ないでしょ、とにかくお父さんの側にいるのが嫌なの。」【十兵衛】 「今日はもう一歩も外に出るな。大人しく部屋に戻って反省しろ!」【万結】 「何よ?今さら親面しないでよ。十年前、あたしたちが困って時、お父さんはどこにいたの?お父さんがちゃんとしてたら……お母さんは死ななかった。家に残されたあたしとお母さんは、夜な夜な恐怖と戦ってた。お母さんがいくら頼んでも、お父さんは出かけていった。妖怪たちが家に侵入してきた時、誰も助けてくれなかった。お母さんが目の前で死んでいくのを、あたしはただ見ていることしかできなかった。お母さんは——お父さんのせいで死んだの!」【十兵衛】 「お前——!」十兵衛は万結に平手打ちをしようとしたが、縁結神に止められた。【縁結神】 「落ち着いて落ち着いて!話せば分かるはずじゃ!」拗ねた万結はくるっと振り返ると、その場から走り去った。しかししばらくして、近くから悲鳴が聞こえた。きゃ——!」【縁結神】 「万結じゃ!」 【縁結神】 「誰もおらぬ……何か落ちているぞ?」【十兵衛】 「万結が一番大切にしている匕首だ!」【縁結神】 「暴れた痕跡がある、おそらく万結は……」【謎の紙人形】 「どうした、何を見ている?」【縁結神】 「変じゃな……大狐も消えておる……」十兵衛は力が抜け、その場に膝をついた。【十兵衛】 「俺は……俺はもう、あの子を失うわけには……」【縁結神】 「十兵衛さん——」【謎の紙人形】 「また助けるのか?自分の存在を維持するだけで手一杯なのに、人の心配をしている場合か?」縁結神は目の前に立ちはだかる紙人形を弾き飛ばした。【縁結神】 「十兵衛さん!落ち着いて、われに方法があるのじゃ。」【十兵衛】 「万結がどこに連れ去られたのか、見つけられるか?」【縁結神】 「今やっておる……」縁結神は再び光の玉を集中させ、縁結びの鈴の導きを感じようとしている。【謎の紙人形】 「君はこの前言っていただろう、彼らの縁はすでに消えたって。」【縁結神】 「うむむ……確かに見えぬ……あれ?おかしな力が彼らの繋がりを維持しておる!もっと力が必要じゃ……「運命が授けし良縁、赤い糸ここにあり!」、どうかわれに、彼らの絆を見させてくれ!」体から力が溢れてきたが、縁結神の輪郭がまた少し薄くなった。【幻影縁結神】 「縁で繋がっている人々が一緒にいることができなければ、縁の糸はちぎれてしまう……なぜじゃ……われは縁を守れない……」【縁結神】 「……神力が弱まったせいか……執念の幻影がまた現れたな……」【幻影縁結神】 「縁で繋がっている人々は、寄り添うべきじゃ……」【縁結神】 「縁で繋がっている人々を守る……今度こそやってみせる……見えた!こっちじゃ!」【十兵衛】 「これを持っていけ。」【縁結神】 「これは……封妖の灯か?十兵衛さん、どうしてこんなものを持っておるのじゃ?」【十兵衛】 「それは……俺も昔、陰陽師だったからだ。」【縁結神】 「なんじゃと!?」 【万結】 「貴様ら……意趣返しに来るとはね……やっぱりこの前倒しておくべきだった!」【十兵衛】 「万結!」【縁結神】 「十兵衛さんが走っていったぞ!」【謎の紙人形】 「彼なら大丈夫だ。」【縁結神】 「だめじゃ、われらも力を貸さねば。」 【十兵衛】 「貴様……万結を放せ。」【縁結神】 「……みな、もうへとへとじゃ……」【妖怪】 「ひひひひ……死ね……死ね……ぐああ!」降魔杵を持って現れた織霞が妖怪を攻撃し、気絶させた。【織霞】 「こんなに大声で騒いで、迷惑ですよ!」【縁結神】 「お……織霞ばあさん。」【謎の紙人形】 「降魔杵の使い方、間違えてないか?」 【織霞】 「あらあら、万結、お嬢さん、十兵衛。みんなここにいたんですね。無事ですか?」【万結】 「ありがとう、あたし……」十兵衛が万結に駆け寄る。【十兵衛】 「万結、怪我はないか?」【万結】 「……」【十兵衛】 「万結、何か言ってくれ!」【万結】 「なんであんな無茶したのよ!あんな無茶して、もし……もし負けたらどうするの?」【十兵衛】 「さっき妖気に攻撃されていただろう。本当に怪我はねえのか?」【万結】 「おかしいな……誰かが側で守ってくれたみたい……あの時みたいに……」【縁結神】 「え?あの時とはいつのことじゃ?」縁結神はまた何かを感じた。【縁結神】 「あ……紙人形……感じるぞ!万結を守った霊体は、すぐ近くにいるのじゃ!霊体の正体が分かった……ならば、われが手伝ってあげよう!」神力が人知れず、縁結神が感知した霊体の中に入り込んだ。【縁結神】 「十兵衛さん!万結!彼女のために、互いに素直になるのじゃ!」【万結&十兵衛】 「彼女?」神力が霊体の中に入ると、ぼんやりとした光の輪が空中に現れた。【???】 「万結……十兵衛……」【十兵衛】 「この声は……妙子、お前なのか!?」【万結】 「お母さん?お母さんの声だ!」【妙子】 「精一杯……生きて……お互いを……支え合って……」【謎の紙人形】 「君はまだ神力を消耗して、この一家の縁を結ぶのか……生死で隔たれた縁を結んでも、何も得られないのに。」【縁結神】 「彼らの絆を感じられる間は、例え結べる縁の糸がなくても、われは見過ごすわけにはいかぬ。」【十兵衛】 「妙子、妙子、すまない!許してくれるか、全部俺が悪かった!」 【妙子】 「……十兵衛……私は誰も責めていないわ。あなたたちには幸せになってほしい……万結はもう大きくなったわ。そろそろ責任について学んでもいい頃よ。愛しい我が子よ。あなたには、もっと遠くまで進んでほしい。万結……愛してる……」【万結】 「お母さん!」宙に浮かぶ光の輪は消えた。【縁結神】 「消えてしもうた……われの神力が足りないせいか?それとも妙子さん自身が、この父娘が互いに素直になることを望んで消えたのじゃろうか……」【十兵衛】 「妙子……」【万結】 「お母さん、一体どういう意味……?」【縁結神】 「十兵衛さん、妙子さんの気持ちを無駄にするな。あの時の真相について話すのじゃ。」【十兵衛】 「……分かった。あの時俺は妖鬼狩りに夢中になっていて、平安京に名を轟かせる大陰陽師になることを夢見ていた。妙子たちが妖怪に襲われたと聞いて、急いで帰ってきたが……俺は妙子の遺体と、家に置いてあった、妖鬼を封印していたはずの、破壊された封妖の灯を見たんだ……」【万結】 「さっきお母さんが守ってくれた時に、思い出したことがあるの……あの日……誰かがずっとあたしに話しかけてた……この灯を点せば、お父さんが気づいて家に帰ってくるって。お父さん……あたし……あの時、あたしたちはお父さんに会いたかった。だから……」【十兵衛】 「灯の中に封印されていた妖鬼がお前の思いを利用し、封妖の灯を点せばいいと嘘をついたのか……万結……俺が悪かった。妖鬼は俺に復讐するためにお前たちを襲ったんだ……」【万結】 「お母さんが目の前で倒れたのを見たから、あたしはあの夜のことを忘れたのかな……」【十兵衛】 「いや……いつもお前の側にいた妙子の霊体が、お前が忘れることを望んでいたのかもしれない。」【縁結神】 「なんとか娘を守っても、生死によって隔たれているせいで、父娘の関係をもとに戻すことはできぬか……」【謎の紙人形】 「縁はもう断たれたからな、亡者は生者に干渉できない。」【万結】 「どうして……どうして教えてくれなかったの……」【十兵衛】 「無念を抱えて生きていくのは、俺一人で十分だ。」万結は父親に抱きつくと、十兵衛を抱きしめて泣いた。 【縁結神】 「三人は深い絆で結ばれているのに、死んでしまったせいで一緒にいることもできぬ。じゃが幸い、互いの気持ちを知ることができた!」【謎の紙人形】 「次は自分のことを考える番だよ。」【縁結神】 「まだじゃ、もう一つ重要なことが残っておる!万結は陰陽師になりたいと願っておる。彼女と千草の縁を、今なら続けることができる。今まで万結の縁の糸がずっと見つからなかった。でも父親とのわだかまりを解いたから、これからは前に進めるじゃろう。」 【十兵衛】 「これは……お前が大切にしていた手紙だ。お前には陰陽師と関わってほしくなかったから、俺が勝手に手紙を隠した。分かってる。千草という名の陰陽師と一緒に過ごした日々は、お前の人生で一番楽しい日々だったんだろう。手紙をよこしてくれた彼女は、お前に別の選択を与えたかったんだろう……だが今までは……俺はお前に、俺と同じ過ちを繰り返してほしくなかった。お前はお前の夢を追いかけた方がいい。」【万結】 「考えたことない?あたしが陰陽師になりたいのは、千草師匠の影響じゃない。お父さんの影響だよ。お母さんが死ぬまで、お父さんはすごく強い人だと思ってた……でも、結局あたしたちはお母さんを守れなかった。あたしは、いつか大切な人を守りたいと思ってる。あたし、もう子供じゃないよ……お父さん……」【十兵衛】 「万結……俺はずっと、お前はまだまだ子供だから、俺が必要だと思ってたんだ。今思えば、お前を必要としていたのは俺だったんだな……でももう大丈夫だ。」【縁結神】 「あ……われも同じじゃ……縁で繋がっている人々は……絶対に互いの側にいなければいけないわけではない……しかしわれは、人々を互いの側にいさせようとしておった。じゃから……」【十兵衛】 「本当に大切なものが、今ようやく見えてきた……万結、自由に自分の夢を追い求めればいい。」【謎の紙人形】 「おい、泣いてるのか?」【縁結神】 「うう……目に埃が入っただけじゃ……」【謎の紙人形】 「埃?確かに埃が舞うくらい強い風が吹いてるな。」周囲の雰囲気が一変した。不気味な妖気が吹き抜けると、町は一瞬で静まり返った。突然起きた異変に、一同は戸惑っている。 一同は不吉な気配から逃れるために、縁結神について神社にやってきた。神社から放たれる光の玉が、周囲を守る結界を張り、蔓延する妖気を食い止めている。【縁結神】 「ふー……幸い神社にはまだ神力が少し残っておる。おそらく妖気を防げるはずじゃ。」一同がほっとした時、妖火を漂わせた何者かが神社の外に現れた。【縁結神】 「あれは……お、大狐!?」 |
浮世縁結び
浮世縁結びストーリー |
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神社の近くで、不気味な人影が町に佇んでいる……【縁結神】 「あれは……大狐じゃ!だめじゃ……これ以上彼を放っておくわけにはいかぬ。」【謎の紙人形】 「このまま出ていくつもりじゃないだろうな?」【縁結神】 「十兵衛さんと万結のおかげで、われは、大狐を助ける方法が分かったのじゃ!あの時、われは神力を使って妙子さんの力を感じることができた。妙子があの父娘の関係を維持できていたのは、ある縁力のおかげかもしれぬ!もし神力を使って千代を感知することができれば、その縁力を見つけられるかもしれぬ。」【謎の紙人形】 「なけなしの神力で、どうやって感知する?」【縁結神】 「玉藻前の妖気はみなの執念を具現化させる。じゃが、妖気の中に入り込めば、彼自身の執念を見つけられるかもしれぬ。彼の執念の中に、きっと千代がいるじゃろう。彼が徹底的に心を閉ざす前に、千代との思い出を取り戻すのじゃ!」縁結神は町に漂う妖気の中に入っていく……一瞬にして、町の全ての気配は消え去った。まるで縁結神が全く違う世界に入り込んだかのようだ。【縁結神】 「紙人形、聞こえたぞ!」【???】 「……ねんねん、ころりよ…………良い子だから泣かないで……」【縁結神】 「これは……千代の声じゃ!われらを導いているようじゃ……声と妖気が残した痕跡を辿って進もう!」【謎の紙人形】 「どうして千代の声が聞こえるんだ?油断するな。」【縁結神】 「霊体たちが慌てているようじゃ。じゃが彼らの声がよりはっきり聞こえるようになったぞ……」【霊体】 「玉藻前……逢魔の原を守れない……子供たちの恐怖が見える……あなたが助けてくれるのを彼らはずっと待っていた……あなたは現れなかった……現れなかった……」【縁結神】 「これは……百目鬼の声じゃ。これは玉藻前の執念が発する声か?」【霊体】 「父さん……どうしていないの……愛花、怖いよ……大丈夫よ、羽衣、愛花がいるもの。父さん!父さん!!」【縁結神】 「羽衣と愛花じゃ!」【霊体】 「助けて……」【縁結神】 「われらに助けを求めているのか?」【霊体】 「私たちを助けてください……」【縁結神】 「この声……千代じゃ!ここで一体何があったのじゃ?」【霊体】 「私たちは……執念から生まれてきました。神社の神力によって自我を維持しています……偽りの負の幻境を打ち砕くのです。そうすれば、子供たちと一緒に玉藻前を助けることができます。」【縁結神】 「負の幻境を打ち砕くのです……」【霊体】 「羽衣と愛花と一緒にかくれんぼをしてください。かくれんぼは、以前彼と子供たちが大好きだった遊びです。でも、羽衣と愛花は怖がっていますから、簡単には見つけられないかもしれません。」【縁結神】 「気をつけねばならぬようじゃな……かくれんぼか……ならば……羽衣、愛花、われは目を閉じたぞ。これから探しに行くぞ——もういいかい——」【子供たち】 「もういいよ——」【縁結神】 「こ、ここかな——」子供たちの笑い声が縁結神の側を通り過ぎる。【縁結神】 「捕まえた!」縁結神は素早く動いたが、何も掴めなかった。ただ笑い声だけが聞こえる。【謎の紙人形】 「逃げられた。」【縁結神】 「千代の言う通りじゃ……このままじゃと、子供たちと一緒にここに閉じ込められてしまう。子供たちに姿を現してもらう方法はないじゃろうか……」【謎の紙人形】 「子供たちが危険な場所でかくれんぼをするのは、家族に見つけてほしいからじゃないのか?」【縁結神】 「え?なるほど、たしかにそのようじゃな……」【謎の紙人形】 「つまり、我々は危険ではないと子供たちに分かってもらえばいいんだ。」【縁結神】 「ならば、われはあれを持っておるが……羽衣と愛花が生まれたあと、玉藻前と千代は縁結神社で手に入れた赤い糸を切って、その半分を子供たちが使う竹笛に結びつけたのじゃ。われはそれを、思い出の品として取っておいた……神力を使って、竹笛で昔の調べを奏でれば、子供たちは姿を現してくれるじゃろうか?」【謎の紙人形】 「神力はもうほとんど残っていないだろう、やめておけ。」その言葉と共に、紙人形の体から出てきた光の玉が、竹笛に入っていく。【縁結神】 「紙人形!」【謎の紙人形】 「私が代わりに見つけてやる。以前大変な手間をかけて、この世である者を探したことがある。その時、私こそが彼女の唯一の救いなのだと考えていた。誰もいない雪谷で、鈴の音を辿って彼女を見つけた。あの時、彼女も私は彼女の救いだと考えていた。思い返せば、私は浮世で、何百年も探し続けた。そして彼女の鈴の音のおかげで、ようやく足を止めることができた。本当は、彼女こそが、私の救いだったんだ。」【縁結神】 「紙人形……いや……お主は……」【謎の紙人形】 「これ以上神力を使うな、今度は私がやる。縁結神、信者に見つけてもらうんだ。彼らの希望になりなさい。」その瞬間、紙人形が放つ光が全て竹笛の中に消えたかと思うと、竹笛の音が鳴り響いた。縁結神が紙人形を大切に手の上に乗せる。それに憑いていた力は、もう全て消えていた。【縁結神】 「……ここまで来たのに、なぜ祈祷の舞の会場にいる、彼女に会いに行かぬのじゃ?デカ氷、最後まで、お主は素直になれなかったのう。」笑い声の主はようやく隠れるのをやめた。小さくて温かい手が、縁結神の袖を掴んだ。がらんとした町で、玉藻前の妖力の影響を受け、縁結神の執念の呼び出す幻が再び現れた。【縁結神】 「われの執念がまた現れたか……切羽詰まったわれの願いから生まれてきたお主は、まだ人々の縁を守れなかったことに苛まれているのじゃろう……」【幻影縁結神】 「縁は……なぜ阻まれる?」【縁結神】 「はいはい、お主の悩みはよく分かるぞ、われの悩みでもあるのじゃからな。」【幻影縁結神】 「この世は、守れない縁で溢れかえっておる。願いが報われずに苦しんでいる人を見かける度に、心が痛む。」【縁結神】 「みなの側にいたい……もう少しだけ近くに……これでみなの願いを、守れるようになるのじゃろうか。」【幻影縁結神】 「初めて人の世に来た時、玉藻前と千代の旧縁の力を借りて、縁の糸を紡ぎ出す紡錘を作り直そうと試みた。」【縁結神】 「しかしわれの神力が足りなかったせいで、失敗したのじゃ……」【幻影縁結神】 「成功じゃ。」【縁結神】 「え?」執念の幻影から一筋の金色の光が溢れ出し、やがて錆びた紡錘へと姿を変えた。【幻影縁結神】 「これを使って人々を守り抜くつもりじゃった……今、これを使って玉藻前と千代の縁を結んだ調べを呼び起こすのじゃ。」【縁結神】 「どうしてこんな時に紡錘が……もうずっと消えておったのに。」【幻影縁結神】 「それはな、お主が人々のために祝福を紡ぎ出すという願いを一度も諦めなかったからじゃ。長い月日が過ぎてもその願いを諦めなかったから、お主とわれの縁が繋がったのじゃ。紡錘は必要とされた時に、お主の側に現れる。」記憶の幻影は、ゆっくりと消えた。【縁結神】 「これは過去からやってきた……われと最初の願いとの縁なのか?」【縁結神】 「大狐!待っておれ!だめじゃ……幻境がかき乱されておる……早く彼に千代を会わせねば。」縁結神は玉藻前と千代の笛を取り出した。【縁結神】 「デカ氷……われはみなの希望になる!」【千代】 「いいのよ、あなたはもう十分やったわ……」【玉藻前】 「私は君を、子供たちを守れなかった。」【千代】 「いいえ、守ってくれたわ。逢魔の原にいるあの子は雪走を持って、どこかを彷徨っている。瘴気からあの子たちを守った雪走の力が、あなたの妖力と共鳴して、あの子が誕生した時の記憶を呼び起こしてくれた。そしてあなたにも、みんなを守ろうとする百目鬼の決意を見せた。だから私たちの力を雪走に送ってあの子を守った、そうでしょう?心を落ち着かせて感じてみて。雪走が応えてくれる。見えたでしょう?」【玉藻前】 「雪童子は……安全な場所にたどり着いたんだな。」【千代】 「もういいの。羽衣と愛花、そして雪童子。子供たちはもう眠っているわ。」【玉藻前】 「月が昇ってきたよ、千代。」【千代】 「あなたの目に映り込む月色が、私にも見えたわ。とても綺麗ね。」【玉藻前】 「縁結神、その体……一体何をした!」【縁結神】 「今回は……もうだめかもしれぬ……」【玉藻前】 「早く神社に戻れ、今ならまだ間に……」【縁結神】 「大狐……もう遅いのじゃ……神力を全て……使い切ってしもうた……じゃが、最後にもう一つだけ、みなのためにしてあげられることがある。本当の縁を追い求めることができるように、人々に最後の祝福を与えるのじゃ。人の世に来たわれの最初の願い、それはみなの自由と夢を守ること……」縁結神は袖の中に隠した、縁結びの道具を握りしめる。【縁結神】 「われが持っておるのは、織霞ばあさんの……十兵衛さんの……納棺師さんの……そして大狐と千代の笛、全部みなの思い出を構成している大切なものじゃ。……みなが自分を取り戻すのを助けてくれた……縁を宿した、最も大切なものじゃ!それを、われはみなに返す!立ち止まらず、自分の希望を探しに行くのじゃ!悲しまないで……だって……別れは……」【玉藻前】 「……笛に残っている神力……まだ彼女のことを忘れていないのは、我々二人だけなのか?」【十兵衛】 「万結、近くのあの神社はなんだ?いつできた?」【万結】 「覚えてない……あたしは荷物をまとめて平安京に行ってくる、師匠が待ってるから!」【織霞】 「温泉卵、美味しい温泉卵ですよ。温泉旅館に持って行って、ゆっくりお召し上がりください。うーん……あそこはどんな神様の神社なのでしょう……変ですね……なぜでしょう……ここを通りかかるたびに、思わず足を止めてしまいます……」【万結】 「旅立つ前は、いつも神社にお参りしようと思うの。」【十兵衛】 「あたし、何か忘れてる?」【万結】 「そういえば、誰かが言ってくれた気がする。未来への希望を諦めないでって……」【織霞】 「……真次郎。真次郎が帰ってきた時、誰かが導いてくれていました……私たちが本当の記憶を取り戻せるように……」【十兵衛】 「妙子の声だ……誰かが俺と娘のために、妙子の声を取り戻してくれたんだ……」【万結】 「誰かが教えてくれた……ある神様が、あたしとお父さんを祝福してくれてるって……」【織霞】 「いつも温泉卵を食べに来る子が、いたような気がします……」【玉藻前】 「珍しい姿だな……」【願紡縁結神】 「えへへ……せっかく溢れ出るほどの神力を手に入れたのじゃ、もう少し楽しまないと!」【玉藻前】 「ほどほどにな……」【願紡縁結神】 「うんうん。以前われは、信者たちの信仰から神力を得ていたのじゃ。神力の源は、浮世で寄り添う人々の縁だけじゃった。」【玉藻前】 「じゃが、浮世の縁は断たれるもの。」【願紡縁結神】 「そう……寄り添う縁だけでは、脆すぎるのじゃ。このような乱世は、数々の縁をひきちぎる。われの神力も弱まってしまう。じゃからわれが神力をみなに返した時、われは本当に消えかけたはずじゃ……でもその後、みなのために結んだたくさんの縁が側に現れて、われを繋ぎ止めてくれたのじゃ。」【玉藻前】 「霊体は、もう大丈夫か?」【願紡縁結神】 「たぶん……もう大丈夫じゃ!今われの力を構築しているのは、われとこの世の人々との出会いの絆じゃ。とにかく!われの紡錘は、寄り添う縁以外の縁も紡ぎ出せるようになったのじゃ!たとえ縁の糸がちぎれたとしても、願いとか……思いとか……夢とか……みなを繋ぐ、そういうものも紡ぎ出せるのじゃ!じゃから……われは過去のわれに会い、みなと縁を結ぶことができた。」【玉藻前】 「過去の自分に会ったのか?」【願紡縁結神】 「えへへ、話せば長くなる!時間ができたら、それを説明するための話本を作ろうと思っておる!うんうん!われはとっくに見抜いておるぞ。実のところ、大狐は晴明のことが心配でしょうがないのじゃろう!」【玉藻前】 「……」【願紡縁結神】 「祈祷の舞の会場の状況も、そろそろ厳しくなる頃じゃろう。早く彼らを助けに行くのじゃ!」【縁結神】 「よいしょ!」【玉藻前】 「さっきの体、気に入っていなかったのか?」【縁結神】 「えへへ、みなと一緒にいる時は、やはりこっちのほうが便利なのじゃ!本物の神様はな、危機一髪で「ポン」と変身するのじゃ!信者たちよ、自由に前に進むがよい。お主らと世界との繋がりは!われが守るのじゃ!」 |
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