【陰陽師】赤狐の誘いストーリーまとめ【ネタバレ注意】
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『陰陽師』の赤狐の誘いイベントのストーリー(シナリオ/エピソード)「幻桜逸聞」と「片言の真偽(囁きの出会い)」をまとめて紹介。章ごとにストーリーをそれぞれ分けて記載しているので参考にどうぞ。
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虫が光に向かって飛び、小鳥が羽を休める。まるでこの世を震撼させたあの戦いは存在しなかったかのようだ。世界は以前と同じ平和を取り戻していた。多大な犠牲を払って守られたこの世界は、一段と大切なものに思える。温泉の温かい湯煙に包まれ、澄み渡る星空を見上げる晴明は、考えに耽っていた。過ぎ去った昨日は、もう変えようがない。目の前を横切った一枚の落ち葉のおかげで、晴明は現実に引き戻された。【小白】 「セイメイ様。」【晴明】 「……」【小白】 「セイメイ様?」【晴明】 「……小白か。」【小白】 「セイメイ様、ぼうっとされていましたが、お体の調子でも悪いんですか?」【晴明】 「いや、ちょっと今後の事を考えていただけだ。心配させてすまない。」【小白】 「今後の事ですか?よくわかりませんけど、平安京にはすごい陰陽師と妖怪がたくさんいますから、何が起きても大丈夫ですよ!」【晴明】 「ああ。「彼ら」がいなくなった世界は、私たちが守るしかない。」【小白】 「「彼ら」ですか?今日のセイメイ様、なんだか変ですよ。」【晴明】 「はは、小白はいつも通り元気いっぱいだな!」【八百比丘尼】 「晴明さん、小白、朝露で淹れたお茶と、手作りのお菓子です。」【小白】 「え!お菓子ですか?さすがは八百比丘尼様、なんでもできるんですね!」【八百比丘尼】 「ふふ、伊達に長い間一人で暮らしていたわけじゃないんですよ。」【小白】 「えへへ……」【晴明】 「八百比丘尼、ありがとう。」【八百比丘尼】 「近頃、人々は平和に暮らしています。晴明さんは一体何に悩んでいるのですか?」【晴明】 「かすかに漂う不吉な気配を感じた気がしたんだ……気のせいだといいのだが。」【八百比丘尼】 「どうでしょう、晴明さんの勘はよく当たりますし。でもあまり心配しすぎないでくださいね。今までも皆で力を合わせて、数々の危機を乗り越えてきたんですから。」【晴明】 「ああ、やはり八百比丘尼がいると安心するな。」【八百比丘尼】 「ふふ、褒め言葉として受け取っておきます。」【小白】 「このお菓子、すごく美味しいですよ!セイメイ様も食べてみてください!」【八百比丘尼】 「以前とある巫女の方に作り方を教わったんです。桜を使えば、もっと美味しくなるんですよ。でも残念ですが、今は桜が咲いていません。」【小白】 「そうだったんですか。じゃあ小白は春が来るのを楽しみにしています!」【神楽】 「晴明。」【源博雅】 「晴明!八百比丘尼!戻ったか!」【小白】 「ちょっと!どうして小白にだけ挨拶しないんですか?わざとですよね、博雅様!」【源博雅】 「はは。」【晴明】 「博雅、神楽、おかえり。修繕は順調に進んだか?」【神楽】 「うん、皆頑張ってるから、すぐ元通りになると思う。」【源博雅】 「だが盗人を捕まえられなかったのは惜しかった。変わった盗人だ。盗まれたのは祭りで使われる飾り物や食材だけで、値打ちのあるものは無事だった。」【犬神】 「晴明殿!」【晴明】 「犬神か、そんなに慌ててどうした?」【小白】 「また雀が消えたんですか?」【犬神】 「いいや!今回消えたのは、人間だ!」【晴明】 「人間?」【犬神】 「巫女たちだ!巫女たちが行方不明になったのだ!最初は、神社の巫女たちがいなくなったんだ。よく雀に餌をくれる、優しい巫女たちだった。それから、神楽舞を踊っていたごく普通の少女までもが霧の中に消えてしまった!皆で探しに探したが、結局誰一人見つけられなかった。それでわしは、晴明殿の力を借りるしかないと思ったのだ。」【晴明】 「放っておくわけにはいかないな。他に手がかりは?」【犬神】 「近くの妖怪たちにも話を聞いて見たが、雀の友達が言うには、霧の近くに狐が出没していたらしい。」【八百比丘尼】 「狐と巫女……聞いたことのある物語ですね。」【晴明】 「八百比丘尼、何か知っているのか?」【八百比丘尼】 「いいえ、ある知人のことを思い出しただけです。犬神さん、その狐がどこに行ったかご存知ですか?」【犬神】 「郊外の森に消えていったようだ。八百比丘尼殿も調査を手伝ってくれるのか?」【八百比丘尼】 「私も巫女ですから、彼女たちのことが心配です。」【神楽】 「私も行く。怪我した人がいるかも……狭間で起きたような事件はもう見たくないから。」【小白】 「じゃあ小白も行きますよ!相手が狐なんでしたら、話ができるかもしれません!」【源博雅】 「よし、皆は俺が守ってやる!」【晴明】 「犬神、案内を頼む。」【犬神】 「わしについてきてください!」【八百比丘尼】 「晴明さん、何日も調査していますけど、狐はおろか、動物は一匹も見かけませんでしたね。」【晴明】 「ああ、あまりにも不自然だ。普段なら、森にはたくさんの動物がいるはずだ。しかし今では鳥も獣も、他の場所に逃げている。」【八百比丘尼】 「博雅さんたちは何か見つけたでしょうか?」【晴明】 「手がかりを見つけたら、こっちに連絡がくるはずだが。」【小白】 「セイメイ様、八百比丘尼様、重要な手がかりを見つけました!」小白は細い毛のようなものを晴明に手渡した。【晴明】 「これは狐の毛だ……しかも妖力を帯びている。やはり犬神の情報は正しかった。」【八百比丘尼】 「さすが小白ですね。こんなに細い毛は、肉眼ではなかなか見つけられません。」【小白】 「えへへ、小白は臭覚が鋭いですから。」【八百比丘尼】 「しかし、この場所が正しいのなら、どうして狐たちは姿を見せないのでしょう?」【晴明】 「相手が何か気づいたか、あるいは……条件が足りないか。」【小白】 「巫女を狙っているのでしたら、八百比丘尼様がいることで条件は満たされているはずですが。」【八百比丘尼】 「おそらく何かが足りないのでしょう……犬神さんが仰っていた神楽舞でしょうか?」【晴明】 「八百比丘尼、まさか……」【八百比丘尼】 「そのまさかです、晴明さんたちは草むらにでも隠れていてください。」【晴明】 「無茶だ。」【八百比丘尼】 「真相を突き止めるためなら、少しくらいの無茶も必要です。たとえ予想外のことが起きても、皆で力を合わせればきっと解決できます。今までにも、何度も乗り越えてきてるんですから。」【晴明】 「分かった、八百比丘尼の覚悟を尊重しよう。その信頼は決して裏切らない。小白、行くぞ。」【小白】 「え?本当に八百比丘尼様を一人にしていいんですか?」【八百比丘尼】 「心配しないでください、私なら大丈夫です。」八百比丘尼は狐の隊列と共に霧の中に消えた。しばらくして、博雅たちが晴明のところに戻ってきた。【源博雅】 「晴明!さっき霧が出なかったか?」【小白】 「博雅様!神楽様!八百比丘尼様の臭いが消えてしまいました!どうしましょう!」【神楽】 「え?何があったの?」【小白】 「最初は、晴れていたのに雨が降ってきたんです!それから輿、虹、霧が現れて……あ!そうでした!八百比丘尼様は踊っていて……狐たちも踊っていました……」【源博雅】 「ちょっと待て、聞けば聞くほど分からなくなってきたぞ?」【晴明】 「私が説明しよう。八百比丘尼は狐を誘き出すために自らを囮にして、輿を担ぐ隊列と共に霧の中に消えたんだ。」【神楽】 「そんな!八百比丘尼は……」【晴明】 「焦ることはない。八百比丘尼が残した羽根が案内してくれる。これも計画のうちだ。行こう、八百比丘尼を待たせるわけにはいかない。」【三尾の狐】 「巫女様……もう会えないと思っていました。」【八百比丘尼】 「巫女様?」【三尾の狐】 「はい、昔からそう呼んでいましたが、もしかして……忘れてしまいましたか?」【八百比丘尼】 「(人違いをしているのでしょうか?悪気はないみたいですし、適当に合わせてあげましょう。)お久しぶりですね。あなたのことは……なんと呼べば?」【三尾の狐】 「真琴です、これは巫女様に付けていただいた名前です。」【八百比丘尼】 「真琴……」【三尾の狐】 「はい。わざと忘れた振りをしていたんですね?私を困らせるために……」【八百比丘尼】 「いいえ、この名前は知っていますよ。」【三尾の狐】 「やはり巫女様は忘れていなかったのですね。」【八百比丘尼】 「真琴、どうして私をここに連れて来たのですか?」【三尾の狐】 「そんなの決まっているじゃないですか、ここは私たちが出会った場所ですよ。これからここで永遠の日々を送りましょう。もう二度と離れなくてすむように。」【八百比丘尼】 「「永遠」……恐ろしい言葉ですね。」【三尾の狐】 「嫌ですか?」【八百比丘尼】 「私はただ、一つの場所で「永遠」を過ごすのはあまりにも惜しいと思います。」【三尾の狐】 「どうしてですか?ここは私たちだけの、世界一美しい楽園なのに。」【八百比丘尼】 「一緒にここを出て、広い世界を探索するのはどうでしょう?」【三尾の狐】 「外の世界は虚偽と悪意に満ちています。巫女様はお忘れですか……私たちが昔、どうやって引き裂かれたか。」【八百比丘尼】 「世界には平和な場所もたくさんありますよ、一緒に行けばきっと分かります。」【三尾の狐】 「今日の巫女様はなんだか変ですね。いつもなら、私の提案には絶対賛成してくださるのに。」【八百比丘尼】 「私はただ、他にもたくさんの……」【三尾の狐】 「巫女様!まさかあなたは、ここが世界一美しい楽園だとは思っていないのですか?」【八百比丘尼】 「!?(急に別人になったように……彼女の言う通りにしないと、さらにこじれてしまうかもしれませんね。)」八百比丘尼が対策を考えていると、危険な気配を漂わせていた三尾の狐は鋭い爪をもとに戻した。まるで何も起きなかったかのように、三尾の狐は出会った時の穏やかな彼女に戻った。【三尾の狐】 「あ……びっくりさせてしまいましたか?すみません、また巫女様を失うかもしれないと思うと……お見苦しいところをお見せしました。」【八百比丘尼】 「私のほうこそごめんなさい。もうここを出ようなんて言いませんから、安心してください。」【三尾の狐】 「いいえ、巫女様、遠慮なさらずに何でも言ってください。満開の桜を見た時のように、私の心は喜びに溢れているのです。ここで私はあなたを守り、全ての害悪から守ってさしあげます。だから、全ての悩みを忘れて、私の側に居てください。」【八百比丘尼】 「(優しい言葉に聞こえますが、これは脅しですね。)真琴、もしここが誰かに見つかってしまったらどうしましょう?」【三尾の狐】 「私が案内しない限り、誰もここには入れません。だからここにいれば、絶対に安全です。」【八百比丘尼】 「では以前ここに住んでいた人たちはどうなったのですか?聞きましたよ……他にも誘われた巫女がいるそうですね。」【三尾の狐】 「あら?一体どこでそんな話を?」【八百比丘尼】 「巷で噂になっていましたが、どうやら出鱈目のようですね。」【三尾の狐】 「もし本当だとしたら、巫女様はどうなさるおつもりですか?」【八百比丘尼】 「もちろん追い出すしかないでしょう!あなたが言った通り、ここは私たち二人だけの世界なのですから。」【三尾の狐】 「ふふ、噂なんかに耳を貸さないでください。ここには私たちと、不器用な狐たちしかいません。」【八百比丘尼】 「そうですか、それなら安心です。」【三尾の狐】 「巫女様ったら、他のことばかり聞いて。いい加減目の前のことに集中してください。」【八百比丘尼】 「うふふ、そうですね。私が一番気になるのは、やはり真琴のことです。」【三尾の狐】 「もう……本当にそう思ってくださっているのでしたらいいのですけど。」【八百比丘尼】 「会えなかった間に何があったのか、全て教えてください。」【三尾の狐】 「はい。話せば長くなりますが、時間はたっぷりありますから。」森の中、ある村人が九命猫に襲われている。【九命猫】 「ここに……近づくな……にゃん!!」【阿志】 「た、助けてくれえ!」【犬神】 「九命猫か?また悪事を!」【阿志】 「ま、まずい、妖怪がまた増えた!」【犬神】 「わしは人間を傷つけたりはせぬ!わしの後ろに隠れていなさい!」【九命猫】 「全員……追い出してやる……にゃー!うう……」【犬神】 「今度こそ逃さんぞ、覚悟するがいい!」【晴明】 「犬神、よせ!」【犬神】 「晴明殿!なぜ止めるのだ?」【晴明】 「待て、彼女はどうやら操られているようだ。」晴明が九命猫を浄化した。【九命猫】 「にゃ……にゃん!ここはどこにゃん?」【晴明】 「これでもう大丈夫だろう。」【九命猫】 「陰陽師?クソ犬もいるにゃん……ニャンに何をするつもりだにゃ?」【晴明】 「九命猫、お前に幻術をかけた者について、何か知らないか?」【九命猫】 「幻術……ニャンは近くで獲物を探していたら、急に気を失ったのにゃ。」【犬神】 「もっとちゃんと考えるんだ!」【九命猫】 「クソ犬!何か思い出したとしても、クソ犬には教えてやらにゃい!これ以上付き合ってられないにゃん!にゃはは!にゃー!」【犬神】 「待て!」【晴明】 「犬神、放っておけ。本当に何も覚えていないようだ。」【阿志】 「陰陽師様、俺は麓の住民です。助けていただきありがとうございます!」【晴明】 「なぜこんな山奥に?」【阿志】 「普段は狩りや薪割りをして生計を立てているのですが、最近、動物たちがいなくなってしまったんです!仕方なく山奥に入ってみたら、妖怪に襲われてしまいました。」【晴明】 「君はこの辺りのことには詳しいのだろう。山奥には何かが隠れているのか?」【阿志】 「何かが隠れている?廃れた神社しかないはずですが。」【晴明】 「神社か……」【小白】 「セイメイ様、神楽様たちがあっちでこれを見つけました!」【晴明】 「これは……桜の花びらか?」【阿志】 「あ!思い出しました!神社の近くに桜の木があるんです。しかし今の時期、桜が咲くはずはないんですが……」【晴明】 「全ての答えは桜の木にあるようだな。博雅と神楽と合流しよう。」【阿志】 「待ってください!お……俺はどうすれば?」【晴明】 「犬神、彼を家まで送り届けてやってくれないか?」【犬神】 「晴明殿の頼みであれば、喜んで協力しよう!」【阿志】 「え?妖に任せるんですか?」【犬神】 「無礼者!わしは晴明殿の式神だ、お主に危害を加える道理はない。」【阿志】 「すみませんでした!!」【晴明】 「妖も人と同じだ。もとの性は善だが、悪に染まることもある。妖への偏見を捨てるんだ。この世界は人間だけのものではない。」【阿志】 「は……はい。」三尾の狐は巫女のために美味しい露水と菓子を用意した。八百比丘尼はすぐにその菓子に反応した。【八百比丘尼】 「これは……桜のお菓子でしょうか?」【三尾の狐】 「巫女様も覚えていてくださったのですね。そうです、これは私たちが出会った時に、巫女様がくださったお菓子です。今回は巫女様に食べていただきます。さあ、口を開けてください。」【八百比丘尼】 「大丈夫です、自分で食べますよ。」【三尾の狐】 「遠慮しないでください。」【八百比丘尼】 「……ありがとう。」【三尾の狐】 「あら、お菓子のくずが巫女様の服の裾に。私が取ってさしあげましょう。」八百比丘尼の服にくっついていた菓子の欠片を取ると、三尾の狐は彼女の膝に頭を乗せた。穏やかに息をする彼女は、子猫のように大人しい。【八百比丘尼】 「どうしました?真琴。」【三尾の狐】 「このままずっと……巫女様の側にいたいです。」【八百比丘尼】 「真琴の髪からは、桜のようないい匂いがしますね。でも桜の花と同じで、近づかないと気づけません。」【三尾の狐】 「巫女様は昔褒めてくれました。私の髪は濡羽色で、とても綺麗だって。でも……もう以前とは違う色に……」【八百比丘尼】 「悲しむことはありませんよ。銀色に輝くこの髪は、夜空の星々よりも眩しく、とても美しいと思います。」【三尾の狐】 「巫女様、私にとって、巫女様は命の輝きをもたらしてくれた光そのものです。これからも私に輝きを分け与えてください。」【八百比丘尼】 「少し休みましょうか。起きたら一緒に神楽舞を踊りましょう。」【三尾の狐】 「はい……」【妖狐】 「三尾の狐様!大変です!あの……」【三尾の狐】 「何事かしら?巫女様がいらっしゃるのに、騒がしい!」【妖狐】 「あの……怪しい陰陽師たちが、何人か辺りをうろついています。」【三尾の狐】 「巫女様、少しだけ様子を見てきます。」【八百比丘尼】 「では私も……」【三尾の狐】 「いいえ、巫女様はここで待っていてください。」【八百比丘尼】 「(それもいいでしょう、ちょうどこの周囲を調べることができるかもしれません。)分かりました、気をつけるのですよ。」【三尾の狐】 「はい、帰る時はお土産を持ってきます。それと、一つだけ約束してください……桜の木には絶対に近づかないでください!」 |
霊狐の語らい
霊狐の語らいストーリー |
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行方不明になった巫女たちを探すため、八百比丘尼は自らを囮にして三尾の狐の幻境に入った……【妖狐】 「巫女様、これで一通り案内は終わりました。三尾の狐様がお戻りになるまで、何なりとお申し付けください。」【八百比丘尼】 「ありがとうございます。もしかして、私を見張るように命令されているのですか?」【妖狐】 「見張りだなんてそんなこと!巫女様もここの主ですから!」【八百比丘尼】 「でしたら、私に構う必要はありません。自分の仕事に戻ってください。」【妖狐】 「え!うるさかったでしょうか?すみません!静かにしますので!」【八百比丘尼】 「うるさくはありませんよ。ただ、ちょっと一人になりたいだけです。」【妖狐】 「それは……」【八百比丘尼】 「あなたが私の言うことを聞かなかったと真琴が知ったら、彼女は怒るかしら?」【妖狐】 「ええ?し、失礼します!」【八百比丘尼】 「(この空間は強力な幻境に覆われています。晴明さんたちはきっと心配なさっているでしょう。出口を探してみたほうがいいでしょうか。でも闇雲に突っ走るのもよくありませんし。)ふう……そこにいるのでしょう。ずっと後を追ってきたようですね。もう出てきても大丈夫ですよ。」【???】 「!?」【八百比丘尼】 「あら、子狐さんですか?こっちにいらっしゃい。」【小狐狸】 「あなたは、誰?」【八百比丘尼】 「私は……「巫女様」かしら。三尾の狐にはそう呼ばれています。」【小狐狸】 「違う……あなたは巫女様じゃない。彼女たちも……違う。」【八百比丘尼】 「彼女たち?色々と詳しいようですね……」【小狐狸】 「……」【八百比丘尼】 「怖がらなくても大丈夫です、美味しい桜のお菓子もありますよ。」【小狐狸】 「桜のお菓子!でも……人間は妖が嫌いじゃないの?」【八百比丘尼】 「妖が好きな人間もたくさんいます。それに、厳密に言えば私も妖なんですよ!」【小狐狸】 「あなたは全然……妖っぽくないけど……」【八百比丘尼】 「昔々、不老不死の妖怪ばばあと呼ばれたこともありました。」【小狐狸】 「あはは。桜のお菓子、一個くれる?」【八百比丘尼】 「はい、でも先に私の質問に答えてください。」【小狐狸】 「う……分かった。質問って?」【八百比丘尼】 「他の巫女たちは、今どこに?」【小狐狸】 「他の巫女たちは皆、桜の木のほうに連れて行かれた。」【八百比丘尼】 「桜の木……あそこには何が隠されているのでしょうか?」【小狐狸】 「行ったことないけど……とても恐ろしい場所だってことだけは知ってる。」【八百比丘尼】 「行ったことがないのに、どうして恐ろしい場所だと分かるのです?」【小狐狸】 「行ったことなくても分かるんだ……お菓子をくれないなら、もう行くよ。」【八百比丘尼】 「ふふ、どうぞ。」【小狐狸】 「わあ!」子狐は美味しそうにお菓子を食べ始めた。【八百比丘尼】 「子狐さん、あなたは昔からここに住んでいるのですか?」【小狐狸】 「ううん……もぐもぐ……最近来たばっかりだよ。」【八百比丘尼】 「では、どうしてここに?」【小狐狸】 「どうしてって?うーん……彼女についてここに来たんだ。」【八百比丘尼】 「三尾の狐に?」【小狐狸】 「うん……」【三尾の狐】 「巫女様。」【小狐狸】 「!?」三尾の狐が現れた時、子狐はもうどこかに消えていた。【三尾の狐】 「巫女様、よかった……まだここにいた。」【八百比丘尼】 「おかえりなさい、大丈夫でしたか?」【三尾の狐】 「怪しい侵入者が現れて、門番の妖怪たちは皆浄化されてしまいました。おそらく陰陽師なのでしょう。誘われていないのに無理矢理侵入してくるなんて、本当に無礼な連中です。心配しないでください、私がなんとかします。もう少し待っていてください。」【八百比丘尼】 「真琴、私にも手伝わせてください!」【三尾の狐】 「大丈夫です。言ったでしょう、巫女様は何もせずに待っていてください。」【八百比丘尼】 「……どうして、私がその巫女様で間違いないと確信できるのですか?」【三尾の狐】 「私の心は嘘をつきません。巫女様は少し心配しすぎですよ。互いを信じ合っていれば、どんな困難が待ち構えていようと、必ず乗り越えられます。だから、そんなことはもう聞かないでください。」【八百比丘尼】 「そうですね。あなたが私を選んでくれた以上、ここが私たちの居場所です。だから私もここを守ります!一人で全てを背負い込む必要はありません。もっと私を頼ってください。」【三尾の狐】 「そうは言っても、邪魔者は許せないけれど、巫女様が怪我するほうが私は嫌です。」【八百比丘尼】 「私に一つ考えがあります。「巫女の祝言」結界を強化しました、これで問題ないでしょう。つまらないことで悩んでいたら、せっかくの春の景色も無駄になってしまいます。お酒も用意できています、誰も邪魔しに来ませんよ。」【三尾の狐】 「ふふ、巫女様のお誘いを断るわけにはいきませんね。」【小狐狸】 「あの凶暴な三尾の狐が……酒に酔って寝てる……」【八百比丘尼】 「子狐さん?ずっとここにいたのですか?」【小狐狸】 「うん、ずっとここで隠れてたんだ。」【八百比丘尼】 「同じ狐なのに、彼女が怖いのですか?以前三尾の狐に襲われたことでも?」【小狐狸】 「ううん、彼女のことがあんまり好きじゃないだけ。」【八百比丘尼】 「ふふ、あまり好きではないのに、ずっと側にいるなんて、興味深いですね。」【小狐狸】 「……さっき、妖が好きな人間もたくさんいるって言ってたよね。それ、本当?」【八百比丘尼】 「ええ、私の周りにはたくさんいますよ。彼らは優しく勇敢で、美しい世界を守るために戦っています。これまでにも多くの妖を助けてきました。」【小狐狸】 「妖を助ける……」【八百比丘尼】 「ええ。もし会えたら、きっとあなたも友達になれるはずですよ。」【小狐狸】 「人間と……友達に?」【八百比丘尼】 「はい、ちょうど私たちみたいに。」【小狐狸】 「不老不死のばばあ、ついてきて。ここは危険だけど、出る方法を知ってるんだ。」【八百比丘尼】 「ふふ、ありがとう、でも今はまだだめです。私にはここでやるべきことがあります。幻想的な白昼夢なのに、気味悪い場所があるのですよ。調べてみないなんて、もったいないでしょう?」【小狐狸】 「……桜の木の下に行くつもり?」【八百比丘尼】 「子狐さん、この鳳凰の羽根を私の友人に渡してくれますか?妖に優しい人間がいるかどうか、ついでに確かめてきてください。」【小狐狸】 「……いいよ、お菓子のお礼に手伝ってあげる。」【八百比丘尼】 「きっと協力してくれると思っていました。この鳳凰の羽根は八百比丘尼に託されたものだと、彼らに伝えてください。」【小狐狸】 「不老不死のばばあって名前じゃなかったの?」【八百比丘尼】 「ふふ、友達なら相手をそんな風に呼んだりはしませんよ。」【小狐狸】 「じゃあ……八百比丘尼……私も八百比丘尼って呼んでいい?」【八百比丘尼】 「もちろんです。そういえば、あなたの名前もまだ聞いていませんでしたね。」【小狐狸】 「私は……真琴っていうの。」晴明たちは森のあちこちを調べたが、結局幻境の入口は見つからなかった……【源博雅】 「この場所……見覚えがあると思わないか?」【神楽】 「うん。ついさっき、ここを通った気がする。」【小白】 「え?もしかして元の場所に戻ってきたんですか?」【晴明】 「羽根の案内に従っている限り、道を間違えるはずはないのだが。この辺りには方向感覚を狂わせる幻術がかけられている。相手はこれ以上の深入りを許さないようだな。」【源博雅】 「我を失っている妖怪も増えてきた。このままだと無駄に力を消耗してしまう。」【神楽】 「八百比丘尼は……無事なの?」【小白】 「少し待っていてください!小白が様子を探ってきます!」小白は道を探すために、すぐに遠くに走って行った。【小白】 「ふー!小白がいるのに道に迷ってしまうなんて……情けないです!」【小狐狸】 「こん……」【小白】 「あれ!狐がいます!」【小狐狸】 「あの、あなたたちは……八百比丘尼のお友達?」【小白】 「はい!八百比丘尼様に会ったんですか?八百比丘尼様は今どこに?」【小狐狸】 「三尾の狐の幻境に囚われてる。これを友達に渡してって、彼女に頼まれたの。」子狐は鳳凰の羽根を小白に渡した。」【小白】 「これは確かに八百比丘尼様の鳳凰の羽根ですね!早くセイメイ様に渡さないと!子狐さん、一緒に来てください!」【小狐狸】 「ま、待って!」【小白】 「どうしたんですか?」【小狐狸】 「その……あなたは人間が怖くないの?」【小白】 「怖い?どうしてですか?確かに人間があまり好きじゃなかった時もありました……でも悪い連中は、セイメイ様が成敗してくれましたから!」【小狐狸】 「晴明?」【小白】 「はい、今の小白はセイメイ様の式神です!セイメイ様に生涯お仕えすると誓ったんです!」【小狐狸】 「もしいつか……追い出されたらどうするの?」【小白】 「え?そんなことはありえませんよ!小白とセイメイ様は互いを信頼していますし!ずっと側にいて、セイメイ様をお守りするんです!」【小狐狸】 「守る……」【小白】 「はい!子狐さんにも、守りたい人はいますか?」【小狐狸】 「いるよ!でも……人間は本当に、妖を受け入れてくれるの?」【小白】 「全ての人間が妖を嫌っているわけじゃないですから。一緒にセイメイ様に会いに行きましょう!自分の目で見れば分かりますよ!」小白は晴明に鳳凰の羽根を渡した。八百比丘尼が羽根の中に隠した情報を見つけた晴明は、考えに耽った。【神楽】 「晴明、何か手がかりはあった?」【晴明】 「これは八百比丘尼の鳳凰の羽根に間違いない。しかし彼女がいる場所に行くことは不可能だ。」【小白】 「え?じゃあ八百比丘尼様はどうしてそれを届けさせたんですか?」【晴明】 「まあ焦るな。八百比丘尼は正式な案内人を手配してくれた。」【小白】 「え?案内人って?」【晴明】 「子狐、名前は?」【小狐狸】 「……真琴。」【晴明】 「真琴、君は幻境に入る方法を知っているんだろう?」【小狐狸】 「幻境に入って何をするの?」【晴明】 「心配しなくていい。幻境に迷い込んだ人々を取り戻したいだけだ。別によくないことを企んでるわけじゃない。」【源博雅】 「こっちに来い、俺たちは悪いやつじゃないさ。」【小狐狸】 「……晴明としか話したくない。」【源博雅】 「なんでだよ!?」【神楽】 「お兄ちゃん、声が大きすぎるよ!」【晴明】 「すまないが、真琴と二人きりにしてくれないか。」【小白】 「わかりました!小白が博雅様と神楽様を離れたところに連れていきます!」【小狐狸】 「こん……小白は側にいてくれないの?」【小白】 「小白がいなくても大丈夫ですよ、セイメイ様はお優しいですから。」博雅は心配そうだったが、小白と神楽と共にその場から離れていった。【晴明】 「真琴、なぜ私を選んでくれたんだ?」【小狐狸】 「あなたの体から……狐の匂いがするから。」【晴明】 「そういうことか。君は少し勘違いをしているかもしれないが、私が狐の血を受け継いでいることは事実だ。」【小狐狸】 「人間たちを騙せるぐらいだから、あなたはきっととても強い妖なんだね。」【晴明】 「騙してはいない。友人には真摯に向き合うべきだ。」【小狐狸】 「真摯に?でも……」【晴明】 「君は迷っているのか?もしかしたら、私はその迷いに答えることができるかもしれない。」【小狐狸】 「晴明、あなたは完全な人間になりたいと思う?その……妖の血を引いていることに対して、嫌悪感を覚えたことはない?」【晴明】 「いや、私は狐の血を引いていることに感謝している。」【小狐狸】 「感謝?」【晴明】 「ああ。人間も狐も、花や日差し、雨を楽しむことができる。もちろん、他人と結んだ絆も大切なものだ。大切にしなければいけない。しかし、やはり最も大切なのは、自分との絆を守ることだ。」【小狐狸】 「自分との絆?」【晴明】 「そうだ。君の存在そのものが、世界をより美しくする。簡単に自分を嫌うべきではない。楽しい時は、自分のために歓声を上げる。悲しい時は、自分をそっと慰める。君はこの世界の一部で、八百比丘尼が私たちに贈った贈り物でもある。それを忘れないことだ。」【小狐狸】 「私が……贈り物なの?」【晴明】 「ああ、そうだ。」【小狐狸】 「……ありがとう、晴明。」 |
赤狐の怒り
赤狐の怒りストーリー |
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八百比丘尼に頼まれた子狐は、鳳凰の羽根を持って晴明に会いに行き、彼らを幻境の中に連れてきた……【小白】 「セイメイ様……ここ、変ですよ。体がぽかぽかして気持ちいいです……こんな場所は初めてです!」【晴明】 「光が溢れていて、幻と真の区別がつかない。なのに人を虜にする。ふっ、これは生半可な幻境ではないな。そもそも……幻境ではない可能性もある。」【小白】 「あ!あそこにこの前八百比丘尼様を乗せて消えた輿があります!」【神楽】 「行方不明になった巫女たちも、きっとここに連れてこられたのね……」【源博雅】 「神社のほうを確認してきたが、誰もいなかった。」【晴明】 「真琴、八百比丘尼とはここで別れたのか?」【小狐狸】 「うん、たぶん桜の木のほうにいると思う。ついてきて。」【神楽】 「うう……!」【源博雅】 「神楽!どうした?」【神楽】 「聞こえた……うるさい声がいっぱい……」【晴明】 「この辺り、怨念が漂っているな。」晴明が術を使うと、巫女の亡霊が現れた。【巫女亡魂】 「ごめんなさい……ごめんなさい……言われた通りにします……もう逃げたりしません……」【源博雅】 「亡霊だと!?」【晴明】 「あなたは三尾の狐にさらわれた巫女なのか?」【巫女亡魂】 「私が見えるんですか?どうか助けてください!!」【晴明】 「落ち着いて、まず何があったか教えてくれ。」【巫女亡魂】 「あの妖怪が……私のことを巫女様と言って……彼女を喜ばせることを言うように……おかしなことをさせられました……それから……やっぱり違うと言って……」【小白】 「話が見えませんね……」【小狐狸】 「こん……」【巫女亡魂】 「あなたたち……どうしてその狐を連れているの!?」【小白】 「失礼ですね!何がだめなんですか?」【巫女亡魂】 「あの狐、知ってる……彼女の側にいた……あなたたち……妖怪の一味だったのね!」【小狐狸】 「違うの……私はずっと、あなたたちを助けたかった。」【巫女亡魂】 「それなら、どうして隠れて見ているだけだったの?どうして彼女を止めなかったの!?」【小狐狸】 「力が足りなかったから……ごめんなさい。」【巫女亡魂】 「黙りなさい!あの妖怪に与えられた痛みをあなたも味わうがいい!」【源博雅】 「危ない!」子狐は攻撃を避ける暇もなく、恐怖で目を閉じた。もう一度目を開けると、そこには自分を庇って腕を怪我した博雅がいた。晴明はすぐさま往生の呪文を唱え、亡霊を浄化した。【神楽】 「お兄ちゃん……腕に傷が!」【源博雅】 「かすり傷だ、大したことない。」【小白】 「もし子狐が襲われていたら、大事になっていたかもしれませんね。」【小狐狸】 「人間が……妖の私を庇ってくれた。」【源博雅】 「人間にも妖にも、悪い者と優しい者がいる。重要なのは正義を貫くことだ!妖だの人間だの、いちいち口に出すことじゃねえよ。」【小狐狸】 「でも……この恩はどうやって返せばいいの?」【源博雅】 「お前な……恩返しされたいからお前を助けたと思っているのか?神楽、説明してやってくれ。」【神楽】 「やっぱりこういう時、お兄ちゃんはどうすればいいか分からないのね。」【小白】 「ああ見えて、博雅様は他の妖に笛の吹き方や弓道なんかを教えたこともあるんですよ!」【源博雅】 「うっせえよ!」【神楽】 「私……実は子狐としたいことがあるの。子狐、さっきのお返しに、あなたの頭をナデナデしてもいい?」【小狐狸】 「こん?それだけ?」【神楽】 「うん。ナデナデはすごく親密な行為だから、相手を信じてないとできないの!でも人間を信じるのは、子狐には難しいかな……嫌なら、無理しなくてもいいよ!」【小白】 「ナデナデされるのは、すごく気持ちいいんですよ!早く神楽様にナデナデしてもらってください!」【小狐狸】 「うーん……ど、どうぞ!」神楽は子狐の頭を優しくナデナデしてあげた。子狐は気持ちよさそうな鳴き声を出したが、急に恥ずかしくなって逃げ出した。【神楽】 「これで、もう友達だね。」【小狐狸】 「私も……人間と友達になれるの?」【晴明】 「さっき言ったはずだ。人間も妖も、他人を信用する前に、まずは自分を信用しないと。」【小狐狸】 「博雅……その傷、痛い?」【源博雅】 「これくらいどうってことない。一晩寝れば治るさ!気にすんな!」【晴明】 「やはりおかしいな、普通の亡霊なら博雅を傷つけられはしないはずだが。」【源博雅】 「はあ……油断したんだよ!」【晴明】 「幻境の力は歪で、三尾の狐の力以外にも何かが混じっている。この辺りの全てを再構築しているようだ……」【小白】 「まさかこの前セイメイ様が言ってた、不吉な気配ですか?」【晴明】 「真琴、君はずっと三尾の狐の側にいたんだろう。何か知らないか?例えば、幻境が構築される前に、怪しい人を見かけたりはしていないか?」【小狐狸】 「あれは雨の日だった……三尾の狐は泣いていて……辺りが急におかしくなった……闇の中から出てきたあの人は……傘をさして、雨に打たれる三尾の狐の上にかざした……私は遠くに隠れていて、何も見えなかったけど……烏の鳴き声が聞こえた!それから三尾の狐についてここに戻ってきたの。でも急に異変が起きて……」【晴明】 「烏……そして謎の人物……この地に起きた異変と今起きていることは、その人物と密接な関係がありそうだな。」【源博雅】 「とにかく、三尾の狐さえ見つければ、全ての謎が解けるはずだ!」【神楽】 「晴明……八百比丘尼が心配。早く探しに行こう!」【晴明】 「ああ、行くぞ。」墓石がずらりと立ち並ぶ桜林の中、八百比丘尼の目の前に現れた三尾の狐が、険しい眼差しで彼女を見つめている。【三尾の狐】 「巫女様、どうしてここに?」【八百比丘尼】 「酔いが回ってきたので静かなところで少し休もうと歩いていたら、いつの間にか桜の木の下に来てしまいました。」【三尾の狐】 「桜の木には近づかないようにと警告したのに……どうして守ってくれないのですか?」【八百比丘尼】 「では、これからここに私のお墓を建てますか?」【三尾の狐】 「それもいいかもしれません。彼女たちと同じように、あなたも私を裏切ったんですから。」【八百比丘尼】 「裏切る?そんな酷いことをした覚えはありませんが。私はもともと……彼女たちの運命に、かすかな希望を抱いていたくらいです。」【三尾の狐】 「私の許しがないのに強引に幻境を出るなんて、死に急ぐ人のすることです。忠告を聞かない方が悪いんです。巫女様は優しいですね。全く関わりのない人間にまで同情するなんて。」【八百比丘尼】 「私は彼女たちだけではなく、あなたにも希望を抱いていました。」【三尾の狐】 「ふふ、何を期待していたんですか?優しさと軟弱さですか?そんなもの、とっくに切り捨てました!彼女たちが私を裏切ったんです。私の側から逃げ出そうとして……代償を払って当然でしょう?」【八百比丘尼】 「その代償は、重すぎましたね。最初から他の人間に心を開いていないあなたが、裏切られたというのは辻褄が合わないのでは?あなたは自分を騙しているだけです。」【三尾の狐】 「真相を知った今、あなたはどうするつもりですか?これを見なかったことにして、愛しい巫女様であり続けるのか……それとも彼女たちのように……私を追い出し、傷つけ、離れていくのか……巫女様……あなたが永遠に咲き誇る桜を求めるのなら、私は桜を咲かせ続けます。生涯寄り添うことを求めるのなら、私は一歩も離れません。私のために、巫女様はきっと正しい選択をしてくださるのでしょう?」【八百比丘尼】 「理不尽な選択ですね。仮に逃げることを選んだら、恐らく幻境を彷徨い続けることになるのでしょう……とはいえ、善良な「巫女様」が、あなたが犯した罪を見過ごすはずがありません。結局あなたを満足させられる答えを出すことはできません。だから真実を知られないように、桜の木に近づくことを禁じているのでしょう。」【三尾の狐】 「ふふ、そこまで理解してくださっているのですね。逆にこっちがどうすればいいか分からなくなってきました。」【八百比丘尼】 「私が知っているあなたに、こんな残酷さはありませんでした。一体何があったのです?」【三尾の狐】 「まるで本当の私を知っているような言い方ですね。まだ巫女様のふりを続けるつもりですか?」【八百比丘尼】 「いいえ、彼女から直接聞きました。」【三尾の狐】 「嘘よ!巫女様はもう……でもいいの。あの人が教えてくれたんです。この幻境を構築し続ければ、本当の巫女様に会えるって!」【八百比丘尼】 「あの人とは?」【三尾の狐】 「あなたに教える必要はないわ。あなたも彼女たちのように、ここで永遠の眠りにつくのですから!!」【小白】 「八百比丘尼様!」【八百比丘尼】 「私は大丈夫です。でも、私を助けるために子狐さんが……」【神楽】 「ああ!子狐!」【三尾の狐】 「うう……」【源博雅】 「三尾の狐も怪我をしたようだが?」【晴明】 「八百比丘尼、やはり鳳凰の羽根で伝えてくれた推測は正しかったようだ。三尾の狐の変容は、子狐と関係がある。」【八百比丘尼】 「ええ、三尾の狐も子狐も「真琴」、つまり彼女たちは「互い」の一部なのです。」【小狐狸】 「八百比丘尼……無事で良かった……」【八百比丘尼】 「子狐さん……守ってくれてありがとう。」【三尾の狐】 「なぜ……あなたは、私の味方のはずなのに!」【小狐狸】 「違うの……皆は友達だから……」【三尾の狐】 「友達?騙されているに決まってるわ!よく見なさい、彼らはあなたを利用して私に深手を負わせたけど、あなたに利用価値がなくなったら、すぐに裏切るに決まってる!」【小白】 「そんなことしませんよ!」【小狐狸】 「八百比丘尼が言ったように……優しい人間も……本当にたくさんいるの……晴明は……自分を受け入れろと言ってくれた……博雅は……私を庇って怪我をした……そして神楽は……友達になってくれた……三尾の狐、分かるよ……今までの私と同じで、あなたは怖いんだと思う……だから牙を剥き出して、自分を誤魔化してる……でも……私は自分と真実に向き合う勇気をもらった……今は……その勇気をあなたに……」【三尾の狐】 「違う……そうじゃない!怖がってなんかいないわ!逃げてもいない!私が殺したのは万死に値する裏切り者だけ!ここは私の幻境よ!誰にも壊させない!それが例えあなたでも……例え私自身でも……許さない!」【源博雅】 「晴明、三尾の狐がますますやばくなってきたぞ!」【晴明】 「皆、彼女を落ち着かせるために力を貸してくれ!」【三尾の狐】 「どうして……皆裏切るの……どうして……夢を台無しにするの……」【晴明】 「三尾の狐、君と一緒に幻境を作ったのは一体誰だ?」【三尾の狐】 「幻境……うう……あああ!!」【小狐狸】 「晴明、八百比丘尼……彼女と一つになるから、私を三尾の狐の側に……」【晴明】 「三尾の狐の精神はまだ不安定な状態だ。一歩間違えれば、善の側面である君は呑み込まれてしまうぞ!」【小狐狸】 「いいの……皆から……自分に向き合う勇気をもらったから……本当の私を取り戻すの……」【八百比丘尼】 「晴明さんは覚悟を決めた人の意志を尊重してくださる方です。私も子狐と一緒に三尾の狐の精神世界に入るつもりですが、ご一緒しませんか?」【晴明】 「言われなくてもそのつもりだ。」【小狐狸】 「……あなたたちまで……閉じ込められてしまうかもしれない……」【八百比丘尼】 「危険に立ち向かおうとしている友達を、一人で行かせたりはしません。」【晴明】 「小白、神楽と博雅と一緒に三尾の狐の体を守ってくれ。」【源博雅】 「心配するな、俺がついてる!」【小白】 「セイメイ様、絶対に無事に帰ってきてくださいね!」【神楽】 「子狐、約束して。絶対に消えたりしないで!」【小狐狸】 「神楽……きっとまた会えるよ……そしたら……またナデナデしてね……」 |
帰りを待つ者
帰りを待つ者ストーリー |
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子狐は八百比丘尼を守るために傷を負った。皆で怒りに支配された三尾の狐を取り押さえたあと、晴明と八百比丘尼は三尾の狐の精神世界に入ると決めた……【八百比丘尼】 「子狐は消えました。三尾の狐の体内に戻ったのでしょう。」【晴明】 「三尾の狐の精神世界はまだ混乱に支配されている。奥に入って彼女の怨念を浄化しなければならない。」【八百比丘尼】 「たった一度の別れが、こんな悲劇を招いてしまうなんて。」【晴明】 「八百比丘尼、三尾の狐のことをよく知っているようだが。」【八百比丘尼】 「以前、「真琴」という名の巫女の霊に出会ったことがあります。青行燈さんに一時的に生を授けられた真琴は、この世を彷徨い、昔追い出した子狐を探していました。」【晴明】 「その子狐が、三尾の狐なのか?」【八百比丘尼】 「ええ。でもあの時、真琴の魂の炎は消えかかっていました。しばらく一緒に旅をしました。旅の途中で、桜のお菓子の作り方も教えてくれました。しかし残念ながら、命が尽きる直前になっても、彼女は会いたい人を見つけられませんでした。」【晴明】 「今回の事件を解決する糸口は、その神楽鈴にあるのだろう?神楽鈴には彼女の魂が宿っている。」【八百比丘尼】 「さすが晴明さんです、とっくにお気づきだったのですね。」【晴明】 「彼女たちの物語はまだ終わっていないようだな。」【八百比丘尼】 「ええ。消えかけた亡者の魂をなんとか維持していますが、神楽鈴を出ると巫女の魂はすぐに消えてしまうので、あまり時間がありません。「三尾の狐」と「子狐」が一つになった存在こそが、巫女が本当に会いたかった「真琴」です。私はここで彼女たちの再会を見届けます。その他のことは、晴明さんにお任せします。」【晴明】 「ああ、三尾の狐の精神世界には多くの記憶の欠片が隠されている。謎の人物に関する記憶も。存在しているのなら、必ず痕跡があるはずだ。私に任せてくれ。」【三尾の狐】 「ここ、すごく暗いわ……誰かいませんか……怖がらないで……悪い妖怪じゃないから……やはり……捨てられてしまったのね……このまま……でもいいか……誰も来なければ……誰も出ていかない……これが本当の私なのかもしれない……ずっと……私はたった一人で……眠い……」【「巫女」】 「真琴。」【三尾の狐】 「!?巫女様……本当にあなたなのですか?」【「巫女」】 「ええ、私よ。」【三尾の狐】 「本当に巫女様なのですね!巫女様は桜の木の下で眠っていると言われましたが、私は一度もそれを信じませんでした!どこに行ってらしたのですか……どうして会いに来てくれなかったのですか?」【「巫女」】 「ごめんね、長い間、あなたを待たせて。」【三尾の狐】 「もうどこにも行かないでください。どうしても行くというのなら、私を連れていってください!」【「巫女」】 「うん、もうどこにも行かないよ。」【三尾の狐】 「巫女様……私、頑張って妖気を隠したんです……人間らしく見えるように……」【「巫女」】 「欺瞞や懐疑は絆を断ち切り、大切な友達を、そして自分を傷つけてしまうから、疑いは最初から捨てなければいけない。」【三尾の狐】 「最初から……本当の姿を見せるのですか?でも、もし初対面で嫌われたら……」【「巫女」】 「他人の機嫌を取る必要はないわ。気に入られたかどうかなんて、考えなくてもいいの。私たちは一生のうちに多くの人と知り合うけれど、ほとんどの人とはそのまますれ違うだけ。だからこそ、自分の側にいてくれる人は、とても大切な人なのよ。」【三尾の狐】 「私は……どんな姿でもいいから……ただ巫女様に受け入れてほしかったんです。」【「巫女」】 「あなたのことは、とっくに受け入れてるわ。だから、あなたも早く自分を受け入れなさい。」【三尾の狐】 「はい!うう……ああ……頭が真っ白です。巫女様に聞いてほしいことがたくさんあるのに……」【「巫女」】 「いいのよ、時間はまだまだあるから。思い出したことからゆっくり話して。」【三尾の狐】 「はい。」【小白】 「セイメイ様、八百比丘尼様、やっと戻られましたか!」【神楽】 「子狐……」【三尾の狐】 「私よ、神楽。」三尾の狐は神楽に向かって頭を下げた。少し躊躇ったあと、神楽は爪先立ちになり、三尾の狐の頭をナデナデした。【神楽】 「よかった、自分を取り戻したのね!」【三尾の狐】 「八百比丘尼、ありがとう、巫女様を連れてきてくれて。」【八百比丘尼】 「お礼は結構ですよ。あなたも晴明さんたちを私の側に連れてきてくれましたから。」【晴明】 「三尾の狐、精神世界に現れたあの人物は一体何者だ?姿ははっきりと見えなかったが。」【三尾の狐】 「私もよく分かりません。あの雨の日以来、あの人は二度と現れなかったし、何の痕跡も残していかなかった。」【晴明】 「つまり、あなたはこの幻境を作る鍵でしかないのか……謎に包まれた彼の目的は、一体何だ?」【源博雅】 「皆!おかしいぞ!周囲が何かの力の影響を受けて変化している……」【三尾の狐】 「やはり桜の木を咲かせ続けることはできなかったみたいね……」今にも崩壊しようとしている幻境を見渡して、三尾の狐は悲しい表情を浮かべた。【三尾の狐】 「早くここから出ていって。」【八百比丘尼】 「あなたはどうするのです?」【三尾の狐】 「私はここに残ります。」【八百比丘尼】 「!?」【晴明】 「三尾の狐、幻境の外の世界には、より多くの可能性がある。」【小白】 「そうですよ、とにかく一緒に戻りましょう!」【神楽】 「子狐、一緒に神楽舞を踊ろう!」【三尾の狐】 「ありがとう、でも……私は昔、心をなくしてしまいました。その心は今でも、巫女様と出会った桜の木の下を彷徨っています。完全な自分になるためには、彼女の側に戻らなければなりません。行ってください、あなたたちはここにいるべきじゃない。」【八百比丘尼】 「三尾の狐!!」三尾の狐はありったけの妖力を使って結界を作り出し、皆を無理矢理幻境の外に送り出した。【三尾の狐】 「巫女様、あの別れの後、私は永遠に巫女様を失いました……どこにいようと、私の心はずっと囚われ続けています。今度はもう……離れません。」 |
片言の真偽ストーリー
迷い道
幻境 |
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【少女】 「あなたも出口を探しているの?諦めたほうがいいよ。どこに行っても最後は元の場所に戻るの。もう何度も試したわ。」【少女】 「ふふ、あなたの負けだけど、特別に教えてあげる。川の下手側を進むと、そう遠くない場所に出口があるよ。」 |
真相 |
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幻境に出口はないの。川の流れを辿っていくと、幻境の奥に迷い込んで、永遠に出られなくなる。 「出る」という考え自体が危険だよ。それよりも、まだ幻境の主の怒りを買っていないことに感謝しなくちゃ。 |
護衛
幻境 |
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【妖狐】 「心配しないでください、ここは幻境の守護者たちに守られていて、とても安全です。強い妖怪たちも、幻境の平和を守るために自ら進んで守護者になったのです。」【妖狐】 「皆、己の意志で護衛になった、これが真相です。三尾の狐様に惹かれるのに、理由が必要でしょうか?」 |
真相 |
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「己の意志」で護衛になったという妖怪たちは、もはや生きる屍といっても過言ではない。彼らは近づいてくる生き物を本能的に襲う。 理由を聞くことなく、休むこともなく、命が尽きるまで、自分に幻術をかけた主の命令を忠実に守り続ける… |
偽装
幻境 |
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【女の子】 「三尾の狐様のお客さん?えへへ、おもてなしするよ!何でも聞いて。幻境に関することなら、何でも知ってるから!」【女の子】 「あはは、あたしに興味あるの?別に隠すことなんてないけど。考えてみたら分かることだよ。あたしはずっとここに住んでるの。そりゃ詳しくもなるよ。」 |
真相 |
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女の子の頭に急に大きい耳が生えてきて、体毛が濃くなった。 「狐」の顔を隠しながら、女の子は尻尾を巻いて逃げた。 |
幸せ
幻境 |
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【巫女】 「棚に置かれている人形には、それぞれの物語があるの。そっと近づけば、人形の囁きが聞こえるかもしれないわ。はっきりとは聞こえないけれど、きっと服や首飾りの話、女の子が好きそうな話をしているでしょう。」【巫女】 「人形の本音が聞こえないみたいね。それもいいでしょう。あなたの目に映るあの子たちは、いつも幸せで美しい。」 |
真相 |
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人形は赤い涙を流した。その涙はあなたの手から腕へと拡散し、全身に広がろうとしている。 驚いて人形を落としてしまったが、顔がひび割れた人形は、歪んだ笑顔を浮かべた。 「ひひひ……やっと……自由に……」 |
神社
幻境 |
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【霊狐様】 「神社はとても大切な場所です。皆、毎日ここで神楽舞を練習しています。なんでかって?それはもちろん、神様に感謝を伝えるためですよ。神楽舞は神様に捧げる舞なんですから!」【霊狐様】 「臭いですか?それは定期的に神社の手入れをしているからですよ。最近は雨の日が多いので、塗料もなかなか乾かないんです!」 |
真相 |
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塗装が剥がれ落ち、神社の柱も壁にはひび割れがあります。壊れたものをもう一度組み立てたことは明らかです。 神様に捧げる舞を踊りながら、神社を「壊した」のは、もちろん三尾の狐です。 |
盗み食い
幻境 |
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【おばあさん】 「はあ、最近白い子狐がよくお菓子を盗み食いするせいで、本当に困っておるんじゃ!一番腹が立つのは、何もかもめちゃくちゃにする子狐に、わしらは何もできないことじゃ!」【おばあさん】 「狐は動きが早い。武士や狩人でも、ついて行けるかどうか分からぬほどじゃ。それに乱暴なことをしたら、子狐を傷つけてしまうかもしれんじゃろう?」 |
真相 |
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あの白い霊狐は自由に幻境を駆け巡ることができる。神出鬼没なのじゃ。 そもそもお菓子も子狐のために用意したものじゃから、誰も本気で怒ったりはせぬ。 三尾の赤狐と同じで、子狐も幻境の「主」なのじゃ。 |
黒い羽根
幻境 |
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【村民】 「たまに黒い羽根が舞い落ちてくるけど、どうやら鳥の羽根のようだ。でも、妙なことに、鳥を見たって言う人がいないんだ。きっと上空を飛んでいったんだと思うけど。」【村民】 「ひょっとしたら……空には幻境が存在しないのかもしれない。あまり複雑に考えないでおこう。だって空を飛んで確かめることなんてできないだろう?」 |
真相 |
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鳥は謎の人物と共に現れる。その人物はいつも闇の中に隠れていて、顔が見えない。 彼は一体誰なのか?何が目的なのか?詳しいことは……何も分からないんだ。 |
秘密
幻境 |
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【妖狐】 「身分が違う人たちは友達にはなれないと、以前誰かが言った。でも私からすれば、最も重要なのは真摯に向き合うこと。でも残念なことに、桜の木の下で始まった巫女と狐の物語は、やはり悲劇に終わった。」【妖狐】 「巫女は神様に仕えるという特別な使命を与えられた!生涯神様に仕えなければならない!この使命は、そう簡単には捨てられない。信仰に比べれば、狐との絆など……取るに足りないものにすぎない。これが理由だ!」 |
真相 |
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狐を追い払ったあと、巫女は自責と後悔の念を覚えた。しかし他の人間たちが彼女を拘束し、狐を捕らえることに協力しろと脅した。 人間たちは反抗的な巫女に怒った!そして、狐を守るために、巫女は一人で全てを背負った…… |
赤狐の誘いの攻略情報 | |
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