【陰陽師】千両万金ストーリーまとめ【ネタバレ注意】
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『陰陽師』の「千両万金」ベントのストーリー「別館秘話」をまとめて紹介。場所ごとのストーリーをそれぞれ分けて記載しているので参考にどうぞ。
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秘密の邸宅 |
正伝ストーリー
森の泉
森の泉ストーリー |
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季節は初夏。海風のない陸では、暑さが身にこたえる。しかし、道綱の地図に従って進むにつれて、次第に涼しくなっていく。湿気の多い山や森は霊力に満ちていて、空気も美味しい。【小白】 「セイメイ様、ここでしょうか?」「猫川別館」という文字が刻まれた石碑が立っている。石碑の後ろには山道が続いている。例の温泉旅館は、山の中にあるようだ。【八百比丘尼】 「ここは居心地がいいですね。この地の温泉旅館が人気を博したのも、当然の成り行きでしょう。」【晴明】 「ここに来るまで、誰ともすれ違わなかった。道綱が言うには、別館は毎日受け入れる客数に上限を設けているらしい。だから貴賓の証であるこの手形をくれたんだ。」藤原家のものであるはずだが、手形を取り出す時、藤原道綱はなぜか渋っていた。【神楽】 「「猫川別館」の主人は気難しい人だって、藤原道綱は言ってた。」【小白】 「ここが悪徳店だと言わんばかりですね。普通の温泉旅館の主人は藤原家の情報屋になったりしませんもんね!」【神楽】 「でも、悪徳店なんかじゃない気がする……博雅お兄ちゃん、大丈夫かな。」昨日の夜、庭院。【博雅】 「やっぱり藤原道綱の口車に乗るべきじゃなかった。厳島の件であいつの「理想」をそれなりに理解したつもりだったが、目的を成し遂げるためなら、あいつは手段を選ばない。」【晴明】 「彼は藤原本家と仲がいいわけではない。藤原家はやましいことさえなければ、我々に危害を加えたりはしないはずだ。もし藤原家が本当に源平合戦の秘密を隠しているなら……」【八百比丘尼】 「彼が紹介してくれた人が、何を考えているのかは分かりませんね。」【晴明】 「我々がここに来ることを、彼はすでに旅館の主に話したはずだ。」【博雅】 「何かを隠しているのなら、晴明を警戒するはずだ——だが一人客なら、あまり警戒されないかもな。二手に分かれるのはどうだ?俺が最初に行く。晴明たちは一日遅れて来ればいい。」【神楽】 「お兄ちゃん、一人で行くの?」【博雅】 「心配するな、少し変装すればいい。旅館は人が大勢いる、闇雲に仕掛けてきたりはしないだろう。」【晴明】 「……わかった。もし何か起きたら、すぐに助けに行く。」【???】 「あら、奇遇ね。」考えにふけっていた一同が、突然声をかけられて振り向くと、そこには懐かしい三人の姿があった。【小白】 「縁結神様、鈴彦姫様、それに御饌津様!お久しぶりです!」【御饌津】 「お久しぶり。あなたたちも温泉に?」【晴明】 「ああ。やはりこの温泉旅館は人気のようだな。鈴彦姫様の住む場所は、ここからは大分離れているだろう。」【鈴彦姫】 「これから、雪山一族は新しい世界に触れて生きていくんだ。皆の代わりにあちこち見て回るのは当然さ。それに住む場所が変わったら、生計の立て方も変わる。こういう時は、専門家に話を聞かないと。」【神楽】 「専門家って……誰?」【小白】 「まさか縁結神様じゃないですよね……」【縁結神】 「ちょっとちょっと、その顔はなんじゃ、われを信用しておらぬのか?鈴彦姫が言っておるのはわれのことではない、われも勉強しに来たのじゃ。」【八百比丘尼】 「その口振り、専門家というのは、猫川別館の主人のことでしょうか?」【鈴彦姫】 「その通り。実はあたしたちはもう何日も泊まっていて、今日出ていくところだった。そこであんたたちに出くわしたんだ。」【縁結神】 「本当に素晴らしい講座じゃった。講座を受けるだけで儲かる方法が分かるのじゃ。しかも料金は1000勾玉とお手頃でな。勉強になったぞ!」【神楽】 「ここに来るまでに、商売上手な人だとは聞いていたけど……本当に商売上手な人が、儲かる方法を他人に教えるかな?」【小白】 「縁結神様、騙されていませんか?」【鈴彦姫】 「違うよ、みんな旅館の主人のことを勘違いしてる。ここの温泉に入れば、絶対に悪い人じゃないって分かるよ。それに、雪山一族にも商売の話を持ちかけてきた。彼に……何とかっていうのを与えてほしいって……」【縁結神】 「「独占販売権」じゃ!ちゃんと記録してあるぞ。」【鈴彦姫】 「そうそう!別館に雪国の特産品を預けて販売する。その代わり、私たちには永遠に暖かい泉をくれるって。」【小白】 「そんな不思議なものが、本当にあるのでしょうか……それに泉をくれるって、具体的にどうやるんですか?」【鈴彦姫】 「雪国は遠すぎるから、六ヶ月ごとに別館の主人の力で泉を活性化させるって。ちょうどその頃、私も彼にもう一度会いに来て、えっと……の相談を……」【御饌津】 「「今後の事業展開」。」【鈴彦姫】 「それだ!彼はちゃんと計画を立てて行動していて、頼りになる!」【小白】 「……何が「永遠に暖かい泉」ですか!やっぱり騙されたんですよ!」【御饌津】 「百聞は一見にしかず。実際に会いに行ってみては?」【縁結神】 「とにかく、われらにとっては非常に勉強になった。これから早速新しい事業を始めるんじゃ。」【鈴彦姫】 「——それでは、失礼!」三人は嬉しそうに手を振って別れを告げると、慌ただしく山を下っていった。【小白】 「本当に大丈夫なんでしょうか?」【神楽】 「うーん、縁結神様はちょっと頼りないし、鈴彦姫様は大雑把すぎるかもしれないけど、御饌津様のことは信じていいと思う。」【晴明】 「どの道、実際に会いに行くしかないな。」晴明たちはまた歩き出した。道中には、自然の趣のある景色が広がっている。山道を進んでいくが、不思議と疲れを感じない。ふと気がつくと、突然視界が開けて、旅館の扉が目に飛び込んできた。【小白】 「あれ、意外と質素なんですね。」【八百比丘尼】 「寛ぐための宿ですから、派手に飾るより、伝統を感じられる上品な装飾にするべきでしょう。細部までこだわりがあって、旅館を大切にしている気持ちが伝わってきます。」【???(小判)】 「これはこれは、遠路はるばるご足労いただきありがとうございます!」声と共に、一匹の猫が壁の側から姿を現した。青と白の猫は、尻尾を煙のように揺らしている。晴明たちを一通り観察すると、猫は晴明をじっと見つめた。」【???(小判)】 「青い服に、長い帽子……旦那様から聞いています、あなたが晴明様ですね!」一同は顔を見合わせる。晴明は頷くと、藤原道綱から渡された手形を取り出した。【小判】 「小判と申します、どうぞこちらへ。旦那様がお茶やお菓子を用意してお待ちしております。」 |
富の川原
富の川原ストーリー |
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一行は小判に案内され、ししおどしのある庭を通り、綺麗に掃除された廊下を進んでいく。ここは空気が湿っているが、居心地は悪くない。むしろひんやりとした空気に触れることで、涼しく感じられる。【神楽】 「ここ……猫がいっぱいいる。」庭や廊下の至る所に猫がいる。代償さまざまな猫は、座ったり立ったり、眠ったり遊んだりしている。猫好きにとって、ここは楽園と言っても過言ではないだろう。【小判】 「ふふ、これも猫川別館の特色の一つですよ。まあ、可愛くて言葉が喋れて接客もできる猫は、一握りしかいませんけどね。」【???(猫川)】 「小判、自慢はそこまでです。今はお客様をもてなすのが仕事でしょう。」晴明たち一行は、綺麗な和室の前で歩みを止めた。それを聞いて、小判が傍に行く。猫に囲まれあぐらをかいていた主人が、居住まいを正す。【猫川】 「平安京の大陰陽師、晴明様ですね。わざわざお越しいただき、誠にありがとうございます。こちらのお席へどうぞ。私は別館の主人、猫川と申します。」晴明たちが席についたのを見て、猫川が軽く手を振る。すると空っぽだった湯呑みは、温かいお茶でいっぱいになった。晴明が扇子を広げ、猫川に微笑みかける。【晴明】 「待たせてしまったようで、申し訳ない。道綱がすでに話を通しておいてくれたようだが。」【猫川】 「——やれやれ、晴明様ったら、せっかちですね。猫川別館は心身を癒す寛ぎの場です。血なまぐさい昔話にしか興味がないご様子ですが、もったいないとは思いませんか?道綱様から、皆様を手厚くもてなすようにと言われております。皆様には、最高の体験を提供しましょう。」猫川の周囲にいる猫のうち一匹が突如机に飛び上がり、気だるそうにあくびをする。それを見て、猫川は優しくあごを撫でてやる。【猫川】 「別館の猫たちと同じ……最高の体験をね。」猫川はそう言うと、ぼんやりしている神楽を一瞥した。何か気になるものを見つけたように、神楽は廊下の隅をじっと見つめている。【晴明】 「いいだろう、ちょうど聞きたいこともある。」【猫川】 「どうぞ何なりと。」【晴明】 「ここに来る途中で、友人たちに出くわした。一人はここで商売の講座を受けられると言い、もう一人は排他的な商売の話を持ちかけられたと言って……」【猫川】 「待ってください。晴明様、排他的な商売とは人聞きが悪いですよ。」【八百比丘尼】 「そうですか?「独占販売権」とは全てを猫川別館に委ねるという意味でしょう。それは排他的な商売ではありませんか?」【猫川】 「勘違いです。本当は期間の限られた、公正な取引です。六ヶ月の間、猫川別館は新しい特産品を販売することができます。同時に、鈴彦姫様は人気を集めることができるのです。」【神楽】 「それで、六ヶ月後には……「今後の事業展開」についてまた話し合うの?」【猫川】 「神楽様は理解が早いですね。その通り、その時鈴彦姫様は自由に商売相手を選択できます。もちろん、こちらとて協力関係を続けられる自信はありますがね。それに、契約がちゃんと履行されるよう、「平安商会」に立ち会いと記録をお願いしています。」【小白】 「……「平安商会」って、なんですか?」【猫川】 「商人でない皆様は、ご存知ないかもしれませんね。「平安商会」は平安京最大の商人の組合です。会長はお馴染みの、あの有名な「神秘商人」ですよ——」突然廊下が賑やかになり、猫の鳴き声と落ち着きのない話し声が別館の静けさを破った。よく聞いてみると、聞いたことのある声が二つ混ざっているようだ。【磁器蛙】 「会長様!詭弁を聞いてくれゲロ——違う、説明を聞いてくれゲロ!これは偶然なんだゲロ——」【神秘商人】 「ああ、たまたま裏小路に入って賭博を開いただけだな。魂をかけたのも偶然にすぎない、と。」【磁器蛙】 「それは…それは……この前、鉄鼠も大陰陽師晴明の名を騙り、世界を救うために50勾玉が必要だと言って金持ちから金を騙し取っていたゲロ!」【神秘商人】 「——だから罰金を課された。集めた金も寄付され、平安京の貧しい人々を助ける資金となった。」【磁器蛙】 「鉄鼠は元々みんなを助けるためにお金を募集していたゲロ。そんなの全然罰にならないゲロ!会長様……」和室にいる一同が、申し合わせたかのように一斉にお茶をすする。【小白】 「いい人ですね……」【晴明】 「別館ではこういう場面に出くわすこともあるのか、運命とは不思議なものだな。」猫川が意味ありげな笑みを浮かべ、何かを言おうとした時、一匹の猫が突然廊下を走り抜け、和室に入ってきた…………次の瞬間、猫は猫川の懐に飛び込んだ。【神秘商人】 「すまない、少しの間隠れさせてくれ。気にせず話を続けるといい。」【神楽】 「待って、つまり……」【小白】 「神秘商人の正体は猫なんですか!?本当に猫になっていますけど!ということは……」【神楽】 「平安商会の真の支配者は……」【小白】 「神秘商人に商品を提供しているのも……」【猫川】 「落ち着いてください!よく考えてみれば、別におかしなことではないはずですよ。販売権の申請と審査を一手に引き受けるわけにはいかないでしょう。商会の評価と名誉を守るためには、仕方がないことなのです。」【小白】 「結局全てを一手に引き受けているのと同じじゃないですか!」【猫川】 「いえいえ、それは違いますよ。私は商売することが好きですが、その醍醐味は人々の所持金を全て奪うことではありません。富とは水のようなものです。水が湧き出る泉を源流に持つ川は、決して干からびません。私は皆様の事業拡大を、喜んで手伝います。そうすれば、私としてもお客様を失わずにすむでしょう?」【小白】 「一理ありますね……」【猫川】 「それに、私がこの子に商品を提供しているわけではありません。藤原家は各地に店を構えており、帳簿の確認のため店を訪問する際に、新しい商品を試すことができます。もし売れそうなものがあれば……」【神秘商人】 「こほん、先に温泉に入ってみませんか?別館では御と呼んでください……今後の神秘な商店のために、話を打ち切らせていただきます!」御の強い要望により、本題には一切触れずに話は打ち切られた。手形を持った晴明たちに対して、猫川は温泉付きの部屋二室を含む最高級の体験を提供してくれた。【八百比丘尼】 「実際に体験してみて、この前鈴彦姫が言っていたことは正しかったのだと思いました。」【神楽】 「言っていたこと?」【八百比丘尼】 「ここの温泉に入れば、絶対に悪い人じゃないって分かるよ。」温泉には大量の湯気が立ち込めている。そのせいで、神楽には八百比丘尼のぼんやりとした姿しか見えない。温泉に浸かると、ここ数日の疲れが一気に解消され、重かった体が軽くなったような気がする。【神楽】 「あれこれとお茶を濁すのはいかにも悪徳商人だけど……実際にやっているのは、悪いことじゃない気がする。」頭に手拭いを乗せ、神楽は地面に伏すような姿勢で考えにふける。【神楽】 「今日は一日中、お兄ちゃんに会えなかった。晴明たちはあっちで会えたかな。でも、私、見たの。」八百比丘尼は決して神楽の話を無視したりしないが、なぜか何も言わない。 |
夢現
夢現ストーリー |
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【神楽】 「八百……比丘尼……?」湯気がますます濃くなっていく。少女が言おうとした言葉は、やがて白い霧に呑み込まれてしまった。【???】 「……にゃー?」目を開けると、神楽は自分と八百比丘尼に割り当てられた部屋にいた。神楽は畳の上でぐっすり寝ていた。目が覚めると、しっかり休んだおかげで体の調子が良くなったことを実感できた。今までの悩みがすっかり消え、頭もすっきりしている。ずっと解決できなかった問題に、前向きに向き合う自信が湧いてくる。【神楽】 「これも温泉の効果かな?不思議……でも、温泉に入ってからのことは何も思い出せない。長風呂してのぼせちゃったのかな。」立ち昇る湯気の中で、記憶は途切れている。最後に聞いた声は、猫の鳴き声だったような気がする。【猫】 「にゃ――」【神楽】 「えっ、本当に猫がいる。」勝手に部屋に入ってきた猫を撫でたあと、神楽は猫が咥えていた紙切れを手に取った。紙切れには八百比丘尼の字で「猫についてきて」と書いてある。猫に案内され、入り組んだ廊下をいくつも抜けた後、神楽は猫の浮世絵が描かれた引き戸を開けた。昨日招待され、茶を飲んだ時の和室とは趣が異なる。どうやらここは帳場のようだ。奥帳場に立つ猫川の後ろに置かれた格子棚には、沢山の巻物が収納されている。晴明、小白、八百比丘尼の三人が、その横で神楽を待っていた。【猫川】 「全員揃いましたね。それでは早速本題に入り、皆様の目的について話し合いましょう。」【小白】 「わかりました。どこから話せばいいですか?」【猫川】 「まずは今回の宿泊代です。」【小白】 「え……!?」【猫川】 「会計を済ませたお客様だけが、秘密の記された巻物を購入できる決まりです。」【八百比丘尼】 「それはいいのですが、先ほど請求書を確認したら、一晩しか泊まっていないはずなのに、宿泊代は二晩で計算されていたのですが……」それを聞いた猫川は、怪訝な表情を浮かべた。【猫川】 「やれやれ、すっかり忘れてしまったんですか?温泉に入った日の後、もう一晩お泊まりになられたんですよ。まさかとは思いますが、宿泊代を踏み倒すおつもりですか?」【小白】 「ちょっとちょっと、勝手なこと言わないでください。小白たちはそんなことしませんよ!」【神楽】 「やっぱり気のせいじゃなかった……昨夜温泉に入っていたら、意識を失ったの。」【八百比丘尼】 「それについては、どう説明するつもりですか?」【猫川】 「温泉の癒やし効果により、皆様はぐっすり眠っていたのです。それを逆に非難するなんて、さすがにどうかと思いますよ。とにかく、宿泊代を払う意思がないのでしたら、こちらもそれなりの方法をとらせていただきます。」猫川は棚の中から晴明たち四人の名前が書かれた巻物を取り出した。【猫川】 「この四つの巻物には、皆様の秘密が記されています。代金を払う意思がないということでしたら、本店の商品として取り扱うことになります。」【八百比丘尼】 「一度中身を見せていただけませんか?あなたのはったりかもしれませんから。」【猫川】 「信じるかどうかは、お客様次第です。ですが、情報屋は信用が一番です。私が有名な情報屋であることは、もちろんご存知ですよね。」【八百比丘尼】 「うふふ……つまり、偽の情報でも、猫川別館から流されたとなると、本当だと思われるということですね。」【神楽】 「待って!あそこにあるのは……お兄ちゃんの巻物?」神楽の視線をたどっていくと、そこには源博雅と書かれた巻物があった。【八百比丘尼】 「どうやら、博雅さんは潜入に成功したようですね。ですがやはり見つかってしまった。まあ、知り合ってからたった一日で、別館のご主人が私たちの秘密を盾に脅してきていることを考えれば……無理もありませんね。」【小白】 「むむ……やっぱり悪徳店でしたね!博雅様に一体何をしたんですか!」【猫川】 「猫川別館は人気で、お客様には困っていませんし、本店はお客様を引き留めたりしませんよ。あの方はここにはいません。」【神楽】 「本当のことを教えてくれないなら、私たちも「それなりの方法をとる」よ。」その時、ずっと黙っていた晴明が扇子をしまい、神楽をやんわりと止めた。【晴明】 「悪ふざけはそこまでだ。そろそろ本当のことを教えてくれてもいいだろう。暴力沙汰にでもなれば、営業に支障をきたすのではないか?」 |
暁の真相
ストーリー |
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昨夜、猫川別館。 昼間とは打って変わって、夜の別館は全く違う世界のようだ。静けさに包み込まれ、灯も消えた夜、月明かりと蛍の光だけが廊下に弱々しい光を投げかけている。晴明はある曲がり角で足を止めた。【晴明】 「もうこんな時間だが、まだ休まないのか?」話しかけられた男が振り返り、晴明に微笑みかける。懐に抱えられた御も頭を下げてお辞儀をする。【猫川】 「昼間は仕事ばかりで、夜になってようやく時間ができるので、このまま眠るのはもったいないと感じてしまうのです。そういう晴明様こそ、まだ起きていらっしゃるのですか?いやはや、これは大変失礼しました。温泉の癒やし効果が弱まり、晴明様の不安を拭って安らかな眠りをもたらすことができなかったのかもしれません。」【晴明】 「むしろ逆だ。私が出てきたのは、不安に思ったからではない。さっき小白が部屋に戻るのを見た。猫の姿ではなく、狐の姿の小白だ。それで安心できた。神楽も八百比丘尼も、もう人間の姿に戻ったのだろう?」晴明の質問に答える代わりに、猫川は意味ありげな笑みを浮かべた。【猫川】 「その口振り、最初から、元の姿に戻れると信じていたようですね。」【晴明】 「もし温泉に入ったが最後、永遠に猫にされる運命なのだとしたら、ここは平安京で有名な保養地ではなく、夏の怪談の舞台のはずだ。……私は特に水の影響を拒んだわけではなかったが、猫にはならなかった。それで、二つ分かったことがある。一つ、水がもたらす影響は制御できる。今日一日、別館を見て回っていたら……たまたま別館の主人の秘密を見つけた。」【小白】 「ええ!?小白も猫にされたんですか!?」【八百比丘尼】 「なるほど。猫で有名な猫川別館に、頻繁に新しい猫が現れるのは、前日の宿泊客が猫にされたからでしたか。」【神楽】 「お客さんは、猫にされて別館で一日働く。その後、記憶を失う。そして一日分多く宿泊代を払わなきゃいけない。」【八百比丘尼】 「なんというか、やはり商売上手ですね。」【神楽】 「それで、私たちも丸一日働いたの?」【八百比丘尼】 「給料を払わないだけでなく、追加の宿泊代まで請求するなんて、さすがに感心できませんね。」【猫川】 「こほん、少し誤解されているようですね。猫になったお客様は、猫としての生活を満喫するだけでいいのです。食べたければ食べ、寝たければ寝る。かまってほしければ、他のお客様が喜んで遊んでくれます。憂いも悩みもない一日を過ごし、心身を癒すことができるのです。こんなに素晴らしい体験ができるのに給料だなんて、話が良すぎるでしょう?」【小白】 「でも、その手は何度も使うわけにはいきませんよね。使えば使うほど、見抜かれやすくなりませんか?」【猫川】 「そうなんですよ。ですから実は、生涯に一度だけ体験できるかどうかということになります。それに、全員が体験できるわけではありません。もちろん、すでに真相を見抜かれた皆様でしたら、何度体験していただいても結構ですよ。」【八百比丘尼】 「ふふ、お気持ちだけで十分です。」【小白】 「うまいこと言っていますけど、可愛い猫になるかどうかで相手を選んでいるんじゃないですか?ひょっとして、機嫌を損ねたら、猫にされて、永遠に別館に閉じ込められたり……うーん、そんなことしませんよね?」猫川はただ微笑むだけだった。そこまで聞いて、神楽は突然悟った——【神楽】 「分かった。あの日見た猫……やっぱり博雅お兄ちゃんだったんだ。多分、私たちが猫になっていた頃に、お会計を済ませて出て行ったはず。お兄ちゃんは請求書に文句をつけたりしないはず……でも、どうしてここにお兄ちゃんの巻物が?」手をこまぬき、ただ微笑むだけの猫川を、晴明は一瞥する。【晴明】 「それは……猫川別館のもう一つの商売に関係している。」【猫川】 「分かったことが二つあるとおっしゃいましたね。二つ目も教えていただけませんか?」【晴明】 「二つ目は、君は私と二人きりで話したいことがある。そしてそれは、道綱に言われた件ではない。」猫川は小さく頷き、笑みをこぼす。 |
」【猫川】 「正直に言うと、晴明様は私の想像以上に鋭いお方でした。」【晴明】 「いや、私がこれに気づけたのは、友人が重要なことを教えてくれたからだ。」【猫川】 「……博雅様のことですか?」【晴明】 「残念なことに、厳島の件以来、彼は藤原家に嫌われてしまった。簡単に変装したぐらいで、誤魔化し通せるわけがない。なのに君は彼を別館に入れ、もてなしてくれた。君が道綱と付き合いがあり、藤原家で重要な役割を担っていることを考えれば、一つの推測ができる。」晴明は一歩前に出ると、猫川をまっすぐに見つめた。【晴明】 「藤原家では今……意見が分かれているのかもしれない。」猫川は御を一瞥したが、御は「やっぱりこうなった」とでも言いたげな表情を見せると、すぐにそっぽを向いた。【猫川】 「ははは……大胆な推測ですね。」【晴明】 「せっかく手がかりをもらった以上、無駄にするわけにはいかない。」猫川が手振りで「どうぞ」と伝える。二人は肩を並べて静寂に包まれた廊下をゆっくりと歩き始めた。夕風になびく帳がひんやりとした霧を漂わせる。晴明は手を差し伸べて帳に触れようとしたが、その手には湿り気だけが残った。【晴明】 「実は、もう一つ気になっていることがある。霧、お茶、温泉……人の心が読めるようになるまで、どれぐらいの水気を接触させる必要があるんだ?」軽薄な笑みが消え、猫川が真面目な表情を見せる。彼の半身は夜の影に溶け込んでいるが、その瞳は月明かりを宿して光っている。猫川はゆっくりと、厳しい声音で警告する。しかし晴明は動じることなく、続きを口にする。【晴明】 「いくつか噂は耳にしていた。君が商売で一度も失敗したことがないとか、物の本当の価値を見抜くとか。それは才能、あるいは年の功だと人々は言った……温泉旅館と藤原家の情報屋を掛け持ちしていることに気づける者は、ほとんどいないだろう。」【猫川】 「ですが晴明様となると、話は別ですよね。」【晴明】 「——友人のおかげだ。猫にされた彼が、たまたま我々が話している最中に紛れ込んできた。そこには彼の妹もいた。神楽を見て、いくらか正気を取り戻した彼は、猫になった時に見た不思議な光景を忘れなかった。」【猫川】 「彼は見たのか……「猫川」を。」【晴明】 「ああ。それが小判の正体であり、温泉の源流でもあるのだろう?猫川は川という形には収まらない。君が自由に操ることのできる……魔力を持った水の流れだ。さっきも言ったが、水がもたらす影響は制御できる。もちろん、人を猫にすること以外にもできることはあるのだろう。」小さくため息をつき、猫川は誤魔化すのをやめた。彼の眉間が光り出したかと思うと、そこに色鮮やかな第三の目が出現した。それと同時に、周囲の水気が一箇所に集い、可愛らしい小判とは全く違った、妖しい獣の姿になった。」【小判?】 「……ご主人様、本当に彼を信じていいのですか?」【神秘商人】 「聞くだけ無駄だ。俺もとっくに忠告してる。」【猫川】 「ご覧の通りです、晴明様。第三の目が開く時、全ての物事の価値が分かるのです。とはいえ、数字なんかが見えるわけではありません……人々の心の声が聞こえるのです。感情や思考、ひいてはその個体まで、一時的に「猫川」と溶け合います。隠された秘密を見ることも、「溶けた」個体に新しい形を与えることもできます。このことを、もし何か企んでいる人——そうですね、例えば藤原家を巣食う影にでも知られたら……無事では済みません。」人に意味を与えるまで、秘密はただの秘密でしかない。秘密を守るのに、最も適した方法は別の真相で隠すことだ。【猫川】 「お客様を猫にすることも、情報屋を掛け持ちすることも、もちろん個人の趣味でもありますが、秘密を隠すためでもあるのです。」【晴明】 「心が読める、間違いなく希少で危険な能力だ。それを商売のためだけに使うのは、人によっては宝の持ち腐れだと思うだろう。まあ、君は楽しんでいるようだが。」【猫川】 「ご安心ください。猫好きであることは本当ですし、この別館も私の自慢の事業です。私が本当に興味があるのは、商売そのものなのです。他のことには、あまり興味がありません。お金だけでなく、人の思いも物事に価値をつけることができます。その人の求めているものが分かれば、何にお金を使うかも自ずと分かります。食料のために働く人。家を建てるお金が欲しくて各地を巡る旅商人。」晴明は小さく頷く。【晴明】 「つまり、金は媒介でしかなく…… 市場に流通しているのは実際のところ、欲望なのか。君は人が求めているものが分かるから、彼らを満足させ、相応の代金を得ることができる。」【猫川】 「その通りです、晴明様。取引とは、双方の願いを叶えることです。私は富を得て、相手は満足を得る。これほど面白い遊びは他にないでしょう。」【晴明】 「とはいえ、価値をつけられないものもあるのではないか?思い出だったり、真心だったり。」【猫川】 「ごもっともです。ですが、そのことを理解している人は、取引ではそれを求めません。取引の対象となった途端に……価値がついてしまいますから。」【晴明】 「では、君が私に会いに来たのは、取引をするためか。」【猫川】 「ふふ、やはり聡明なうえ、秘密が守れるお方ですね。商売相手として不足はありません。」何か言いたい様子の晴明だが、すでに冷静さを取り戻した猫川は、微笑みを浮かべている。【猫川】 「源博雅様が別館から持ち出した巻物には、例の件の詳細が記されています。とはいえ、本当かどうかも分からない記録を見るよりも、自分の目で確かめたいでしょう。晴明様、枷島に行ってください。今夜のことは絶対に口外しないと約束してくださるのでしたら、枷島の場所を示す羅針盤を差し上げます。」【晴明】 「枷島は藤原家の「禁足地」のはずだが。本当にいいのか?藤原家の不興を買ってしまわないか?藤原道綱が言っていた。本家の当主は病だと自称してはいるが、とても厄介な人物だそうだ。」【猫川】 「道綱様が?はは、確かにそうですね。あの方は今は力が強すぎます。昔が懐かしいぐらいです……とにかく、私のことはご心配なく。藤原家とは、晴明様が想像される以上に長い付き合いなので……そんなことにはなりません。」【晴明】 「……そうか、恩に着る。」【小白】 「なるほど、別館の宿泊客のことを調べて情報をまとめたあと、巻物を棚に置くんですね。」【八百比丘尼】 「温泉旅館だけでなく、他にも藤原家の様々な事業に関わっているなんて。」【神楽】 「平安商会もそうだし、本当にすごいね。」【小白】 「それで、商売を通して手に入れた情報は、全ての店で共有すると……つまり、人の好みとか、全部分かるってことですか?まずいですよ、セイメイ様。小白も学んでみたいです……縁結神様たちが受けた講座というのは、きっとこれのことですよ!」【猫川】 「うーん、基本的には同じですが、あの時はもう少し具体的な話をしたかもしれません。縁結神様は既にご自身で商売の本質を見抜いておられました。あとは評判さえついてくれば、自然とうまくいきます。」【晴明】 「ふふ、小白も口車に乗せられやすいようだな。」【神楽】 「ねえ、お兄ちゃんももう情報を持って庭院に帰ってるし、私たちもそろそろ帰れる?」【猫川】 「神楽様はもうお帰りになりたいのですか?温泉旅館の主人として、少し自信を失いました。」【神楽】 「あのね、実は猫になった時に、どんなふうに感じるか知りたいの。今度は、記憶を消さないでくれる?」【猫川】 「お客様の要望には、お応えしますとも。ただし……まだ帰っていただくわけにはいきません。」【小白】 「あれ、まだ何か用ですか?」【猫川】 「たくさんお話ししましたが、まだお会計をされていませんよ。当旅館は掛け払いはできませんので、今ここで宿泊代をお支払いください。お支払い頂けなければ、皆様の巻物が商品にされますよ。」【小白】 「まだ諦めていなかったんですか!」【神楽】 「これが商売成功の秘訣なのかな。」 |
雑話ストーリー
授業
幻境 |
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【別館の客人】 「あんたも旅館の主から商売のコツを学びたいのか?大切な知識だ、簡単には教えてもらえない。まあ……方法はあるけどな。」【別館の客人】 「そこまで言うのなら、教えてやってもいいだろう。人の好意を無駄にするなよ。実は別館の主は密かに講座を開いているんだ。手元の別館金券を全部よこせば、場所を教えてやる。」 |
真相(猫川) |
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優秀な経営者が教える儲け話を信じてはいけないと言われています。本当に儲かる方法は誰にも教えないものだから、と。これは偏見ですね。経営に悪影響を及ぼさない限り、積極的に知識を分け合うべきだと思っています。だって、お客様が儲かるほど、別館の経営はうまくいきますから。お得意先様が仕事に詳しければ詳しいほど、取引も成立しやすいというものです。 おっと、言い忘れました。最近別館の名前を利用して講座を売りつける悪質な詐欺事件が発生しているようです。まあ、陰陽師様に限って騙される心配はありませんよね。 |
商売
幻境 |
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【別館の行商人】 「別館の主とは商売での付き合いがあるから、そこらの連中よりは詳しいよ。温泉旅館ってそんなに儲かる商売じゃないよな?だけど彼は巨万の富を築いた。おそらく別の商売を掛け持ちしているはずだ。」【別館の行商人】 「情報?秘密?何の話か分からないな。ここはただの温泉旅館だよ。まあ言ってみれば、一番の成功は藤原家を後ろ盾にしたことさ。違うかい?」 |
真相(藤原道綱) |
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温泉旅館はそんなに儲かる商売ではない、人はそう思っているでしょう。しかし猫川別館となると話は違います……私との商売だけでも随分儲かっているのですから!まあ、猫川が他の商売を掛け持ちしているのも事実です。例え、近頃平安京で大人気のかき氷屋やすき焼き屋、あれも実は彼の店なのですよ。 猫川別館は平安京での藤原家の重要な情報機関の一つです。それだけではなく、猫川は他にも、競売や、道館など……藤原家の様々な重要な商売に関わっています。本家の代表として帳簿の審査を任せられた私であっても、一部の帳簿は見ることすら許されません。 |
商会
幻境 |
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【鉄鼠】 「……その話は勘弁してくれ!神秘商人はもうこりごりや。何でも質問してええけど、案内はできひんで。」【鉄鼠】 「神秘商人はお客さんには愛想ええけど、わいには容赦ないんや。この前わいが集めた金は、平安商会の名義で全部没収されてしもた。全く、理不尽極まりないで!」 |
真相(神秘商人) |
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先日、鉄鼠は平安京で大陰陽師晴明の名を騙り、世界を救うための資金が必要だとかこつけて、金持ちから金を騙し取っていた。そんな悪質な詐欺事件、平安商会としては見過ごせないだろ。まあ主の判断で、個人的にはどうでもいいんだけどな。 貧しい人々を助けるためにやったことに免じて、厳しい罰は与えなかった。没収した金は晴明様の名で寄付してやった。鉄鼠からしても本望ってとこだろ。 |
秘密
幻境 |
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【磁器蛙】 「俺は長い間神秘商人を追っているゲロ。だけどいつも別館辺りで見失ってしまうゲロ……別館に入って探してくれるなら、知っていることを全部教えてやるゲロ。」【磁器蛙】 「俺が思うに、神秘商人はきっと、とんでもない大妖怪なんだゲロ。眼帯の下に隠された目は、特別な力を宿しているはずゲロ!でなきゃ毎度大切なものを見抜かれて没収されるわけがないゲロ……」 |
真相(神秘商人) |
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俺が実は主の飼い猫であることはあまり知られていない、神秘商人の名は伊達じゃないだろ。平安商会の真の支配者がバレるわけにはいかないのさ……こほん。 磁器蛙にとって重要なものを奪ったことなんかないぞ。あいつが大切にしていた麻雀の牌を何枚かもらっただけだ。そしてこの目だが……別に特別な力を宿してなんかいない。もう全部昔のことだ。 |
追跡
幻境 |
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【猫】 「あ、うん、言葉は話せるけど、別館の他の猫と一緒に遊んだりもするよ。あなたが知りたいことを知っているかどうかは、分からないけど。」【猫】 「博雅様に似た猫?冗談はやめてください。そんなのありえないよ。それに、今回博雅様は一緒に来られなかったんじゃ?」 |
真相(源博雅) |
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晴明、やっと別館から出てきたぞ!会計の時、温泉に入ってから丸一日寝ていたと旦那に言われた。何か大切なことを忘れてしまった気がするんだが……思い出したらすぐに連絡する。 そうだ、会計の時に、陳列棚に置かれている秘密の記された巻物を一つだけ買うことができるんだ。これが情報屋ってやつか?全く隠す気がないというか……縁結神や鈴彦姫、御饌津の名前が書かれた巻物も並んでいた!「源平合戦」と書かれた巻物を買ったから、お前が戻ってきたら一緒に見よう。 |
猫見分け
幻境 |
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【別館の客人】 「ああ、はい、別館の常連です。猫が好きなので、よく来るんです。別館の猫には詳しいですよ。」【別館の客人】 「確かに別館には、見たことのない猫がよく現れますね。まあ、大方勝手に入ってきた野良猫でしょう。ああ、猫に生まれ変われたらなぁ。この前、別館で猫になる夢を見たんです。とても幸せな夢でした。」 |
真相(源博雅) |
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晴明、俺は別館で猫になっていた気がする。信じられない話だが、信じてくれるか?本当に起きたことなのか分からないが、旦那と一緒にいる晴明たちを見たんだ。その時、神楽が俺の方を見たが、俺はすぐにその場から離れた。もしかしたら俺は、温泉で寝ていたんじゃなくて……猫にされていたのか?別館の猫はみんな人間なのか!? |
名前
幻境 |
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【猫川】 「他に聞きたいことはありませんか? 答えられる範囲でお答えします。例えば、私の名前とか。——もちろん、別料金をいただきますが。」【猫川】 「私の名前は猫川です。山の下の商店街にある猫川亭、猫川薬屋、猫川本屋、猫川駅……全て私のものです。分かりやすさが一番ですよ。」 |
真相(猫川) |
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ええ、猫川は本名ではありません。妖怪になってから、一度も本名を呼ばれたことはありませんよ。 猫川とは私が司る川のことです。そういう意味では、小判の本名を奪ったと言うべきですね。まあ、小判は今の名前がお気に入りですから、「奪った」というのは大袈裟すぎるかもしれません。名前を交換した、というのが真実に近いでしょう。公正な取引です。違いますか? |
契約
幻境 |
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【藤原道綱】 「どうやら、今回は得るものが多かったようですね。手形はあとで返してくださいね、大変な思いで手に入れたものですから。猫川と藤原家の関係ですか……詳しいわけではありませんが、知っている範囲でならお教えしましょう。」【藤原道綱】 「私の知る限り、私が生まれる前にはもう、猫川はすでに藤原家と協力関係にあったようです。彼の姿は変わりませんが。定期的に帳簿を見せてもらいに行きますが、態度はあまりよくないとはいえ、勝手に消えたりはしません。あくまで私の推測ですが、彼も藤原家と契約を結んだ式神なのでは?」 |
真相(猫川) |
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実際のところ、あの時藤原家と結んだ契約は陰陽師と式神の契約ではなく、陰陽術に守られた商売の契約です。とはいえ、私が強く要求し、少し工夫をしていなければ、今の内容になっていた保証はありませんね。 人間と妖怪は互いを警戒しているから、面倒なんです。だから私は人間よりも、猫のほうが好きです。先日道綱様が紹介してくれた緊那羅様とは、すぐに友達になれました。素直さは美徳ですよ!皆素直になってほしいものです。 |
千両万金の攻略情報 | |
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