【陰陽師】「縁の結び」ストーリーまとめ【ネタバレ注意】
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『陰陽師』の「縁の結び」のストーリー(シナリオ)をまとめて紹介。
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縁の結びストーリー
庭院
庭院ストーリー |
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【縁結神】 「おーい、そこで犬の散歩をしている陰陽師たち!ちょっとお待ち。(あの四人には見覚えがあるのう。どこかで会ったのか?全く思い出せぬ)」【小白】 「???」【縁結神】 「ここに小銭を稼ぐいい方法があるんじゃが、興味はないかのう?」【源博雅】 「ねぇよ。っていうか、少し前に見かけたでたらめを言う木偶商人に似てるな。」【縁結神】 「…そ、そうか? (気まずそうに)せっかくの儲かる機会なのに、見逃してしまうのか?」【神楽】 「お兄ちゃんはいいの。お金なら十分持ってるから。」【縁結神】 「(くっ、金持ちめ…)」【八百比丘尼】 「どうやら、こちらの巫女様は何か頼みたいことがあるようですね。」【縁結神】 「我はお金を貯めて、都の郊外に土地を買ったばかりなんじゃ。神社を建てたのはいいものの、参拝者は一人もおらぬゆえ、実に寂しい。どうか信者を集め、神社を繁栄させてくれないかのう?もちろん報酬付きじゃ。黒くてまん丸い奴を用意しておるぞ…」【源博雅】 「それならそうと早く言えばいいだろ。俺がやってやるよ!神の福賜りダルマさえあれば、金なんてどうでもいいから。」【縁結神】 「へ?」【晴明】 「その神社はどの神が祀られているのだ?」【縁結神】 「我の心の中の神——縁結神じゃ。彼女はこの桜咲く季節に都で縁を結び、良縁を贈ろうとしておる。慎み深く祈念すれば、神が必ず運命の縁を与えてくれるのじゃ。ということじゃから、より多くの人に縁結神の存在を知ってもらえるよう、よろしく頼んだぞ。」 |
縁結の池ストーリー
1日目
1日目ストーリー |
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【神楽】 「最近どこも賑やかね。なんでだろう。」【小白】 「あ、それか!たぶん「縁結びの木」が話題を呼んでいるからです。」【神楽】 「「縁結びの木」?」【小白】 「噂によれば、都の近くに不思議な木がありまして、一緒に木の下に行く二人が相思相愛になるのだそうです!」【神楽】 「木って…そんな力があるの?私も行って見たい。」【源博雅】 「この犬こっろが、神楽に何変なことを教えてる!」【小白】 「うわ、博雅様反応激しいですね。」【神楽】 「神楽、お前も…そんな年になったもんな。好きな人いるのか?誰だ?俺は絶対やつを殴らないから!」【小白】 「なんか今ひどいことを聞いたような…」【八百比丘尼】 「そんなことより、そちらに「縁結びの木」の助けがより必要な方がいるようですね。」【小白】 「あ、河童さんですね。池の岸辺で…花占いをしていますか?」【河童】 「誘う、誘わない、誘う、誘わない…えっ、やはり誘わないのでしょうか…」【小白】 「河童さん?ここで何をしていますか?」【河童】 「えっ…うわ!あの、僕…」【八百比丘尼】 「恋路に悩んでいるようですね。」【晴明】 「鯉の精のためだね。」【河童】 「僕…陰陽師様、どうか僕を助けてください!僕、僕は鯉の精を誘って、「縁結びの木」の下でお月見したいですけど、でも、どう切り出せばいいか全然分からなくて…」【山兎】 「それは鯉の精ちゃんがいるといつもササっと逃げるからだよ!」【河童】 「うわ!山兎さん…」【蛍草】 「何?皆さん何を話し合っていますか?」【白狼】 「河童さんの恋の悩みだろう。」【桃の精】 「あら、恋の話しどすか?あたしにも参加させて下さい。」【桜の精】 「桃、河童くんに少し失礼なのでは…」【河童】 「ひいい…」【小白】 「うわ、河童さんの顔が真っ赤になってますよ。」【河童】 「どうしてみなさん集まって来たのでしょうか?ぼっ僕はただ…」【晴明】 「悩んでいるだろう?なら、みんなの意見を聞いてみないか。」【小白】 「晴明様も手伝うおつもりですか?分かりました、小白も全力を尽くします。」【河童】 「だから何でこんなことになっているのでしょうか!」【山兎】 「あたしに言わせれば、河童さんは照れすぎるから、平常心で鯉の精ちゃんと接せなくなっているからなの。」【河童】 「平常心ですか?でも彼女を見た途端に照れてしまいます…だって、彼女は見ると逃げたくなるほど眩しいですから…」【山兎】 「うわあ、こりゃだめだ。 |
とにかく、鯉の精ちゃんに気持ちを伝える前に、彼女と自然に接することを学ばなくては!では、基本中の基本の挨拶から始めようか。あはは、鯉の精ちゃんがちょうどそこにいる。行け、蛙さん!(山蛙)やれやれ、この小悪魔がまた何かを企んでやがる!頑張れよ、河童くん。」【河童】 「うわ…おっ推さないでください…」【鯉の精】 「あ、河童さん!おはよう!そこで何をしているの?」【河童】 「僕は…」【ユーザー投票】1が多数派で決定! Q.鯉の精さんにどう挨拶したらいいのでしょうか? 1.「おはようございます、鯉の精さん。今日はいい天気ですね」 2.わざわざ挨拶するなんて恥ずかしいから、さっと逃げます 3.「美しいお嬢さん、不思議な運命が僕らが出会うように導いてくれました」【河童】 「あの…今日は、いい天気ですね。」【鯉の精】 「そうそう、もう春だね!そうだ、河童さん、一緒に池の岸辺で日向ぼっこしよう!日差しが暖かいよ!」【河童】 「僕…あ、あの…」【山兎】 「(こっそりと)いいよって返事して!」【河童】 「ぼ、僕はその…」【鯉の精】 「ねえ聞いて、河童さん。昨日はね…」【山兎】 「うわ、河童さんがまだ返事していないのに、鯉の精ちゃんが勝手に話し出した。もういい感じなのに、なんでこうぐずぐずするんだろう…」 |
2日目
2日目ストーリー |
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【神楽】 「私に聞きたいことがあるの?」【河童】 「はい、女の子は…どんな時に感動するんでしょうか。僕はもう少し頑張らないとって思いました。」【神楽】 「他の人は分からないけど、私の場合、気分が晴れない時に、誰かが優しい言葉をかけてくれる時ね。優しい言葉をかけてくれると、きっと心が温かく感じるよ。」【河童】 「神楽様の周りの方はみんな優しいのでしょうね。」【神楽】 「うん。みんな私に優しいの。」【河童】 「僕も…僕なりの優しさを…」【小白】 「ほら!心の準備ばかりしてないで、そちらを見て下さい!鯉の精さんが一人で岸辺に座ってますよ。」【神楽】 「あ、彼女泣いているみたい…」【小白】 「何かあったのか、早く彼女に聞いてきて下さい!」【河童】 「僕は…」【ユーザー投票】2が多数派で決定! Q.鯉の精さんは落ち込んでいるようです。どう気持ちを伝えればいいのでしょうか? 1.力強く彼女を抱きしめ、胸を貸します 2.隣に座り、「何があったかよくわかりませんが、僕はずっとそばにいますから」と言います。 3.「悩んでいることがあれば解決すればいい。泣いても何も始まりません」【河童】 「鯉の精さん…あの、何があったかよくわかりませんが…僕はずっとそばにいますから。ですから、その、もう泣かないで…いや、大丈夫、好きに泣いて。」【鯉の精】 「河童さん…うう、大丈夫、私は平気なの。近所の鯉の御婆ちゃんがなくなったの…もう大丈夫だから。」【河童】 「鯉の精さん…」【鯉の精】 「河童さん、そばにいてくれてありがとう。心配させたね。」 |
3日目
3日目ストーリー |
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【蛍草】 「感動する瞬間…ですか?」 |
【河童】 「はい。女の子はどんな時に感動するでしょうか。」【蛍草】 「うう…こんな話、なんか恥ずかしいなあ。」【河童】 「あ、す、すみません!」【蛍草】 「たぶん、危険な目に遭って、誰かが身を挺してくれる時だと思います…どうしたらいいかさっぱり分からないところに、突然現れるあの人が本当に颯爽で、かっこいいんです!」【河童】 「危機から助けられる時ですか?」【蛍草】 「はい!その通りです!」【河童】 「でも、颯爽というのは一体…」【蛍草】 「例えば、物腰が洗練されてて、修行に専念する。あとは…戦うときはとても頼もしいです!」【河童】 「でもどうすれば…」【蛍草】 「ああ、そこにいるは鯉の精さんですか?何か危険な目に遭ったかもしれません!」【ユーザー投票】3が多数派で決定! Q.鯉の精危ない!でも、如何に助ければいい? 1.「なんで毎回自分を危険に晒すのですか!やはり僕がいないとだめなんですね」 2.自分だと知られず、こっそり助けます 3.速やかに駆けつけ、助けてあげます【河童】 「鯉の精さん!大川の歌!!」【鯉の精】 「ああ、河童さん!うう、ありがとう。」【河童】 「大丈夫ですか、怪我をしていませんか?!」【蛍草】 「手伝いますよ。怪我はありませんか?」【河童】 「鯉の精さん。最近はまだ物騒で、凶暴なあやかしがたくさんいます。くれぐれも気をつけて下さい。」【鯉の精】 「うう、さっきはうっかりしてて…河童さんが来てよかった。」【河童】 「あ…あの、僕、これから…鯉の精さんが二度と危険な目に遭わないように、ずっと守りますから。」【蛍草】 「うん!もしよければ二人とも私と一緒に修行して、もっと強くなりましょう!」【河童】 「え?それは…」【鯉の精】 「蛍草ちゃんの言う通り、私ももっと頑張らないと!いつまでも河童さんに頼っちゃだめだから。」【河童】 「なんでこんなことになったでしょうか…」 |
4日目
4日目ストーリー |
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【桃の精】 「うちも知恵を貸しましょうか!」【河童】 「桃の精さん…」【桃の精】 「少女がときめく場面と言えば、言うまでもなく「やきもち」する時どす。」【河童】 「え…」【桃の精】 「不安な気持ち、ちょっとした不満や憂鬱、偶にへそ曲げる顔。」【河童】 「あの…僕は気持ちの伝え方を知りたいだけです。」【桃の精】 「そう、こういう時こそ、自らの特別で、めったに出さへん気持ちを見せへんとあかんどす。偶に弱音を吐いたり、へそ曲げしたりするほうが、相手に新鮮味を与え、ときめかせるんどす!」【河童】 「いや…僕はただ…」【桃の精】 「行きなさい、彼女はあんたにとって一番大切でかけがえのない人だと伝えに行きなさい。そして「他に思いを寄せている人がいる」とか、「他の人と親しくする」ことも見たくない。そうおせていきなさい!」【河童】 「でも、私が言いたいのはそうじゃ…」【桃の精】 「彼女がほかのあやかしといるとこを想像してみて。辛くはないのか?」【河童】 「僕は…」【桃の精】 「ならば行って、その気持ちを彼女に伝えるように!」【河童】 「ええ——?」【ユーザー投票】2が多数派で決定! Q.「やきもち」する気持ちを鯉の精さんにどう伝えればいい? 1.何も言わず、黙って見つめます 2.「あなたが他のあやかしと遊ぶところを見るのは、とても辛いです。」 3.「あなたは僕のものです。他のあやかしと関わることを決して許しません。」【河童】 「あの、鯉の精さん…」【鯉の精】 「え?ああ、河童さん!一緒に遊ばない?」【河童】 「いや、僕は…」【鯉の精】 「なんか落ち込んでいますね。何かあったの?」【河童】 「あの、僕は…なぜか、鯉の精さんと他のあやかしと遊んでいるところを見ると…とても辛いんです!(顔を赤らめて早く逃げる)」【鯉の精】 「河童さん!ああ、河童さん寂しがっているのかな。河童さんを早く誘わなかった私がいけないね。後でちゃんと話そう。」【桃の精】 「どうやら、伝わらなかったようどすね…」 |
5日目
5日目ストーリー |
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【小白】 「あ、河童さん。その恰好は…新しい着物ですね!素敵ではありませんか!」【河童】 「何かを変えようと思って、まず外見から着手しようかなって…」【小白】 「その着物、鯉の精さんから褒められましたか?」【河童】 「ま…まだ彼女に見せていません。」【小白】 「何でですか。変えると思うのは鯉の精さんに見せて、褒められたいからではないですか?」【河童】 「いや、僕はただ…まあ、少しだけそう思っていたかもしれません。」【小白】 「鯉の精さんはそこにいますよ。彼女に見せる好機ですね!」【河童】 「僕は…」【ユーザー投票】1が多数派で決定! Q.自分の変化を彼女に気づいてほしい。どうすればいい? 1.堂々と見せます 2.黙ってさりげないふりをしながら、気づかれるまでアピールします 3.新しい着物を興味津々に紹介します【河童】 「鯉の精さん…今日は…」【鯉の精】 「うわ、河童さんの新しい着物だ!なんかちょっと見慣れない感じだね!でも、かっこいいよ。」【河童】 「うぅ——」【鯉の精】 「え?河童さん?!」【小白】 「真っ赤になって逃げていきました。やはり自ら見せるなんて、少し無理があったようですね。もうちょっと素直になれば、その気持ちがとっくに報われていたかもしれません。」 |
6日目
6日目ストーリー |
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【河童】 「すみません…僕はどうしても照れてしまいますから…」【桜の精】 「ならば、他の方法でお気持ちを伝えてみませんか?」【河童】 「え?」【桜の精】 「例えば、贈物とか。贈物と手紙で、鯉の精さんに本当の思いを伝えるのはいかがですか?言えない言葉、言葉にできない気持ち、すべて手紙に書いて、贈物とともに届けましょう。」【河童】 「桜の精さん…うう、感動しました!みんな知恵を出してくれますけど、桜の精さんだけ僕の目的を覚えていてくれました…でも、何を送ればいいんでしょう。」【ユーザー投票】2が多数派で決定! Q.鯉の精に何を送ればいい? 1.自分が好きな野菜を 2.大好物のどじょうを 3.きれいだがあまり役立たない花輪を【桜の精】 「これで…本当にいいの?」【河童】 「大分考えましたけど…やはりこれにしましょう。花のような愛らしいものは…僕には似合いませんよ。」【桜の精】 「大丈夫ですよ。ものより気持ちのほうが大事ですから。次は、贈物を手渡すことですね。」【河童】 「…ええ!その、それはちょっと…」【鯉の精】 「河童さん?桃の精さんが河童さんが私に用があるって?」【河童】 「あの…これは僕が池から取ってきたどじょうです。お…美味しいですよ。ごめん、ださいですよね…」【鯉の精】 「そんなことない!ありがとう、河童さん!今度は一緒に向こうの蓮のある池に行こう!」【桃の精】 「なんだ、あんな贈物でもよかったんどすか?」【桜の精】 「大丈夫です。あのお二人なら、きっと気持ちが通じていますわ。」【桃の精】 「ほんまかな?」 |
最終日
最終日ストーリー |
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【河童】 「みんな親切に知恵を出してくれましたけど、結局、鯉の精さんに気持ちを上手く伝えられませんでした…いや、みんなのせいではありません。きっと僕が弱虫過ぎたからです。もっと勇気を出して、みんなが教えたことをちゃんと実行していたら…」【神楽】 「そこにいるのは、河童?なんか独り言を言っているけど、鯉の精のことで悩んでいるのかな。」【河童】 「あ、皆さん…」【神楽】 「河童は、くよくよしていないで、自分の思いをそのまま伝えればいいよ。」【河童】 「でも僕…断られてしまうかもしれないと思うと…」【八百比丘尼】 「それはいけないと思いますよ。」【桃の精】 「その通りどす。起きてもおらんことを恐れるばかりか、鯉の精はんの気持ちを憶測するなんて、失礼だと思おりませんか?」【桜の精】 「桃…」【神楽】 「誰かが好きになるのは素敵なこと。それは誰であろうと変わらないことなの。」【山兎】 「そうだよ!河童さんは弱虫過ぎる!鯉の精ちゃんも河童が誘ってくれるのを待ってるかもしれないじゃない!」【八百比丘尼】 「ちょうど鯉の精さんが来ましたわ。行きましょう。」【河童】 「あの…鯉の精さん!」【鯉の精】 「河童さん?」【河童】 「都…都の外に有名な木があって、あの…」【山兎】 「(山蛙に口を塞がれ、小さな声で)いいよ!頑張れ!」【河童】 「「縁結びの木」といって、あの…」【神楽】 「(小さな声で)河童ならできる、頑張って。」【河童】 「あ、あの木の下に、二人で行けば…両想いになると言われています!」【蛍草】 「(小さな声で)頑張ってください!」【河童】 「…鯉の精さんと一緒に行きたいです!」【鯉の精】 「なになに?」【桃の精】 「(小さな声で)一気に言うて!」【河童】 「木下で…みんなで一緒にお月見しましょう!」【小白】 「え?今「みんな」と言いませんでした?」【鯉の精】 「いいよ!みんなで行こう!」【河童】 「うわ…やはり言い間違えました…」【源博雅】 「こら晴明、早く飲め!」【桃の精】 「月の下で飲む酒は格別どすな。桜、ちょい飲んでみませんか?むちゃ甘い桃酒どすよ。」【蛍草】 「月見団子を用意しました。あの、白狼様、よかったらお召し上がりください。」【河童】 「結局、こんなことに…」【神楽】 「ずいぶん頑張ったよ。」【鯉の精】 「河童さん!お酒飲む?甘いよ!」【河童】 「あああ、僕…ありがとうございます!」【鯉の精】 「河童さん、本当にありがとう。」【河童】 「いいえ、僕は何も…」【鯉の精】 「皆で飲み会するのは楽しいね。ほら見て、月!」【河童】 「ああ、今夜のお月が綺麗ですね。」【鯉の精】 「私も…私もそう思う。今夜の月は、今まで見た中で、一番綺麗な月なの。」【河童】 「そこにいるのは…」【縁結神】 「おぬしか。この赤い線…どうやらうまく言えたようじゃな、そうじゃろ?」【河童】 「ううむ、あれで言えたと言えるでしょうか。結局僕もよく分かりません…でも本当にありがとうございました!あなたと皆様の応援がなかったら、ここまではできませんでした。」【縁結神】 「それは違うぞ。我らがいなくとも、おぬしも自らの努力で二人の物語に円満な結末を書くじゃろ。(そこまでの道のりはものすごく焦れたいものじゃろうけど)なかなか上手くできたから、ご褒美として、ちらっと見せてやろう。」 【河童】 「え…わ!!こ、これは何ですか?!幻…幻ですか?中にいるのは…こちらの子は鯉の精さんそっくりです!待って、隣にいるのは…僕ではありませんか?!」【縁結神】 「我が術で作った幻じゃないぞ。「実在のもの」じゃ。これは「他の世界」で起きておることじゃ。」【河童】 「あまりにも衝撃的で、な、何と言えばいいかわかりません…不思議な建物と奇特な着物の世界、そしてもう一人の鯉の精さんと僕…」【縁結神】 「これをおぬしに見せるのは、今の「おぬし」も、他の「おぬし」も、みな同じだと教えたいからじゃ。異なる時間、異なる空間になったとて、縁の線がおぬしたちを繋げるのじゃ。これはおぬしの手によって繋がった縁、おぬしだけの「縁」なのじゃ。だからもう躊躇わぬことじゃ。早く頑張ることじゃぞ。さもなければ「おぬし」が、もう一人の「おぬし」に負けてしまう。」【河童】 「が…頑張ります!」【縁結神】 「さきほどのあれは内緒じゃぞ。上の方に知られたらただでは済まぬ!」【河童】 「上の方…ひょっとして神様ですか?神様だったんですか?!」【縁結神】 「(優しく微笑む)ぼうっとしておるでない。早く鯉の精ともっと仲良くなってこい!まだまだ程遠いぞ!」【河童】 「はい!行ってきます!(なぜか、もう一人の「僕」がうらやましいな…)」【縁結神】 「我が子が大きくなった感じじゃのう。まあまあ良い結末じゃった。」── 終了後再度タップ ──【河童】 「あの…これは陰陽師様が助けてくれたお礼です…本当にありがとうございました!あ、あの…どうぞお受け取り下さい!」 |
縁結試練&風鈴の壁ストーリー
縁結試練
縁結試練ストーリー |
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【縁結神】 「やあ、陰陽師さんたち!我は今から遊びに出かけるのじゃ!…じゃなくて、縁を結ぶために出かけるのじゃ!もしちょうど使えそうなアイテム、食べ物、それか御守があったら、事前に我の包みに入れてくれると助かる!(貪欲な目)冗談じゃ、冗談。実は、我はアイテムセットによって違う場所へ行き、新たな発見に出会うことがあるのじゃ。アイテムは神社で販売されておる。別にお主たちのお金を騙し取っておるわけじゃないぞ!」 |
旅終了後ストーリー |
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【縁結神】 「これといった発見はなかったが、なかなか面白い旅じゃった!たまたま拾った小物たちだ、お主にやろう。」 |
縁結試練(特殊)
旅終了後ストーリー(輪廻の鍵) |
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【縁結神】 「今日、ある背の高い女性の妖怪に出会った。彼女はちらっとこっちを見ただけで姿を消したのじゃが……あのような赤い糸は初めて見た。彼女に何があったのじゃ?自分の「縁」がちっとも残っておらんではないか。それはまるで、自分の全てを投げ出したかのような…いや、投げ出したのではなく、他の誰かに与えたのか?!長い時を経て、生と死の歪みを経験し、ついに「縁」をここまで消耗してしまったのか…じゃが、我はあの微弱な赤い糸に宿る、最も強い信念を感じたぞ。たとえ世の輝きが失せようと、彼女が持つ独特な光は暗闇をも引き裂くじゃろう。」 |
旅終了後ストーリー(書物の紙) |
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【縁結神】 「ちょっと失礼。これはお主が落としたものだろう?」【青行燈】 「おや?あたいを見つけられるなんて、不思議な「小巫女」だねぇ。」【縁結神】 「城外の神社を通った時、たまたま拾ったのじゃ。お主を見つけたのは…まあ、「小巫女」なりの手段があるってことじゃな。」【青行燈】 「なるほど。この一枚をあんたにあげようかね。気に入ってくれたら嬉しいよ。」【縁結神】 「一瞬で消えた…綺麗な妖怪はみんなかくれんぼが好きなのか?どれどれ…あれ?ここに書かれているのは、我の物語…? 「今日も縁を結ぶ流離いの神」?「あたいの縁は、あたい自身で探すよ。神様の心配には及ばないさ。神様の秘密も守ってあげるからね」我の過去のことまで知っておる。まさか、あの時の妖怪なのか?妖力が強くなりすぎて、まったく気づかなかったぞ。」 |
旅終了後ストーリー(砕けた勾玉) |
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【縁結神】 「今日は奇妙な出来事が起きた…明らかに切れていた赤い糸が、当てもなく空に向けて伸び続けていたのじゃ。宿った執着心が強すぎて、触れるだけで両者の悲しみを感じ取ることができる…じゃが、赤い糸が切れたとて、「縁」も途絶えるとは限らん。いつか二人の赤い糸が再び繋がることを願っておるぞ。」 |
旅終了後ストーリー(羽の飾り) |
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【縁結神】 「そこの兄ちゃん、ちょっと待ってくれ!速い。まったく追いつかない…変な奴じゃのう。なぜ獣の皮で顔を隠すのだ?人を探しておるのか。急いでおるようじゃな。手伝ってやろうとしたのじゃが、話かける前に逃げられてしまった…しかし、彼が向かっておる方向、どこか変じゃな…まあ、赤い糸はちゃんと繋がっておったし、そのうち相手を見つけ出せるじゃろう。赤い糸から少し不穏な気配を感じるが…何もないことを祈ろう。」 |
風鈴の壁
風鈴の壁ストーリー |
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【縁結神】 「実は、我は旅先で縁結びの物語に出会うと、その経緯を風鈴に作り替えておるのじゃ!見たい物語があれば、相応の金を払ってもらうぞ!…と、いうのは冗談で。我のために一生懸命信者を集めてくれたし、特別にただで見せてやることにした。好きな風鈴をタップすれば見られるぞ。」 |
風鈴の壁完成ストーリー |
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【縁結神】 「いやあ、お主たちのおかげで神社は大儲けじゃ。…コホン、じゃなくて。お主たちのお陰で多くの人々が良縁を結べたぞ。縁結神は今後とも、お主たちを祝福するからのう。」 |
風鈴ストーリー「初心」
初心ストーリー |
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【縁結神】 「神の力もお金もない神よりも猫のほうが可愛がられるのじゃ。黒、我よりおぬしの方が受けがよいのじゃろう。一層のこと街頭に芸でも演じに行こう。おぬしが演じ、我が金をもらう。何、おぬしも我の神の力で生まれたのじゃ。金を稼ぐことくらい当然じゃ。前方で微かな鈴の音がする。いよいよ本日最初の縁が来るのか?」【彩ちゃん】 「あーん……痛い。」【男の子一】 「何するんだよ弥助。ぶっ飛ばされたいのか!」【弥助】 「彩は弱くて臆病だけど、俺も……俺もあいつが大嫌いだ!あいつをいじめていいのは俺だけだ!勝負しよう、勝ったやつがあいつを殴ることができる!」【男の子二】 「お前、ものの善し悪しがわからないのか。」【弥助】 「うああああ!」【彩ちゃん】 「弥助!!」【縁結神】 「おぬしたち、何をしておる?!話したいことがあるならまずはちゃんと話し合えばよかろう?」【男の子一】 「野蛮な巫女だな……」【縁結神】 「野蛮だと? (拳をさすって手ぐすねを引く音)我は今ちょうど機嫌が悪い、小童どもをやっつける良い機会じゃ。一気に十人やっつけるぞ。」【男の子二】 「うわああ、この暴力女、すげえ力だぞ。弱い者いじめだ!!!」【縁結神】 「弱い者いじめがどうした?おぬしたちこそ弱い者いじめじゃ。我は小童を片付けることに関しては、百年の歴史を持つ専門家なのだ。全員一列に並ぶのじゃ。言え、なぜこの娘をいじめる。」【彩ちゃん】 「弥助はあたしをいじめてないよ……」【男の子一】 「彼女は別の村から来た。近所の話によると、その村には泥棒が多いそうだ。ちょうど彼女が来てから、俺たちはみんな物をなくしている。」【縁結神】 「証拠はあるのか?」【男の子二】 「証拠は彼女が消したに違いない。」【縁結神】 「ならば教えろ。何をなくしたのだ、先に言った者は殴られずに済むぞ。」【男の子一】 「財布!」【男の子二】 「凧!餅!」【男の子一】 「えーんえーん、俺たちが悪かった。殴らないでくれ……」【縁結神】 「さっさと謝るのじゃ。今度また噂話を流したら、全員お仕置きじゃ。」【男の子二】 「ごめん、彩!!逃げよう、暴力女が追いかけてくる!」【彩ちゃん】 「あ……ありがとうお姉さん……」【縁結神】 「我はたいしことはしておらぬ。じゃが偏見はすぐに消えるものではない。今の居場所は、おぬしにとって不利なものじゃ。機会があったらここを離れて、おぬしに友好的な場所に行った方が良い。」【弥助】 「これ、お前にやる!」【彩ちゃん】 「う……」【縁結神】 「おい!女の子の頭に何かをぶつけるのは失礼じゃ。これは……軟膏?(縁の鈴の音は、その弥助という名の小童から届いて来たのか……)彩、弥助のことを知っておるのか?」【彩ちゃん】 「弥助はあたしの隣に住んでるの。いい人。絵も上手。でも弥助は……あたしのことが嫌い。」【縁結神】 「嫌い?そうは思えぬぞ。おぬしたちの間に何か誤解でもあるのか?」【彩ちゃん】 「あたしもわからない。でも、弥助とお友達になりたいの……」【縁結神】 「分かった。我が聞いてみてやろうか?」【彩ちゃん】 「お姉さんに迷惑をかけることにならない?」【縁結神】 「そうはならぬ。弥助、何を書いておる?」【弥助】 「うああああ、驚いたぜ!絵が台無しになってしまうところだった。お前はあの日の……?」【縁結神】 「そんなに神経質に絵を隠すでない。おぬしはそんなに絵が下手なのか?」【弥助】 「そんなことねえよ!俺がどれほどうまく描けるか見せてやる!」【縁結神】 「うんうん、悪くない、小さな水彩画を綺麗に描いておるな。」【弥助】 「やられた!お姉さんずるい!」【縁結神】 「おぬし、彩のことを嫌ってはおらぬじゃろう。ならばなぜあの者をいじめる。彼女はおぬしのせいで苦しんでおるぞ。」【弥助】 「なに?!嫌ってなんかないよ!実は……」【縁結神】 「分かる分かる。純情な恋心じゃのう。」【弥助】 「嫌いなんじゃない。そういう風にするのはただ……ただ気を引きたいんだ。」【縁結神】 「本当に未熟じゃ。おぬしは五歳児か?いや待て、実際そんなに変わらぬようじゃな。」【弥助】 「俺はあまりにも普通で、絵を描く以外何もできない。だからどうやって気を引けばいいのか分からなくて。」【縁結神】 「おぬしは水彩画をたくさん描いておったな。どんどん上手くなっているぞ。」【弥助】 「本当は、絵を描くこと自体は好きじゃないけど、色を塗るときが楽しくて、時間がたつと、絵を描くことにも慣れてきたんだ。」【縁結神】 「おいおい、ちゃんと絵を描くんじゃぞ!おぬしは都の画家になる者じゃ。将来、多くの陰陽師が絵を寄贈してくれと切実に求めてくるぞ。諦めるでない。」【弥助】 「どうしてお前のいうことを聞かなくちゃならねぇんだ……」【縁結神】 「(やはり我は小童が苦手じゃ……)誰かの気を引きたければ、いじめること以外にもやり方はあるぞ。あの者に絵を送ることはもっといい方法じゃ。」【弥助】 「本当に?この前、わざわざ山の隅にあるぼろい縁結び神社で祈ったんだ。彩が俺に気付いてくれるようにと。でもまったく効かなかった。やっぱりあの神は嘘だ!」【縁結神】 「(神を馬鹿にしすぎじゃ……)神は、おぬしの祈りを聞いたと思うぞ。」【弥助】 「本当に?じゃあいつ彩と……友達になれる?」【縁結神】 「(都の者が友達という言葉を口にすると、我はいつも変に感じる……どう見ても純粋な友情には見えぬ。)神は、時はまだ来ておらぬと思っておる。」【弥助】 「えっ?」【縁結神】 「二人が互いを守ることができるようになった時に、神は彼らのために縁結びをするのじゃ。それゆえ、今は絵をしっかり練習することじゃ。立派な画家になってこそ、彩を外から守る力が身につく。分かったか?」【弥助】 「うん!」【縁結神】 「これらの絵は彼女に送るとよい。彩は喜ぶぞ。」【弥助】 「本……本当に?」【縁結神】 「口調が突然柔らかになった。やはり小童じゃ……本当じゃ。神が我に告げた。」 |
風鈴ストーリー「前世の夢」
前世の夢ストーリー |
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【人形商人】 「郷里の皆さん、お越しいただきありがとうございます。今日の人形劇は、貴族の二人の恋愛物語です。」【神楽】 「でも、鬼童丸の乱のお話を聞きたい。鬼童丸が女神に降伏した続きは?前回は彼が生き延びるために、自分は女神の一番親しい友達だと主張するお話だったから、兄さんは彼には志がないって言ってた。」【人形商人】 「そんな……志がないでしょうか?私はそれが……賢いやり方だと思いますが。」【神楽】 「前回の報酬が欲しいわけじゃなくて、本当に続きが聞きたい。」【人形商人】 「子供は嘘をつくと鼻が伸びますよ。」【神楽】 「嘘はついてない。」【人形商人】 「今回の物語にも報酬がありますよ。」【神楽】 「なら、聞かせて。」【人形商人】 「都のある名門の一族に、性格が豪放な長女がいました。ある雨の日、彼女はあずまやで、読書好きなある貴族の子弟と一緒に雨を避けていました。」【枝子】 「(このお話に、どうして親しみを感じるんだろう……)」【人形商人】 「その貴族の子弟は、大きくて立派な体格を持つわけではなく、それどころか、ほんの少し、体が弱そうに見えました。しかし彼は、自分の持っている唯一の花傘を長女に譲り、冷たい表情で言いました。「弱い女にものを譲るというのは本にしばしば書かれている内容だ。気にする必要はない。」長女は受け取るのを断ろうとしていましたが、その人が極めて頑固そうで、傘を譲る理由は愛情ではなく、本の虫の本に対する執着のためだということに気づいたのでした。」【青弦】 「(なぜか小生の話のように聞こえる)」【人形商人】 「長女は傘を開くと書生に返し、今まで通りの豪放な口調で言いました。「傘を差す暇があったらとっくに家に着いたわ。」そして彼女はあずまやから飛び出し、数歩走ると、雨が止んだことに気づきました。見上げると、その花傘が頭上に現れていました。書生は彼女に傘を無理やり渡し、「頑固な人だな」と言いました。長女は嘆いて傘を受け取り、代わりに自らの心を送り出したのでした。」【神楽】 「それでどうなるの?今回のお話は鬼童丸の乱よりも面白かった!(なぜなら家に帰った後、兄さんはあの話が完全な嘘だと教えてくれたから。鬼童丸は都で有名な悪鬼で、師を欺き、祖先に背き、あらゆる悪事をした。夜になると、子供の泣き声だけでは決して済ませない。こんな悪鬼が女神にへりくだる可能性は、彼が悪事をやめて正道に立ち返る可能性よりも低いって。)」【人形商人】 「どうなるって、当然結ばれましたよ。しかし、皆さんもご存知の通り、どんなに良い物語も、世俗に関わらずにはいられません。今回の物語も勿論例外ではありません。皆さんの予想通りですよ。長女の父と書生の師はかつての商売上の敵同士で、言うまでもなくこの婚姻に同意するはずはありませんでした。長女も簡単に諦めるつもりはなく、書生を連れて家から逃げ出したのでした。」【神楽】 「その後彼らは結ばれたの?」【人形商人】 「もちろん。結婚した最初の年、彼らは親密な関係を保ちました。しかし、天は人の願いを叶えてくれません。彼らはあずまやの下で一緒に雨を避け、強い愛と憎しみの感情を一緒に経験しました。にもかかわらず、最終的に彼らを別れさせたのは世俗の束縛などではなく、生活上のわずらわしさでした。」【青弦】 「……」【人形商人】 「長女は書生が読書に耽り、自分と過ごす時間が足りないと不満を言います。一方、書生は長女が甘やかされて育ったため、ろくな生活もできないと腹を立てます。最終的に、彼らは別れました。海誓山盟を誓ったこの愛情は、わずか三年しか続きませんでした。」【枝子】 「世間は移り変わり、人の心も常に変化するもの。」【人形商人】 「いいえ、彼らはまだお互いを愛しています。」【青弦】 「お前が作った話だ。当然お前の好きなようにすればいい。」【人形商人】 「彼らは認めたがらないのですが、縁結びの糸は嘘をつきません。昔の愛の行方は、神様だけがご存知です。」【枝子】 「物語の最後には……一体何が起きたの?」【青弦】 「(彼女はさっき、俺をちらっと見てなかったか……?)」【人形商人】 「もちろん、彼らは傘の下で再会し、再び約束を交わしました。しかし今回は、二人ともより大人になっていました。物語はこれで終わりです。一人銭貨八枚です。ありがとうございました。」【枝子】 「外は雨だわ……」【人形商人】 「奥様、激しい雨が降っていますので、あちらの方からの贈り物です。」【枝子】 「この傘は……」【人形商人】 「彼が数年前に縁結び神社で買った傘ですよ。彼はその時、好きな娘が現れたら、この傘を相手に渡せるようにと祈りました。神様、どうか彼の願いが叶いますように。神様は祝福を与えました。運命が定めた縁結びの糸は、そう簡単に切れたりはしませんよ。」【枝子】 「あなた……」【青弦】 「これくらいの雨はなんてことない。俺は家に帰って風呂に入ればいい。心配する必要はない。」【枝子】 「いいえ……あなたに聞きたいことが……私と相合傘をしませんか。」【青弦】 「……分かった。そうしよう。」 |
風鈴ストーリー「親情永恒」
親情永恒ストーリー |
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【縁結神】 「彷徨う魂よ、我はおぬしを何日も観察している。なぜおぬしはまだ人間の世界をさまよい、冥界に行かないのじゃ?無常兄弟に捕まえられたら厄介だぞ。しかも、おぬしには霊力がない、悪霊に簡単に食い尽くされるぞ。」【息子】 「え?最近僕を守ってくれてる霊力はおばさんのものなの?」【縁結神】 「……お姉さんと呼ぶのじゃ。」【息子】 「数日前、僕は間違って貴族の馬車にぶつかってしまった。亡くなる前に、母に別れを告げることすらできなかった。僕は母と支え合って二人で生活していた。母の名前は「裳離」。けど、母の運命は常に「離」という言葉と結び付いていた。父は僕が生まれると、遠くに徴兵された。毎年、僕の誕生日になると、母のところにいつも父からの手紙が届く。けど、一昨年から、父の手紙が届かなくなっていた。何が起こったのか、母には聞けなかった……彼女はただぼんやりと手紙を待っていた。彼女は僕のいないところで一人で泣いていたけど、僕に会うと、疲れ切っているにもかかわらずいつも笑顔を見せてくれていた。でも、僕はあまり話を聞く子供ではなくて、いつも母を傷つけていた。言ってはいけない言葉だと知っていながらも、衝動に駆られて言っていた。ほんの数日前、母と喧嘩した後、僕は怒りで扉を乱暴に閉めて、外に駆けだした。出かける時にはいつも、母はいってらっしゃいと僕に言う。でもあの日、僕は感情的に駆け出したから、母の最後の言葉が聞こえなかった。僕は本当に後悔している……どうして僕はあんなにわがままだったんだろう……どうして僕は短い人生の中で、もっと母に付き合って、もっと彼女を楽しませることができなかったんだろう……僕が死んだ後、母は自分で僕を埋葬した。一緒に埋められたのは、彼女の心のようだ。それから、彼女は日々やつれていった。彼女はいつも一人で扉の方をぼんやりと眺めていた。時間が彼女の上を通り過ぎ、母は見る見るうちに老けた。その暗い目から、光の痕跡を捉えることもできなかった。風が吹くと、彼女はすぐに周りを見回して、空気に向かって「我が子よ、あなたなの?」と聞くんだ。お姉さん、泣いてるの?」【縁結神】 「じゃが……いずれおぬしは、別の世界に行くことになる。おぬしの母親も、おぬしが現世の苦しみから早く離脱し、次の輪廻に入ることを望んでおると思うのじゃ。」【息子】 「でも僕……母を一人残して行きたくない。僕が行った後、彼女はどうなる。母は生きていけないだろう。どうして僕は……どうして運命は母をこんなふうに翻弄するの。」【縁結神】 「運命は時に己の思うままにならぬ。人間も、妖怪も、鬼も、神も運命には対抗できぬ。じゃが誰もが運命に簡単に縛られてはならぬ。明日何が起こるか分からぬのなら、今日に後悔を残さぬことじゃ。縁はいずれ終わりが訪れる。現世におけるおぬしたちの母子の縁は終わったのかもしれぬ。じゃが、別の世界に行ったとて、別れを告げねばなるまい。そうじゃろう?」【息子】 「えっ?」【縁結神】 「母上に手紙を書くのじゃ。」【息子】 「でも、僕は字が書けないし、母も字が読めない。」【縁結神】 「それがどうした。おぬし、この世界に神がいると信じるか?これは空白の紙じゃが、神の祝福が込められておる。それを胸元に置き、言いたいことすべて黙想するのじゃ。」【息子】 「ええ?お姉さん、どうして突然うちの扉を叩いてるの?!」【裳離】 「あの子かしら?いいえ、ただの風ね。これは……手紙?手紙には……息子の肖像?」【息子】 「お母さん?」【裳離】 「え?私は夢の中にいるの?」【息子】 「お母さん、僕だよ!言いたいことがあるけど、急がなくちゃいけない。神様によると、この霊術が黒無常と白無常を引き付けてしまうらしい。お母さん、ごめんなさい。僕は昔、あまりにもわがままだった。あなたが悲しんでいると分かっていながら、いつも知らんふりをする。あなたは栄養が偏ってはいけないと言うのに、僕はいつもわざと偏った栄養の食事をとる。本当に……まだ時間が十分にあったら、無駄にしてしまった、一緒だった時間を——取り戻したい。ごめんなさい、お母さん……僕の成人した姿を見せることができなくなった。あなたを連れてお父さんを探しに行くという約束も果たすことができなくなった。あなたの髪に白髪が交じる時に、髪を整えてあげることもできなくなったんだ。それでも、落ち込まずに、自分自身を大切にするって約束してくれる?決まった時間に食事をとって、毎日早く寝る。あなたはいつも、悲しみに長くとらわれてはならないと僕に言い聞かせていた。心配しないで、僕は冥界でちゃんと自分の面倒を見るから、お母さんも安心して生きていられると思う。お母さんは全能だって、昔、僕にそう言ってくれたよね。」【裳離】 「我が子よ……ごめんね、まだ幼いのに、もう大人にならなければならないなんて。お母さんはあなたに、ただ悩みのない人生を過して欲しいと思っていたの。」【息子】 「じゃあ、お母さんに気持ちを切り替えて生きていて欲しいと願う僕の気持ちも分かってくれるよね。」【裳離】 「……私は、たぶんそんなに強くなれない。」【縁結神】 「我はかつて誓った。我が現れた場所で、悲劇が起こってはならぬと。ある神が我に問うたことがある。夢の存在する理由が分かるかと。運命には常々後悔が伴い、神が永遠に近い命を持ったとしても、一生消し去ることのできない後悔もあるのじゃと。彼によると、夢の存在する理由は、人間が夢の中で時間を取り戻し、後悔とともに生きることを学ぶことにあるという。おぬし、この紙人形を枕のそばに置くのじゃ。その中に我の……ゴホゴホ、神の力が込められておる。彼が冥界に行ったとて、おぬしたちは夢の中で何時間か会えることを約束しよう。」【息子】 「本当にありがとう! 」【裳離】 「我が子よ……本当によかった!」【白無常】 「縁結神様、あなたは高天原と冥界の原理に背いていらっしゃるのですか?」【縁結神】 「白君か、思ったより来るのが遅かったな。君の黒君は?」【白無常】 「結界を解くのに時間がかかった……待ってください、黒君白君とは何のことです?」【縁結神】 「黒君がいないと困るの。おぬしは公平公正のようじゃから、取引が難しいの。」【白無常】 「神格を損なうようなことはおやめください。」【縁結神】 「我は高天原とはとっくに縁を切った。神格を損なうこと?我は十分損なっておったぞ。我に関する噂くらい聞いたことがあろう。我はまともな神などではない。」【白無常】 「耳で聞くことよりも目で確かめることです。私は噂など一切信じません。」【縁結神】 「なるほど。ぶん殴りや打ち壊しや略奪と言ったら大げさじゃが、もし、神を殺したのは本当じゃと言ったら?今は神の力が足りておらぬが、高天原から面倒な連中が挑んで来るなら、神の力を使い切ったとて戦ってみせる。普段ふらふらしている者が、真剣になると恐ろしい。これが世間に生き残る術じゃ。服の色が桃色であるほど、喧嘩がうまいと古くから云われておる。」【白無常】 「(これは一体何の屁理屈なのでしょう……)」【縁結神】 「困らせるつもりはないのじゃ。足の長い女神が責任を追及するなら、我が押し通したと伝えればいい。この仇、我の名を記せと判官に伝えよう。」【白無常】 「本当に噂通り、困った神ですね。」【縁結神】 「さっき、家の外で彼らの別れを聞いた時にもう、彼らを助けると決めたのだろう?それでも事務的な手続きを一応踏まねばなるまい。分かる分かる。」【白無常】 「では、一緒に行きましょう。」【縁結神】 「心配ない。白君は優しいな。」【息子】 「うんうん!母に最後の一言を言わせてください。この前は、別れを告げる時間もなかった。お母さん、自分を大切にしてね。また、夢の中で会おう。」【裳離】 「うん、お母さんは頑張って元気になる。我が子よ、さようなら。」【白無常】 「行きましょう。」【縁結神】 「白君、君の黒君に我から挨拶をしておいてくれ。」【白無常】 「どうしてまた白君黒君なんです?待ってください、誰の黒君って?」 |
風鈴ストーリー「知己相伴」
知己相伴ストーリー |
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【雪咲】 「今年、中庭の外の桜は本当に綺麗に咲いています。来年も同じようになるのでしょうか。」【縁結神】 「来年になれば分かる。」【雪咲】 「あなたは?私はもうすぐ死ぬから、神様が見えるということでしょうか?」【縁結神】 「我のことを貧乏娘ではなく神様と呼んでくれるとは。お嬢ちゃんは前途有望じゃ。」【雪咲】 「神様は私を迎えに来てくれたのでしょうか?私は自分がもう長くないと知っています。」【縁結神】 「いや、おぬしの心に響く鈴の音を聞いたから、縁結びを手伝いに来たのじゃ。」【雪咲】 「縁結び?結婚する予定はありませんが。」【縁結神】 「おぬしの寝床のそばに置かれた画帳に妖力を感じた。おぬしたちの話を聞かせてくれぬか?とても美しい風景画じゃ。我が今まで行ったことのない場所もたくさんあるぞ。」【雪咲】 「神様……彼と結ばれるつもりはありません。断ってもいいのでしょうか?聞いていただけるのなら、この物語をお話します。」【縁結神】 「縁は常に両思いから生まれる。我はもちろん強いたりはせぬ。言ってみるのじゃ、静かに聞いておる。」【雪咲】 「私は幼い頃から体が弱くて、一度も外に出かけたことがないです。外の風景はどれほど美しいのか、世界はどれほど色彩に溢れているのか、ずっと知りたいと思っていました。でも、私が見える最も遠いものは、中庭の外の桜です。桜はとても活力に満ちて咲いています。そしてある日、私の手の中の空白の画帳に突然、中庭の外にある桜の木の全体像が徐々に現れました。それは神様がしたことか、それとも妖怪がしたことか分かりませんでしたが、私は恐れてはいませんでした。私はその画帳に字を書き、黒夜山の夜桜の林も描いてくれないかと文字で聞いてみました。実際に見ることはできませんが、夜桜の林の雄大な姿を目にしたかったのです。彼は私のわがままな要求を受け入れてくれました。私たちは一度も会ったことはなく、画帳でしか会話したことがありません。彼は、自分はかつて旅行者で、いつの間にか妖怪になったと話していました。妖怪になっても、彼は夢を諦めず、十分にある時間を生かして世間の美景を満喫していました。違う場所を訪れるたびに、その景色を画帳に描いて私と共有してくれました。そのおかげで、私も世界のあらゆる場所を訪れてきた気がします。少し前に、私は自分が長くないことを知り、画帳に彼に向けた言葉を残しました。具体的には、自分がある深刻な病気から回復しつつあることと、これから結婚して事業を立てようと、そして美しい桜を満喫しようと、夫と南国に移住するつもりだということを伝えました。彼は私を心から祝福してくれました。彼は、自分も五年後に南国区域に行くかもしれないと言い、旅で私のために多くのお土産を用意したので、その時一緒に渡したいと言いました。私は五年後にまだ生きているとは思えません。でも、自分の今の状況を彼に知られたくないので、画帳を二度と開きませんでした。彼の心は山や川や海にあるべきで、悲しみにとらわれるべきではないのです。」【縁結神】 「おぬしは彼に真実を伝えるべきじゃ。今のおぬしがしたことによって、彼は思いにとらわれてしまう。」【雪咲】 「私に言わせれば、彼は一瞬の真実よりも、美しい嘘のほうが受け入れやすいかもしれません。」【縁結神】 「彼はおぬしが思うほど弱くないかもしれぬぞ。違うか?」【雪咲】 「神様は誰かを想ったことがありますか?」【縁結神】 「どうだろう……我は何百年も独身で、別に困ることはない。ただ、天下の全ての恋人たちが結ばれることを願っておる。我が化けた姿は特に美しくないから、自由な一人暮らしを邪魔してくる者もおらぬ。うむ……おらぬ……」【雪咲】 「このように言うのは冒涜かもしれませんが、神様の心に想う人がいなければ、人を想う時に感じる苦しさと甘さは神様に理解できません。」【縁結神】 「人間にとって、生涯が百年以上続くことはないかもしれぬ。そして会えぬ日々に互いを思う時の苦しみは数十年しか続かぬ。じゃが我が……失ったものに一々とらわれてしまえば、苦しみが持続する時間は考えられぬほど長くなるのじゃ。ゆえに我は身近にある深い絆をずっと避けてきたつもりじゃ。」【雪咲】 「だから神様には私を臆病者と呼ぶ資格はないのです。あなたもそうですから。」【縁結神】 「は?」【雪咲】 「私は臆病者です。失うことが怖いから最初から持たないことを選ぶのです。神様も同じですよね。」【縁結神】 「はあ……我はおぬしを励まし、縁は一度逃してしまえば二度とそれを掴む機会はなくなると言いたいのじゃが、我自身が反面教師というわけか。我は婚姻を司る神じゃが、正直なところ、人間の「愛」という言葉は複雑すぎるのじゃ。家族愛、恋愛感情、友情、憎しみを帯びた感情、頭がおかしくなるような感情……我は数百年生きてきたが、よく理解できぬ。」【雪咲】 「神様のご好意に感謝します。」【縁結神】 「待って待って、先に寝るな!実は、我は縁結びの力以外に、僅かじゃが治療する力を持っておる。今、神の力は足りておらぬが、五年間ならなんとかなるぞ。」【雪咲】 「神様?」【縁結神】 「生き延びられるかどうかは人間の希望によって決まる。希望さえあれば、五年どころか、十五年も五十年も生き延びるぞ。その時、南国であの妖怪と一緒に桜を満喫するがよい。泣くな泣くな!泣いておる女子は苦手なのじゃ。おぬし、先まで偉そうに口を叩いておったのに?神に対してもあんなに饒舌だったぞ。」【雪咲】 「私……ご恩をどうお返しすればいいか分からなくて。神様のお名前すら知らないのです。」【縁結神】 「名前など重要でない。我もまともな神とは違う。おぬしがいつの日か、妖怪になりたいと願うのであれば、手伝ってもいいぞ。」【雪咲】 「私……本当は片思いなのかもしれません。」【縁結神】 「我なら、もし誰かを本当に好きになったと気づいたら、何も考えずにまず告白するぞ!はっ!女性からの告白の成功率は、古くから高いと言われておる。実例が多すぎじゃ。我は一人で長く旅をすることもできるし、一人で長く誰かを愛することもできる。その愛に対する誰かの反応など知らんふりじゃ。好きという感情は自分のものじゃ。その中で人が感じる甘さや酸っぱさは好きという感情のおまけじゃ。結局結ばれなかったとて、人々は己のかつての片思いを思い出す際、その情緒こそが最も心に刻まれておるじゃろう。」【雪咲】 「神様、あなたは臆病者だという先の言葉を撤回します。」【縁結神】 「いや、強い相手に出くわしたら、我の逃げ足は実に速いぞ……」【雪咲】 「あと……あなたはとても可愛い見た目をしていると思いますよ。たぶん、あなたの性格が好きだから、外見もとても綺麗に見えるのでしょうね。」【縁結神】 「そんな……おぬし、家を出たことがないのは本当のようじゃ。青行燈、不知火、彼岸花、絶世の美女を数えるには丸一日かかる。もう少し元気になれば、おぬしを連れて一緒に見にいってもいいぞ。」【雪咲】 「はい、約束です。」 |
風鈴ストーリー「旧屋天晴」
旧屋天晴ストーリー |
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【陽向】 「あの、陰陽師様、本当に大丈夫でしょうか?」【縁結神】 「安心して我に任せろ。我は都の大陰陽師一家の出身じゃ。このような霊的な事件は即解決できる!」【陽向】 「それでは陰陽師様、よろしくお願いします。僕は都で勉強するために、もうじきここを離れます。先祖が残してきたこの古い屋敷もそろそろ取り壊されるべきです。最近突然屋敷にお化けが出るようになりました。それほど深刻ではないですが、やはり少し心配です。」【縁結神】 「この陰陽師が解決してみせよう。先に部屋を一通り調べる、案内を頼むぞ。」【陽向】 「こちらです——最初は玄関です。玄関の壁に、奇妙な赤い痕跡が現れました……」【縁結神】 「そうじゃ、これは呪術の痕跡に違いない!玄関は部屋と外界を繋ぐ道じゃ。ここに呪文を残す……そうじゃ、きっと霊気を分断させる呪術じゃ!」【陽向】 「え、陰陽師様?あの、僕が言いたいのは、あの痕跡は子供が石で壁に残す落書きに似ているということです……子供の頃、僕もよく壁に落書きを残していましたが、見る限り……非常に似ています。赤みの原因は壁の湿気かもしれません。」【縁結神】 「おお……なるほど、妖怪は落書きに化けるんじゃな。他、他の場所は?」【陽向】 「次は回廊です。時々回廊から足音が聞こえます。」タ——タ——タ【縁結神】 「奇妙な足音だけで、実体はないのか?しかも音で結界を固めようとは、危険じゃのう。」【陽向】 「しかし、その音はまるで子供が走る音のようではありませんか?」タ——タ——タ【陽向】 「音が……ますます近づいてきました!」【縁結神】 「追うぞ!」【陽向】 「ああ!陰陽師様、気を付けてください、そこの床は——」【縁結神】 「わあ! (片足が床を壊し、足の半分が地面に沈む)」【陽向】 「——壊れています。すみません、この屋敷はとても古くて、あちこち壊れています……」【縁結神】 「だ、大丈夫……これもおそらく妖怪が仕掛けた罠じゃ。目標を逃した。先に他の部屋を見てみよう。」【陽向】 「ここでは……寝室の本棚と寝床が動かされていました。毎回元に戻しても、すぐにまた動きます。」【縁結神】 「なるほど、分かったぞ。家具の位置を変更することでいたずらを……いや、この屋敷の風水を変更しようとしておるのじゃ。」【陽向】 「陰陽師様?」【縁結神】 「この部屋を見て、何か思い出すか?」【陽向】 「そう言われれば、思い出しました。僕がまだ子供だった頃、この部屋は僕の寝室でした。恥ずかしい話ですが、子供の頃一人で、こんなに大きな部屋にいると、いつも恐怖を感じました。夜寝るときに、本棚で入口を塞ぐようにしていました。妖怪が扉を開けて僕をさらうのではないかと恐れていました。」【縁結神】 「な……なるほど。残りの部屋を見てみよう。」タ——タ——タ【陽向】 「また聞こえました。足音です。」【縁結神】 「今回は扉の外じゃ!妖怪め、逃げるな!」【陽向】 「陰陽師様には妖怪が見えますか?回廊で足音がしても、僕には何も見えないのです……」ゴロゴロ——【縁結神】 「雨?まずい、雨の音は足音を遮ってしまう。今のうちに追うのじゃ!」【陽向】 「えっ?」【縁結神】 「おぬしは回廊から追うのじゃ!我は中庭から正面を避けて追う!」【陽向】 「待ってください、僕も追うんですか?僕には奴が見えません。」タ——タ——タ【縁結神】 「音がまた消えた。安心するのじゃ。我はここに結界を張った。この部屋のすべては我に制御されておる。そやつは我にとらわれたのじゃ!」【陽向】 「あなたはついさっき、床を踏み抜いていましたが……」【縁結神】 「さっきのはたまたまじゃ……ゴホゴホ、我はたまたまのふりをしてそやつを混乱させ、そこに罠を仕掛けたのじゃ。とにかく、また音がしたら、おぬしが追うのじゃ。おぬしが屋敷の主として、部屋に足跡を残す。足跡を繋げば、結界が成り立つ。それが陰陽道の「雨走」なのじゃ!」【陽向】 「それは……「禹歩」ですよね?」【縁結神】 「大衆にはそう呼ばれておるのか……ハハハ……要はおぬしが部屋に入り、我の結界と呼応すれば、ここは徹底的に浄化されるということじゃ。」【陽向】 「分かりました……僕が追えばいいのですね。」【縁結神】 「そこじゃ!回廊の奥の倉庫じゃ!」【陽向】 「逃げましたよ!足音……陰陽師様、あなたの方です。」ゴロゴロ——ザーザー【縁結神】 「また雨の音に遮られて逃げたぞ。そういえば、本当に大きな家じゃのう。部屋の数も多い。」【陽向】 「そうです。子供の頃両親が留守で、一人で屋敷に残されると、いつも陰気に感じました。この古い屋敷には、いろんな思い出がいっぱいです。さっきの部屋はたしか……かつて郊外で捕まえた蛙を倉庫で育てて、逃げられて、翌日あちこち探して……失礼しました、回想に耽ってました。」【縁結神】 「気にするでない。おぬしにとって大切な思い出なんじゃろう。また現れた!我は外から回る、おぬしは追うのじゃ!別々に行動するぞ!」【陽向】 「分かりました。あ、そっちは——」【縁結神】 「わあ!また床が抜けた!ふう……本当に、疲れた……やはり我とて、走ると疲れる……おぬしの精力がうらやましいのう。」【お屋】 「神様でも、疲れるの?」【縁結神】 「おぬしを助けるために、おぬしを追う彼を連れて屋敷を走り回っておるのじゃ。」【お屋】 「本当にこれでいいの?陽向は怒らないかな?でも、僕が頼んだことだから、仕方な————うわ!」古い屋敷の奥にある小さな部屋、扉が突然開けられた【陽向】 「見つけました。」【縁結神】 「あの、我らは……いや、我はここで……」【陽向】 「あなたが陰陽師じゃないって知ってます。」【縁結神】 「えっ?」【陽向】 「そして、ここにいるのがあなただけじゃないことも。」【お屋】 「ああ……」【縁結神】 「おぬし……全部分かっているのか?」【陽向】 「(首を横に振りながら)昔話を一つ話しましょう。ある子供は幼い頃から両親が留守で、一人で実家の古い屋敷に残されていました。それはとても古い屋敷で、子供にとっては大きすぎました。臆病な彼は屋敷を怖がっていました。学堂が休講の時は、空っぽの部屋には戻らず、外にいました。でも雨の日は、彼は外に出られません。本棚で自分の部屋と古い屋敷を隔てるようにし、たまに青白い稲妻を目にするのでした。」【お屋】 「陽向……」【陽向】 「ある日、彼は中庭で別の少年に出会いました。なぜこの子が自分の家に現れたのかは知りませんでしたが、少年と友達になりました。彼は暗い雨の日を二度と恐れなくなりました。なぜなら雨の日は、友達と一緒に大きな屋敷でかくれんぼをして遊べるからです。子供にとって、空っぽで怖い古い屋敷は、二人の楽園になりました。ある年の夏、奇跡的に雨は降りませんでした。子供は学堂で新しい友達を作り、毎日彼らと外で遊んでいました。ですがその後……」【縁結神】 「屋敷にいた友達が消えた。そうじゃろう。」【陽向】 「そうです。彼は友達が怒っていて、隠れているのではないかと思っていました。しかし、家中を探しても、友達を見つけることができませんでした。」【お屋】 「違う、僕は隠れてなかった!僕はずっと……」【陽向】 「彼は屋敷を離れたのかもしれない。あるいは彼は消えたのかもしれない。このようにして、子供はどんどん成長していきました。故郷を離れて都に勉強しに行き、かつてひんやりとした古い屋敷が取り壊される日がくるまで。そして奇妙な現象が起こりました。今思えば、いわゆる「奇妙」な現象は、古い思い出と一緒に、「友達」を取り壊したい僕に対する責めでしょうね。」【お屋】 「違う。僕は君を責めようなんげと考えたことないんだ。僕はただ……君に贈り物があるんだ。」【陽向】 「あなたは普通の人間ではないようですね。彼が残したメッセージが見えるのですか?」【お屋】 「(縁結神に向かって必死に頭を振りながら)神様!やめて!」【縁結神】 「ならば我もある話をしよう。おぬしたちのこの古い屋敷に、かつて長年住んでいた人たちの霊気が集まり、次第に己の意識が生まれ、妖怪を形成したのじゃ。」【陽向】 「付喪神?彼、彼はまさか……」【縁結神】 「そういうことじゃ。おぬしのかつての友達は、この屋敷の付喪神じゃ。彼は意識を持ち始めた時からずっとここにおるのじゃ。彼は屋敷に生活する人間をこっそり観察し、人間の喜びや悲しみを目にしておった。彼は人間を避けておった。部屋の片隅で、膝を抱える子供に話しかけるまで。」【陽向】 「あの日は今日と同じ、雨の日でした。」【お屋】 「陽向、まだ覚えているんだな……」【縁結神】 「彼らは友達になった。じゃが、付喪神君が思うには、この人間の子供には自分という友達だけでは足りぬのじゃ。彼は自分の友達に、屋敷の外の世界を見て欲しいのじゃ——彼自身は一度も屋敷を離れたことがないから。」【陽向】 「僕は……あの時の僕は……」【縁結神】 「彼は一夏の晴れと引き換えに、百年蓄積した霊気を天候を司る神に捧げた。友達は彼の願い通りに、ひんやりとした屋敷から外に踏み出した。その後、付喪神君は眠りについたのじゃ。古い屋敷の衰退に伴い、彼自身の命も深い眠りの中で次第に衰弱しておった。」【陽向】 「そう、そういうことだったのか……僕は……彼は怒ったのかと……」【お屋】 「僕は後悔したことはないよ。君が外に出て、晴れた世界を見ることができて、僕はとても嬉しい。」【陽向】 「彼はここいる、ここにいるんですね!部屋で起こった全てのこと、全てが僕への贈り物なのでしょう!本当に、本当にありがとう!君はずっと、僕の一番大切な友達です!」この穏やかな青年は、静かに泣き始めた。【陽向】 「彼はもうじき消えてしまうんですか?何か救える方法はないのでしょうか?屋敷を、もう一度修繕したら……」【縁結神】 「(頭を横に振りながら)すまぬ、我であっても……おぬしたちの縁の糸は、色はとても淡いのじゃが、常につながっておる。」【お屋】 「自分を責めないで!あなたがいなかったら、僕はこのように陽向と会うことさえできなかった……何をしてるの?!」【陽向】 「あなた……」色褪せて消えそうな赤い糸が明るい光を放った。赤い光が霊力と共にお屋の体内に流れ込み、消えてしまいそうな付喪神に、しばらく姿を変える力を与えたのだった。【お屋】 「あ……僕は一体?」【陽向】 「小屋!君なのか!僕……はっきり見えないけど!君だよね!」【お屋】 「陽向!僕は!後悔したことはないんだ!」【陽向】 「小屋……」【お屋】 「人の帰りを待つ屋敷のほうが価値があるんだ。別れは屋敷に存在する意味を与えた。それは今も変わらないんだよ!悲しまないで。また泣いたの?ほら、君はもうこんなに大きくなったのに、僕はまだ子供なのに、僕、僕は泣いてないよ。あなたも、どうしてそんな表情なの……あなたに会えて、手伝ってもらえて本当に良かった。」【陽向】 「君は、もう消えてしまうのか?」【お屋】 「消えないよ。ここは君の家だろう。屋敷は崩壊するかもしれないし、海は桑畑に変わるのかもしれないけど、ほら、僕はまだ君の記憶に残っている。そうだろう?それで十分だ!十分だよ!行こう、陽向!僕 (家)の分まで、外の世界を見に行くんだ!」赤い光が次第に色褪せ、ぱらぱらと続く雨はいつの間にか止んだ。夕日は子供の笑顔のように、灰だらけの窓を通して部屋に差し込んできた。【縁結神】 「このまま出発するつもりか?屋敷はこのままにしておくのか?」【陽向】 「ええ、いつか必ず戻ります。それまで、彼にもう少し待っていてもらいましょう。今までずっと、あなたが神様だと気づかず、失礼しました。」【縁結神】 「まあ……我はもう慣れた。我がおぬしの屋敷で、無理矢理に彼にかくれんぼをさせたのじゃ。この向日葵の木彫りも、もともと彼からの贈り物なんじゃが、我が勝手にかくれんぼに変えたのじゃ。数日苦労をかけたのう。すまぬ。」【陽向】 「いいえ、今回のかくれんぼは最高の贈り物でした。ありがとうございました……では出発します。本当にありがとうございました。」【縁結神】 「うむ。達者でな。」青年は、やや稚拙な向日葵の木彫りを胸に抱え、遠くへ歩き出した。【縁結神】 「故郷か?どんなに遠く離れたとて、家を離れた人々は己の故郷を抱えて漂っておるのじゃ。ん?彼の赤い糸は……」小さな妖怪が木彫りから姿を現した。妖怪は振り返って手を振り、明るい笑顔を見せたのだった。【縁結神】 「物語の結末は、悪くないな。」 |
風鈴ストーリー「両情相悦」
両情相悦ストーリー |
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【縁結神】 「美しい春、暖かい春。様々な縁が芽吹く季節じゃ。次はどこへ行こうかのう?」【信子】 「もういい!限界だわ!」【沈也】 「俺にも信念がある。君がどうしてもそう思うというのなら、俺に言えることはないな。」【信子】 「言えることがない?わかったわ、別れよう。これから赤の他人よ!」【縁結神】 「えっ???」【沈也】 「そう言われると悲しいが……そうか。なら、別れよう。」【信子】 「さようなら!」【縁結神】 「え、ちょっと待っ……縁が芽吹く季節にこんな事があってはいかんぞ!どれどれ…ふむ。彼らの赤い糸はちゃんと繋がっておるのに、なぜ別れようとするのじゃ?好奇心が湧いてしまった…追いかけて話を聞いてみよう。おーい!そこの兄さん!」【沈也】 「ん?」【縁結神】 「顔に「お前に興味はない」とくっきり書いておるな…その、さっき喧嘩してたのを偶然聞いてしまってな。何かあったのか?」【沈也】 「君には関係のないことだろう。まだ用事があるから、先に失礼するよ。」【縁結神】 「まあそうじゃな…恋人と喧嘩した直後じゃし、機嫌が悪いのも仕方がない。わかる、わかるぞ。じゃあ、もう片方は?」【信子】 「嫌な奴!むかつくわ!彼はどうしていつもああなのよ!」【縁結神】 「あのう…」【信子】 「あら、すみません。このあたりは普段誰もいないから、つい…驚かせてごめんなさい。」【縁結神】 「いやいや、気にするでない。それより、何かあったのか?機嫌が悪そうじゃったな。」【信子】 「いえ…ただ、嫌な男と喧嘩して別れただけです。大したことじゃありませんよ。」【縁結神】 「大したことじゃぞ。喧嘩は良くないぞ?みんなで話し合って解決しようではないか。」【信子】 「はあ…たぶんお互いのことが面倒くさくなったんでしょう。喧嘩して別れるのも、仕方のないことです。私たちは結ばれない運命なのかもしれません。」明るくて元気そうな少女はため息をつき、振り返って立ち去った。だが、彼女の手に結ばれた赤い糸の先は、ちゃんと彼女が「結ばれない」と決めつけた相手の指に結び付けられている。【縁結神】 「糸はしっかり繋がっておるのに、なぜ「結ばれない運命」だと思うのだ?よし。お主たちが和解できるよう、この神様が一肌脱いでやろうではないか!縁は些細な事に表れる。偶然な出会いを作ることから始めよう。」——春雨はいつも突然降る【縁結神】 「おお、絶妙な頃合いじゃ。同じ屋根の下で相合傘をさす、まさに王道ではないか。法術を少し施して信子ちゃんを引き寄せ、それからもう一人をここに連れてきてっと…さらに傘を一本残しておけば、二人は相合傘で甘い思い出を作れるじゃろう。来た来た!」【信子】 「嫌だわ、どうして急に雨なんか。前の東屋で雨宿りでも…あっ!」【沈也】 「ここはどこだ?俺は……あ。」【信子】 「ちっ。こんなところで何やってるのよ?」【沈也】 「変だな。家で昼寝してたのに、目を開けたらここにいたんだ。」【信子】 「なに馬鹿なこと言ってるの?まだ寝ぼけてるんじゃない?あなたは普段から寝過ぎなのよ。」【沈也】 「俺は…」【信子】 「もういい。まだ用事があるから、先に行くわ。」【沈也】 「待って、ここに誰かが残した傘がある。」【信子】 「あなたが使ってよ、体が弱いんだから。雨に晒されたりでもしたら、丸三日間意識不明になるかもしれないでしょ。 (振り返って雨に突入しようとする)」【沈也】 「(彼女の手を掴まえて)一緒に使おう。」【縁結神】 「おお、良い雰囲気じゃないか。雰囲気が良すぎて、ここにいる我が余計な存在になった気分じゃ。小恥ずかしさでどこかに隠れてしまいたいのう…」【信子】 「だいたい、春と言っても大分寒いし、薄着すぎるのよ!もう少し他人に心配をかけないようにしたらどう?」【沈也】 「大丈夫だ、寒くな——ああ!」少年は足を滑らせ、川に落ちそうになった。【縁結神】 「ああっ!何をしておる!」【信子】 「馬鹿! (手を差し伸べ、彼を掴む)」二人とも川に落ちそうになった時、少女は傘の取っ手を橋に引っ掛け、体を安定させるようにし、落ちるのを防いだ。ザバーン——【沈也】 「俺って本当によくやらかすな…大丈夫か?」【信子】 「大丈夫よ!あなたねぇ、雨の日くらい気を付けて歩いてよ!さっきは何の音?何かが水に落ちたような気がしたけど…」【沈也】 「さあ。気にしなくてもいいんじゃないか?」【縁結神】 「いたたた……うわ、冷たい。彼らはお互いのことをよく知っておるし、深く愛し合っているのも確かなのじゃが…どこかがおかしいのう…はっくしょん!」【信子】 「はっくしょん!」【沈也】 「風邪でも引いたのか?俺の羽織を貸そうか?」【信子】 「いいわよ、自分の心配をして。私はあなたよりずっと丈夫なんだから!」——沈也が病気になった【縁結神】 「こう言うのは少々失礼じゃが、これも二人が和解するいい機会じゃ。病気になった相手の世話をすれば、世話になった相手は心を開き、素直に思いを吐くじゃろう。あとは信子を呼んでく……あれ?」【信子】 「お邪魔するわ! (沈也の家の扉を強く押して開けた)ほら!だからしっかり休んでおいてって言ったのに。また寝込んでるじゃない!」【沈也】 「俺は…ゴホッ、大丈夫だ。もう少し寝れば治る。」【信子】 「薬はここに置いたよ。呑むの忘れないでね!ほら、水。ゆっくり飲んで!お気に入りのお菓子も持ってきたわ。一日二個だけね!」【沈也】 「俺は…」【信子】 「お喋り禁止。さっさと目をつぶって寝なさい!」【沈也】 「ありがとう。」【信子】 「ほんとに…馬鹿なんだから!」【縁結神】 「別れるなんて嘘だったのかのう?近頃の観察によれば、二人は愛し合っておるし、とても馬が合う。我が機会を作れば、彼らは会うたびに恋愛の雰囲気に浸るじゃないか。それも悪くないのじゃが、やはり気になる。一体何が彼らを引き離しているのじゃ?おい、信子!どこに行くのじゃ?」【信子】 「ああ、あなたでしたか。最近、あの馬鹿がずっと寝込んでいるから、様子を見に行こうと思って。」【縁結神】 「お主の恋人か? |
」【信子】 「いいえ、違うわ。もう別れましたし。ただ、あいつはいつも人に心配をかけるんです。」【縁結神】 「じゃが、お主はまだ彼のことを気にしておるようじゃ。なぜ別れたんじゃ?」【信子】 「それは…まあ、どうにもならないこともありますから。私は彼に一目惚れしたんです。彼を最初に見た瞬間から、好きになりました。」【縁結神】 「なら、どうして…」【信子】 「好きと言っても、一緒にいられるとは限りません。もう決めたんです。彼の病気が治った後、ここを出るって。彼から徹底的に離れるために。」【縁結神】 「お主の言うどうにもならないことは、ちゃんと彼と話し合っているのか?それで解決できるかもしれないじゃろう?」【信子】 「(首を横に降りながら、振り返って立ち去った)」【縁結神】 「じゃが——そのままじゃ——後悔してしまうぞ!解決できぬことなら、我が解決してあげようじゃないか。」ドンドンドン——【縁結神】 「ごめんください。誰かいますか?」ドンドンドン——【縁結神】 「信子の友達です。ちょっと聞きたいことがあるんですが。」【沈也】 「…」【縁結神】 「いるのは分かっておるぞ! (扉を押して開けた)」【沈也】 「君は本当に信子の友達なのか?聞いたことがないが。」【縁結神】 「まぁ、そんなことはどうでもいい。ゴホン。失礼。単刀直入に聞くぞ。どうして信子と別れた?」【沈也】 「(目をつぶる)」【縁結神】 「寝るふりをするでない!その、我が余計なことをしていると思われるかもしれぬが…我はただ信子のことが気になるのじゃ。お主たちは愛し合っておるのに、なぜ…」【沈也】 「君は人間じゃないんだろう?この前、君が俺を郊外の東屋に連れていった。そうだろう。」【縁結神】 「えっ?あずまや?急に何を言い出すのじゃ、ハハハ…」【沈也】 「俺も違う。」【縁結神】 「へ?お主もって……まさか、妖怪か?じゃが、お主の妖気はあまりにも…」【沈也】 「俺はもともと人間を喰って生きる妖怪だった。信子に出会ってから、人間を装った。それから一度も喰ったことがない。どこから来た神かと思ったけど、これくらいのことも見抜けないのか?」【縁結神】 「ハハハハ…これはまぁ、どうでもいいことじゃし…」【沈也】 「とにかく、それが答えだ。もう信子とは終わりだ。二度と来ないでくれ。」【縁結神】 「待て、なぜ妖怪と人間が恋に落ちてはならぬ?お主がこうして信子を騙していることも、彼女を傷つけているではないか?」【沈也】 「俺は最初から彼女を騙していた。だが、もうこれ以上騙したくないんだ。俺の思いは、人間の短い一生を束縛することしかできない。」【縁結神】 「どうしてこれを束縛だと思うのじゃ?」【沈也】 「彼女は自分を大切にしてくれる、普通の人間と一生を過ごすべきだ。俺のような、人間の魂を喰う妖怪とじゃない。」【縁結神】 「だ——か——ら!お主の言うことが正しいかどうかはともかく、なぜ己の考えを彼女に伝えぬ?愛は二人のものじゃ。選ぶ権利を持っておるのは信子じゃろう?彼女の考えも聞かずに、勝手に彼女の代わりに別れを選んでどうする!」【沈也】 「俺は…」【縁結神】 「彼女はお主のことが嫌いだとでも言ったのか?妖怪であるお主を責めたことがあるのか?人を喰うのは…確かに良くないことじゃが。」【沈也】 「最初に別れようと言い出したのは彼女だ……」【縁結神】 「えっ?」——扉が突然押し開けられた【信子】 「沈也!まだ寝てる?話があるの!あれ?さっき誰かの声がしたけど、お客さんがいるの?」【沈也】 「いや。気にするようなものじゃない。」【縁結神】 「(無意識に身を隠し)くそ…妖怪め。」【沈也】 「信子、俺にも話したいことがある。」【信子】 「まずは私の話を聞いて!こういう話をする立場じゃないと思うけど、やっぱりあなたに説明した方がいいと思って。」【沈也】 「何だ?」【信子】 「私はね!あの時別れようと言い出したのは、あなたが嫌いになったわけじゃないの。私は…」【縁結神】 「(こっそり盗み見して)おっ、ようやく話す気なのか?」【信子】 「私!実は人間じゃないの!妖怪なの!」【縁結神】 「えっ?」【信子】 「人間の命はもともと短いし、馬鹿なあなたの体が弱くなったのも、もしかしたら私に近づき過ぎたせいかもしれない。だから…だから私が離れさえすれば、あなたは普通の人間として、平穏な生活を過ごせると思う。」【沈也】 「…」【信子】 「はい、話は終わり!あなたはびっくりするかもしれないけど、これが私の本当の考えなの!じゃあ、さようなら! (振り向いて逃げようとする)」【沈也】 「信子! (強く抱きしめる)まったく、君にはお手上げだよ。」【信子】 「何…妖力?まさか…ハハハハハ!えっ、嘘?」【沈也】 「そういうことだ。馬鹿。」【信子】 「馬鹿って言ったら、あなたも馬鹿よ!」【沈也】 「君がそう言うなら、そうなんだろう。君を愛する馬鹿も、俺くらいだと思うし。」【信子】 「馬鹿!でも、話せて良かった。お互いすれ違ってしまうところだったわ。」【沈也】 「そうだな。 (信子の背後に目を向ける)」【縁結神】 「あの視線、まるで「じろじろ見るな。早く出ていけ!」と言っておるようじゃ…貴様、神様に対してその態度か!まったく。この数日間、我は一体何のために胸を焦がしていたのじゃ?彼らを纏う空気さえ輝いて見える!良い結末と言えど、なんだか気に食わんぞ!神を騙し、神の前で愛を自慢するようなご時世なのか?」 |
風鈴ストーリー「心想事成」
心想事成ストーリー |
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【縁結神】 「今日はどんな縁が我を待っておるじゃろうか?ん?向こうで人間が大勢集まっているな。」【青年】 「間違いない。俺はこの目で見たんだ!二人で一緒に行ったのに、最後生きて戻ってきたのは俺の友人だけだった!」【老婆】 「あんちゃん、だからあんたの見間違いだって。そんな恐ろしいこと、あるわけないよ。」【おじさん】 「でも、俺もどっかでその噂を聞いたことがあるんだよな…ひえぇ、恐ろしい恐ろしい。」【縁結神】 「お主たち、何の話をしておるのじゃ?何かあったのか?」【子供】 「このお兄ちゃんが「人喰いの木」のお話をしてるんだよ。」【青年】 「お話なんかじゃない、俺の友人が実際に経験したことだ!」【縁結神】 「「人喰いの木」?」【青年】 「知らないのか?この城外に呪われた木があって、恋人同士がその木の下にいくと必ず一人が喰われ、もう一人だけ生還するんだ。」【縁結神】 「まさか、お主の友人がその木の下で行方不明になったのか?!」【青年】 「違う。確かにあいつは恋人と一緒に行ったが、あいつだけ生きて帰ってきた。あいつに話を聞こうとしたら、青白い顔をして口を噤んだままで、何を聞いても「あの木の噂は本当だ、絶対近づくな」って繰り返すだけだった。あいつの恋人はきっと木に喰われたんだ、じゃないとあんな風になるはずがない!なんて恐ろしい話だ。」【縁結神】 「やけに詳しいのう…本当はお主自身がその友人なんじゃないのか?」【青年】 「まさか!俺は一緒に行ってくれる相手もいないんだぞ!ああ、もう。とにかく、皆も城外のあの木に気を付けろよ!」【縁結神】 「わざわざ恋人同士を引き離す妖怪?怨念で生まれたのじゃろうか?結ばれた二人を引き離すなど、営業妨害もいいところじゃ。放っておくわけにはいかぬ!おい、そこのお嬢さん!」【女性】 「お嬢さん?私のこと?何か用ですか?」【縁結神】 「お主、城外の森から来たのか?ちょっと聞きたいことがあってな。あの辺にある「人喰いの木」に関する噂なんじゃが、聞いたことがあるかのう?」【女性】 「「人喰いの木」…さあ、知りません。私に聞かないでくださいよ、木なんて興味ありませんし。」【縁結神】 「行ってしもうた。でも、「人喰いの木」と聞いた途端、表情が冷たくなったような気がするな。気になるのう。調べてみようか。ここか?随分森の奥にあるせいで、光もほとんど届かぬ。これは…なんて立派な木なのじゃ!少なくとも数百年は育っているじゃろう。一体どれくらいの高さ…」【お初】 「おい!そこの!」【縁結神】 「もう現れたのか?!言っておくが我はここ百年ずっと独身じゃったぞ。我に何かを企んでも…あれ?」【お初】 「ぷっ、じゃあここに何の用?「人喰いの木」の噂を聞いて、様子を見に来たんじゃないの?」【縁結神】 「この近くに住んでおる妖怪か?ちょうどいいところに来た!えっと、コホン…お主、妖怪「人喰いの木」を知っておるか?」【お初】 「知ってるよ。というより、とても仲がいいんだけど。」【縁結神】 「じゃあその妖怪は、本当に木の下に来た恋人を喰うのか?」【お初】 「まだ名乗ってなかったね。僕はハジメって言うんだ。」【縁結神】 「ああ、そうじゃな。我は…」【お初】 「あなたの後ろにあるこの巨大な榕樹が、僕の本体。あなたの言う「人喰いの木」は、僕のことさ。」【縁結神】 「え!!」【お初】 「そんなに驚かないでよ、別にあなたを食べたりしないから。「人喰いの木」とは言え、僕は恋人同士を引き離したりはしないよ。もちろん人間も食べていない。」【縁結神】 「はあ、やはりな。「人喰いの木」なんて、誰かがでっち上げた作り話に決まってる。それで、つまり「人喰いの木」は一体どういうことなんじゃ?」【お初】 「それだよ。考えただけで腹が立つ!ちょうど誰か来た。こっちに上がって。自分の目で確かめた方が手っ取り早いから。」【縁結神】 「確かめろと言われても…女の子が怖がっておるように見えるだけじゃが。男の子…男の子も怖がっておるのか?二人は互いを愛しておらんようじゃ。次の瞬間に別れてもおかしくない感じじゃな。あれっ?二人が喧嘩し始めたのう。女の子が恋人に平手打ちをして逃げてしまったぞ…」【お初】 「わかっただろう?木がカップルを引き離してるんじゃなくて、彼ら自身の問題なんだよ。僕は普通の古木だ。毎日森で暮らし、暇なときに字を書いたり絵を描いたりする。悠悠自得な日々だよ。喧嘩や別れは人間自身の問題なのに、木が引き離したなんて馬鹿なことを言う。」【縁結神】 「あいつらはどうして急に喧嘩しだしたんじゃろう?」【お初】 「多分、この暗い環境が彼らの不安を誘ったんだと思う。そんなことで別れるなんて、本当の愛じゃないのに!おまけに別の何かで試そうとするんだから。」【縁結神】 「(うわ、本気で怒っておるようじゃ)ハハハ、我もそう思うぞ。」【お初】 「本当に愛し合っている人間は互いに忠誠を誓ってるから、恐怖なんかで考えを変えたりはしない。そうだろう!」【縁結神】 「えっと…まさか、お主、人間の恋愛模様を見るのが好きなのか?」【お初】 「ち、違うよ!ただ恋愛に関する物語が好きで、それらを絵にしたいと思うだけだ。ほら、こんな感じ…まあ、勝手に描いてるだけなんだけど。どうせ僕の描いたものなんて何の役にも立たないし…それに「人喰いの木」の噂のせいで、この近くはほとんど誰も来なくなったから。絵を描く素材もなくなってしまったな…」【縁結神】 「本当に見せてくれるのか?おお!お主、絵が上手いのう!分かったぞ。これだ!これが問題を解決する鍵じゃ!」【お初】 「え?」【縁結神】 「お主、今の状況を絵で変えたいとは思わぬか?」【お初】 「「縁結びの木」?」【縁結神】 「そうじゃ。我ら二人で新しい「噂」を作るのじゃ。お主の木を恋人たちの心が通じ合う「縁結びの木」に仕立てるぞ!」【お初】 「何馬鹿なことを。人間の考えを変えるなんて難しすぎる。第一、どうしてわざわざ人間のために苦労しなきゃいけないのさ?」【縁結神】 「いわゆる「縁結びの木」になれば、お主はいつでも絵を描け…コホン、いつでも恋愛物語を記録することができるぞ。尽きることのない豊富な素材で、美しい瞬間を己の筆で描くんじゃ。素晴らしいと思わぬか?」【お初】 「わかった。どうしたらいい?さっそく始めよう!」【縁結神】 「我に任せなさい!まず、「縁結びの木」の存在を人々に知らせることじゃ!人間が集まる場所で「縁結びの木」の情報を広め、徐々に「縁結びの木」の存在を人々に理解してもらうのじゃ。」【人形商人】 「おーい!新たな演劇が始まりますよー!今回お届けする物語は、とある不思議な「縁結びの木」のお話でして…」【お初】 「お姉さん知ってる?聞いた話によると、最近流行ってる「縁結びの木」の劇、実は本当の話なんだって。城外の森にそんな木があって…」【縁結神】 「やあ、可愛い子供たち!面白いお話があるぞ。昔々、とある所に「縁結びの木」があってな…」【お初】 「おばさん、日常茶飯事だけじゃあまりにも退屈ですよ。友人から聞いた本当にあった話を教えましょう…」【縁結神】 「お主、この間の若者じゃろう?よく聞け。お主は友人に騙されておる。実はその木…」【お初】 「丸二日間市場で話し続けたけど、本当に効果があるの?」【縁結神】 「そろそろ次の段階に入るぞ。経験で道理を説くのじゃ!不思議な物語など珍しくもない。大事なのは人々が何を見たかということじゃ。ふんふん…まず、一枚の絵を描いてくれ…我じゃなく、一対の恋人を描くのじゃ。」【人形商人】 「「縁結びの木」はこれにてお終い!台本は全て実話に基づいて書かれたものですよ。気に入っていただけたら嬉しいです!」【青年】 「本当にそんな木があるのか?信じられないな。」【人形商人】 「もちろんありますよ。ここだけの話、このお話は彼女が実際に体験したことなんです。彼女はその木の下で好きな男の子に告白し、今や子供を二人もお持ちなんですよ!しかも、彼女は木の妖怪から絵巻を受け取っているんです。ほら、この絵。妖力が加わったらしく、絵を見た人は良縁が結ばれるように、祝福を受けるのです!」【老婆】 「信憑性が薄い話だけど、絵は確かに綺麗だね…」【おじさん】 「お母さんが話してくれた酒呑童子対陰陽師の戦いの方がよっぽど本物っぽかったよ!」【女性】 「でも、万が一本当の話なら…私…」【縁結神】 「悪くないぞ。多くの人が「縁結びの木」の話を知るようになった。」【お初】 「ちょっと待って、何か大事なことを忘れてない?僕の木は縁結びなんてできないよ!」【縁結神】 「それは置いといて。いよいよ最も肝心な一歩じゃ。」【お初】 「本当に大丈夫なの?」【縁結神】 「シ——ほら、人が来たぞ。あの恥ずかしそうな表情を見よ。ふふん、木の下で告白しようとしてる子じゃ。まだまだ未熟な少年と少女。これが初恋の味じゃ!告白に成功したか?おお、手を繋いだぞ!良かったな!ハジメ、彼らに絵を描いてあげるのじゃ。「縁結びの木」からの贈り物として、彼らに贈ろう。」【お初】 「それは別にいいけど、どうしてわかったの…」【縁結神】 「へへ、それは秘密!これから忙しくなる。情熱を込めて描くんじゃぞ。」【お初】 「は?」いつの間にか、平安京で「縁結びの木」という噂が広がっていた。城外の森の奥に、ある古木がある。古木の下で一緒に過ごした二人は愛し合うようになり、一生幸せになれるのだそうだ。さらに、相手を深く愛していれば、神からの贈り物として、二人の愛の瞬間を描いた絵巻がもらえるらしい。しかし、この一連の出来事がどうやって実現されているのか、誰一人分からないのだった。【お初】 「はあ…疲れた。情熱を込めて絵を描くことがこんなに大変だとは思わなかったよ。」【縁結神】 「じゃが、それも我らが成功した証じゃ!」【お初】 「そういえば、木の下で告白して、本当に成功した人がどんどん増えてるね。あなたが裏で何か仕掛けてるの?まさか、何かの法術で人の心を惑わしたとか…」【縁結神】 「そんなことあるわけなかろう。これは彼らの努力の結果じゃ。神であろうと、無理矢理縁を結ばせることはできぬ。縁は人々自身の努力に関わっておる。「縁結びの木」であろうが、神であろうが、ただ少し力を貸すことしかできないのじゃ。それに、我が本当に何か仕掛けたら、我が離れるとお主の生活がまた元に戻ってしまうじゃろう。」【お初】 「なら…どうして?」【縁結神】 「ここが「人喰いの木」と勘違いされていた理由は、森の奥の暗い環境が彼らを不安にさせていたから。そうじゃろう?じゃが、「縁結び」という暗示が加われば、暗い環境は「真の愛」を検証する絶好の機会になるのじゃ!」【お初】 「これが、あなたが力を入れて「縁結びの木」を宣伝した理由?」【縁結神】 「そうじゃ!もともと互いに好感を持っていた人間が、相手と一緒にここに来て真剣に告白する——最初から結末は決まっておるのじゃ!」【お初】 「「最初から結末は決まっている」、か…なかなか良い言葉だ。絵にしてみよう。」【縁結神】 「あはは、我の話なら描かなくていいぞ。恥ずかしいからのう!」【お初】 「餞別だと思ってくれ。もうすぐここを離れるんだろう?」【縁結神】 「バレてたか。」【お初】 「あなたが普通の人間じゃないってことはとっくに気づいてたよ。でも、会えて良かった。あなたが僕を変えてくれなければ、僕は葉の隙間から見える小さな世界をいつまでも描いているところだったよ。おかげで「縁結びの木」になれたし、僕の絵をより多くの人に見せることもできた。」【縁結神】 「お主と過ごしてきた日々も楽しかったぞ。短い間じゃったが、多くの人々が己の「縁」を結んでいるところを見届けることができたからな、神として悔いはない。(それに、ハジメの筆は本当に早かった。毎日新しい絵巻を見せてもらえて、とても楽しかったぞ!)」【お初】 「怪しい笑顔だな。」【縁結神】 「ハハハハハハ!」【お初】 「そのまま動かないで。」【縁結神】 「……ハハハ……は?」【お初】 「はい、お土産。描いたのは、木の上に座って馬鹿みたい笑っているあなた。悪くないだろう?」【縁結神】 「なんか少し変じゃな?まあ、ありがたく受け取っておこう!」【お初】 「もう行くの?次にこの近くを通る時も、僕に会いに来てね。」【縁結神】 「もちろんじゃ!その時になったら、お主がその間に描いた作品をまとめて見せるのじゃぞ!」【お初】 「僕が有名な画家になれば、どこでもいても見られるよ!」【縁結神】 「それなら、この絵を大事に仕舞っておかねばならぬな。いつか有名な画家が描いた「本物」になるかもしれんし!」【お初】 「行ってしまった…本当に変な奴だったな。ひょっこり現れたかと思えば、嬉しそうに離れていく。彼女の旅を絵にしたら、いい作品ができるかもしれない。「縁結びの木」か?なら、「旅をする縁結神」という話を描いてみようかな。縁結びを司る神は旅をしながら、人々の縁を結ぶ。いつの間にか、彼女もこの世界と、この世界のいろんな人と…不思議な「縁」を結んでいた。良さそうな話だ。さっそく始めよう!僕の筆は、美しい人と、美しい物語を記すために存在するからね。」 |
風鈴ストーリー「鬼童修羅」
鬼童修羅ストーリー |
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【縁結神】 「ここは鬼域のどこじゃ?重苦しい陰気が…縁の匂いを嗅ぎつけてここまで来たのじゃが、まったく祈念する者の気配がしないではないか。」【天邪鬼赤】 「どこから来た人間の小娘だ?一人で修羅鬼道に入ってきてやがる。」【天邪鬼緑】 「ちっこい奴だな、小腹も満たされねえぞ。」【天邪鬼黄】 「赤い服着てんなあ、焼き肉っぽくねえか?」【縁結神】 「焼き肉?それは我を言っているのか?それともお前自身を?」【天邪鬼赤】 「おいおい、お前は危険に晒されてるんだぞ。修羅鬼道に来たからには、生きて出られると思うなよ!一斉にかかれ!」【縁結神】 「はぁ、危ないのはそっちじゃ。その言葉、そっくりそのまま返してやるわ。」【天邪鬼緑】 「ひいぃっ、申し訳ございませんでした、神様!どうか命だけは…!」【天邪鬼黄】 「焼き肉にこんな力があったなんて…」【縁結神】 「我がなんじゃ?もう一度言ってみよ。」【天邪鬼赤】 「イクラ寿司…あ、いやいやいや!」【縁結神】 「何じゃと?」【天邪鬼緑】 「女神!貴方は女神様ですよ!」【縁結神】 「ふむ、悪くない。これで懲りたじゃろう?」【天邪鬼緑】 「はい、はい!もう二度としません!」【縁結神】 「過ちを償う機会をくれてやろう。」【天邪鬼黄】 「女神様のお言葉ならなんでも従いましょう!」【縁結神】 「そうじゃな…最近、我の霊力が足りてなくてな…」【天邪鬼赤】 「ま、まさか私達を食べる気で…それはまずいですよ、女神様!」【縁結神】 「少しばかり不満かと思うが、お前らでなんとか縁を結んでくれないかのう?」【天邪鬼緑】 「え?聞き間違えではありませんよね…」【縁結神】 「この何もない場所で七日間ずっと歩いてきたのだが、生きた物を見たことが無くてな。お前らも長い付き合いなんじゃろう?相殺するぐらいなら相愛のほうがいいぞ。」【天邪鬼黄】 「わあああああ!逃げろ!奴だ!奴が来た!」【縁結神】 「おい、こら!嫌なら嫌と言え、何も逃げることは無かろう!せめて出口ぐらい教えんか!」【鬼童丸】 「逃げて楽しい?背中を猟師に見せちゃダメじゃないか。君達は常識も知らないんだね。」【天邪鬼赤】 「許してください、お願いですから殺さないでください!女神様、どうかお助けを!」【縁結神】 「あやつの首にかかっているのは…我の神社の赤い糸か?お主は一体何者じゃ?鬼のはずじゃが、なぜ人間の姿をしておるのだ。」【鬼童丸】 「ちょっと静かにしてて。そう急かさなくても、こいつらを始末したら君の番だから。」【縁結神】 「我の番じゃと?我を獲物にするなど、蛇が象を飲み込もうとしているようなものじゃ。甘く見られては困るのう。」【鬼童丸】 「おっかないなぁ。」【縁結神】 「何故じゃ?その手の呪術は陰陽師にしか使えないはずじゃろう?」【鬼童丸】 「だから急かさないでってば。あまり神様に乱暴な事はしたくなかったんだけど、君が大人しくしてくれないからさ。」【縁結神】 「うわああ!何をする気じゃ?我を食うのか?いや、その…我は肉も少ないし、美味しくないぞ…」【鬼童丸】 「君は僕にとって、どこにでもあるような腐った肉なんかじゃない。まあ、神様はとっくにお忘れになったんだろうけど。それもそうだよね。神は数え切れないほどの信者を持っているし、取るに足らない微々たる一人をわざわざ覚えたりはしないか。」【縁結神】 「腐った肉じゃないって…それはつまり食えるってことか?我は絶対に美味しくないぞ!周りにいるあやつらの方をお勧めするが…」【天邪鬼赤】 「うわあぁ、こんな神様見たことがないぞ!」【鬼童丸】 「その包み、何が入ってるの?しょうもない物ばかりだね。君、くず拾いの神だったの?」【縁結神】 「それは我が縁を結んだ後に神の力で作った記念品たちじゃ…壊れやすいから優しく扱ってくれ…」【鬼童丸】 「ん?」【縁結神】 「いやいや、好きなだけ持っていけ、好きに使うといい!あっ、でもその猫だけは我に残しておいてくれるとありがたい…」【鬼童丸】 「何しにここへ?」【縁結神】 「縁を結ぶ旅をしておったのじゃが、歩いているうちに迷子になってしまって…だから地元の者として、道を案内してくれんかのう…」【鬼童丸】 「君、自分でもその言葉を信じてないでしょ?」【縁結神】 「いや、その…お主の首に巻かれた糸なんじゃが、どこから来たものか知りたくないか?ひょっとすると、お主の両親は私の縁の力で結ばれたのかもしれない。そう考えると、我はお主の恩人とも言えるじゃろ?だから…」【鬼童丸】 「だから、そうやって僕の気を惹き続けているのも、背後から来てる奴らに気付かせないため?」【寄生魂】 「修羅鬼に勘付かれたぞ、今だ!」【縁結神】 「かかれ!お主たち、役目を分けて戦うのじゃ!一人が奴の手足を拘束し、残りは奴の頭を殴れ!フン、随分恨みを買っておるではないか。この数の悪鬼なら、さすがのお前も手に負え…って、あれ?あれほどいたのに、もう倒れとる…」【鬼童丸】 「今なんて言ってたっけ?もう一回言ってよ。」【縁結神】 「我はお主の恩人じゃから、今から我を連れ出してくれるって話じゃったな…」【鬼童丸】 「かかれとか、殴れとか聞こえた気がするんだけど?」【縁結神】 「それは聞き間違いじゃ!は、ははっ…我を殺さないでくれ!へ?」【鬼童丸】 「たしか、君は法術に詳しかったよね。これが何なのか、分かる?」【縁結神】 「これは…誰が何のためにこれほど凶悪な呪術をお主にかけたのだ?この術にかかった者は術を施された地点に近づくと、五臓六腑が引き裂かれたような痛みに苦しまれる。」【鬼童丸】 「これを解く方法は?」【縁結神】 「呪いを解ける者はまだ産まれてきていないじゃろうな。」【鬼童丸】 「じゃあ君を生かしておく必要も無いみたいだね。」【縁結神】 「いやいや、話を聞け!呪いを解ける子の親なら、もうお見合いを始めておる!我が二人を導けば、あと二年程で産まれてくるはずじゃ!落ち着いて、深呼吸じゃぞ……」【鬼童丸】 「都は陰陽術師が集う場所だから、僕はそこに近づけない。殺されたくなかったら、僕の代わりに行ってきてよ。呪いを解く方法を探しに。」【縁結神】 「都は近頃戦乱を終えたばかりで、縁結びを求める者も増えておるから、もともと行く予定だったのじゃ。約束しよう。」【鬼童丸】 「物分かりがいいんだね。でもその前に、これをやっておかないと。」【縁結神】 「え?!鎖に我の名が…お主には教えていないはずじゃぞ!どういうつもりじゃ?」【鬼童丸】 「どういうつもりって、そりゃあ君が僕の獲物になったってことだよ。たとえこの世の果てまで逃げても、僕からは逃れられないから。」【縁結神】 「…我がお主の代わりに苦労してやることになったんじゃし、我をここから連れ出してくれんかのう…」【鬼童丸】 「神様のくせに、方位判断の術ができないの?」【縁結神】 「昔、あのデカ氷から真面目に教わってなくての…勉強は辛いのじゃ!」【鬼童丸】 「勉強か。僕にとっては遥か遠い言葉になってしまったよ。学堂にいた頃は、なんて簡単で楽しくない任務なんだろうと思ってた。勉強なんかより、殺戮の方がよっぽど頭を使う。特に自分より強い獲物を狩る時はね。罠や脅迫、そして毒殺…僕は狩猟が成功した瞬間の痛快さを毎回楽しんでいるんだ。」【縁結神】 「罠…脅迫…毒殺……」【鬼童丸】 「怖くなった?」【縁結神】 「自分がそうやって殺される場面を…想像していただけじゃ……」【鬼童丸】 「そんな手段で君を殺さないよ。」【縁結神】 「え?」【鬼童丸】 「君相手ならそこまで手間はかからないから。」【縁結神】 「我もそう思うぞ!我を殺してもまったく達成感が無い!我に道案内をしてくれる方がよっぽど達成感があるじゃろう!」【鬼童丸】 「僕たちの約束、忘れないでね。」【縁結神】 「分かっておる!そういえば…別に名乗ってくれなくてもいいのじゃが、術を解いた後、何をするつもりなのじゃ?それくらいは教えてくれてもいいじゃろう。」【鬼童丸】 「人間に害を及ぼさないか心配してるの?安心して。都のような面倒な場所に興味はないから。ただ、僕を興奮させる獲物はある。」【縁結神】 「ならば良いんじゃが…都はもうこれ以上戦乱に耐えられぬ。何度も破壊されておるからのう。それで、お主が狩りたい妖怪とは誰のことなんじゃ?」【鬼童丸】 「君に手を出さなかったからといって、自分の立場も忘れたの?」【縁結神】 「まあよい…もう聞かぬ。どうせ我もまともな神じゃない。お主が悪を働こうとて、我にそれを止める力はない。じゃが、お主が我の神社の赤い糸を着けておる限り、我はお主の心の中にある全ての感情が断ち切られることを望まぬ。」【鬼童丸】 「余計なお世話だよ。この道をまっすぐ行けば、修羅鬼道から抜けられる。君の方向感覚は記憶力と同じくらい劣っているようだね。人間の礼儀なら、ここではまた会おうとでも言うべきなのかな。」【縁結神】 「まさか、まだ人間の習慣を残していたとは…(やっぱり二度と会わない方がいい…)じゃあまたな、修羅鬼。」【鬼童丸】 「またね、くず拾いの神さん。絶対、また会えるから。」【縁結神】 「…」 |
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