【陰陽師】恋に翻弄された運命を辿った女式神たち
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『陰陽師』に登場する女式神たちの背景を紹介。恋に翻弄された運命を詳細に解説。
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恋に翻弄された女式神たち
陰陽師には多くの式神が登場するが、戦闘中のセリフや、ストーリーなどでなんとなくお気付きの方もいるかもしれない。
実は、陰陽師に登場する女式神の中には、恋愛に翻弄され、悲しい運命を辿った式神たちが存在するのだ。
彼女たちの恋愛は悲しいことに上手くいったものばかりではない。どちらかというと翻弄され、心身共に傷ついたものが多いのだ。
今回は女式神たちの恋愛に注目してみたい。
桜の精(さくらのせい)
桜の精の恋。彼女の恋は人間との恋であり、ついに彼は亡くなってしまう。
悲しくもロマンチックな恋のように思えるのであるが、実は桜の精自身が自我を失い、恋人を殺してしまったのである。
愛する人を失い、苦しむ桜の精
陰陽師のストーリーにも出てくるが、黒生命の邪悪な気が森全体を包む。
桜の精は邪悪な気を不安に思いながらも、恋人との約束のため、桃の精の制止を振り切って会いにいってしまう。
しかし、悲しいことに正気を取り戻した時には恋人を失ってしまっていたのであった。
いっそ出会わなかったなら、と自責の念にかられる桜の精。
彼女の心中を思うと苦しくなるばかりだ。
来世での約束、幸せなエンディング!
悲しみにくれる桜の精であったが、恋人からの愛の告白を改めて聞き、希望を取り戻すのである。
妖と人間という種を超えた恋愛を乗り越えた桜の精。
愛する人との「来世必ず会いに来る」という約束を胸に、桜の精は今日も可憐な踊りを舞う。
絡新婦(じょろうぐも)
絡新婦は元々は皆が羨むほどの美人であった。
実は、彼女が悲しい怨霊の蜘蛛に成り果ててしまったのは愛する人の裏切りのせいであったのだ。
望まぬ結婚生活の中で
絡新婦は美しさゆえに領主に嫁ぐ。絡新婦からしてみれば、愛のない結婚であり、つまらない日々出会った。
ところがある日、群衆の中の男に一目惚れをする。そして密会を始めるようになってしまったのである。
いわゆる禁断の愛を選んだ絡新婦の運命は、狂い出してしまうのである。
魔性の女?男は私の餌よ!
絡新婦の禁断の愛は長くは続かなかった。
恋人の裏切りにより、絡新婦は拷問の末、ある箱に監禁されてしまう。
監禁された箱には光る目を持つ無数の毒蜘蛛がいた。
やがて、絡新婦は毒蜘蛛に食べられ、男たちへの憎しみを抱いたままついには毒蜘蛛と1つに融合したのであった。
絡新婦にとっては男は信じられない存在となるのも無理はない。
絡新婦が男の匂いを嗅ぎ回っているのは捕食するためであり、かつての自分を虐げた者たちへの復讐となっているのである。
清姫(きよひめ)
清姫は、上半身は女性、下半身は蛇の姿の妖である。
おぞましい姿とされているが、かつては普通の女の子であった。
彼女の変貌は愛ゆえである。清姫もまた、憎しみによって姿を変えてしまった悲しい女性なのである。
帰ってこない恋人を待ち続けた
清姫は、ある和尚と約束をしていた。
必ず迎えに来る、必ず会いに来るという約束である。
しかし、待てど暮らせど帰ってこない。
ついに清姫は愛を憎しみに変え、下半身を蛇へと変えてしまう。
高温度の愛を燃やす一途なタイプ??
清姫は他の式神と少し違う。
蛇に姿を変えるほどに、根底には憎しみ以上の愛があるのである。
愛した男を体温で焼き殺してやりたいという激しい愛を燃やしている。
つまり、復讐という感情は一切なく、愛しているからこそ焼き尽くしてやりたい。いわば、危うい香りがする非常に一途なタイプなのである。
手段を選ばず愛を伝えたいという清姫は可愛らしい一面を持っているとはいえないだろうか?
骨女(ほねおんな)
骨女は死後、愛する夫のために生者に取り憑いた女性である。
取り憑いた相手は悲しいかな、夫が浮気していた相手であるのが衝撃的な話である。
夫の帰りを待ち続けた悲しい骨女、一体どんな経緯を経たのであろうか。
夫を探すうちに命を落としてしまう
どのくらい経ったのか、風のうわさで夫は生きており将軍になったと聞いた。でも誰から聞いたか思い出せない、それどころかもう何も思い出せない。 |
骨女の愛する夫は戦地に行ってしまう。毎晩骨女に手紙をくれると約束をして。
骨女は信じて待つが、手紙は来ず、帰りもない。ついに骨女は彼を探しに一人で旅立つ。
骨女の式神伝記では骨女は記憶があやふやとなってしまっている。
骨女は夫を探す道中で命を落としたため、生前の記憶が失われつつあるのだ。
さらに不運な骨女。なんと、霊になってまでようやく見つけ出した夫の傍らには、別の女性が眠っていたのだ。
ノンストップ恋心、健気な骨女!
けなげな骨女。浮気相手と夫が眠っているのを目撃しても、「良いさ。彼が良ければそれで良いさ。」と一度は許そうとする。
しかし、何年も恋い焦がれた骨女の恋心は止まらない。
気づいた時には浮気相手の女の体に取り憑き、彼の恋人として一夜を共にしてしまう。
夫は骨女の正体に気づくことなく、そのまま暮らしてしまう。
生前恋していた男のために、憎い女の体に取り憑くというのは深い恋慕無くしてはできない行為であろう。
雨女(あめおんな)
雨女は漁に出て命を落とした夫の帰りを待ち続けた女性の式神である。
残念ながら、夫は嵐の海に飲み込まれて亡くなってしまう。
しかし、雨女は夫の死を信じられず、妖になってまでも橋の上で帰りを待つのだ。
待ち続ける雨女
雨女は人間の女性であった。美しく、優しい彼女は漁師の夫と幸せに暮らしていた。
夫はある日、雨女の心配をよそに漁に出てしまう。
彼は雨女に不自由ない生活をしてほしい一心でのことであったが、不幸にも海に飲まれて命を落とすのだ。
雨女はまわりからは夫は死んだと言われる。
しかし、雨女は動じない。お腹の子どもとともに橋の上から彼の帰りを待つ日々であった。
優しく強い雨女、一途な愛の代表!
夫の帰りを待つうちに、いつしか妖となってしまっていた雨女。
妖となっても変わらず、橋の上から夫の帰りを待っている。
まさに一途な女性とは雨女のことではないだろうか。
陰陽師のストーリーでは、黒無常たちのはからいによって、彷徨う魂として夫と再会を果たす。
彼は彼なりに、雨女の制止を聞かず漁に出たことを悔いていた。
相思相愛の元に引き裂かれたことは桜の精と似ているが、雨女は元々は人間であった。
さらに、妖になってもまだ強く夫を待っている点だけを見れば、一途な愛を貫いていると言えるだろう。
まとめ
陰陽師に登場する女式神の恋愛をまとめると、愛する力が非常に強いということに尽きる。
妖でありながら人との愛を貫いた者、愛の力が強いゆえに姿を変えてしまった者。
今回の記事で注目すべきは等しく「愛」なのだ。
残念ながら愛が転じて憎しみとなって、自身の姿を変えてしまった式神が多いのだが、彼女たちも純粋な女性であったことは間違いない。
むしろ純粋さゆえに悲しい結末を迎えてしまったとも言えるであろう。
いづれにせよ、人間も妖も愛の前には翻弄されがちということがわかった。
是非とも、パートナー選びは慎重に、相手の純粋な恋心を弄ぶことないようにしていきたいものだ。