【陰陽師】阿修羅(あしゅら)の評価・おすすめ御魂・出現場所
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「阿修羅(あしゅら)」の評価、ステータス、スキルを掲載!阿修羅の特徴を確認して、陰陽師の攻略に役立てよう!
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「阿修羅」の基礎情報
総合評価 | 9.0/10.0点 |
PvE評価 | 10.0/10.0点 |
PvP評価 | 8.0/10.0点 |
レア度 | |
攻撃タイプ | 全体攻撃 単体攻撃 単体牽制 |
入手方法 | 召喚 百鬼夜行 |
登場場所 | - |
声優・CV | 小西 克幸 |
中国名 | 阿修罗 |
英語名 | Asura |
プロフィール詳細 |
覚醒前アイコン | 覚醒後アイコン |
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ダンジョン適正度
PvE評価 | PvP評価 |
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星6推奨度 | 所持しておきたい数 |
★★★★★ | 1~2体 |
活躍場所 | |
PvE&PvPバランス型 |
全コンテンツ評価
探索ダンジョン | 御魂ダンジョン | 覚醒ダンジョン |
---|---|---|
5/5点 | 5/5点 | 5/5点 |
御霊ダンジョン | 結界突破 | 闘技 |
5/5点 | 5/5点 | 5/5点 |
叢原火 | 日輪の隕 | 永生の海 |
5/5点 | 5/5点 | 5/5点 |
真オロチ | レイド | 鬼王襲来(麒麟) |
5/5点 | 4/5点 | 2/5点 |
陰界の門 | 異聞ダンジョン | 地域鬼王 |
5/5点 | 5/5点 | 5/5点 |
首領退治 | 妖気封印 | 経験値妖怪 |
3/5点 | 5/5点 | 3/5点 |
銭貨妖怪 | 石距 | 年獣 |
5/5点 | 5/5点 | 5/5点 |
イベント(※) | ||
5/5点 |
※イベントによって点数が大幅に左右される
「阿修羅」のスキル
スキル1:紅蓮天誅
詳細 | |
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消費鬼火 | 0 |
効果 | 服従、または、死。 骨の鞭を振りかざし、敵目標に攻撃力の100%相当のダメージを与える。阿修羅が目標を撃破すると、目標に天誅を付与し、さらに「天魔の威圧」が「無間殺戮」に替わる。【天誅】 [共通、印]攻撃力が永久的に50%ダウン |
レベルアップ時の効果 | |
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Lv2 | ダメージが105%にアップ |
Lv3 | ダメージが110%にアップ |
Lv4 | ダメージが115%にアップ |
Lv5 | ダメージが120%にアップ |
スキル上げ優先度 |
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★☆☆☆☆ |
スキル2-1:天魔の威圧
詳細 | |
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消費鬼火 | 0 |
効果 | お前の悲鳴で、俺を楽しませろ。 戦闘とターン開始時、理性を9獲得する。理性が9に達していない場合、制御効果と放逐を免疫する。毎回攻撃前に攻撃する目標数応じて理性を消費する。【覚醒後】 阿修羅の初期の素早さが攻撃目標を上回る場合、与ダメージが10%アップする。【理性】 [共通、印]上限9。理性を1回復するたびに、最大HPの8%相当のHPを恢復する。同時に理性は阿修羅の力を抑えるため、理性1につき、ダメージが9%ダウンする。【制御効果】 凍結、昏睡、混乱、挑発、沈黙、縛り、変幻、スタン、挑発、上級凍結、以上は全部制御効果に属している。後ろの4つは解除できない。【放逐】 動作不能、敵に選択されない、行動ゲージの位置固定、パッシブスキルと装備した御魂無効、ダメージと回復効果、バフとデバフ無効。【恢復】 回復効果と違って、回復阻害効果に影響されず、回復に関係する効果を発動させず、会心にならない。 |
レベルアップ時の効果 | |
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Lv2 | 理性のダメージ減少効果が8%までダウン |
Lv3 | 理性のダメージ減少効果が7%までダウン |
Lv4 | 理性のダメージ減少効果が6%までダウン |
Lv5 | 理性を1失うたびに、被ダメージが6%ダウンする |
スキル上げ優先度 |
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★★★☆☆ |
スキル2-2:無間殺戮
詳細 | |
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消費鬼火 | 0 |
効果 | 制御効果と放逐を免疫し、ターン開始前に自動的に「無間殺戮」を発動する。自身と召喚物以外の味方ターン終了後に、阿修羅の理性が1回復する。味方に帝釈天がいる場合、帝釈天のターン終了後に、阿修羅の理性が追加で3回復する。 【発動】 ターン開始時、理性が9に達していない場合、巨剣を召喚し自身以外のランダムな目標に攻撃力の263%相当のダメージを与える。同時に剣の雨が残りの敵に攻撃力の113%相当のダメージを与える。 理性が9に達した場合、直ちに「天魔の威圧」に戻る。 |
スキル3:煉獄虐殺
詳細 | |
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消費鬼火 | 3 |
効果 | 我が向かう所、滅びあるのみ。 敵陣に切り込んで天魔の巨手を落とし、敵全体に攻撃力の290%相当のダメージを与える。さらに理性がなくなるまで、敵目標に攻撃力の54%相当の追撃ダメージを与える。 |
レベルアップ時の効果 | |
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Lv2 | 敵全体へのダメージが305%にアップ |
Lv3 | 敵全体へのダメージが315%にアップ |
Lv4 | 追撃ダメージが63%にアップ |
Lv5 | 敵目標を撃破した時に理性がまだ残っている場合、攻撃目標はがHPの最も低い敵に転換される。 |
スキル上げ優先度 |
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★★★★☆ |
スキル上げ優先度について |
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★★★★★:最優先で上げた方が良い(上げないと使えない) ★★★★☆:上げないと使えない場合がある ★★★☆☆:上げた方が良い ★★☆☆☆:優先度は低い ★☆☆☆☆:上げなくても良い |
スキルチュートリアル攻略
壹段
攻略手順 | |
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1 | 八百比丘尼は流れ星を使用 |
2 | 阿修羅はスキル3を星熊童子に使用 |
3 | 以降オート放置可能 |
勝利条件
6ターン以内に敵所有式神を撃破する。
クリアのコツ
スキル「煉獄虐殺」の使用に気をつけ、阿修羅が早期に「無間殺戮」状態に入るのを避けましょう。
貳段
攻略手順 | |
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1 | 阿修羅はスキル3を兵俑に使用 |
2 | 妖琴師同士で6ターン目までスキル2を使用し合い、6ターン目の妖琴師は通常攻撃 ※阿修羅の理性を回復させるため |
3 | 青行燈と座敷童子は通常攻撃またはスキル3を使用 |
4 | 神楽は疾風を阿修羅に使用 |
5 | 阿修羅はスキル3を使用 |
勝利条件
・11ターン以内に敵所有式神を撃破する
・味方の所有式神が戦闘不能にならない
クリアのコツ
味方を使って阿修羅に理性を回復させましょう。
参段
攻略手順 | |
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1 | 阿修羅はスキル3を鬼王酒呑童子に使用 |
2 | オロチはスキル2を阿修羅に使用 |
3 | 座敷童子はスキル3を使用 |
4 | 黒童子はスキル3を使用 |
勝利条件
6ターン以内に敵所有式神を撃破する。
クリアのコツ
「無間殺戮」を利用してHP調整効果を持つ式神と連携しましょう。
「阿修羅」の使用動画
阿修羅動画 | ||
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中国版百鬼戦 | 探索 | 御魂11階 |
御霊 | 叢原火 | 真オロチ |
「阿修羅」が覚醒して得られる効果
覚醒して得られる効果の詳細 |
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スキル2-1「天魔の威圧」追加阿修羅の初期の素早さが攻撃目標を上回る場合、与ダメージが10%アップする。 |
「阿修羅」の強い点
全体攻撃&理性の数だけ追撃
阿修羅は、スキル3で315%の全体攻撃に加えて理性の数だけ追撃を行う。敵の数が多いほど追撃数が減ってしまうが、探索や御魂、御霊ダンジョン周回など敵が少ない場所であれば性能を発揮しやすい。
PvPの速攻アタッカーとしても優秀だが、なによりPvEでの周回役として最前線で活躍可能。
敵の数 | 主な場所 | 追撃数 理性9の全体攻撃時 |
---|---|---|
1体 | 御霊ダンジョン | 8回 |
2体 | - | 7回 |
3体 | 御魂ダンジョン 叢原火(ボス) |
6回 |
4体 | 探索ダンジョン | 5回 |
5体 | 真オロチ | 4回 |
6体 | 闘技 結界突破 異聞ダンジョン 覚醒ダンジョン 陰界の門など |
3回 |
敵を倒さなければ無間殺戮に切り替わらない
阿修羅は敵を倒すと「天魔の威圧」が「無間殺戮」に切り替わる。敵を倒さなければ切り替わらないので周回だけでなく、高HPの取り巻きがいるイベント戦などのアタッカーでも運用可能。
しかし、麒麟やレイドのような敵を途中で倒す必要があるコンテンツは、無間殺戮に切り替わって味方を倒してしまう可能性があるので注意しよう。使用する場合は帝釈天と一緒に編成して理性を素早く回復させる必要がある。
敵を倒さない場合はターン開始時に理性9獲得
敵を倒さない場合、次のターン開始時に理性を9獲得する。そのため、高HPの敵に対しては毎ターン最大追撃数で攻撃可能。
阿修羅が倒した敵は攻撃力50%ダウン
阿修羅が倒した敵は、永久的に攻撃力が50%ダウンする。そのため、驍浪荒川の主の不動の守護や蝉氷雪女、日和坊、桃の精などで復活させた敵に有効。
帝釈天と同時編成で理性+3
阿修羅は通常の式神だと理性は1しか回復しない。しかし帝釈天を編成していると、帝釈天のターン終了後に理性を+3回復させるので理性の回復が早い。
帝釈天を編成していれば、基本的に理性0から次のターンが回ってくるまでに理性9点回復している可能性が高いので連続で全体攻撃を使用可能。
被ダメ減少&理性獲得でHP恢復
理性が1点減るごとに受けるダメージが6%ダウンするので、スキル3発動後は耐久力が高くなる。また、理性を獲得するごとにHPが8%ずつ恢復するので生存力も高い。
「阿修羅」の弱い点
理性1点につきダメージ6%ダウン
阿修羅は理性1点につきダメージ6%ダウンする。ダメージは減少するものの元々の倍率が非常に高いので、そこまで気にならない。
理性を失うと敵味方問わず攻撃
阿修羅は敵を倒し理性が0になると、9に回復するまでスキルは自動発動となり、敵味方問わず攻撃する。制御効果や放逐も免疫なので理性が回復するまでは発動を阻止できない。
攻撃力ダウンは青女房には適用されない
阿修羅の攻撃力ダウン効果は復活した敵に対して適用される。しかし青女房は戦闘不能扱いにはならないので、攻撃力ダウン効果は適用されない。そのため、青女房を装備した初翎山風などに対しては無効。
「阿修羅」に装備させるオススメ御魂
オススメ御魂(アタッカー)
御魂 | セット/効果 |
---|---|
破勢 |
【破勢×4 + 会心×2】ダメージを与える時、HPが70%以上の目標に対するダメージを40%アップさせる。 |
狂骨 |
【狂骨×4 + 会心×2】ダメージ与える時、鬼火1点を持つごとに、ダメージが8%アップする。 |
海月の火の玉 |
【海月の火の玉×4 + 会心×2】鬼火の数が上限に達すると、妖術発動時に追加で鬼火1点を消費し、ダメージが40%アップする。 |
針女 |
【針女×4 + 会心×2】会心時、40%で目標の最大HPの10%のダメージを与える。このダメージは自身の攻撃力の120%を超えない。 |
悲鳴鳥 |
【悲鳴鳥×4 + 会心×2】任意の非妖怪目標が倒された時、最大HPの20%が回復する。さらに戦闘終了まで、ダメージを20%アップさせる(上限120%)。 |
網切 |
【網切×4 + 会心×2】攻撃時、50%の確率で45%の防御力を無視する。 |
心眼 |
【心眼×4 + 会心×2】ダメージを与える時、目標のHPが15%減るたびに、ダメージが10%アップする。 |
隠念 |
【隠念×4 + 会心×2】与ダメージが20%アップ。同じ目標に複数回ダメージを与える時、ダメージが20%、40%、60%の順にアップする。 |
御魂位置 | オプション |
---|---|
壱(左上) | 【メイン】攻撃力【サブ】会心率,会心DMG,追加攻撃力 |
弐(左) | 【メイン】追加攻撃力 / 素早さ【サブ】会心率,会心DMG,追加攻撃力 |
参(左下) | 【メイン】防御力【サブ】会心率,会心DMG,追加攻撃力 |
肆(右下) | 【メイン】追加攻撃力【サブ】会心率,会心DMG,追加攻撃力 |
伍(右) | 【メイン】HP【サブ】会心率,会心DMG,追加攻撃力 |
陸(右上) | 【メイン】会心率 / 会心DMG【サブ】会心率,会心DMG,追加攻撃力 |
御魂設置例
御魂 | 例 |
---|---|
パターン① | ①効果指標:与ダメージ └弐:追加攻撃力 └肆:追加攻撃力 └陸:会心率/会心DMG ②会心率:100% ③素早さ:128以上(以下でも可) |
PvP以外のおすすめ2セット御魂
御魂 | 固有属性/効果 |
---|---|
鬼霊歌姫 |
ランダムステータス唯一パッシブ。目標に5回ダメージを与えるたびに、次回の攻撃で目標の最大HPの20%に相当する防御力無視ダメージを与える。このダメージは自分の攻撃力255%を超えない。 |
餓者髑髏 |
ランダムステータス唯一パッシブ。妖怪に対するダメージが10%アップする。妖怪に攻撃されると、1ターンの間ダメージを25%アップする。 |
※闘技は固有属性+サブオプションのみ発動する。
「阿修羅」のステータス
覚醒前 | 覚醒後 | |
---|---|---|
攻撃 | (183) | (196) |
HP | (939) | (1,056) |
防御 | (67) | (73) |
速さ | (109) | (119) |
会心率 | (10%) | (10%) |
会心ダメージ | 150% | 150% |
覚醒後レベル40のステータス
ステータス | ||
---|---|---|
攻撃 | 4,127 | |
HP | 11,279 | |
防御 | 428 | |
速さ | 119 | |
会心率 | 10% | |
会心ダメージ | 150% |
「阿修羅」の覚醒素材
素材 | 個数 |
---|---|
業火·大 |
10 |
風転·大 |
10 |
水霊·大 |
10 |
天雷·大 |
10 |
「阿修羅」と相性が良い&対策式神
阿修羅と相性が良い式神
式神 | 理由 |
---|---|
帝釈天 |
理性の回復が+3されるので、パーティ次第では毎ターン全体攻撃を打てるようになる。 |
オロチ |
阿修羅の超高火力を活かし、不浄の力で強化してワンパンを狙える。 |
阿修羅の対策になる式神と御魂
制御効果で行動不能
阿修羅は制御効果に対する対策を持っていないので、デバフ式神全般で対策可能。阿修羅を編成する場合、速攻パーティが多いので最速の閻魔や妖琴師&デバフ式神を編成すると勝率が上がる。
しかし、理性0から9に回復するまでは制御効果や放逐免疫なので注意。
「阿修羅」のオススメパーティ
パーティ例1
陰陽師/式神 | 役割 | スキル/御魂/ポイント |
---|---|---|
神楽 (5速) |
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・味方の被ダメージダウン ・阿修羅を再行動 ・唐傘は延命でも可 |
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オロチ (1速) |
バラ | |
②素早さ ④自由 ⑥自由 ・久次良に不浄の力を付与 |
||
鬼王酒呑童子 (2速) |
|
×4 + 攻撃/会心/HP×2 |
②素早さ ④攻撃 ⑥攻撃/会心 ・制御効果免疫 ・敵の行動ゲージ40%ダウン ・鬼王の姿で味方火力アップ ・HP30%以下味方デバフ解除 ・素早さ190以上 |
||
不知火 (3速) |
|
×4 + 会心×2 |
②攻撃 ④攻撃 ⑥会心DMG/会心 ・味方の通常攻撃を2回 ・1回蘇生できる ・全体攻撃&追撃 ・会心70%で良い(100%でも可) ・素早さ128以上 |
||
阿修羅 (4速) |
×4 + 会心×2 | |
②攻撃 ④攻撃 ⑥会心DMG/会心 ・高火力全体攻撃&追撃で一掃 └通常攻撃→神楽疾風→全体攻撃 ・素早さ128以上 |
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久次良 (6速) |
|
×4 + 会心×2 |
②攻撃 ④攻撃 ⑥会心DMG/会心 ・味方の行動ゲージアップ ・味方の会心DMGと素早さアップ ・閻魔BANしない場合は3速推奨 |
パーティ例2
陰陽師/式神/順番 | 役割 | スキル/御魂/ポイント |
---|---|---|
安倍晴明 (4速) |
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・敵の被ダメアップ ・バリアで味方を守る |
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空相面霊気 (1速) |
|
×4 + HP/会心×2 |
②素早さ ④HP/攻撃/抵抗 ⑥HP/会心 ・味方全体の行動ゲージアップ ・一線目で間接ダメージ&パッシブ封印 ・致命ダメージで復活 ・黒光状態で最大8回攻撃&吸血 ・御魂はバラ最速でも可 |
||
山兎 (2速) |
×4 + HP/×2 | |
②素早さ ④HP ⑥HP ・味方全体の行動ゲージアップ ・味方全体の攻撃力アップ |
||
食霊 (3速) |
|
×4 + 会心×2 |
②素早さ ④HP/攻撃 ⑥会心/会心DMG/攻撃 ・味方のターン外ダメージアップ ・味方回復&追撃 ・阿修羅にスキル使用 |
||
麓銘大嶽丸 (5速) |
|
×4 + 会心/防御×2 |
②HP/攻撃 ④HP/攻撃 ⑥会心/会心DMG ・敵全体に攻撃 ・敵全体をターン開始までスタン ・帰骸状態で自動ランダム5回攻撃 |
||
阿修羅 (6速) |
×4 + 会心×2 | |
②攻撃 ④攻撃 ⑥会心DMG/会心 ・高火力全体攻撃&追撃で一掃 ・食霊のスキルにより3ターン後追撃 |
パーティ例3
陰陽師/式神 | 役割 | スキル/御魂/ポイント |
---|---|---|
安倍晴明 |
||
・敵の被ダメアップ(縛でも可) ・バリアで味方を守る ・神楽や八百比丘尼でも可 |
||
オロチ |
+ 自由×2 | |
②素早さ ④自由 ⑥自由 ・阿修羅に不浄の力を付与 ・素早さは閻魔や食霊より遅く設定 |
||
因幡かぐや姫 |
×4 + 自由×2 | |
②素早さ ④HP ⑥会心DMG ・祈念の力で鬼火補助 ・味方の会心DMG&効果抵抗アップ ・全体攻撃+祈念の力数に応じて追加効果 |
||
阿修羅 |
×4 + 会心×2 | |
②攻撃 ④攻撃 ⑥会心DMG/会心 ・高火力全体攻撃&追撃で一掃 |
||
自由枠×2 | - | - |
・閻魔①(バラ最速/招き猫) ・閻魔②(バラ最速/招き猫) ・食霊(バラ最速/招き猫) ・不見岳(バラ防御) ・白蔵主(地蔵の像/玉樹/招き猫など) ・一目連(バラHP/薙魂) ・入内雀(招き猫/玉樹/バラ防御など) |
パーティ例4
陰陽師/式神/順番 | 役割 | スキル/御魂/ポイント |
---|---|---|
神楽 (4速) |
||
・味方を再行動 ・味方の被ダメージダウン ・安倍晴明や八百比丘尼でも可 |
||
面霊気 (1速) |
|
×4 + 自由×2 |
②素早さ ④自由 ⑥自由 ・味方の行動ゲージアップ ・敵に間接ダメージ ・御魂はバラ最速でも可 |
||
食霊 (2速) |
|
×4 + 会心×2 |
②素早さ ④HP/攻撃 ⑥会心/会心DMG/攻撃 ・味方のターン外ダメージアップ ・味方回復&追撃 ・阿修羅にスキル使用 |
||
因幡かぐや姫 (3速) |
×4 + 防御/HP/抵抗×2 | |
②素早さ ④HP ⑥会心DMG ・祈念の力で鬼火補助 ・味方の会心DMG&効果抵抗アップ ・全体攻撃+祈念の力数に応じて追加効果 |
||
阿修羅 (4速) |
×4 + 会心×2 | |
②素早さ ④攻撃 ⑥会心DMG/会心 ・高火力全体攻撃&追撃で一掃 ・食霊のスキルにより3ターン後追撃 ・破勢でも可 |
||
不見岳 (6速) |
|
×4 + 防御×2 |
②防御 ④防御 ⑥防御 ・味方の非会心DMGアップ ・味方への会心時のダメージを軽減 ・会心DMGが3倍以上で会心率50%ダウン ・味方は攻撃またはバリア&抵抗バフ獲得 ・味方を回復&デバフ駆除 |
「阿修羅」の伝記(ネタバレ注意!)
伝記一
ここは天界の最果てにある深淵の地。天人にとっては牢獄のようなところだが、戦いに明け暮れる魔神にとっては楽園だった。 だが今の深淵は、天人も魔神も皆が慄く地獄と化していた。 爆発の轟音とともに、視界を遮るほど強い光が深淵を照らした。 俺を閉じ込めていた結界も、俺の精神体の爆発とともに四散した。 自由を取り戻した俺は、民の崇拝を一身に浴びる新たな王のごとく、血の海に飲まれた数百の魔神を見下ろした。 やがて、爆発に巻き込まれた魔神たちが立ち上がり、罵声を上げる 「阿修羅、精神体を自壊させるとは!自由になったのはいいが、ここがどこだか忘れてないだろうな?」 「ははは、さすがは帝釈天の旧友だ。 勝るとも劣らぬ狂いっぷりよ!」 「数多の悪鬼、魔神がいるこの深淵で、自由のために力を捨てるとは。筋金の入った大馬鹿者め!力と自由の両方を手放しやがって。ククク、てめえはここで死ぬんだ!」 数百の魔神と悪鬼が一気に跳躍し、俺に襲いかかる。血霧の中、俺は微動だにせず、ただただ笑みを浮かべた。 刹那、一匹の魔神が不意に腹を抱えた。そして次の瞬間、その魔神の口から一本の触手が飛び出した。 共食いという外道ですら平然とやってのける魔神たちの、血の気が引くのがわかった。肝が冷えたんだろう。 触手で空を薙ぐ。空中の魔神どもは抵抗する間もなく、体を真っ二つに引き裂かれた。 魔神の残骸が視界一面に広がり、血と肉片が豪雨のごとく大地に降り注ぐ。 血の雨を浴びながら、高いところから飛び降りる。 屍山血河を通り、ゆっくりと別の魔神に近づく。 奴は必死に逃げようとしたが、指一本動かすことさえできぬまま、俺の手によって心臓をえぐり出された。 俺の手には、真っ赤な精神体のかけらがひとつ乗っていた。そう、こいつは俺の力を得ようと貪り食ったのだ。 「そんなバカ…な…」 限界まで目を見開いた魔神は、うめき声をあげたかったようだが、 あごが砕けていてそれは叶わなかった。 かけらは俺の手に吸収され、再び俺の一部となった。 「強ければ生き、弱ければ死ぬ。力がなければ、自由など絵空事にすぎない。感情を持つことなどなおのこと」 「俺も、愛や憎しみ、そして人とのつながりを大切にして、普通に生きたかった」 「だが、それは高望みだったんだ」 暗闇の中、魔神どもが畏怖の視線を俺に投げる。 俺の精神体を喰らった奴らの腹には、うっすらと真っ赤な刻印が浮かんでいた。その刻印は奴らが犯した罪の証だ。 「ならば、俺は魔神の王になろう。この阿修羅が、百の魔神から力を取り戻した暁には、天に返り咲き、人々を虐げたお前を、 今度こそ踏みにじってやる」 「よく見ておけ!燃え盛る深淵の焔が、偽りの天国を、塵も残さず屠る様を!」 |
伝記一開放条件
条件 | 報酬 | |
---|---|---|
阿修羅を覚醒させる |
×5,000 |
伝記二
深淵には、想像を絶する秘密が眠っている。 十善業道。それは帝釈天が作り出した、精神体の優劣によって格付けされる制度。 劣等の烙印を押された天人は、罪人として深淵の牢獄に落とされる。 落とされた罪人は、深淵に注がれた霊力によって死ぬことは叶わず、共食いによって飢えを満たすほかはない。やがてやつらは、醜悪な魔神に成り果て、生死のない地獄に永遠に苛まれ続ける。 だが、魔に堕ちやつもいれば、それを拒み続けるやつもいる。魔神に食われる運命を忌避し、俺に死を乞うやつも後を絶たなかった。 その中に、かつての部下たちがいた。 「帝釈天のために尽くした翼の団ですら、劣等だとほざいて深淵に落としたか」 「阿修羅さま、我々は天人のはず。命を賭して戦ったのに、このような地に閉じ込められて、自由を奪われるなどあんまりです」 「深淵には狂ったやつしかいない。弱肉強食だけが、ここの掟だ。外に出たければ、お前たちも魔に堕ちろ」 しかし、彼らは良しとしなかった。 「我々は同族のために、とうに命を捨てた身。ですが、すべての責は卑劣な帝釈天にあります。このような辱めを甘んじて受け入れろとおっしゃるのですか!」 「甘えたことを言うな!ここは広大な地だ。自由と力さえあれば、たとえ魔に堕ちようとも生きのびることはできる!」 部下たちの感情は次第に昂り、泣きわめくやつも出てきた。 「我々は天人です!なぜ魔に堕ちなければならないのですか!魔に堕ちてまで生きる意味などありません!他に生きる道がないのならば、この力を魔王に捧げます!」 俺は驚きのあまり言葉を失った……そして笑みを返した。 「いいだろう。その望み、叶えてやる!」 「俺はお前らの墓となり、お前らとともに生きよう。いずれここを脱し、帝釈天の血でお前らを弔ってやる」 闇の中で高笑いし、仲間だった者たちの血肉を口に運ぶ。 その後も天界から罪人は落とされ続けた。深淵牢獄の囚人の数は増加の一途をたどる。どれだけ罪人の血を飲み、魔神を食らっても、やつらが減ることはなかった。 そうして月日は流れ、ある日のこと。九十九体目の魔神の心臓からかけらをえぐり出した瞬間、すべてのかけらが光を放った。やがて光は一つになり、六本の触手へと変化した。 再生した精神体の力は強大で、遥か彼方の深淵の果てに到達できそうだった! 俺に下った魔神たちは頭を垂れた。そして深淵全土にときの声を轟かせた。 「宿願の成就に祝福を!」 再生した精神体には、中心に心の形をした穴があった。それは俺の胸元にある穴と同じ形をしていた。 最後のかけら、そう、俺の心魂だけは、深淵のどこを探しても見つけられなかった。 |
伝記二開放条件
条件 | 報酬 | |
---|---|---|
阿修羅のスキルレベルを12回上げる | 阿修羅の欠片 ×10 |
伝記三
心魂がなければ天人には戻れない。だが、それがどうした! 再生した精神体を地面に叩きつける。突如、激しい揺れが深淵全土を襲った。 地割れが起こる。殺し合いの最中だった魔神たちはよろめき、くずおれた。 天上へとつながる鎖を指差しながら、俺は声高に宣言した。 「欲にまみれた虫けらども!顔を上げろ!」 「お前らの敵は眼前にいる者ではない。真なる敵は天上にある!」 「お前らもかつては同士だったはず。しかし、弱者の烙印を押され、ここで同士討ちををするよう仕向けられた」 「お前らの愚行を、真の敵は頭上から嘲笑って見ているんだ」 「帝釈天は力の名のもとに、力なき者に犠牲を強いた。俺はかつて打倒十天衆を掲げて兵を挙げた。そして、今ここで、帝釈天を倒すことを宣言する」 「賛同しないやつは、この深淵で、いつまでも同士討ちを続けていろ!」 「それ以外のやつらは、跪き、俺の名を叫べ!」 「ともに天界に戻り、真の仇敵を殺し尽くせ!」 俺は魔神たちの反応など意に介さず身を翻す。するとやつらは慌てて動き出し、叫んだ! 「魔王・阿修羅!」 それをきっかけに、深淵の魔神たちは続々と声をあげた。 うごめく無数の魔神たちは地獄の亡霊のようだった。深淵を揺るがすほどの慟哭を轟かせ、黒い波のように押し寄せる。そして俺という希望の光にすがった。 「魔王・阿修羅!」 灼熱の炎、沸き立つ溶岩。力を増した触手。 再生した精神体は覇気に満ちている。深淵を焼き尽くしてもなお、大きな火柱をあげることだろう。 深淵の境界に触手をぶつけ、牢獄を粉々に砕いた。 炎とともに、幾千万の魔神が深淵から飛び出す。魔神たちは光をむさぼり食い、己の怒りを天界にぶつけた。 「生まれた時から、俺は闇の申し子だった」 「俺は最も残虐な罪人。すべてを焼き尽くす業火こそふさわしい」 「まだ見ぬ闇も、俺の焔がいずれ飲み込む」 「光でさえも俺の業火を恐れ、あらゆるものが灰燼と化す。」 「やがて人々は、魔神や悪鬼、闇や偽善を恐れなくなり、深淵の代わりに、俺の名——人々の心に刻まれる。阿修羅と」 |
伝記三開放条件
条件 | 報酬 | |
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「理性」が累計99回復 |
×10 |
「阿修羅」の紹介
天人一族最強の闘神、
かつては天域の英雄であり、奇跡と希望でもあった。
血を嗜み、傲慢不遜、勇敢さと率直さを備え、覇気を放つ。
長時間の戦闘を経ると、殺戮に狂う鬼神と化す。
彼は生まれた時から闇の子供だったが、光に包まれた温かく聖潔な白に惹かれる。
しかし、天魔が向かう所、滅びあるのみ。
人々が魔神、悪鬼、暗闇と偽善を恐れることはなくなった。
彼らが恐れるものはただ一つ、その名は……阿修羅。
陰陽師「式神図鑑」より
「阿修羅」のセリフ一覧
場所 | セリフ |
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召喚 | 俺について来い!偽りの天国を焼き尽くすぞ |
式神録1 | おお?俺が怖くないのか? |
式神録2 | この世に生を受けたときから、俺は、闇の申し子だ |
式神録3 | 天上天下唯我独尊 |
式神録4 | 俺みたいなやつしかいなかったら、誰が俺の暴走を止めてくれる? |
式神録5 | 己の執念には、己で打ち勝たねば意味がない |
式神録6 | お前の断末魔で楽しませてもらう |
式神録7 (覚醒後) |
ちっ、つまらん |
式神録8 (覚醒後) |
闇の申し子でも、愛や憎しみ、そして、人との繋がりを持ちたいと思うときもあるんだ |
式神録9 (覚醒後) |
虫けらどもが、ははははは |
出陣1 | お前、死んだぞ |
出陣2 (対帝釈天) |
俺が道を踏み外さないように、照らしてくれ |
出陣3 (覚醒後) (対帝釈天) |
たまらないなぁ、この匂い |
スキル1 (覚醒後) |
もっと、もっとだ |
スキル2 | 命乞いしろ!はははははは |
スキル3-1 | 俺の後には灰燼しか残らない |
スキル3-2 | 死ね |
戦闘不能 | なかなか骨のあるやつだ |
「阿修羅」のイラスト
覚醒前 |
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覚醒後 |
神曜天権(商店) |
深淵の風雲(商店) |
気高き寒梅(花合戦) |
イラスト |
「阿修羅」のストーリー
集結召喚イベント
エピソード1 |
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【小白】 「セイメイ様、深淵に入った直後から、小白は強い圧迫感を感じます。今は何だか少しめまいがしてきました。」【晴明】 「小白の体調が優れない原因は、おそらくこの深渊天魔の威圧の力だろう。」【小白】 「え?小白が息切れするほどの、深淵の中に充満しているこの残虐な気配は、天魔阿修羅のものだったのですね!」【晴明】 「確かに迦楼羅の言う通り、天魔様の精神力は尽きることがないようだ。しかし、この猛烈な天魔の力は、我々を守ってくれてもいる。この強い精神力が深淵に対抗していなければ、我々のうち何人かは既に精神を飲み込まれていただろう。」【小白】 「小白はそんなに弱くないですよ!」【阿修羅】 「この力がいらないのなら、早く出て行け。」【小白】 「阿修羅の横暴な様子を見て、小白はまたあの恐ろしい鬼神に戻ってしまうのではないかと心配になりましたよ!」【晴明】 「小白、失礼なことを言うな。」【阿修羅】 「鬼神なったとしても同じことだ。この深淵に入った以上、俺と共にこの束縛を打ち破り、天界を一発殴り返そう!」 |
エピソード2 |
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【小白】 「小白は、凶暴化した阿修羅をなだめることができるのは、帝釈天だけだったのを覚えていますよ。」……何年も前、鬼域の戦場のどこか……阿修羅は荒れ狂う暴走に陥った。帝釈天は暴虐を恐れず、霊神体で彼の進む方向を導いた。【阿修羅(過去)】 「殺戮と暴虐……最高だ……!ははは……ははははははは!」【帝釈天(過去)】 「阿修羅、正気に戻れ!あなたの苦しみは、私が引き受ける!」【阿修羅】 「あの時、白い蓮花が道になり、暗い深淵を照らした。そして俺を呼び覚ました。」【小白】 「小白は不思議です。どうして現在と過去の天人の王は、まるで別人のようなんですか?」【阿修羅】 「帝釈天からは、友情を得たことも、裏切られたこともある。でも俺は、絶対に答えを見つけ出す。」 |
エピソード3 |
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【オロチ】 「この暴虐な気配を隠そうともしない。本当に自由だな、阿修羅。深淵からは太陽が見えない。長い間滞在していたが、この違和感はいつも私に昔のことを思い出させる。」【阿修羅】 「邪神、お前は天界から地獄に来たばかりなのに、悔しい思いをしているふりをするのか?」【オロチ】 「ははは、私とは違って、お前はあそこで楽しんで、常軌を逸したことばかりしていたな。それに自分の「形見」も残した。」【阿修羅】 「邪神、俺があいつに何をするかは、お前には関係ない。」声が終わらないうちに、何本もの触手が八岐大蛇のそばを通り過ぎ、大きな破裂音とともに、周囲の魔神達が揃って腰を切断された。【オロチ】 「いやなやつだ。阿修羅よ、お前は一体、今度はどんな予想外の物語を見せてくれる?楽しみにしているぞ。」 |
追憶絵巻
深淵 |
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尽きることのない闇、底見えぬ地獄、ここは天域の底にある深淵の獄。 深淵に追放された悪鬼と罪人、そして原生の魔神たちは、ここで未来永劫続く殺戮を繰り返すことしかできない。 肉体は幾度も滅びたが、魂が死ぬことはない。 伝説の闘神阿修羅も深淵の奥深くに封印されている。 目覚めた時、阿修羅は深淵の一番奥の結界の牢獄に閉じ込められ、霊神体も幾重にも重なる鎖で縛られていた。肉体は自由に動けるが、この牢獄を出ることは叶わない。との力を横取りしたい深淵の悪鬼は、彼を食らい尽そうと結界に侵入するたびに、阿修羅に素手で八つ裂きされてしまう。 月日が流れ、牢獄には死体の山が出来上がり、やがて骸骨に埋め尽くされた牢獄には足の踏み場もなくなった。開き直った阿修羅は殺した魔神の頭蓋骨を椅子代わりにして、いつもそこで瞑想している。 肉体は静かに座っているが、霊神体は阿修羅の本能とも言える殺意を顕にした。六本の触手は獰猛な獣の如く足掻き続け、結界の外に向かって結界を突き破り、外から中の様子を覗く悪鬼達を切り裂いて喰らいつくし、思う存分暴れようとしている。しかし触手は結界の力には抗えない。結界を越えるたびに、触手は魔神に喰われてしまう。 しかし、阿修羅の強すぎる力のせいで、翌日になると、喰われた霊神体は再生し、また結界の外に出ようと試みる。それを何度も繰り返している。魔神達は阿修羅には敵わないと悟ったのか、牢獄の周りを彷徨い、その触手を喰いながら、かつての英雄を嘲笑う。 「かつての闘神とやらを見てみろ、何という無様な姿だ。抗うことに何の意味がある?結局、我々と同じ羽目になっちまったじゃねえか。」 「やつは天人を鬼族から守ったが、最後は悪鬼の巣窟に蹴落とされたんだ。」 魔神達は闇の中で哄笑した。「こいつは端から闘神なんかじゃねえ、最後まで、帝釈天に利用されていただけだ。」 「所詮やつは帝釈天の手駒に過ぎん。」 帝釈天の名前を聞くと、阿修羅は急に目を見張り、無慈悲に外にいる魔神を見据えた、すると、魔神達は突然黙り込み、息を殺して彼の反応を窺い始めた。恐怖に戦く魔神達は彼を畏れ、一目散に逃げる。ただ一体だけ、帝釈天の名前を口にした魔神は、途中で阿修羅に呼び止められた。 「二度とやつの名前を口に出すな、分かったか。」 恐怖にとらわれた魔神の耳には、高く遠くに座る阿修羅の声がちゃんと届いた。おかげで魔神はより一層怖くなった。その言葉の意味を理解したかすら怪しく思った阿修羅は、不満気に言葉を吐き捨てた。「実につまらん。」 想像を絶する恐怖を味わった魔神は、逆に勇気が湧いてきて、すかさず言い返した。 「貴様に命令される筋合いはねえ、貴様は今や罪人に過ぎない、この深淵の牢獄を脱出する見込みすらない今、外にいる帝釈天をどうにもできねえよ!」 「天人の王様に言わせれば、我々は虫けらにも等しい。ここにいる魔物と比べても、貴様は何も違わねえ!」 それを口に出した瞬間、魔神は再び恐怖に支配された。しばらく沈黙が続いたが、その後結界の中から耳をつんざく高笑いが聞こえた。石壁の中で木霊する声は、意外にも愉快そうな声だった。 闇の中、頭蓋骨の上の阿修羅は目を開いた。暗闇の中で残忍な光を放つ真っ赤な目は、魔神よりも深淵の魔物らしく見える。 阿修羅は目を細めて、魔神の腹の中にいる触手の残像を見て、こう言い放った。「お前はちょうど百人目だ。」 「その目でしかと見届けろ、俺がこの牢獄をぶち壊す光景を。」 彼は仰向いて遠くの光、深淵の出口を見つめた。その言葉に反応するかのように、彼の周りには血生臭い風が吹き始めた。旋風になった風は、鮮血の竜のように、遥か遠くにある出口に向かって突進し始めた。 それを見て驚いた魔神は、急に腹痛に襲われた。下を向いてその理由を確認する。その腹から、一本の触手が生えていた。阿修羅の触手と同じ見た目のそれは、主の命令を果たすべく、結界目掛けて突進し始めた。 結界の外、後ろの暗闇の中、所々に魔神のうめき声が聞こえる。霊神体を喰らった魔神どもの腹に、烙印が現れた。百本の真っ赤な触手が同時に闇を切り裂き、あらゆる方向から封印に襲い掛かり、結界の鎖に喰らいつく。 霊神体の触手は一か八かの勝負に出る。力を全て絞り出し、お互いを刺した。轟音がしたあと、燃え盛る炎が深淵を照らし、巨石が雨のように降り注ぎ始めた。霊神体が自爆する際に起こした爆発は、さらに千を超える封印の結界を起爆させた。爆発に巻き込まれた魔神は悲鳴を上げて逃げ惑う。少しでも遅れると、破裂して粉々になる。肉塊と鮮血が地獄である深淵を血の海に変えた。 血色の霧が消えると、血の海の中、骸骨の山の上、阿修羅のいる魔神の頭蓋骨だけが傲然とそびえていた。結界は触手に爆破され、阿修羅は再び自由を手に入れた。魔神を見下ろすその姿は、民の拝謁を待つ新しく誕生した王者のようだ。 爆風に吹き飛ばされたばかりだったが、阿修羅が霊神体を失ったと気づいた途端、魔神達は全員立ち上がり、こう話を切り出した。 「阿修羅、貴様は自由のために、自分の手で霊神体を破壊した。ここがどんな場所、そして我々はどういう存在であるか忘れたのか?」 「皆帝釈天は狂ったやつだと言っているが、そいつと友人になれる貴様も中々侮れないものだ。狂気に関しては帝釈天にも負けていない。」 「この深淵には魔神、悪鬼、追放された罪人で満ち溢れている。力がなきゃ、自由など夢のまた夢に過ぎん。」 「霊神体が壊滅した今、我々はその体を…ずたずたに切り裂く!」 それを聞いた途端、血色の霧を纏いながら、阿修羅は笑った。 「この煉獄で、その名前を口にしていいのは、俺だけだ。」 阿修羅が指を鳴らすと、先ほど帝釈天の名前を口にした魔神は急に吐き気を覚えた。一本の触手の先端が魔神の口から出てきたが、根元はまだ腹の中で蠢いている。瞬きする間に、魔神は腹を突き破られ、恐ろしい勢いで血を吐き続けた。殺戮に慣れた魔神も、腑が抜けてしまい、一目散に逃げた。触手が動くと、空にいた数百匹をも超える魔神は反応する間もなく、一体残らず切断された。 一瞬で、そこは肉塊が飛び交い、悲鳴が入り乱れる地獄と化した。 殺戮の後、触手は満足したのか、再び魔神の口の中に戻った。ほっとしたが、魔神は不意に見た。玉座を下り、転がる死体を踏みにじり、血の海を越えて一歩また一歩と迫ってくる阿修羅の姿を。這い蹲いながら、魔神は逃げようとした。しかし動き出す前に、阿修羅の手がその体を貫いた。 魔神が下を向くと、自分の腹を貫いた阿修羅の手に、真っ赤な霊神体の欠片が握られているのが見えた。それは戦神の力を我が物にしようと、呑み込んだものだった。 「まさ…か…」魔神は死ぬ前に問おうとしたが、顎を砕かれたせいで、それを口にできなかった。 阿修羅が腕を抜くと、魔神はばたっと倒れた。真っ赤な欠片はすぐ彼に吸収され、再び主と一体化した。 「強者は生き残り、弱者は地獄に堕ちる。力なき者にとって、自由など夢話に過ぎない。ましてや愛憎など。俺は闇の申し子として生まれたが、怪物になりたくないから、愛憎が、人情が欲しい、普通の人になりたいと思った。」 「しかし残念ながら、全て空回りだった。」 暗闇の中、魔神達の赤い目が静かに彼を見つめる。阿修羅の力を呑み込んだ彼らの腹には、かつての貪欲さが招いた罪業を示す赤き烙印が浮かび上がった。 「だったら、俺が魔の神になってやる!この阿修羅が、百の魔神を屠り、力を取り戻す。そしてこの光なき深淵の王となり、光の元に戻り、俺に償うべき、人々に償うべきものを、全て蹂躙してやる。」 阿修羅は再び上を仰ぎ、深淵の上にある光を目におさめた。 「刮目せよ。この深淵の炎は、お前の偽りの天国を…悉く灰燼に帰してみせる。」 |
天魔 |
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自分の霊神体を破壊した阿修羅は戦いに飢えていて、この闘技場のような深淵はとても居心地がよかった。かつて彼の霊神体を呑み込んだ魔神達は、例外なく彼の獲物に成り下がった。 この深淵には、とんでもない秘密が隠されている。十善業道…それは帝釈天が作り上げ、能力によって天人を価値づける制度だ。能無しとされた天人は、全員罪人となり、深淵に追放される。深淵の獄には大量の霊力が集まっている。罪人は死ぬことすら叶わず、互いを喰らいあい、最後は魔神に成り下がり、生も死もない煉獄で永遠に足掻き続ける。 深淵の獄では、罪人の悲鳴と叫びが一時も絶えなかった。悔しいと思う者がいる。例え魔物になっても、必死に生き残って、いつの日か、光の世界に戻ることを夢見ている。堕落を拒む者がいる。魔神に食われるくらいなら、命を絶ってくれと阿修羅に請う者が後を絶たなかった。 こうして阿修羅は罪人の血を啜り、魔神を狩るようになった。しかし天界の罪人は減るどころか増える一方で、深淵の獄の囚人も日に日に増えていく。 魔神の心臓から九十九個目の欠片を抉った時、全ての欠片が光の玉へと姿を変えた。欠片は蛍火のように、互いを引き寄せて、最後は六本の触手になった。生まれ変わった触手は大きすぎて、遥か遠くにある深淵の出口にも、手を伸ばせば届きそうだ。彼の強さは深淵の獄中に知れ渡り、彼に追従する魔物達は後ろで拍手をしたり、跪いて喝采を上げたりする。 「祝え、天魔様の宿願成就を!」 しかし阿修羅は、生まれ変わった霊神体の真ん中に手を伸ばした。そこには彼の胸と同じ、心の形の抜け穴がある。最後の欠片は、霊神体の一番大切な心魂だ。しかし深淵中を探し尽くし、暗闇の隅々まで探し回ったが、結局阿修羅は自分の心を見つけられなかった。心魂が見つからなければ、阿修羅はいつまでたっても天人の体を取り戻すことができない。 遠くの闇の中から懐かしい笑い声が聞こえる。帝釈天の幻影が幻境の中に現れた。天人の王は白い服を身にまとい、蓮の王冠を頭にかぶっている。ただの幻とはいえ、その神々しさは闇に一筋の光をもたらした。 「天人の体を取り戻したいか?」帝釈天は笑った。「しかしあなたは最初から天人ではないだろう?」 「あなたは同族を屠り、殺戮に溺れ、救った一族に捨てられ、大切に思っていた友人にさえ裏切られ、罪人の血を啜り、魔神の肉を食べる。霊神体を破壊してから、数百年の間深淵を彷徨い続けた。」 帝釈天はさらに問い詰める。「阿修羅、あなたは一体何だ?」 幻影が、耳元で問いかける。「あなたは自分が阿修羅だと言い張るけれど、私は違うと思う。あなたはとっくに阿修羅ではなくなった。」 阿修羅は幻影の首を掴み、石の柱に押し付けて、こう言った。「帝釈天、答えはすぐに分かるさ。」 幻影は消えたが、阿修羅は真っすぐに深淵の奥にある死闘の場に向かった。 そこの一番高い崖で、彼は新たに生まれた霊神体を召喚して、六本の鬼手を力いっぱい地面に叩きつけた。すると深淵中が震え始め、地面にはまるで引き裂かれたように裂け目が浮かび上がった。争いに身を投じていた魔物たちは皆地面に倒れ込み、殺し合いを中止せざるを得なかった。阿修羅は鬼手を使って松明を点した。すると壁に、天界へと通じる鎖が見えた。 「貪欲な獣、善悪なき虫けら、頭を上げろ!本当の敵は目の前じゃない、上にいる!」 「お前らは深淵に投げ捨てられ、囚われの身になってもなお、殺し合いを強いられた!弱さが故に罪を問われたが、強くなったあと、お前らはあいつらではなく、仲間同士で殺し合うことを選んだ。光の世界では、皆仲間だった。だが強引に価値をつけられ、死よりも恐ろしい苦痛を味わう羽目になった!」 「帝釈天は弱肉強食を語り、弱者を犠牲にした。この阿修羅は、かつて兵を挙げ十天衆を討伐した。そして今度は帝釈天を討伐する!俺に従いたくないなら、深淵に残り殺し合いを続けるがいい。命令に従うなら、臣下の礼を尽くし俺の名を呼べ!」 「そして共に天界まで殴り込み、本当の敵と雌雄を決するんだ!」 魔神達はしばらく黙り込んだ。遥かで届かない光を見て、誰もが信じられないという表情を見せた。しかし阿修羅は冗談を言っているわけではなかった。答えを聞く素振りもなく、すぐに振り返って歩き出す。魔神達はよろめきながら彼について行き、こう叫んだ。 「天魔阿修羅!」 一度叫び声があがると、深淵の魔物達は次々に悲しい咆哮をあげ、彼について行った。そして悲しい咆哮は、やがって雄叫びになった。数えきれないほどの魔神は地獄の亡霊のようで、深淵中に響き渡る慟哭をあげた。阿修羅の足元に平伏す黒い波は列をなし、口々に天魔の名を叫んでいる。 「阿修羅!阿修羅!」 |
名前 |
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千を超える魔神が、深淵の入り口に一挙に押し寄せた。魔神の軍勢を目視した天人の衛兵が弓を引き、真っ白な矢が雨の如く降り注ぐ。矢を受けた魔神は忽ち灰燼と化したが、いくら殺しても、数に物を言わせる魔神は全然減っていないようだ。押し寄せる深淵の黒い洪水は、皆十善業道に裁かれ、地獄に蹴落とされた罪人だ。 衛兵をまとめる将軍は、真面目くさった様子で、崖の上で罵詈雑言を吐いた。 「陛下の命令に従い、深淵の獄に入った者は出るべからず、それを破った者には死を!汝らがまだ生きている理由は、陛下の慈…」 それを言い終える前に、一本の折れた矢が飛んできて、彼の喉を射抜いた。将軍は喉を押さえながら崖から落ち、忽ち魔神達に食いちぎられた。 阿修羅が深淵より現れ、鬼神の如く残酷な笑みを浮かべ、折れた矢の残り半分を捨て、死骸を越えて警備の軍隊に迫った。後ろの魔神の軍隊は耳をつんざくばかりの大声で、天魔阿修羅の名を叫んでいる。その時、天人の兵士は初めて気づいた、昔の闘神阿修羅は既に天魔と化したことに。 矢の雨は彼に傷を負わせることすらできない。深淵を這い出たのは、復讐の天魔だ。恐れる天人の兵士は後ずさりした。前に出る勇気を持つ者はいなかった。しかし砦まで撤退すると、今度は将校達に刀を向けられ、後退することは許されなかった。「脱走者は、後で深淵の獄に追放されるぞ。」 魔神達がようやく深淵を出た時、急に何かを唱える敵軍の声が聞こえてきた。 「偉大なり、偉大なり、偉大なりし者。狂人は欲望に耽る、罪人は奈落に帰す。」 天人の兵士の霊神体が一体化して、巨大な白い網を編み出した。巨大な法陣が空から迫ってきて、周りの山を押し潰した。巨石はまだ深淵を出ていない魔神を崖の底へ落とし、今度は皆に迫ってきた。 危機一髪で、阿修羅は石の橋に飛び上がり、両手で法陣を受け止めた。天人の兵士は声高らかに唱える。その目は異様な光を放ち、表情は次第に歪んでいく。例え両手と目が鮮血に濡れても、やめる素振りもなく、ただ法陣を下へと押し続けている。しかし阿修羅も諦めるつもりはない。それを目にすると、魔神は次々と咆哮をあげて、天人の軍隊に切り込んだ。あっという間に、魔神と天人の軍隊との激戦が始まった。 阿修羅の立つ石橋は圧力に耐えられず、壊れる寸前だった。遠くの善見塔の頂上にいる帝釈天は、目を閉じながら微笑んだ。幻影が再び阿修羅の前に現れた。帝釈天は慈悲深い表情で、彼の眉間を撫でた。 「あなたはもう昔の阿修羅ではない。英雄の名を失って、敗北を喫した。天人とも言えない今のあなたが、なぜ天人のために王宮に攻め入る?徹底的に魔に堕ちることを嫌がるあなたが、何をもって魔神を率いて、天魔と名乗るのだろう?」 「阿修羅、あなたは一体何がしたいんだ?」 阿修羅は幻影の言葉に耳を傾けず、法陣の対処に集中する。しかし足場の石橋は、今にも壊れそうだ。追い込まれた彼は両手で法陣の中心を掴み、法陣を真っ二つに引き裂いた。時を同じくして、法陣の兵士数人が血を吐いて倒れた。魔神達は大声で勝鬨を上げたが、阿修羅だけは異常に気づいた。 彼が作った裂け目は法陣の端まで広がり、急に二つになった。そしてまるで目を見開くように、巨大な目を形作った。深遠なる宇宙を白目に、懐かしい紺碧の目を瞳に持つ眼は、漆黒の深淵の上で、静かに全てを見ている。 善見塔の上で、帝釈天はようやく目を開け、慈悲深そうに全てを見た。 すると、石橋の上にある法陣の眼は眩い光を放ち、深淵の底まで照らした。光が届くところでは、魔物が忽ち灰燼と化す。天人の兵士もそれに耐えられず、目を押さえて倒れた。白い光は阿修羅を含む全てを呑み込んだ。 阿修羅が目を開けると、すでに白い世界にいた。目の前にあるのは懐かしい瞳、懐かしい紺碧だけだった。眼の深遠なる宇宙の中、帝釈天の姿が次第に浮かび上がった。 かつての友人は彼を見て微笑み、初めて出会った時のように、優しく手を伸ばした。 「阿修羅、あなたは私がついに見つけ出した奇跡。私はあなたがようやく出会った友。私達二人が力を合わせれば、負けることは一度もなかっただろう?そして私達の意見が分かれた時、いつもより多くの犠牲を払うことになっただろう?」 「こっちに来るんだ。ここは無垢なる天国。過去に拘る必要はない。全てを背負う必要もない。阿修羅でいる必要もないんだ。 そこに留まれば、いつかきっと、あなたが一番嫌いな魔神に成り下がってしまう。」 幻境の中は静まり返っている。しかし紺碧の星海の奥に、雲と海の中に、また微かに鐘の音が聞こえる。 「だが帝釈天、お前はもうお前の一番嫌いな暴君になってしまった。」阿修羅はこう言った。 言い終わると、阿修羅の額にある天眼が突然開いた。黒い炎が噴き出し、瞬く間に彼の体を全て焼き尽くした。深淵のような黒い炎は目の前にある幻境を呑み込むと、益々勢いを増して、やがては光すら燃やし始め、帝釈天の天眼が放つ白い光を全て取り込んだ。 白い光が消えると、魔神はまたいつもの世界に戻った。すると、千を超える魔神が深淵から抜け出してきた。彼らは阿修羅の炎の元で、光を突き破り、光を壊し、光を喰らい、天域を呑み込んでいく。燃え盛る炎の中には、阿修羅の姿が見える。帝釈天の幻影は炎に呑み込まれて決壊し始めたが、どうしても消えることを拒んでいる。 「俺は最初からこうだったのかもしれない。生まれた時から、俺は闇の申し子で、この世で一番残虐な罪業で、全てを焼き尽くす業火になる運命だったのかもしれない。この世にまだ焼き尽くしていない闇がある限り、俺の炎はそこに向かう。」 燃え広がる黒い炎は広がり続け、烈火が阿修羅の胸の中でふくらんでいく。灼熱のマグマが阿修羅の体から噴き出し、そして最後に出てきたのはより一層強くなった六本の触手だった。 阿修羅が見上げると、空にある巨大な天眼が崩れ、炎に呑み込まれる光景があった。 「光さえも俺を畏れる時まで、俺が至るところに滅びをもたらすまで。」 阿修羅の炎は帝釈天の天眼を呑み込んだ。生まれ変わった鬼手が残りの兵士を切り刻む。黒い炎が現れると、死体すら跡形もなく燃やされてしまう。帝釈天の幻影もいよいよ紅蓮に呑み込まれた。 「この世に魔神、悪鬼、暗闇、偽善を畏れる人がいなくなるまで、深淵について口にすることを躊躇う人がいなくなるまで。」 六本の触手が凄まじい勢いで深淵の入り口に振り下ろされ、深淵の獄を丸ごと壊した。阿修羅が炎の中から現れ、深淵の入り口で立ち止まる。帝釈天の幻影はついに消えてなくなった。阿修羅は雲にそびえる白い巨塔を見上げ、ゆっくりと言い放った。 「それに代わるのは、我が名…阿修羅だ。」 遠くの善見塔の中、玉座にもたれる帝釈天は、我慢できず笑みをこぼした。しばらくして、彼はようやく再び目を閉じた。 |
王者 |
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深淵の牢獄を破壊した後、阿修羅は魔神軍を率いて善見城をすばやく陥落させたが、帰還した阿修羅を迎えた故地はもはや記憶の中の姿とは違っていた。天域の紛争と苦難が平和にとってかわり、どこもかしこも殺戮と戦いに覆われていた。 もうすぐ夜になろうというころ。善見城の天人たちはとっくに城を出ており、城中は閑散と、もはや誰もいない様子だった。阿修羅はその中で、遠くからかすかな鐘の音を聞いた。何か明らかにできない秘密を隠しているようにも思われ、阿修羅は音の源を探りに出かける。 鐘の音は墓地から響いていた。墓守の司祭が阿修羅に言うには、これは天人族の英雄たちの墓だという。 墓地では無数の心魂が満天の星のように燃えていた。阿修羅がその中を歩いていると、まるで広い夜空の中を進んでいるようだった。星たちは鐘の音に惑わされ、阿修羅を奥深くへと導いていく。そこで阿修羅は見慣れた名前を目にした。墓碑に刻まれていたのは、翼の軍団の兵士たちの名前だった。 「この者は知っているぞ。翼の軍団の3人目の軍医だった。これも知っている。龍巣城から帰ってこなかった者の1人だ」 「これは……最後まで翼の軍団を裏切らず、私とともに深淵の牢獄につながれていた。苦痛にたえられず、魔神にもなろうとせず、私と会ったときに自分を食らうよう私に哀願していた」 道の果てで阿修羅が目にしたのは、一段と大きな墓碑だった。 司祭が言う。「ここに眠っておられるのは、天人族の大英雄であり、かつて帝釈天様とともに鬼族に対抗し、体制を転覆させたお方です」 阿修羅が司祭の言葉にしたがって墓碑を見ると、そこに刻まれていたのは自分の名だった。天人の墓には不滅の炎が燃え続けるように、死者の心魂の欠片が捧げられている。墓碑の前の炎が燃えていたであろう場所には白い蓮の花が置かれている。純潔な蓮の花びらには、少し前に誰かによってのせられたように露の玉が光っている。 その瞬間、阿修羅には鐘の音の本当の意味が分かった。 「あなたは阿修羅様が英雄と呼ばれるにふさわしくないと思われるか?」司祭がたずねる。 阿修羅が答える。「英雄?阿修羅は歯牙にもかけられないほどの低い階層の出身だ。おごり高ぶって無数の命を奪った。どこが英雄だと言うのだ」 「陛下はおっしゃった。血統で人の価値は決まらぬと。陛下は慈悲深いお方だ。過ちがあってもその人間を否定する理由にはならぬ。運命が阿修羅様に過ちを犯させたとしても、英雄であることに変わりはない」司祭が言う。 「では貴様は阿修羅が今どこにいるか、知っているのか?」 「陛下はおっしゃった。英雄は運命に屈服することはない。だから、運命が彼らを漂白させるのだと。だから、王の命に従って鐘を鳴らし、高らかに歌い、英雄がさまよう道の上で、彼らのために帰るべき道を指し示すのだ」 阿修羅にはそれ以上話を聞くつもりはなく、かがんで蓮の中に手を触れた。そのとき、墓碑には自分の名だけでなく、短い墓誌銘が刻まれているのに気づいた。そこで阿修羅は小声で読んだ―。 「再会に乾杯」 司祭は破顔一笑した。「そのとおり、帝釈天様が自ら刻まれたもの。あなたもようやく分かったようだ。阿修羅様は疑いなく、真の意味で歴史に名を刻んだ英雄であった」 「なかなかうまく刻んだものだな」阿修羅は墓碑の文字をなでつつ、もっていた蓮の花を目の前の墓に捧げた。「だが、名を刻んでもらう必要はない。歴史もそこで終わるわけではない。私と帝釈天との物語はまだまだ続くのだからな」 阿修羅が1人で神殿、そして帝釈天を祀る善見塔に攻め込むと、そこには運命の宿敵が待っていた。帝釈天は王座の上から、まるで数百年も離れていたのではなく、昨日分かれたばかりのように平然と阿修羅を見下ろした。 「ようやくやってきたな、阿修羅。この数百年間で天域の姿は全く変わった。私も貴様が永遠に手の届かぬ地位におさまった。貴様は元の場所に戻ってきただけだな。この神殿の下で殺し合い、もがく…」 「帝釈天、それは貴様の自業自得の繁栄だ」阿修羅が言う。 「この世界はまゆ、貴様も私もみなさなぎだ。違いは誰が最後に蝶となれるかというだけに過ぎぬ」 帝釈天は言う。「天人族が当時この異界へとやってきたとき、力をもって鬼族を震え上がらせ、最後には今の土地を譲らせたのだ。しかし、天人はおごり高ぶり、鬼族の進歩に気づかなかった。鬼族は長い殺し合いと戦いを通じて我らの強敵へと成長していたのだ。鬼族は蝶、天人はさなぎだった。貴様も私もかつては戦士だった。私は貴様に、戦いをこの手で終わらせると誓った。私は王座へと登り、貴様は私に敗北し、牢獄に押し込められた。天域は私の支配によって姿を全く変え、我らのかつての理想を実現し、戦いを完全に終わらせた。私は蝶、貴様はさなぎだ」 阿修羅は問いただした。「戦いを終わらせる必要など全くない。貴様はあらゆる殺戮、争いを深淵の牢獄へと放り込んだだけだ」 「阿修羅よ、貴様はやはり分かっていない」帝釈天は冷たく笑った。「貴様をひと目見ただけで、天人と鬼族との戦いがいずれ必ずや終りを迎えると分かった。運命がこの戦いを終わらせる英雄を誕生させたからだ。貴様が敵を討ち滅ぼすたびにいつも感じていた。貴様が凱旋し、衆人の前で戦争の終わりを高らかに告げる一方、その平和が決して来ることはないと想像していた」 帝釈天は大声で言った。「貴様は一つの戦争を終わらせたが、これから戦争はまだいくらでも起こる。その戦争を誰が終わらせるというのだ?始めから終わりまで、全て私が貴様に進むべき道を指し示していたのだ。私がどう決めればよいか分からぬとき、貴様に何ができるというのだ?」 「帝釈天よ、分かっていないのは貴様の方だ。王者は常勝不敗で軍の先頭にまっすぐと立っていなければならぬ。目の前にひたすら繰り返される戦いがあったとしても、一つ一つ勝ち進んでいかねばならぬ。王座の下に犠牲となった同胞の死体が積み重なっていても、骸を踏んで刀を振るわねばならぬ。敗北の瞬間までそうあらねば、真の王者とは呼べぬ。王は死の瞬間まで進み続けねばならぬ。止まっていいのは身が砕け散ったときだけだ!しかし、貴様はその逆だ。十善業道とはかつて歩いたことのある古い道に過ぎぬ。この世の無数の民の運命を貴様1人で決められるものか!」阿修羅が言う。 帝釈天は尻込みすることなく立ち上がり、力強く阿修羅に答えた。「無数の一族の命…みな弱者ではないか!運命を奴ら自らに預けたとて自らで守りきれると思うのか?辺境の小国に生まれた貴様がこの世の弱肉強食を知らぬはずがあるまい?」 阿修羅が長剣を抜き、剣で帝釈天の王座を指し示した。「貴様は一族の王だ!弱者を守るのは貴様の役目ではないか!それができなければ、貴様はあの十天衆とどう違うというのだ!」 帝釈天は阿修羅の剣に少しもひるまず、一段一段と上がり、阿修羅の方へと近づいてゆく。「私とこの世の全ての者との違いはただひとつ、私が争いの本質を看破しているということだけだ!あらゆる争いは違いにより生まれる。個体同士、種族同士の違いがこれほど多くの悲劇を生んできたのだ。全ての者が理解し合い、自らのことだけを考えなくなれば、争いは消えてなくなる。万物万民の中で真に理解し合えるのは天人族だけだ。我らはトウ利天神の精神から生まれた。故地トウ利天の精神の海の中で我らの精神は自他の別なくつながっていた。霊神体こそが我らの命であり、肉体は器でしかない。私は天人の霊神体に希望を見たのだ。この世のあらゆる争いをなくすため、天人は進化する必要があるのだ。十善業道は天人を選別するためのもの、深淵の牢獄は天人の進化のための戦場なのだ。私がこの善見塔をつくったのは、その進化の果てから帰還する勝者を待つためなのだ!」 「阿修羅よ、私とともにトウ利天の降臨を迎えるのだ。かつてのトウ利天神は自らに敗北するほどに惰弱だった。しかし貴様は違う!」 「私が自らに打ち勝ったとして、他の者はどうなる?」阿修羅が答える。「貴様の民、鬼域の鬼族、そして陽界の住人たち…みながみな私のように強くなければ、貴様の理想郷とやらにはふさわしくないと言うのか?」 帝釈天が言う。「この百年間、私は邪念にさいまなれる苦しみを嫌というほど味わってきた。今日まで何とか持ちこたえるため、私は幻術を日々鍛え続けてきた。その結果、誰であっても幻境への輪廻を繰り返せば、理想の人生を手に入れ、最終的に自己を浄化し、純粋な魂に生まれ変わることができるとさとったのだ。トウ利天が降臨すれば鬼域は精神の海となる。私はトウ利天神と同じように共感によって全ての者の意識をつなぐ。私はあらゆる魂を浄化し、鬼域と陽界の民の魂の補完と統一を実現してみせよう。この数百年間、私は天域中に蓮の花の結界を張ってきた。邪念をもった民は浄化されて蓮の花から生まれ変わり、トウ利天で再会する。それからは、新たに生まれた魂のように、苦しみのない精神の海で暮らし続けるのだ」 阿修羅が問いただす。「彼らの考えを聞いたことはあるのか?貴様の民に、生まれ変わり、再会したいかたずねたことはあるか?」 「貴様は私と再会したいとは思わないのか?私はここにはいない。阿修羅よ、ここにいるのは貴様の記憶にある存在ではない。貴様が訪ねてきた相手はここにも、この世界にもいない。貴様の記憶の中の帝釈天はずっとトウ利天で貴様を待っている」帝釈天が答えた。 「奴とはすでに会っている。私の目の前にいる。貴様こそ奴だ。そのことに最初から変わりはない」阿修羅が答えた。「私が知っているのは、どんな困難もものともせず世界を救おうとする、あらゆる代償をいとわず理想郷から人界へと降臨しようとする者ただ一人だ。奴は戦火をくぐり抜け、両手を血に染めても決して変わろうとしない」 「貴様の言う奴であれば、私が犯すような罪は決して犯すまい」 「貴様は罪を犯した、帝釈天。貴様は自分では一族を無数の争いから守れぬことを恐れている。自分が民の期待に応えられぬことを恐れている。貴様は人びとに、本当の貴様が、自分の利益をもたらしてくれるときは大事にされ、役に立たないときは捨てられ、人びとの後ろに隠れて自分の無力を嘆き、誰かに助けてもらうことを待つしかない軍医のような存在であることを知られることを恐れている。だから貴様は人びとを失望させるような王を演じ、十善業道を実践させ、かつての戦友をみな殺しにしたのだ。そして自らが全ての者に見捨てられる日を、自らが誰かにとってかわられる運命を待っているのだ」 「阿修羅よ、貴様は自分が私にとってかわれるとでも思っているのか?」 「それは自分に問うべきではないのか、帝釈天よ?なぜ私が貴様にとってかわれると考えるのだ?私が向かうところ敵なしだからか、私が暴虐で人殺しを好むからか?それとも、友ならば自分の求めを拒むことはあるまいとでも思っているのか?」 「全て貴様が一方的に構想する理想郷と同じだ。貴様に浄化され、操られ、貴様の理想郷の住人となるつもりがあるのか、貴様は民にたずねたことはないではないか!」かつての戦神は再び手にもった長剣を振り上げ、白衣をまとい、王冠をいただき、王座に座ったかつての友を指し示した。「貴様が犯した罪は私が背負おう」 「帝釈天よ、貴様に王となる資格はない!」 |
心の魔 |
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天域の上空、天人を数百年にわたり統治してきた善見塔の頂。故地トウ利天の金色の光が黄金郷の幻のように大空に広がり、雲の端から見え隠れしている。 阿修羅の剣を楽々と受け止めた帝釈天は「これほどの力と相手できるとは、長く待った甲斐があったぞ!」と笑う。 その瞬間、帝釈天は幻境を放つ。帝釈天の背後に広がった紅蓮が次々と幻影に変わっていく。超人的な五感をもつ阿修羅であっても帝釈天の位置を正確につかむことはできず、鏡の迷宮の中をひたすらさまようしかなかった。阿修羅に殺された者たちが幻境の中に次々とあらわれ、蓮の花から無数の手を伸ばし、阿修羅の手足をつかむ。すすり泣く声が耳にこだまする。 かつての戦友がその楽しみをなじり、兵士たちがその暴虐を泣いて責め立てる。魔神たちは闇に潜み、かつての戦神が深淵に呑み込まれたのをあざけり笑う。十天衆は雲の上に立ち、ありもしない罪を告げる。闇の果てでは、母がほほえみながら阿修羅に向かって両手を広げている。しかし、阿修羅は霊神体を駆使してかつて自らの手で葬った死霊たちを再び粉々に引き裂いた。触手が鞭のように幻境を切り裂き、幻影たちの体は真っ二つにされる。彼らは恐ろしげな顔で阿修羅を呪い、助けを乞うが、阿修羅は少しも手を休めることはない。闇はより深い闇に呑み込まれ、いつわりの光が走る。光の果てでは、帝釈天が阿修羅の手足を鬼の手でからめとろうとするが、阿修羅は次は思いどおりにはならず、霊神体が変化した長剣が鎖のような鬼の手を断ち切る。鬼の手は紅蓮の血の池に落ち、骸骨となって浮かび漂う。鏡のような幻境は徹底的に打ち砕かれた。 阿修羅が自らの幻境を突破したのを見た帝釈天は、ますます興奮した。 「敵となることで貴様を強くできると知っていたなら、もっとはやく貴様との関係を断つべきだったな!」帝釈天は笑う。「貴様はいつも私の想像のはるか上を行く」 「それは貴様が私のことを理解できていないからだ、帝釈天!」 「貴様も私のことを理解できていない、阿修羅!」 2人の霊神体が空中でぶつかる。阿修羅の力には圧倒的なものがあるが、敏捷さでは帝釈天がまさり、長剣の攻撃の一つ一つが帝釈天に防がれる。阿修羅は霊神体を触手に戻した。真っ赤な6本の触手がさまざまな方向から帝釈天を襲う。そのとき、蓮の花から突然無数の鬼の手が伸び出て阿修羅の触手にからみつき、互いにかみつきあう。蓮の花の鬼の手は突然阿修羅の霊神体をきつくしめあげる。阿修羅を善見塔の外に落とそうというのだ。阿修羅はとっさに触手の末端を切り落とし、鬼の手から解放された。塔の頂の宮殿の端に立ち、背後は大空だ。 阿修羅が次第に崩れ落ちていく善見塔の下から見上げると、帝釈天は善見塔の頂から見下ろしている。遠くのトウ利天が帝釈天を照らし、2人が初めて会ったときと変わらず汚れなく輝いている。昔のままの高慢な笑いを向けられた阿修羅は、狼のようなうなり声を発した。 阿修羅はトウ利天が落ちていった万丈の光の中からにわかに躍り上がる。今度は帝釈天が見上げる形となったが、阿修羅の姿はトウ利天の万丈の光に隠れてしまう。帝釈天は急ぎ蓮の花に周囲を守らせて迎撃に備える。光の中からあらわれた漆黒の影から落ちたのは傷ついた霊神体の触手ではなく、ボロボロの長剣だった。帝釈天はすぐさま後退りし、阿修羅の全力の一撃を何とかかわしたが、長剣に胸元を切られた。帝釈天は無意識に手を伸ばし、左胸の心魂の位置を押さえると、口から鮮血を吐き、後退りを繰り返す。阿修羅が左手にもつ剣が帝釈天にたたき落とされると、とっさに伸ばした右手が帝釈天の胸元を貫いていた。 「阿修羅よ、場所を間違えたか?」帝釈天が笑う。 帝釈天の右手は阿修羅が自らの左胸を貫いた腕をつかんでいる。突然自らの胸を貫き、阿修羅の腕をつかんだまま自らの心魂を取り出した。帝釈天の心魂は2人の手の中で脈打っており、機会を待ち構えていた霊神体は突然消えた。 「もう少しもつと思っていた」帝釈天は血に染まった手で阿修羅の腕をつかみ、何とか踏みとどまろうとする。「だがまあいい、これで終わりだ」 「暴君は死し、戦いは終わる。阿修羅よ、貴様の名は英雄として天域中で語り継がれるだろう」 これを聞いた阿修羅の表情が変わる。帝釈天は左手を阿修羅の手にかぶせ、指をしっかりとつかみ、2人の手の中で脈打つ心魂に近づけようとする。 「貴様は言ったな、自分の心の闇には自分で打ち勝たなければと」帝釈天は笑ってかがみ、阿修羅の耳元でささやいた。阿修羅の顔には恐怖や苦痛はなく、あるのはただ狂乱の後の満足だけだった。「今日、私はついに自分の心の闇に打ち勝った。貴様とともにだがな」 「これを喰らうのだ。そして私と一体となり、最強の天人となるのだ。我が阿修羅よ」帝釈天は阿修羅の手をしっかりとつかんでいる。恐るべき予感が不意に阿修羅の頭に浮かんだ。阿修羅はうつむいて2人のたなごころに目を向けたが、そこで脈打っていた心魂は帝釈天のものではなく、阿修羅がずっと探していた自らの心魂だった。 かつて生き、脈打ち、愛し、そして恨んだ心が、帝釈天のたなごころの中で2人の鮮血を吸っている。 「私の心魂がなぜ貴様の体内に…まさか…」 「阿修羅よ、トウ利天神がなぜトウ利天を破壊したか覚えているか。トウ利天神が悪龍ヴリトラに打ち勝ち、命を奪ったからだ」帝釈天は笑う。「トウ利天神は勝った。だが私は勝ちたいとは思っていない。私は死刑囚の監獄の中で判決文を手に気をもんでいた罪人に過ぎない。私が待っていた貴様こそ、私1人のためにやってきた処刑人だ」 「やはり死を望んでいたか」 「死を望んでいる?いや、私が望むのは私1人のための公正だ。私が求めるのは貴様が自らの手でこの世の全ての不公正を断ち切ることだ。私が求めるのは貴様が私の罪を公にし、世の人びとに私がいかなる暴君であったか伝えることだ。貴様は王位につき、人びとに英雄として尊崇されるのだ。これはそもそも貴様のものだ。それを私が自ら貴様の手に返そうというのだ」 「帝釈天よ、私には必要ない。貴様がこれをやりとげれば、名君、暴君、亡国の王となる。そこまですることが私を堂々と天人の王とさせるためであれば、王位などいらぬ」阿修羅が続ける。「帝釈天よ、貴様の計画は完璧だった。ただ私に英雄になりたいか、たずね忘れたという点を除けばな」 「私に間違っていたというのか、阿修羅?世を救えるのは英雄のみ。そして英雄となるのは貴様以外にいない。世の人びとを放っておけぬが…貴様のことも放っておけぬのだ」 阿修羅が抱えていた帝釈天をゆっくりと地面に下ろすと、頭の上の雨雲が次第に晴れ、金色のトウ利天が鮮明に姿をあらわし、金色の光が2人に降り注いだ。 「貴様もおそらく気づいているだろう、私の能力が真の意味での浄化ではないことに。私の能力とは、かつてのトウ利天神と同じく、共感によって悪念を吸収するというものだ。全ての悪念、全てのかりそめの生、受け入れられぬ死を一身に集めるのだ。私には選別することもできなければ、選別する気もない。自分の能力にかかわらず、全てを受け入れるほかないのだ。しかし、人びとの欲はとどまることを知らぬ。貴様の際限なき強大さがその証拠だ。それに対して私の命は限られている…帝位についた後、私は答えを探して故地トウ利天に自ら足を運んだことがあった。精神の海の中でトウ利天神の残留思念と出会った。トウ利天神は死して千年経ってもなお再び我らと相まみえ、我らの魂を元の姿へと浄化することを願っている。しかし、トウ利天神はもう存在しない。そしてトウ利天神と同じ力をもつ私は存在している。私はトウ利天神にかわって全ての族人の悪念を吸収するつもりだ。いや、それだけではなく、天人、鬼族、人間…陽界の全ての悪念を吸収してみせる」帝釈天の声が次第に弱まっていく。「しかし、私はトウ利天神のように人びとを自分のそばに縛りつけたくはない。魂の自由を奪うことで自らの孤独をいやすつもりもない。トウ利天神のような浄化では不完全なのだ。私は人びとが悪念から一気に解放され、欲海の中であがくことがないようにしたいのだ。だから、衆生がトウ利天で再会しても私はそこに向かうことはない。私は人びとの悪念を抱いてトウ利天神以上の破壊神となり、最強の天人の手によって滅ぼされるのだ。それは阿修羅、貴様をおいて他にいない」 「阿修羅よ、知っているか?蓮の実は泥の中で千年眠る。意識もなければ、真の命もない。ただひたすら夢を見るだけだ。そして私の一生は蓮の花を十分に咲かせた。泥の底で目覚めることのない眠りにつくときだ」 「帝釈天よ、眠ってはならぬ。トウ利天で私を待つと言ったではないか?」 「夢で見たあの山腹、入り口に蓮の池のある小屋の中。私はそこで貴様を待っている」 トウ利天はこれ以上なくはっきりとした姿をあらわし、雨雲はすっかり晴れ、天域の上空には金色の光が満ちていた。地上と善見城の人びとは思わず目の前の光景に我を忘れている。トウ利天は降下を始め、善見塔の頂に近づいてきていた。善見塔は圧を受けたように崩れ始め、宮殿の大地は裂け、壁は割れ、砂石が絶え間なく落ちてくる。 阿修羅はかつてしたのと同じように、血だらけの帝釈天を下ろした。帝釈天は変わらず美しく悲しげであり、思わず息を呑むような奇跡が戦場にあらわれたかのようだった。それは運命が阿修羅1人のために用意した答えであり、阿修羅が運命に何を願ったとしても、帝釈天に答えを見出すことができた。そして帝釈天とは正反対に阿修羅は永遠に傷だらけで永遠に不完全な、永遠にやさしさを学ぶことはなく、永遠に殺戮を続ける存在だった。これは、それこそが真の阿修羅の姿であるためだった。そして阿修羅という名の野獣を無条件に受け入れてくれるのは、この世に帝釈天1人しかいなかった。 「我らは友だ。しかし、私は貴様のために自らが歩みたくない、歩むべきでない道を歩むつもりはない。貴様をトウ利天と融合させて新たなトウ利天神とはさせぬ。私もヴリトラとなってうわさに聞くあの苦しい戦いに勝利するつもりはない」 「歴史を書き換えてやろう。貴様を窮地へと追い立てたこれは、なくてもかまわぬ」阿修羅は手にもった血に染まった自らの心魂を、帝釈天が見つめる中粉々に砕いた。かけらは光のように2人の周りを風に舞う。すぐそばを飛んでいるようでもあり、指先から滑り出ていくように風の中に消えていった。 阿修羅はかがんで昔の友に言った。「私はもはや天人ではない。いや、最初から違ったのかもしれぬ。帝釈天よ、貴様の用意した道を歩むことはできぬ」 「私は阿修羅なのだからな」 トウ利天の金色の光が2人を包む。それはかつて帝釈天があらゆる手を尽くして戻ろうとした黄金郷だった。しかし、帝釈天が最後の瞬間に目に焼きつけようとしたのは友の姿だった。 帝釈天が笑って阿修羅に言う。「貴様はいつも私の想像を超える力を示してきた。強者の頂点に上ったかと思うと、貴様はさらに高みへとはい上がっていく。誰もが運命の中で高みを目指して飛び続ける鳥に過ぎず、この世には真の強者などそもそも存在しないのかもしれぬ。」 善見塔はトウ利天の引力でほぼ完全に崩落しつつあった。轟音が空に鳴り響き、真っ白な石台には裂け目があらわれ、雲の端では白い鳥が鳴き声をあげている。 帝釈天は続けた。「そして私も高い、高い場所へと飛んできたのだろう」 「さらばだ、阿修羅よ」 白い巨塔が崩れ落ちた瞬間、真っ白な巨石が割れて白い雲となった。雲はうずまきながら眠りにつこうとする帝釈天を包み込み、果てしない白い深淵へと連れて行く。純白の流星雨が空から降り注ぎ、光を切望する世界を照らした。そして巨塔が崩れ落ちる瞬間、阿修羅はそれとは正反対に落ちてきたトウ利天に飛び乗り、さらなる高みに向かって飛んでいった。金色のトウ利天は金色の幻境で阿修羅を迎える。精神の海と心魂のかけらが共鳴し、阿修羅がずっと探し続けていた真相―瑠璃城が姿をあらわした。深淵での一戦の後、帝釈天は重いけがを負った阿修羅のそばでずっと見守っていた。軍医が去ると、帝釈天は自らの心魂を阿修羅の傷だらけの胸に入れ、阿修羅の傷ついた心魂を自分の体内に取り込んだ。 「貴様は自分が強靭な肉体をもっていると言っていたな。だが私には強靭な精神がある。その強靭な精神を今貴様に贈ろう。いつ、どこであっても、貴様が私を探したくば、振り返る必要さえない。私はそこで貴様を待っているのだからな」 最強の肉体に最強の精神と勇気を抱き、阿修羅は2人の力をもっていつわりの光を容赦なくたたきつぶしていく。トウ利天の最後の空中での爆発により万物の色を変えた金色の光は、最後は阿修羅とともに鳥も到達することのできない高空の雲の端に消えていった。 |
終結 |
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金色の幻境の中で、トウ利天神の残留思念が当時帝釈天を迎えたときのように阿修羅を迎えた。本当のトウ利天神は帝釈天のようでもあり、阿修羅や天人のようでもあり、天人以外の万物のようでもあった。阿修羅は最後の神に問いを投げかけた。 「慈悲深さを自ら誇るトウ利天神よ!貴様はどれだけ残酷なのだ!私が生まれついての闇の子だからというだけの理由で、私の全てを奪い去ろうというのか?」 「善悪とはそもそもが相対的なものだ。善人の心にも邪念は生まれ、悪人もさとりによって善をなすことはある。邪念は誰しももつもの、どこにでもある。それは神とて、理想郷とて例外ではない!貴様は全ての天人を生んだ。奴を生み、この阿修羅を生んだ。だが貴様はなぜ、奴に一生をかけて私と争わせるほどに私を恐れるのだ!」 トウ利天神は憐れむように阿修羅を見つめたが、一言も発しない。 「ならば私を闇と、破壊神と化し、貴様が私に強いた運命に抗わせよ!奴にかわって私にあらゆる罪を背負わせよ!」 トウ利天降臨前の最後の瞬間、阿修羅は帝釈天にかわって霊神体を精神の海に融合させ、鬼域の邪念を吸収させた。 「足りぬ、まだ足りぬ!この程度の邪念でこの阿修羅を押しつぶそうというのか?私は貴様たちの新たな神だ!あらゆる魂を屈服させてくれる。あらゆる精神を我が思うままにつくりかえてくれる!我が心のあらゆる望みをこの鬼域で現実のものとしてくれよう!」 天人聖子帝釈天は神諭を受けてこの世に降臨し、年若きころから従軍し、鬼族の侵攻を防いで驚くべき戦果をあげ、将軍として兵と民に尊崇された。また、翼の軍団を組織し、辺境を奔走して両族と和解した。しかし、金翅鳥族は帰順しようとせず、龍巣城によって天域を攻め取ろうとした。帝釈天は自ら兵を率いて龍巣城を陥落させた。凱旋した帝釈天は王に推戴された。帝釈天は民を子のように慈しんで善政を敷き、弱き者も強き者も、若き者も老いた者もみな平等に扱った。天域の辺境の魔神族にうとまれ、魔神族は龍巣城をけしかけて天域を攻めたが敗北し、百年の間力を蓄え、魔神軍の総力をあげて善見城に攻め込んできた。天人の王帝釈天は城内の民を避難させ、善見塔の頂で魔神の王阿修羅を迎え撃った。帝釈天は魔王が暴虐無尽で、天域も鬼域ももろとも破壊し尽くすと言うのを見ると、これを斬ることを決意した。2人は翌日の未明まで戦い、帝釈天が阿修羅を打ち破り、魔神軍を深淵の底まで撃退した。天域、鬼域には平和が再び訪れ、善見城の民は故郷に戻った。帝釈天は重いけがを負って行方知れずとなっていたが、3日後の明け方に城に戻り、城門の前で離れ離れになった両親や兄弟と再会し、無事を喜び合った。民は道の両側に並んで高らかに叫び、村人は花を捧げ、歓喜の声は遠くまで響き渡った。宮殿の門の下では無数の人びとが集まり、帝釈天を再び王に推戴した。天域、鬼域にはこれから長く平和が続き、天上と天下に争いを起こす者はいなくなった。 「この不公正にしていつわりの世界よ、聞くがよい!新たなる神の名において我に服従することを命ずる!この阿修羅の欲念よ、我に屈服せよ!」 最後の神と対峙した後、暴れまわる破壊欲の中で阿修羅は自意識を保ち続け、落ちていく帝釈天を何とか受け止めた。「私は生まれついての闇の子だったが、貴様は私に光を与えてくれた。貴様は光の中で生き続けるのだ。私は永遠に闇へと落ちた怪物となろう。帝釈天よ、しばしここで休息するがいい」 「なぜ貴様がここに?そして私はなぜここに?」目覚めが帝釈天が問うた。 「別れを告げに来たのだ。私の理性はすぐに邪念にのみ込まれ、破壊神となる。貴様は我らがともに追い求めた世界の中で目覚めるのだ。貴様の強情ぶりは結局変わらずじまいだったな。しかし、今になって少しは貴様の執着が理解できた気がする。ただ残念なことに、私は貴様のように物分りがよくない。私がほしいのは自らの手でつくりあげた世界、自らの手で奪った全てだと前に話したな。私にとって大事なのは、民の自由などより自分の心の中の邪念なのだ」 「貴様、いったい何をしたのだ?」 「我が名は阿修羅、魔神族の首領にして天人と鬼族との戦争を引き起こした張本人、天域を望む魔族、貴様の宿敵。我らは今日初めて相まみえ、善見塔で勝負を決し、私が敗北した。もはや二度と会うことはあるまい」 「いや、阿修羅とは長い付き合いだ。今日初めて相まみえたなどと…。我らは辺境の村の外れで出会った。奴は鬼族から我ら一行を救ったのだ。決して魔族の首領などではない。我ら天人族の英雄だ」 「思い違いだ」 「思い違いではない。阿修羅の霊神体は強大であったが、心の病に侵されていた。私は奴の苦しみを心で感じ、友となった。我らはともに戦場に立ち、無数の勝利を重ねてきた」 「どんな勝利を重ねてきたというのだ?」 「瑠璃城の大勝…奴は鬼族のふりをして私を敵の首領に献じ、我ら2人で力を合わせて首領を斬り、城内の民を救った。龍巣の大勝…阿修羅は城に潜入し、陣太鼓を鳴らさせた。私は敵が慌てたすきに兵を率いて裏門から攻め入った。善見城で私が新王につくと、反乱軍の兵が城下に迫り、阿修羅は…阿修羅…どこへ行った?」 「思い違いだ、帝釈天」 「思い違いではない。教えてくれ、奴はどこへ行った?奴は敵情を視察に行ったんだ。貴様が寝ている間に、貴様を起こさずに。私をここで待たせて。体力を温存しておくんだ、明日は龍巣城を攻めるんだ。奴は龍巣城を落とすのが貴様の悲願だと知っている。必ずや貴様とともにやってのけると言っていた」阿修羅が言った。「眠れ。貴様が目覚めたときには奴が戻ってくるだろう。戦いは貴様の手で終わった。両族は二度と戦火を交えることはない。鬼族と天人は分かり合い、敵対することはない。凱旋した貴様を民は道の両側に並んで迎えることだろう。村人は花を捧げることだろう。あれだけ貴様に冷たかった家族も城を出て、善見城下で貴様を迎えるだろう。貴様の夢の中にはかつての戦友があらわれる。そして貴様が目覚めると、今の友と相まみえるだろう」 「そんな日が本当に来るのだろうか」帝釈天が最後に聞いた。 「貴様が望みさえすればな」 阿修羅が幼いころ母から聞いていた鼻歌を小さく歌っていると、帝釈天はすぐに深い眠りについた。できるならば阿修羅とてもこの世界にとどまり、その様子をこの目で見てみたい。しかし、どんな願いにも代償がある。トウ利天神の過ちは願いだけで代償のない世界をつくりだしたことだった。今度は阿修羅が代償を支払うときだった。「帝釈天よ、行くのだ。もう過去を振り返るな。もう誰かのために歩みを止めるな。そして私も、同じく歩みを止めることはない」 阿修羅は最後の力を振り絞り、自らと無数の邪念を深淵に投げ込み、深淵を再び封印した。こうして阿修羅は永遠の闇に落ち、光に足を踏み入れることのない唯一の魔王となった。 数日後の明け方。善見城では天人と鬼族たちが歌い踊って帝釈天の勝利を祝っていた。深淵の天魔は封印され、天域にも争い、苦しみ、犠牲のない時代がようやくやってきたのだ。帝釈天は目を覚ますと、自らが馬車に乗っていることに気づいた。馬車は善見城に向かって走っていた。 「これは…どうしたことだ?」 「帝釈天様はあの深淵の天魔に打ち勝ち、天域に光を取り戻されたのですが、重いけがを負って意識を失われたのです。心魂はかなり傷ついてはいますが、トウ利天神の加護を受けたのか、数日で急速な回復を見せています」 「深淵の…魔王?」 「覚えておられないのですか?天人族は鬼域に落ちてから深淵の魔神族と敵対し、長い間争ってきました。帝釈天様が翼の軍団を組織し、鬼族の乱を平定し、魔神族を震え上がらせ、天域に平和が戻ったのです。しかし、あの深淵の天魔はあきらめず、兵を起こして善見城を攻め取ろうとしたのです。帝釈天様は城内の民を避難させ、1人で立ち向かわれました」 帝釈天は決戦時の様子を思い出そうとした。「高い場所から落下して誰かに救われ、相手の顔を見ようとしたら深い眠りに落ちてしまったことだけ覚えている」 「決戦時のけがで記憶を失ったのかもしれません。いずれにせよ、王が不在という状況は一刻も裂けねばなりません。それで帝釈天様をまず善見城にお送りするよう訴えました。どうか勝手をお許しください。遠くから聞こえるのは、民が帝釈天様を再び王座にお迎えする歌です」 柔らかく高らかな歌声は、かつて天域と鬼域の境界で両族の子どもが歌っていた歌だった。翼の軍団によって辺境から善見城に持ち込まれた旋律が今、遠く善見城の方角から聞こえてくる。帝釈天には聞き覚えがあった。「この歌を覚えている。白い羽根の鳥が雷雨の朝に雲と風の間を通り抜けながら次第に飛び方を身につけていくという歌だ。最後には鳥は雲の上にたどり着き、永遠に雨がふらず、風もない場所で過ごすのだ」 「小鳥が雷雨の中をどう飛ぶというのか?ひょっとしたらこの歌の最後では鳥が暴風雨の中で死ぬという場面を暗示しているのかも知れない」 「だが少なくとも、小鳥が一切を顧みず飛ぼうとしたという事実は変わらない」 深淵の底で阿修羅は天人たちの歌声を聞いたような気がして、一瞬頭の上の光をあおぎ見た。深淵では笑い声と阿鼻叫喚の叫び声が響き渡っている。阿修羅の手の中の引き裂かれた魔神は、まるで歌うように阿修羅の名を繰り返し叫んでいた。 「たとえ無数の民の心の闇が私1人に集まったとしても、我が心を満たすことはできない。我が心は光の中にあり、我が身が闇に落ちることは決してない」 「私はいつか、我が心を満たすことのできる者がいる場所へ戻るだろう…」 「阿修羅…阿修羅!破壊神…阿修羅!」体を引き裂かれた魔神が地上に投げ出され、阿修羅に頭を踏みつぶされても阿修羅をたたえることをやめない。 帝釈天は宮殿で数ヶ月休むと、深淵との辺境にある翼の軍団の戦友たちを訪ねた。 「翼の軍団の者たちとともに城を出るのは私が王位についてから初めてのことだな…もうそんなに経つのか」 「そうです。帝釈天様は王位につかれてからは善見城にこもって出ていらっしゃらない!辺境ではみな『帝釈天様はどうしてこもりっきりなのか』と言っていますよ」 「こうして出てきたではないか。善見城のこともようやく片づいた。みなとともに辺境の新しい村を見に行きたいと思うが、どうかな?」と帝釈天は笑う。 「もちろん、喜んでおともします。帝釈天様が善見城に行かれると、辺境再建の費用、物資がすぐに届きました。故郷を離れた者も多くが戻ってきました」 一行が歩きながら話していると、小さな山腹についた。この山腹は昔翼の軍団が頻繁に食糧を輸送していた場所だった。 「帝釈天様、ご覧ください!当時はいつも夜に食糧を輸送していましたが、幸い鬼族に待ち伏せされたことはありませんでした。今考えれば実に幸運でした」 帝釈天は、当時はこれ以上ないほど陰気だった場所が、今では至るところに花が咲き、山腹には小屋が建ち、その前には蓮の池があるのに気づいた。誰かがいつも手入れをしているようだ。「蓮の池があるのなら、白鳥が何匹かいた方が趣があるな」と帝釈天は思わず漏らした。 「帝釈天様は白鳥もお飼いになるのですか?」 「まさか!白鳥とはどうも仲良くなれなくてな、私の友が…、う…?」 そのとき、翼の軍団に突然、待ち伏せていた山賊が襲いかかってきた。 襲ってきた山賊はどこか様子がおかしい。鬼族のようでもあるが、生気が全く感じられず、動きもぎこちない。戦友たちが一人また一人倒れていくのを見ながら、帝釈天はまだ完全に回復していない霊神体を召喚した。しかし、蓮の花を広げたところで一刀両断される。霊神体が攻撃をまともに受けた帝釈天は、激痛でその場に倒れた。 その瞬間、空から降りてきた黒い影が周囲の鬼族を一人また一人と粉々にしていく。帝釈天に向かって進んできて、横に体を動かすたびに叫び声があちこちであがる。帝釈天の前に立っていた鬼族は逃げる間もなく、もっていた石斧を帝釈天に振り下ろした。 真っ赤な触手が背後から鬼族の体を貫くと、帝釈天の顔に血しぶきが降りかかった。引き裂かれた体はそばに放り出され、背後の黒く血に染まった影があらわれた。その姿に、帝釈天は思わず目を見開く。 「貴様は…」 天域の千年戦争は終わりを告げたが、彼らの物語は始まったばかりだ。 |
「阿修羅」のCG
「阿修羅」のプロフィール詳細
性別 | 男 |
武器 | 触手、大剣、鬼手 |
タグ | 軍神、英雄、天魔、闇の申し子 |
イメージカラー | 赤、黒、金色 |
長所 | 強い、勇猛果敢、統率力が高い、友人に対して誠意がある、自主独往、不屈、自信家、行動力がある、責任感が強い、活力溢れる、前向き |
短所 | 残酷、怒りやすい、横暴、敵を挑発するのが好き、独占欲が強い、復讐心が強い |
興味があること | 狩り、陸戦棋、征服、領土拡張、旅行、激しい運動、戦闘、歌や踊りの鑑賞 |
クセ/趣味 | 戦闘中は征服欲が強くなる、素手で岩を登る、火山での運動、触手彫刻、指鳴らし、発火 |
特技 | 戦、戦の策略を立てる、地図の作成、野外で生き残る、様々な動物を手懐ける、様々な植物を栽培する、採掘 |
性格 | 凶暴、反抗的、勇猛果敢、残酷非道 |
関連人物 | 帝釈天(無二の友) 母親 酒呑童子(飲み友達) 茨木童子(飲み友達) 迦楼羅(部下) ヤマタノオロチ(情報提供者) |
行動の動機 | 戦争を終わらせる、世界平和、様々な挑戦に挑む |
好きなもの | 平和な庭、日光、大雨、刺激的な挑戦、冒険 |
嫌いなもの | 裏切り、挑戦する甲斐のないもの |
弱点 | 親しい人に本当の気持ちを見せる、大切な人を失うことを恐れている |
ギャップ | 鬼神の如く凶暴な性格をしているが、義理人情に厚い |
好きな人 | 心優しい人、情熱的な人 |
好きな食べ物 | 激辛唐辛子、焼肉、わさび、刺激的な食べ物 |
嫌いな人 | 陳腐な人、つまらない人、自分の所有物に不敬を働く人 |
嫌いな食べ物 | いつも前線に出ているため、特に嫌いな食べ物はない。味の薄い料理はあまり好きではない |