【陰陽師】伊吹の試合場イベント攻略まとめ
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『陰陽師』伊吹の試合場イベントの攻略情報をまとめて紹介。御魂強化のルールや進め方、幻境狭間のおすすめパーティも記載しているので参考にどうぞ。
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イベント概要
イベント期間 | 8/14(水)メンテ後~8/20(火)23:59 |
伊吹の試合場開放期間 | 期間中毎日8:00~23:55開放 |
御魂強化で順位に応じた報酬が貰える
伊吹の試合場は、指定されたサブステータスの御魂をセットし試合に参加することができる。4人で御魂を強化し、指定されたサブステータスが強化された陰陽師は福運を獲得でき、試合終了後に累計福運に基づいて順位報酬が配布される。
また、狭間幻境では戦闘にて累計ダメージに基づいた報酬も貰える。
伊吹の試合場のルールと進め方
①指定条件のランク6御魂を装着
イベント開放後、今回の指定御魂サブステータス3つが公開される。陰陽師は未強化かつ指定のサブステータスを1つ以上持っているランク6御魂を3つ指定して試合に参加することができる。
各試合には4人の陰陽師が参加する。マルチ招待可能だが、マルチモードには参加報酬がないため、報酬回数が消費されない。
参加条件
所持銭貨 | 141.8万以上 |
貪欲鬼 青吉鬼変換経験値 |
70.9万以上 |
指定条件の 未強化ランク6御魂3個 |
素早さ 追加攻撃力 会心率 |
②計5試合で3つの御魂を強化する
試合は5回行われる。試合1回ごとに、御魂レベルが3上がる(最大レベルまで)。試合ごとに、銭貨、青吉鬼または貪欲鬼経験値を消費する。
各強化は、陰陽師の貪欲鬼経験値と青吉鬼に応じて銭貨消費の一番低い組み合わせで行う。経験値がオーバーする場合、オーバーした分の経験値は貪欲鬼に返還される。同時にオーバーした分の経験値強化に使用した銭貨を返還する。
毎試合の決算時に強化したくない御魂を選択できる。選択された御魂はレベルアップせず、材料も消費しない。すべての御魂を選択した場合、試合放棄とみなされる(報酬はメールで配布)。
※毎日イベント初回参加時の銭貨消費は20%減少
※御魂強化は通常通りの確率で、指定サブステータスが上がりやすいわけではない。
③指定サブステータス強化で福運獲得
毎回の強化が終了した後、指定のサブステータスが強化された場合、福運を1獲得できる。福運1につき小動物が1歩進む(指定サブステータス3つとも強化されたら一度に+3)。
④順位に基づいて報酬配布
全試合終了時、今回の試合での累計福運に基づいて順位報酬が配布される。各イベントでは、最初の8回の試合まで報酬を獲得できる。9回目からは報酬を獲得できないので注意。
※試合には100回まで参加可能。
順位 | 報酬 |
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第1位 | オロチの逆鱗×50 スタミナ×120 銭貨×500,000 ランダム★6御魂 |
第2位 | 忘れられた絵本×100 スタミナ×80 銭貨×300,000 ランダム★6御魂 |
第3位 | 忘れられた絵本×50 スタミナ×50 銭貨×100,000 |
第4位 | オロチの鱗×10 スタミナ×20 銭貨×50,000 |
⑤福運記録上位100位はランキングに表示
福運記録上位100位の陰陽師は、同一サブステータスが連続5回強化された御魂がランキングに表示される。ランキング報酬等はなし。
幻境狭間の概要
魚餅を消費して戦闘を行う
幻境狭間に挑戦すると「魚餅」を1つ消費する。毎日0時に魚餅を3つ獲得。イベント終了時、魚餅は回収されるため、早めに使用しよう。
また、敵に与えた累計ダメージに基づいて伊吹から報酬が貰える。
アイテム | 説明/獲得方法 |
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魚餅 |
【説明】 伊吹の好物の魚餅、伊吹に認められた強者だけが口にすることができるらしい。【獲得方法】 毎日3つ配布(上限6つ) |
1,000万DMG以上で最高報酬
幻境狭間は、1,000万DMG以上与えることができれば、銭貨×80,000の最高報酬が貰える。毎回取り巻きの蛇魔は復活するので、煉獄茨木童子や高火力単体攻撃の空相面霊気など編成が最適。
首領スキル
スキル | 消費鬼火/効果 |
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蛇神の幻影 |
0 ヤマタノオロチは戦闘開始時に鱗鎧を50重獲得する。鱗鎧1重につき、自身の防御力が100アップする。 ダメージを受ける度に、鱗鎧を1重失う。ターン開始時に鱗鎧を2重獲得する。 |
蛇凝 |
0 ヤマタノオロチは毎ターン開始時に蛇魔を召喚する。 |
幻境狭間のおすすめパーティ
おすすめ式神
役割 | おすすめ式神 |
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サポート | 【最適性】 ・食霊(遺念火/招き猫) ・帝釈天(塗仏/火霊)【適正】 ・絵世花鳥風月(破勢&鬼霊歌姫) ・丑の刻参り(破勢/狂骨&餓者髑髏) ・縁結神(招き猫) ・不見岳(塗仏) |
鬼火 | 【最適性】 ・因幡かぐや姫(火霊、塗仏) ・盈虚千姫(バラ)【適正】 ・千姫(火霊、塗仏) ・追月神(火霊) ・かぐや姫(火霊/塗仏) ・座敷童子(火霊) |
単体攻撃 | 【最適性】 ・空相面霊気(海月の火の玉/バラ) ・盈虚千姫(バラ)【適正】 ・須佐之男(破勢/バラ&土蜘蛛) ・燼天玉藻前(針女&鬼霊歌姫、狂骨&土蜘蛛) ・妖刀姫(破勢/バラ&土蜘蛛) ・初翎山風(狂骨/海月の火の玉&土蜘蛛) ・麓銘大嶽丸(狂骨/海月の火の玉/破勢&土蜘蛛)【丑の刻参りと編成】 ・茨木童子(破勢/狂骨) ・雪童子(破勢/狂骨/家鳴) ・三尾の狐(破勢/狂骨) |
全体攻撃 | 【最適性】 ・天照(破勢&鬼霊歌姫) ・煉獄茨木童子(破勢&餓者髑髏) ・言霊(破勢&餓者髑髏) ・龍吟鈴鹿御前(招き猫&鬼霊歌姫)【適正】 ・季(墓守り&餓者髑髏) ・鈴彦姫(針女&鬼霊歌姫) ・鈴鹿御前(針女&鬼霊歌姫) ・浮世青行燈(破勢&餓者髑髏) ・滝夜叉姫(針女&鬼霊歌姫) ・姑獲鳥(針女&鬼霊歌姫、破勢&餓者髑髏) ・玉藻前(破勢&餓者髑髏) ・大天狗(針女&鬼霊歌姫) ・雲外鏡(破勢/墓守り&餓者髑髏) ・待宵姑獲鳥(破勢/狂骨&餓者髑髏) |
パーティ例①
契霊 | 陰陽師 | |||
---|---|---|---|---|
鎮墓獣 雪玉 |
|
|||
式神(左から行動順) | ||||
妖術弐 | 妖術 | 妖術 | バラ妖術 | 妖術参 |
必須契霊スキル |
---|
予知 |
式神/順番 | 御魂/説明 |
---|---|
八百比丘尼 (1速) |
・晴明(星滅)でも可 |
帝釈天 (2速) |
【効果指標】攻撃力 【素早さ】120以上②④⑥攻撃 ・スキルLv自由 ・釣瓶火でも可 |
空相面霊気 (3速) |
【効果指標】与ダメージ 【会心率】100% 【素早さ】120以上②④攻撃 ⑥会心DMG/会心 ・スキル3Lv3以上 ・バラ御魂でも可 |
龍吟鈴鹿御前 (4速) |
【効果指標】攻撃力 【会心率】100%②④攻撃 ⑥会心 ・スキル3LvMAX ・遺念火/釣瓶火でも可 |
盈虚千姫 (5速) |
【効果指標】与ダメージ 【会心率】100%②④攻撃 ⑥会心DMG/会心 ・スキル3LvMAX |
鉄鼠 (6速) |
【効果指標】攻撃力 【効果命中】80%②攻撃 ④攻撃/命中 ⑥攻撃 ・スキルLv自由 |
代用式神
元式神 | 代用式神 |
---|---|
龍吟鈴鹿御前 | ・言霊 ・オロチ ・蟹姫(海月&蜃気楼) ・黒無常など※言霊以外を使用する場合、盈虚千姫は遺念火/釣瓶火推奨 |
パーティ例②
契霊 | 陰陽師 | |||
---|---|---|---|---|
鎮墓獣 雪玉 |
|
|||
式神(左から行動順) | ||||
妖術 | 妖術 | 妖術 | 妖術弐 | 妖術 |
必須契霊スキル |
---|
予知 |
式神/順番 | 御魂/説明 |
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食霊 (1速) |
【効果指標】攻撃力 【素早さ】SP面霊気×2以上②素早さ ④⑥攻撃 ・招き猫でも可※素早さ128以上でも可 |
鉄鼠 (2速) |
【効果指標】攻撃力 【効果命中】100% 【素早さ】145~150②攻撃 ④命中 ⑥攻撃 |
八百比丘尼 (3速) |
・晴明(星滅)でも可 |
空相面霊気 (4速) |
【効果指標】与ダメージ 【会心率】100% 【素早さ】119~125②④攻撃 ⑥会心DMG/会心 ・バラ御魂でも可 ・PT内で一番会心DMG高く |
煉獄茨木童子 (5速) |
【効果指標】与ダメージ 【会心率】100% 【素早さ】117~125②④攻撃 ⑥会心DMG/会心 ・空相面霊気の次に会心DMG高く |
因幡かぐや姫 (6速) |
【効果指標】攻撃力 【素早さ】117以下②④攻撃 ⑥会心DMG/攻撃 ・空相面霊気&煉獄茨木童子より会心DMG低く |
代用式神
元式神 | 代用式神 |
---|---|
鉄鼠 | ・帝釈天 |
煉獄茨木童子 | ・言霊 ・蟹姫(海月&蜃気楼) ・オロチ ・黒無常など ※天照は不推奨 |
パーティ例③
契霊 | 陰陽師 | |||
---|---|---|---|---|
鎮墓獣 雪玉 |
|
|||
式神(左から行動順) | ||||
妖術弐 | 妖術 | 妖術 | 攻撃 | バラ妖術 |
契霊スキル |
---|
滅 |
式神/順番 | 御魂/説明 |
---|---|
安倍晴明 (1~2速) |
・星滅でも可 |
帝釈天 (1~2速) |
【効果指標】攻撃力/HP 【素早さ】124以上②HP/攻撃 ④⑥攻撃 |
天照 (3速) |
【効果指標】与ダメージ 【会心率】100% 【素早さ】124以上②④攻撃 ⑥会心DMG/会心 |
須佐之男 (4~5速) |
【効果指標】与ダメージ 【会心率】100%②④攻撃 ⑥会心DMG/会心 ・PT内で一番攻撃力高く |
鉄鼠 (4~5速) |
【効果指標】与ダメージ 【会心率】100%②④攻撃 ⑥会心DMG/会心 ・低ランクの場合HP盛り ・餓者髑髏はなくても可 |
盈虚千姫 (6速) |
【効果指標】攻撃力 【会心率】100%②④攻撃 ⑥会心DMG |
パーティ例④
契霊 | 陰陽師 | |||
---|---|---|---|---|
鎮墓獣 雪玉 |
|
|||
式神(左から行動順) | ||||
バラ |
契霊スキル | |
---|---|
星 |
滅(優先) |
式神/順番 | 御魂/説明 |
---|---|
千姫 (1速) |
【効果指標】攻撃力②攻撃 ④攻撃 ⑥攻撃 ・火霊でも可 |
安倍晴明 (2速) |
- |
空相面霊気 (3速) |
【効果指標】与ダメージ②攻撃 ④攻撃 ⑥会心DMG/会心 ・会心100% ・バラ御魂でも可 |
帝釈天 (4速) |
【効果指標】攻撃力②攻撃 ④攻撃 ⑥攻撃 ・金蓮付与後、通常攻撃固定 ・塗仏でも可 |
煉獄茨木童子 (5速) |
【効果指標】与ダメージ②攻撃 ④攻撃 ⑥会心DMG/会心 |
妖刀姫 (6速) |
【効果指標】与ダメージ②攻撃 ④攻撃 ⑥会心DMG/会心 ・破勢でも可 ・須佐之男でも可 |
パーティ例⑤
契霊 | 陰陽師 | |||
---|---|---|---|---|
鎮墓獣 雪玉 |
|
|||
式神(左から行動順) | ||||
契霊スキル | |
---|---|
星 |
滅(優先) |
式神/順番 | 御魂/説明 |
---|---|
絵世花鳥風月 (1速) |
【効果指標】攻撃力②攻撃 ④攻撃 ⑥攻撃 |
安倍晴明 (2速) |
- |
鈴彦姫 (3速) |
【効果指標】与ダメージ②攻撃 ④攻撃 ⑥会心DMG/会心 |
因幡かぐや姫 (4速) |
【効果指標】会心DMG②攻撃/自由 ④攻撃/自由 ⑥会心DMG ・会心無視で会心DMG盛り |
不見岳 (5速) |
【効果指標】防御力②防御 ④防御 ⑥防御 |
燼天玉藻前 (6速) |
【効果指標】与ダメージ②攻撃 ④攻撃 ⑥会心DMG/会心 |
パーティ例⑥
契霊 | 陰陽師 | |||
---|---|---|---|---|
鎮墓獣 雪玉 |
|
|||
式神(左から行動順) | ||||
契霊スキル | |
---|---|
星 |
滅(優先) |
式神/順番 | 御魂/説明 |
---|---|
帝釈天 (1速) |
【効果指標】攻撃力②攻撃 ④攻撃 ⑥攻撃 ・スキル2固定でも可 |
安倍晴明 (2~3速) |
- |
千姫 (2~3速) |
【効果指標】防御力②防御 ④防御 ⑥防御 ・流光追月神/追月神でも可 |
絵世花鳥風月 (4速) |
【効果指標】攻撃力②攻撃 ④攻撃 ⑥攻撃 |
鈴彦姫 (5速) |
【効果指標】攻撃力②攻撃 ④攻撃 ⑥攻撃/会心 ・会心100% |
妖刀姫 (6速) |
【効果指標】与ダメージ②攻撃 ④攻撃 ⑥会心DMG/会心 |
パーティ例⑦
契霊 | 陰陽師 | |||
---|---|---|---|---|
鎮墓獣 雪玉 |
|
|||
式神(左から行動順) | ||||
サポート | アタッカー×2 |
契霊スキル | |
---|---|
星 |
滅(優先) |
式神/順番 | 御魂/説明 |
---|---|
追月神 (1速) |
【効果指標】自由②自由 ④自由 ⑥自由 |
丑の刻参り (2速) |
【効果指標】自由/効果命中②自由 ④自由/命中 ⑥自由 |
安倍晴明 (3~4速) |
- |
サポート (3~4速) |
※式神は「おすすめ式神」参照 |
アタッカー (5~6速) |
【効果指標】与ダメージ②攻撃 ④攻撃 ⑥会心DMG/会心 ※式神は「おすすめ式神」参照 |
伊吹の試合場ストーリー
猫桜の旅・一
猫桜の旅・一ストーリー |
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麗らかな春の日、晴明と白蔵主が都の郊外の山林の中を散歩している。木漏れ日が鬱蒼とした林の地面に降り注ぎ、辺りを気持ち良さそうな金色に染め上げた。【白蔵主】 「セイメイ様、ここにさらさらと流れる小川がありますよ。桜の花びらが水面に浮かんでいて、まるで綺麗な絵みたいです。」【晴明】 「そうだな、それに小さな魚まで見えるほど透き通っている。」【???】 「その魚を全部引き上げて煮干しにすれば、大漁だと言えるにゃん。」【白蔵主】 「え?このだらだらとした声は……いつもセイメイ様に煮干しをせがむ、太った猫のもの……」【伊吹】 「本当に失礼なやつにゃん!お前みたいな子狐は、ニャンのことを敬って伊吹様と呼ぶべきにゃん。」【晴明】 「伊吹、久しぶり。」【伊吹】 「陰陽師、元気かにゃん。」【晴明】 「何かあったのか?」【伊吹】 「にゃ〜お〜、ニャンが現れる時には必ずよくないことが起きるとでも言いたげだにゃん。今回は煮干しがいらないだけじゃにゃい。今日の日差しを共に堪能しようじゃにゃいか。」伊吹がそう言い終えると、辺りが一瞬光りに包まれた後、晴明の目の前に作り立ての魚餅と三杯のお茶の置かれた机が出現した。【白蔵主】 「味見させてください……うえ……このお茶、砂糖の入れ過ぎじゃないですか?」【伊吹】 「若き子狐よ、これはニャンが特別に蜜を加えたはちみつのお茶にゃん。早くニャンに感謝するにゃん!」白蔵主が魚餅を一口食べると、さくさくとした歯ざわりと共に、美味しさが口の中いっぱいに広がった。【白蔵主】 「セイメイ様、この魚餅……」しかし褒め言葉を言い終える前に、白蔵主は眠ってしまった。周りの景色が一瞬にして変わった。白蔵主が消え、目の前に花の咲き誇る草地が現れた。遠くの鳥居から推測するに、どうやらどこかの神社の裏庭に来たようだ。【伊吹】 「ここは……どこにゃん?」周囲を見渡した後、遠くの変わった形をしている山になぜか見覚えがあると伊吹は思った。一方、傍らの晴明は何か思いついたようだ。【伊吹】 「大陰陽師晴明……てっきりお前もあの子狐みたいに眠ってしまったと思っていたにゃん。」【晴明】 「……」【伊吹】 「周りをよく見るにゃん、山を、木を、川を……もしニャンの推測が間違っていなければ、ここはたぶん、噂の隠世の里にゃん。」【晴明】 「面白そうな名前だな。(小白の気配は外界にある……だがどうやらただ眠っているだけで、命に別条はないようだ。)ここに変な妖気は感じられない、むしろとても静かと言うべきだ。」【???】 「この声、すみません……もしかして伊吹様ですか?」【伊吹】 「ニャンの記憶が正しければ、お前はこの前いくら寿司をくれた心雅さんにゃん。」【巫女心雅】 「まさか伊吹様が、まだ私のことを覚えていてくださったなんて。」【伊吹】 「にゃ〜、お前が作るいくら寿司はとても美味しいからにゃん。どうして急に心雅さんが現れたのにゃん?まさかまた村に変な妖怪が出て、ニャンの助けが必要なのかにゃん?」【巫女心雅】 「妖怪が現れたわけではないのですが……でも今日は伊吹様に会えました、これでもう安心です。」【伊吹】 「にゃ〜、何があっても大丈夫にゃん。ニャンに十分ないくら寿司を用意してくれれば、何でも助けてあげるにゃん。今回は助手として強い陰陽師を連れてきたし、ニャンたちに解決できない問題なんてないにゃん!」晴明が返事をする前に、伊吹は心雅の頼みを引き受けていた。二人と一匹はそのまま花がたくさん咲いている神社の裏庭に腰を下ろし、巫女心雅が状況を説明し始めた。……」【伊吹】 「つまり……心雅さんは山に住んでいる恐ろしい陰陽師が、心雅さんの妹、心桜さんの魂を奪ったことに気づいたのにゃん……」【晴明】 「それで、心雅さんは我々に山に住んでいる陰陽師に会いに行き、妹さんの魂を奪い返してほしいということか?」【巫女心雅】 「ええ、その通りです。でもその陰陽師はひねくれ者で、変な性格をしています。もし私が目の病にかかっておらず、山に行けるのであれば、自ら会いに行くところです……」【伊吹】 「お安い御用にゃん。心雅さん、この「依頼」はニャンが引き受けた、だから安心していいにゃん!」【巫女心雅】 「本当にありがとうございます。では私はいくら寿司を作って、神社でお待ちしています。」 |
猫桜の旅・二
猫桜の旅・二ストーリー |
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黄昏時、林の奥。【伊吹】 「陰陽師、なぜ何も言わないにゃん。またニャンが勝手に「依頼」を引き受けたことに怒っているにゃん?」【晴明】 「……ただ考えているだけだ。その陰陽師に会った時に、一体どうすればいいのか。なぜだかわからないが、簡単に解決できるとは思えない……やはり先に相手のことを調べるべきだ。」【伊吹】 「にゃ〜、そんなの、大陰陽師にとってはお茶の子さいさいじゃにゃいのか?お前の並々ならぬ霊力とたっぷりの魅力で相手を圧倒すればいいにゃん……」【晴明】 「心雅さんの言っていた村はまだ見えてこないな。もしかしたら……」【伊吹】 「もう一度よく見るにゃん。陰陽師、前を見て。」伊吹の視線の先に目をやると、小さな村の入り口が見えてきた。【晴明】 「林の奥に、こんな村があったのか……遠くには畑、湖、そして果樹園もある、まるで麓の村のようだ。たまにこういう外と隔離された場所に滞在してみれば、案外平和な気持ちになれるかもしれない。」【伊吹】 「おばさん、ここに変な陰陽師が住んでいにゃいか?」【晴明】 「すみません、あの……」【村のおばさん】 「この村には陰陽師なんかいやしないよ。変な術を研究する暇があったら、畑仕事でもしろってね。それにしても変な服を着ているね。林の中をうろついてると、妖怪に攫われるよ!」【伊吹】 「うまくいかなかったにゃん。ここの住民はよそ者が嫌いみたいにゃん。ニャンのような凛々しい猫も例外じゃにゃいほどに。」【晴明】 「ここの住民は、外の人間との付き合いに慣れていないだけかもしれない。」【伊吹】 「にゃ?ニャンの凛々しさを否定するというのか、少し傷付いたにゃん。でも、許してあげるにゃん。今はとにかく、村で手がかりを手に入れにゃいと。」晴明たちは静かな村の中で、陰陽師が住んでいるかもしれない場所を探している。【晴明】 「心雅さんが言っていた、その陰陽師は「桜草」という花を気に入っていると。今は春、ちょうど「桜草」の季節だ。どこかの家の庭院に「桜草」が生えていないか探してみよう。」【伊吹】 「いい提案にゃん。」晴明が呪文を唱えると、彼の手の中から紙人形が飛び出し、あっという間に周囲に散った。しばらくして二体の紙人形が戻ってきて、そう遠くない場所にある地味な屋敷を指差した。晴明は少し開いたままの扉を叩いたが、慌てて草むらを走り抜ける紙人形を除けば、誰からも返事はなかった。」【伊吹】 「すみません……誰かいませんか?私はここを通りかかった陰陽師です。もうすぐ日が暮れそうなうえに、一雨ありそうだったので、不躾ながらここに参った次第です。」すると扉が「ギー」と音をたて、完全に開いた。【晴明】 「にゃ〜……これは入ってもいいという意味かにゃん……」晴明が中に入ろうとしていると、伊吹が一足先に庭院の中に飛び込んだ。その時晴明は、本や紙でいっぱいの部屋の中に座っている小柄な男の姿を捉えた。【伊吹】 「お邪魔します。」先程逃げ出した紙人形たちは草むらに隠れ、晴明と伊吹の様子を覗いている。【伊吹】 「にゃ〜、変な陰陽師にゃん……」【怪しい陰陽師】 「(目の前の複雑な図形が描かれている設計図のようなものに夢中で、返事をしない。)」【晴明】 「完全に夢中になっている……」晴明はそれ以上相手を邪魔することなく、周囲を観察し始めた。」【晴明】 「(陰陽道の法陣が描かれている紙が、こんなにたくさん山積みになっている……)すまない、読んでもいいだろうか?」【怪しい陰陽師】 「(筆を執り、紙切れに大きく「可」という文字を書く。)」【晴明】 「……ありがとう。」【伊吹】 「おい、陰陽師、ここに来た目的を忘れてにゃいか?」【晴明】 「もちろん覚えている。しかし当分の間、肝心の陰陽師は相手をしてくれそうにない。ならば様子見がてら、一休みしてもいいだろう。」そう言い終わると、晴明は複雑な記号が刻まれている壁際に移動し、一心不乱に法陣を研究し始めた。部屋にいる二人と一匹は、そのまま時間を過ごした。しかし日が暮れても、その陰陽師は相変わらず何も言わなかった。【伊吹】 「ふんふんふん……」【晴明】 「何か見付けたか、伊吹。」【伊吹】 「お前は本当に何も分かってないにゃん、ニャンは煮干しやいくら寿司のことを考えているだけにゃん。」【怪しい陰陽師】 「……」物音に気付いた伊吹が頭を上げると、目の前の紙切れに美しい文字が現れた。【伊吹】 「これはニャンたちを夕食に招待するという意味かにゃん?」【怪しい陰陽師】 「(僅かに頷く。)」【伊吹】 「でも料理ができそうには見えないにゃん……にゃ〜!」伊吹がそう言い終える前に、二人の目の前の机に突然数品の料理が出現した。その中には美味しそうな煮干しもあった。【伊吹】 「美味しい煮干し、にゃ〜。ニャンがよく確認した、問題にゃい、心配せず食べていいにゃん。」夕日が空から消えた後、月が静かに昇り始めた。【伊吹】 「今夜はここに泊まるしかなさそうにゃ。」【晴明】 「……」 |
猫桜の旅・三
猫桜の旅・三ストーリー |
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【伊吹】 「陰陽師、もう三日目にゃん。陰陽師は平気でも、ニャンはもうこれ以上ここにいたくないにゃん。依頼の件は全く進んでいないし、それに……あの子狐の式神のことは心配じゃにゃいのか?」【晴明】 「小白のことなら、霊力でずっと様子を確認しているから、心配はいらない。ここ数日はずっと大雨だから、山を下りれば、ずぶぬれになってしまう。だから山の中に留まり、陰陽道の古書を研究して、のんびりした日々を楽しむのが得策だろう。」二人が話している時、ずっと黙っていた陰陽師が興奮気味に筆を置いた。【怪しい陰陽師】 「拙者の占いによると、今日は「あれ」を探すのに適した日です。」【伊吹】 「ん?本の虫だと思っていたけど……お前、普通に喋れるにゃん?」【怪しい陰陽師】 「え、それはどういう意味ですか?」【伊吹】 「今まで文字を通じて意思疎通していたから、口がきけないんだと思ってたにゃん。」【怪しい陰陽師】 「本を読む時は「私語禁止」ですから、仕方なく文字という交流方法を使いました。ははは、しかしまさか誤解されてしまうとは。実に可笑しいですね。」【晴明】 「そうやって平和に数日を過ごしたんだ。確かに可笑しな誤解だ。」【怪しい陰陽師】 「ここは辺鄙な山奥で、お客なんてあまりいらっしゃいません。ですから……客をもてなす礼儀すら忘れてしまいました。」【晴明】 「陰陽師様は本当に陰陽道に造詣が深い。この複雑な法陣の数々、都の陰陽師であってもなかなか目にすることができないだろう。」【怪しい陰陽師】 「ははは、それはちょっと褒めすぎです。拙者がここに隠居しているのは、ただ好きな陰陽道を研究したい、それだけの理由です。ああそれと、拙者のことは、気軽に武と呼んでください。」【武】 「陰陽師様のお名前も、伺ってもよろしいですか?」【晴明】 「私は都から来た陰陽師の晴明、こちらは伊吹だ。」【伊吹】 「にゃ~お~。」【武】 「晴明殿か……あはは、面白い猫の式神をお連れですね。拙者の庭院は少し寂しすぎるきらいがあります、拙者も面白い生き物を飼うべきかもしれません。」【伊吹】 「本当に失礼な人にゃん、ニャンを普通の式神と間違えるでにゃい。」【武】 「……これは失礼しました。」【伊吹】 「本の虫くん、さっき何かを探すと言っていたけど、一体何の話にゃん?」【武】 「この山には「遺念火」という不思議な霊物があります。一定の間隔を開けて、拙者はその在り処を占い、そして探しに行くのですが、いつまで経っても見つけることができません。」【晴明】 「「遺念火」……聞いたことがある。噂によれば、それは極端な思念から誕生するらしい。武殿は、なぜその霊物に興味が?」【武】 「ははは、拙者はそれが不思議なものだと聞いて、新しい研究に使えるかもしれないと思ったまでです。お二人も興味があるようでしたら、拙者の雨避けの術を使って、共に探しに行きましょう。」【伊吹】 「雨の日は、昼寝するに限るにゃん。でも晴明がその気なら、付き合ってあげてもいいにゃん。」【武】 「晴明殿はいかがですか?」【晴明】 「「遺念火」か、確かに気になるな。伊吹が休みたいというのなら、我々二人で行こう。」【伊吹】 「ふん、さっき大雨を言い訳に山を下りないと言ったばかりなのに、今度はあっさり出ていくんだにゃん。」【武】 「ははは、どうやら伊吹殿へのおもてなしが足りなかったようです。」武がそう言うと、伊吹の前に煮干しが出現し、忽ち部屋中に美味しそうな匂いが立ち込めた。【伊吹】 「にゃ〜、煮干し、煮干し……」伊吹が歓声を上げた。武が晴明に雨避けの術をかけ、二人は大雨の中に消えた。【晴明】 「武殿はなぜ山の中に隠居するほどに、陰陽道の研究に執着しているんだ?」【武】 「あくまでも趣味です。」【晴明】 「それだけか?」【武】 「晴明殿のお顔を見る限り、この答えでは納得していただけないようですね。」【晴明】 「武殿は長年隠居しているが、陰陽道に関しては普通の陰陽師の比ではないほどお詳しい。陰陽道が趣味だということは、わざわざここに隠居する理由にはならない。」【武】 「ははは、やはり晴明殿は鋭いですね。そういうことなら、取るに足らない話をお聞かせしましょう。ただし、拙者の話を聞いて……笑わないでくださいね。」雨避けのために洞窟に入った武と晴明は、すぐに術を使って火を起こした。【武】 「ここに来る途中、晴明殿はきっと麓で神社をご覧になられたと思います。」【晴明】 「神社か、確かに見かけた。」【武】 「あの神社の巫女、心雅と拙者は、もう長い付き合いです。彼女の双子の妹である心桜は、かつて拙者の恋人でした。幼い頃、拙者は心桜と心雅が住んでいた村に行き、妖怪を退治したのですが、その時に傷を負ってしまいました。そして傷が治るまで、心桜が拙者の世話をしてくれました。別れる時、拙者は彼女に必ずまた会おうと約束しました。しかし大人になった心桜は、神社の巫女になりました。いつも仕事に追われていた彼女に、拙者と会う時間はほとんどありませんでした。その後、心桜が神社を去り、行方不明になったと聞きました。それを聞いた後、意気消沈した拙者は一族の元に戻り、陰陽道の研究に明け暮れました。ふっ、研究に明け暮れたと言えば聞こえはいいですが……実のところ、それに逃げていたと言うべきかもしれません……拙者は一生懸命に様々な陰陽道を学び、彼女の行方を突き止めようとしました。ですが拙者の霊力はとても弱く、結局何もできませんでした……周りの人々は拙者に気を遣って彼女のことを口にしませんでしたが、拙者はようやく気が付きました。彼女はもう……いないということに。その後、一族を去った拙者は、心桜と出会った村で隠居することにしました。古書を読んでいた時、伝説の「遺念火」を手に入れれば、その地で起きた過去の出来事を再現できることを知りました。心桜がここを去る前に何が起きたのか、分かるかもしれません……例えそれが無理だとしても、もう一度昔の彼女に会うことができます……」雨が徐々に収まり、森は再び静けさを取り戻した。ただ時折、薪の爆ぜる音が聞こえる。【晴明】 「つまり日々陰陽道の研究に明け暮れているのは、もう一度心桜さんに会いたいからなのか。」【武】 「そうです……でもそれが全てではありません。拙者は子供の頃から、珍しい術の研究に目がありませんでした。ちょうど家に古書がたくさんありましたから、いつも家の中に引きこもっていて、人と交流することはほとんどありませんでした……そしてここで心桜を探す中で、拙者は少しずつ偏屈に、極端になっていきました。村人は拙者の研究を理解できません。日が経つにつれて、拙者は「怪しい」印象を持たれるようになりました。今日はもう遅いですから、今日中に「遺念火」を見つけることは難しそうです。しかし晴明殿に拙者の気持ちを打ち明けられたことは、思いがけない収穫でした。」 |
猫桜の旅・四
猫桜の旅・四ストーリー |
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【武】 「雨も収まりつつあります。晴明殿はもう何日も山にお泊まりなられていますが、ご家族はご心配ではないでしょうか?そろそろ麓までお送りしましょう。」【晴明】 「武殿は我々に「帰って欲しい」ということか?心雅さんと長い付き合いなら、共に山を下りて、彼女に会い、昔話に花を咲かせるのはどうだ?」【武】 「そうしたいのは山々なのですが。拙者の未練を晴らすまでは、彼女に合わせる顔がありません。」武が呪文を唱えると、洞窟の様子が一瞬にして変化した。周囲には以前書斎で見た複雑な術が浮かび上がり、怪しい光を放っている。【武】 「すみません、またとない機会なので……晴明殿、拙者の願いを叶えるために、霊力を貸していただけませんか?」霊符を手にした武が、前に出て晴明に術をかけようとした時、晴明は扇子を閉じ、霊力を放った。【晴明】 「これが武殿の執念か……」狭い空間で二つの力が激突し、その余波が武を外に飛ばした。しかし周囲の法陣は消えなかった。青い炎が武の目の前で燃え上がり、少しずつ少女の姿に変わっていった。【晴明】 「やはり予想通りか……これこそが、武殿が禁術を研究する理由だろう……」晴明が扇子を軽く振ると、純粋な霊力は強靭な結界となり、自我を持たない少女をその中に閉じ込めた。【巫女心雅】 「妹の魂を返しなさい!」【晴明】 「心雅さん?」【巫女心雅】 「私の目には何も見えませんが、霊力で感じることができます。妹の魂は、すぐ近くにいると……そう、手を伸ばせば届くほど、近いところにいます。あなたは……その「思い」を言い訳に、妹の魂をいつまでもこの地に縛り付けている……」【武】 「心雅……最初から知っていたのか……」【伊吹】 「にゃお〜、ニャンが心雅さんを連れて来なければ、一体どうなっていたことかにゃん。この本の虫は大陰陽師に奇襲をかけて、霊力を奪うつもりだったのにゃん。まあ、陰陽道の原理だけで言うと、そのやり方なら別に体に悪影響はにゃいけど。でもそういうやり方は、実に気に入らにゃい……」【晴明】 「しかし武殿の行動によって、「遺念火」が呼び起こされた……極端な思いから誕生し、禁術に囚われている魂によって現れた。しかし肉体という依代がなければ、あくまでも自我を持たない抜け殻に過ぎない。」【武】 「すみません……拙者は晴明様の霊力を借りたい一心で……少しの間でもいいから、心桜の魂を呼び起こしたかったのです……こんな機会は一度しかありません、せめて……あの時口にできなかった言葉を、彼女に伝えさせてください。」【伊吹】 「本の虫くん、悲しんでいる場合ではにゃい。早くその惨めな顔を何とかして、頭を上げるにゃん。」晴明の霊力が少女を閉じ込めた結界に流れ込み、まぶしい光が消えた。そして少女は、少しずつ自我を取り戻した。【巫女心桜】 「心雅姉さん、心雅姉さんなの?それに……武……」【武】 「……心桜!」【巫女心桜】 「武、私よ。でも私はどうしてここに……あなたの姿、昔と変わらないのね。久しぶり。あなたの「陰陽秘術」はもう完成したの?忘れてないよ、あなたの夢は陰陽道の術を専攻する学士になることだって……」【武】 「心桜……拙者は……拙者は片時も陰陽道の研究を諦めなかった……あなたと共に、妖怪退治という重荷を背負うため……でも一歩遅かった……あの時、拙者がもっと強ければ……もしかしたら……もしかしたら……あなたを守り抜くことができたかもしれないのに……拙者が弱かったせいで……すまない……すまない……すまない……あなたを幸せにしてあげられなかった……」【巫女心桜】 「そんなこと言わないで。妖魔と戦い、村を守るために命を落としたことを、後悔なんかしてない。もう一度あなたに会えなかったことは、本当に残念だったけど……あなたの気持ちは、ずっと知っていたから……だから謝らないで。」心桜がゆっくりと心雅の前まで歩いていく。心雅の顔に触れようとしたが、諦めてその場に留まった。【巫女心桜】 「心雅姉さん、もう一度心雅姉さんに会えて……私はもう満足。」【巫女心雅】 「心桜……」心雅が前に手を伸ばすと、心桜もまた手を伸ばした。心桜の指は心雅の手をすり抜けたが、それでもなおその手を握り締めた。【晴明】 「心桜さんの放つ光が弱まっている。もう消えてしまうのか……」【巫女心桜】 「最後に一つだけ、言いたいことがあるの……」心桜は武に目を向け、笑顔を湛えて手を伸ばした。【巫女心桜】 「武なら、きっと皆の期待に応えて、学んだことを生かし、村や神社を守る責任をこれからも全うできる。そうでしょう?」彼女に応えるように、武は優しくその透明な手を「握り締め」、優しく口づけした。【巫女心雅】 「光が消えた……心桜……」 |
猫桜の旅・五
猫桜の旅・五ストーリー |
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雨が止んだ後、一行は武の庭院に戻った。出発する前、武は心桜が消えた場所に小さな墓を建て、桜草を一本供えた。執念から解放された武は、心雅と共に、麓の神社で神主としての務めを果たすと決めた。……出発前の朝。【伊吹】 「本の虫くん、なんでここに突っ立っているにゃん?」【武】 「山を下りたらもう庭院の花を見ることができないと思うと、なんだか寂しい気持ちになったのかもしれません。」【伊吹】 「にゃ〜、そんなに未練があるなら、ここに残って一生「遺念火」とやらを探してればいいにゃん!」【武】 「ははは、麓の神社に住んでも、たまにはここに戻ってきて手入れしますよ。」【武】 「それに、庭院に紙人形を残していきます。留守番は彼らに任せます。」【武】 「今後、拙者は陰陽道で人々を守り、必ず陰陽師として、そして神主としての責任を果たします。」【武】 「(心桜もきっと、喜んでくれるだろう。)」武と巫女心雅と共に山を下りたあと、晴明と伊吹は神社の裏山にやってきて、草地に腰を下ろし一息ついた。【晴明】 「伊吹、何か大切なことを忘れていないか?」【伊吹】 「にゃ〜、煮干しが美味しいにゃん。」【伊吹】 「ニャンが何か忘れたりするわけないにゃん。陰陽師の勘違いにゃん。」【晴明】 「……」【晴明】 「実のところ、武も心雅心桜姉妹も……」【晴明】 「全て過去の幻に過ぎない。」【晴明】 「そしてここも隠世の里などではなく、伊吹が作った世界だ。」【伊吹】 「……陰陽師、いつから気付いていたにゃん?」【晴明】 「強いて言うなら、武の庭院に入った時からだろうか。」【晴明】 「その後、書斎の壁に書かれている難しい記号を目にした時、それは全て難しい陰陽道の術だと気づいた。」【晴明】 「中には昔の文字のようなものも混じっていた……」【晴明】 「そして「遺念火」の出現に気づいた時、真相が見えた気がした。」【晴明】 「この地に残る魂は、無念があるせいでここから出ることができない。だから伊吹は「遺念火」という名で、彼らを導いている。」【晴明】 「無念を晴らした時、彼らは自然と成仏できる。」【晴明】 「だとすれば、霊力を持たない、または霊力の弱い一般人は……」【晴明】 「無念を晴らすために、全てを掛けねばならない。」【晴明】 「幸い、彼らは皆無事に自分の願いを叶えることができた。だから生まれ変わる時にも、きっと笑顔でいられるだろう。」【晴明】 「全て伊吹のおかげだ……ありがとう。」【伊吹】 「陰陽師、どうやら成長したようだにゃん。」【伊吹】 「今回の「依頼」の結果について、ニャンはとても満足しているにゃん。」伊吹がそう言うと、周囲の景色が変わり始めた。瞬く間に、二人は再び山の林に戻った。白蔵主は目をこすり、大きな欠伸をした。【白蔵主】 「セイメイ様?」【白蔵主】 「小白はさっき……寝てしまったようです……」【伊吹】 「若き子狐よ、魚餅は美味しかったかにゃん?」【白蔵主】 「セイメイ様、何があったのですか?」【白蔵主】 「なんだか……小白は長い長い夢を見ていた気がします。」【白蔵主】 「夢の中に、太い猫みたいな山が出てきました……」【晴明】 「では、伊吹……」【晴明】 「もとい、「墓守り」伊吹と呼ぶべきだな。」【晴明】 「あの古の陰陽術には、一体どういう意味があるんだ?」【伊吹】 「人間にはこんな諺があるにゃん、「一を聞いて十を知る」。」【伊吹】 「天才陰陽師と呼ばれるお前には、もう分かってるんじゃにゃいか。」【伊吹】 「その「答え」は、お前自身が見つけるべきにゃん。」【伊吹】 「それに、ニャンたちは長い付き合いだから……ほら、陰陽師も分かっているはずにゃん。」【晴明】 「……分かった、伊吹。」晴明が扇子を振ると、目の前の机に懐かしい料理がいくつか現れた。美味しそうな煮干しももちろんそこにある。【伊吹】 「隠居していた陰陽師に初めて会った時に食べた料理にゃん。」【白蔵主】 「何の話ですか?隠居していた陰陽師って……」【伊吹】 「悪くないにゃん、今後ニャンが煮干しに困ることはなさそうにゃん、陰陽師。」一本の煮干しをゆっくりと平らげて、伊吹はにこにこと目の前の料理を眺めている。夕日の残照を浴びながら、静かな林では鳥の囀りだけが聞こえる。まだ夢を見ているのか、それとも休みを楽しんでいるのかすら曖昧になっていく。 |
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